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全国的な学力調査に関する専門家会議(平成29年6月12日~)(第3回) 議事要旨

1.日時

平成29年11月28日(火曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省 東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成30年度全国学力・学習状況調査における質問紙調査について
  2. 平成30年度全国学力・学習状況調査の実施について
  3. 全国学力・学習状況調査における教科に関する調査について
  4. その他

4.出席者

委員

耳塚座長、福田座長代理、大津委員、片平委員、鎌田委員、齋藤委員、柴山委員、清水(静)委員、髙木委員、田代委員、土屋委員、戸ヶ﨑委員、長塚委員、針谷委員、淵本委員、渡部委員

5.議事要旨

議事1:平成30年度全国学力・学習状況調査における質問紙調査について

・資料1-1、資料1-2に基づき、事務局より説明の後、意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。

【委員】
基本的には質問紙項目を整理していくのはいいと思う。毎年経年変化を見るものと、それから隔年で見るもの、こういったものを整理・統合してやっていけばいい。

【委員】
共通に毎年みる項目と、間を開けてみる項目を分ける際には、例えば6年生で全国調査を受けた小学生は3年後に中学生で受けることなどを踏まえ、子供の変容がしっかり把握できるよう整理していけばいいのではないか。

【委員】
児童生徒質問紙については、1日の試験で疲れた後に大量の質問項目に子供たちが答えていくというのは負担が大きい。実際現場の方でも大変だという声は出ている。学校の質問紙も、業務改善負担軽減という視点からも大事だと思う。
質問の項目によっては、自治体の教育振興計画の指標になっているものや、学校経営のマネジメントのメッセージとしての機能を持つものもあることから、そういった観点からも検討が必要ではないか。

【委員】
教育振興基本計画の検討の際には、アントレプレナーシップの教育や、イノベーション人材の育成というようなことについても注目されて踏み込んだ議論がされている。来年度は理科の調査の年であり、是非質問を充実させるという意味で、こうしたことについても入れていただけるよう検討いただきたい。とりわけ、次期学習指導要領のキーワードになる文言、特に3つの資質・能力のうちの「学びに向かう力・人間性等」に関わるところは、学校現場への直接的なメッセージとなり、大きな影響があるのでミスリードが起きないよう慎重に前向きに検討していただきたい。

【委員】
マニュアル上、小学校は20分~40分、中学校は20分~45分程度と幅があるが、各学校での対応状況は把握しているか。

【事務局】
各学校の実態について、定量的にデータをとったものはないが、現場の先生方からは、ちょっと時間的に厳しいという意見や、子供たちもテストを受けた後なので、かなり疲れているなど、質問数が少し多いということに関しては、学校訪問等の際にお聞きしている。

【委員】
質問紙の調査の項目は年々増えてきて、実際に学力調査が終わった後でこれを回答するというのは、解ける子どもはいいが、必ずしもそういう子どもばかりではないので、かなり負担があると感じている。

【委員】
質問紙に関して、子供たちが答えている状況と、校長先生が学校質問紙で答えた幾つかの項目の中にずれがある。質問数を精選する際に、子供たちの実態と校長先生方の実態のずれを、どの項目で見るかということも、ひとつ軸に置いてもらえるとありがたい。
学力調査をどのように教員の研修に生かしていくのかという視点は大変重要である。校内研修だけでなく、近隣の学校の研修会など、外部の研修に参加する環境を校長が整えている等の項目も考えていただけると有り難い。

【委員】
研修について、神奈川県の例で言うと、茅ヶ崎市などは小中一緒になっている。中学校は教科で分かれていない学校全体の研修がかなり進んでいる。研修の回数などよりも、こうした具体的な質にかかわることを少し聞かれた方が、数字で出てきたときに、何ができていないかなどがはっきり見える。その辺り工夫していただければと思う。 

議事2:平成30年度全国学力・学習状況調査の実施について

・資料2に基づき、事務局より説明の後、各委員より意見を伺った。主な意見は以下の通り。

【委員】
今回の予備調査については、参考資料の表にあるとおり、時間がせっぱ詰まって、学校でも忙しい中さらに忙しくなるような形で実施していただくことになるので、実施運営上の問題がないように、それを見るということが一つの大きな課題になると思う。問題が起こったときに速やかに対処できるように、最初からかなりある程度予想して、十二分に準備していただきたいと考えている。
また、得点を見て結果だけを見るというのではなくて、問題を使って、さらに指導を改善していくという、テスト自体が教育的意義を持つことが大切になると思う。うまく設計して、子供自身が学力調査を受けて、ああ、よかったなと1人でも多く思ってもらえるような、そういうテストであるべきだと考える。

【委員】
来年が抽出校で、それから31年が全国で実施と、3年生がやるわけだが、特に、実質施設の問題。課題が幾つかあると思うが、施設の問題と、それから対応する教員のスキルの問題もある。例えば英語科が対応するのか、あるいは英語科以外の者が加わって対応するのか。授業時間でやる場合には、待機生徒をどうするのかということ。待機生徒をどうやって対応するのかというのは、学校の方も大分苦慮が出てくるので、そんなところも含めて適切にできるような準備をしていく必要があると思う。

【委員】
私の理解では、タブレットはスピーキングに主に関してで、タブレット型の、例えば学校1つにつき30台、40台を貸与していただいて、30人、40人一斉に受ける。その後に、ローテーションで変わっていく。そこのタイミングが問題。生徒が集中してできるようにすることは、十分注意してし過ぎることはないと思う。その辺が今回大きな課題になると思う。スピーキングばかりが話題になってしまうが、ほかの3つの技能もとても大切であるので、その辺も是非よく見ていただければと考えている。

【委員】
スピーキングや以前試みた理科の実験などパフォーマンスアセスメント系の調査というのは、コストと時間が非常にかかる。日を分けて2日、例えば理科と英語の日をまた別に分けてということを考えているのか。また、スピーキングにしても理科にしても、採点に時間が掛かると思うが、今までの年間スケジュールに遅れが生じるのではないかとの不安がある。

【事務局】
来年度の英語調査の予備調査については、英語の調査をまずこういう4時間の範囲で収めて実施できるか。大きな学校、9クラスぐらいある学校でも、そういうやり方で回せるかということを一つ検証するというもの。
また、調査全体の日程については、国語や数学の調査の形を今回の指導要領の改訂を踏まえて、どのように見直していくかに関わる問題であり、本専門家会議での議論も踏まえながら、これから検討していきたいと考えている。

【委員】
あくまでも英語だけに絞って来年度、独立に試行実施し、どういう形で実施すればスムースで、全体調査の中にどう組み込むかというのは、次の話になるという理解でよろしいか。

【事務局】
はい。

【委員】
この英語調査の結果は、公表されるのか。もし公表するなら、ほかの国語、算数・数学と違って、英語は経年変化を見られるような形での結果になると思う。次の31年度と比較されかねない。その辺り注意した形の公表が必要かと思う。

【事務局】
現時点での考え方では、調査問題、問題については公表ということで考えている。その趣旨としては、実際の予備調査を各県2校ずつ程度ということで実施することにより、その31年度の際の英語の本調査がどういう形で行われるのかということを、ある意味アウトリーチするということを含めて、体制と内容を含めて公開ということで考えている。ただ一方、結果ということに関しては、現時点では公表ということは考えていない。理由としては、サンプルが、アウトリーチを念頭に置いているので、全国のサンプルとしては基本的に意味のある数字にはならないということが基本的な背景。基本的に問題は公開、オペレーションについても公開。ただ、結果については出ない。

【委員】
この調査に関しては、学校現場、教育委員会ともに大変な関心があると思う。その際に、中学校英語だけではなくて、小学校の英語も接続という部分で関心もあるということを考慮しながら考えていかなくてはいけない。 

 議事3:全国学力・学習状況調査における教科に関する調査について

・事務局より、資料3に基づき、事務局より説明の後、意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。

【委員】
新しい学習指導要領に即した新しい問題開発という側面で非常に重要だと思うのは、資料の中に書かれている「新学習指導要領は3つの柱に基づき再整理」ということ。資料下段で相互に関係し合いながら育成されるとされている「資質・能力の3つの柱」というのが、この3つの柱に該当すると考えていいのか。

【事務局】
資質・能力の3つの柱に関しては、資料3の4上の方に書いてある「知識・技能」、「思考力、判断力、表現力等」と「学びに向かう、人間性」のことを指しているという理解である。

【事務局】
今後の問題作成や結果の分析について、そうした今次改訂の方向性を十分踏まえて、その趣旨を大事にして、整理していきたいと考えている。

【委員】
全体として、ある程度コンパクトに実施できるような内容の整理というものを念頭に置いて、それぞれA問題、B問題がどういう機能を果たしてきたかという整理をしてもいいのではないかと思う。A問題、B問題という名前にはなっているが、ちょっと作題の意識も変わって、質が変わってきている可能性もあると思う。

【委員】
A問題について言えば明確なエビデンスがあるものとないものとがあるけれども、底上げは図られてきたのではないかと思う。B問題に関しては、PISA型の学力、いわゆる活用力というものを学校現場に導入するときの混乱のようなものは、18年度当初の頃の方があったのではないか。B問題をやることによって、こうした学力観を学校現場に浸透させていったという全国学力調査の役割は非常に大きいものがあったと思う。ある意味、A、Bと分けたことによる、一定の役割は果たしてきたと思う。

【委員】
従来のような意味でのA、Bの区分は、もう少し考え直した方がいいと思う。例えば国語で言うと、「情報と情報との関係」という新しい「知識及び技能」の部分があるけれども、抽象的には知識を問いにくい事項なので、従来のA、Bの区分だと扱いにくいかもしれない。むしろ従来で言えばB区分のようなところで問う方がいいような部分もある。習得と活用というような分け方をしてきている部分があるけれど、習得するためにはやはり活用しないと習得できないというところもある。

【委員】
全国学力・学習状況調査の全体を考えたときに、学力調査と学習状況調査は一体となって設計されるべき。その際、最近注目されている我慢する力、グリットなどの力は、質問紙調査の方で聞いて、いわゆる学力というのは学力調査の方で聞くという役割分担が重要になってくると思う。
また、国語の中で、数学で問うような情報と情報の関係を直接尋ねたり、ロジカルなステップを問う問題などは、非常に問題開発が難しいが、学力の三つの柱や教科間の重なりなど常に全体や相関関係をデータで実証的に見ながら問題開発をしていった方がいいと考える。

【委員】
学校現場としては、仮にA、Bを一緒にしたときの単位時間。50分でやるのか90分でやるのか、どうなるのかに関心がある。

【座長】
現在は、それ以前の段階かと思う。ただ、おっしゃっていることは非常に重要な点を含んでいて、仮にA、Bと分けていたものを1つにしたとすると、全体の問題量として不足が出てきてしまうという可能性もないわけではない。もうちょっと先で議論することになると思う。

【委員】
算数・数学のA問題は、よくできる問題と長年課題の残っている問題と2つに分かれているように思うので、A、Bを一緒にするといったときには、課題性のある問題をどのようにチェックしていくのかということについて配慮しなくてはいけないと思う。
B問題についての結果を見ると問題文の理解を確認するような小問ではいいが、理由を説明する、いわゆる記述式の問題についてはかなり低い。それを合わせてB問題の平均としているので、B問題についての結果の本質がピンぼけになっていると思われるので、結果の示し方について工夫する必要がある。
また、次期学習指導要領では、教科目標や内容の示し方などで現行のものを更に精緻化し構造化して分かりやすくしているので、問題作成の考え方も、これまでのものを組み込みつつ再構成して欲しいことがまず一つ。
2つ目は、現在の「知識」についてのところで、「後の学習に影響を及ぼすタイプの問題」は、やはりしっかりと身に付けていただかないといけないので、これらをどういうふうに位置付けていくのかということと、知識や技能は、問題発見や解決の過程で活用する文脈ではたらいてこそ意味があるという方向に進んでいるので、B問題との絡ませぐあいにもっと踏み込んで重点的に調査をしていく必要がある。
最後は、先ほどの学びに向かう力との関係について、一時期B問題について質問紙を用意して、例えば無解答が多いような場合に、なぜかというのを問うたことがあったと思う。これは質問紙項目として分けてみることも調査方法としては必要だが、本問にくっつけて分析できるようにするなど、問題作成及びその枠組みに配慮して、よりよい仕組みを検討していただきたい。

【委員】
A問題とB問題を統一するという議論が出ているが、理科では、既に両方一緒の形で調査が行われている。そこには、いろいろ苦労した点、あるいは、一緒にしたことによって出てきた成果があると思われる。是非今後、理科の問題作成者と、国語、算数・数学の作成者の方々で、それらを共有されると良いと考える。
加えて、理科の今後の問題作成に関しては、一体化した問題の中に、新学習指導要領の新しい評価の3観点(註:「知識・技能」「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」)を加味して作成してほしいと思う。

【委員】

各県の独自の調査では、国と同様にA、Bで行っている県もあれば、一体として行っている県、A、B、Cとしている県もある。国の調査も活用しながら県は県としてこれまで積み重ねてきたものを生かしながら行っている。

【委員】
今回、学習指導要領が変わって、これから移行措置に入っていく中で、学校が一番気にしている、考えなくてはいけないのは、授業改善。その中で今回の3つの柱に基づいて、授業をどう構成していかなければいけないかというところが、既に始まっている。今回、A,Bを一体化するということになれば、非常に学校にとっては授業を見直すいい機会になると思う。余り学校の授業から調査の内容が乖離しないようにということは、是非お願いしたい。

【委員】
教科の調査区分の検討は、それ単体だけで考えることは難しい。育てたい資質・能力というものがあって、それを日本の教育が育てられているかどうかを調査するわけだから、そのために必要なことは何があってもやらなければならないし、そうでなければ無理をする必要はないし。要は、今後の日本の教育のグランド・デザインということになるわけで、この点では次の日本の教育の方向性を示している中教審であったり教育課程課であったり、それからそれを評価するこの専門家会議や調査室であったり、それぞれ別々ではなく、本当は一体化して、もっと大きなワーキングをつくるといったことも考えていかないといけないのではないか。

議事4:その他

・事務局より、参考資料(平成28年度学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究概要)に基づき、事務局より説明後、意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。

【座長】
委託研究の結果をきちんと受け止めて、生かしていくということが重要であると思う。本日、ホームページにデータが即座に掲載されるということだが、機会があれば、こういう研究成果があるということを広く周知していくということが重要であると思う。

【委員】
岐阜大の研究であるが、例えば39ページ、学力代理変数ということで、「主体的・対話的で深い学び」、「セルフコントロール」が.64、.23ということで、プラスの方向で効いているというのは、納得のいく経験的にも妥当な結果だと思う。

【座長代理】
報告書を読んだときに、皆さんがその成果を受け止められるかどうかが重要であるので、例えばパンフレットのような形でエッセンスを提供できるようなものになっていくといいと考えている。また、こういう成果を更に踏まえて、発展的な研究へつながるような仕掛けというものがやはり必要で、これを受けて次にどんな研究が展開できるか、あるいは、学力調査の中で、何かこれからの方向性を示していけるかというような使い方を是非していただきたいと思う。

お問合せ先

初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)

-- 登録:平成29年12月 --