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全国的な学力調査に関する専門家会議(平成29年6月12日~)(第1回) 議事要旨

1.日時

平成29年6月12日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省 東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 座長の選任等(非公開)
  2. 会議における検討事項等
  3. 平成29年度全国学力・学習状況調査の実施報告等
  4. その他

4.出席者

委員

耳塚座長、福田座長代理、大津委員、片平委員、鎌田委員、齋藤委員、柴田委員、清水(静)委員、鈴木委員、髙木委員、田代委員、田中委員、土屋委員、長塚委員、針谷委員、淵本委員、吉村委員

5.議事要旨

議事1 座長の選任等(非公開)

・事務局より、座長として耳塚委員が推薦され、承認された。
・耳塚座長より、座長代理として福田委員が指名された。
・事務局より、資料2に基づき、会議の運営について諮られ、原案通り、決定された。

議事2 会議における検討事項等

・議事2に先立ち、座長より就任の挨拶として、以下の4点について、特に検討していきたいとの御発言があった。
1)調査方法の不断の見直し
2)調査結果の公表と返却
3)新学習指導要領の改定を踏まえた学力調査の在り方
4)個票データの利活用
・事務局より、資料3-1、3-2に基づき、検討事項及び当面のスケジュール等について、説明を行った。
・引き続き、事務局より、資料4に基づき説明があった後、ワーキンググループの設置が諮られ、原案通り、承認された。

議事3 平成29年度全国学力・学習状況調査の実施報告等

・資料5-1から資料5-3に基づき、事務局より説明の後、意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。

【委員】
過去の調査で見られた課題を踏まえた問題を出題するということは現場へのメッセージ性という意味でとても重要だと思う。ただ、4分の1ぐらいがこの問題になると、とても難しい調査の作りになり、平均正答率が下がると思われる。また、分布全体も左に寄り、右側においてかなり高い学力層まで識別する形の分布が想定される。そのため、平均正答率が下がったからといって学力が落ちたという誤解を招かないように報告することが重要だと思う。

【事務局】
御指摘のあった点については、調査結果報告書の形で報告する際にも、報告としての伝え方にも十分に留意して丁寧に伝えていきたい。

【委員】
問題作成は本当に大変な仕事なので、作成の関係者、国立教育政策研究所には敬意を表したい。資料で紹介されている問題は、特徴的な問題例と書かれている。中には課題に対応している問題もあると思うが、基本的には特徴的な問題が掲載されているという認識で良いか。

【事務局】
はい。

【委員】
とすれば、課題の問題も専門家会議としては目を通しておいた方がいいと思う。そのため、改めて資料として頂きたいと思う。

【事務局】
承知した。

議事4 その他

・初回開催にあたり、各委員より意見を伺った。主な意見は以下の通り。

【委員】
新しく告示された学習指導要領を見ると、小学校・中学校の総則に「学級経営の充実」という文言が記載されているので、指導要領の新しい総則に書かれた文言がきちんと調査に反映され、学校に対していろいろなメッセージ性を提供できればということを期待している。

【委員】
改善方策のなかでも、特に大学等の研究者へのデータの貸与・公表が重要と思われる。今後、これまでの分析の視点以外の様々な立場からの新たな視点が入る。その際、データの性質が正しく理解されないまま分析が進むと、誤った解釈がなされる可能性がある。この問題の根本的な解決策は見出されていないので、そのような仕組みを新たに構築する必要があると思う。
今回書かれなかった点の中では、1点目は調査対象についてで、これまでの学力調査を悉皆で行うことをメインに、それに対する附帯調査として、他学年への調査も実施できれば良いと思う。2点目は、教員の資質の向上についてで、これから先生になっていく方も含めて、学力調査を利用した教員の資質向上の取組もあれば良いと思う。

【委員】
スピーキングはパフォーマンス評価であるが、教員はこれまでパフォーマンス評価の経験がなかったので、この調査を通してやり方や取り組み方がわかるという点が、非常に効果があることが分かったと思う。次期学習指導要領では、「何ができるようになるか」ということが求められており、パフォーマンス型の評価が重要になってくることから、全国学力・学習状況調査においても測るための準備をする必要がある。一方で、PISA型のテストなどではCBT方式に切り替わっていることもあるので、これらを受けて、全国学力・学習状況調査においてもICTの導入することも良いのではないかと思うが、そのためにはまず、ICT導入のための環境整備が必要だと思う。
また、学力の3要素である学びに向かう力、人間性などについて、質問紙調査の項目をルーブリック型へとすることや、資質・能力の面から学びに向かう力の度合いを問うというような内容の質問紙調査へ変えることによって調査できるのではないかと考えている。

【委員】
1点目は、全国学力・学習状況調査において、次期学習指導要領を具体化し、子供たちの学力向上に向けて指導改善していくことについては、学校が取り組んでいくことは難しいと思っている。
2点目は、今年行われた保護者調査の結果を、学校として受け止め、どのように学力改善に役立てることができるのかを、学校が調査結果を使いやすい形で理解し、改善を進められるよう、学校現場だけでなく、本会議でも御議論いただきたいと考えている。
3点目は、学級を単位とする調査結果の活用についてで、学級には様々な要因があるため、学級を単位とする調査結果がどのように学力向上の策としてつながっていくのかということや、教員の資質・能力の向上にどう生かされていくのかということについて御議論いただきたい。それらを学校としても真摯に受け止め、学校の教育力の向上に向けていきたいと考えている。小学校としては、調査が非常に膨大であることから、日々の授業の中で調査結果を活用していくことが難しいという実態が発生している。公表時に結果の解釈について分かりやすい形で説明されると、本来の調査結果の活用の部分で大いに有効になると思っている。

【委員】
1点目は、正答が複数ある問題に対し、正答例が一つしか書いてない問題が見受けられる。国立教育政策研究所が考えられるすべての正答例を提示して、多くの正答例を示してもらえるとありがたい。そのことで学校現場が、例えば、「授業の中でもう一度みんなで解いてみよう」となったり、子供たちは、「僕はこう答えたけど、君はこっち?」となったりと、対話的な学びに繋げることができる。
2点目は、一つの意見として、今回の国語の問題を見ると、問題の本論に入るまでに2,200字程度読まなければならず、この文字数は大変多いと考えられる。これでは、途中であきらめてしまう子供たちも数多く出るという意見があがっている。学びに向かう力の中には、しっかりと粘り強く考えていく資質が重要だと思われるし、さらに、日常から活字離れをしないよう、しっかりと読書などの対策に取り組んでほしいというメッセージ性もあって、あえて行っていることも理解している。ただし、本当にこの分量が適切かについては、最後まで到達できないような子供たちの割合がどの程度例年に比べて増減したかということも含めて気になった。
3点目は質問で、今回中間段階でのデータについて、早期に都道府県を通して学校にフィードバックされたが、その際、設問ごとに平均点よりも20%上、あるいは下という形で結果が示されている。なぜこのような提供方法をとったのか。

【事務局】
各設問の正答割合を0%~20%、20%~40%、40%~60%、60%~80%、80%~100%の範囲という、5段階に分けて提供している。ただし、この方法がベストかについては、未だ検討の余地があり、今回の提供の御意見を受けて改善を進めていければ良いと考えている。

【委員】
1点目は学級経営について、クラスの状態と学力がかなり関連していることが個人的な調査で分かっていて、このことから、今回学級経営に特に注目しようとしていることは、良い方向性だと思っている。
2点目は、学力の3要素のうちの態度についてで、入学手続き時の意識調査で、得意不得意について尋ねると、「表現することが苦手」と答える学生が半数近くいる。このように学力3要素のうち態度に関する要素が弱いように思える。
3点目は、ICTの活用についてで、コンピュータの使用と情報の読取整理という二つの技能は同時にスキルが付いていくものと考えられる。よって、予算がかかるとは思うが、情報機器の操作や利用方法について、小学校・中学校から力を入れるべきと思われる。それを学力調査に盛込むのは難しいと思うが、工夫をこらし、新たな調査法を導入する中で、調査することによって技能が身に付くというような在り方というのも将来的に考えられるのではないかと思っている。

【委員】
現在、全国学力・学習状況調査については、その規模の大きさから、様々な方から様々な要求があり、調査という仕掛け自体が肥大し、調査を実施することだけで精一杯になる恐れがあることを心配している。本来の主な目的は、全国一斉の取組である本調査の特色を教育改善に生かすのであれば、学校や教育委員会といった集団レベルに情報を返し、改善策を考えてもらうことだと考えられる。

【委員】
1点目は、どのようにしていい問題を作るかということ。今後新しい学習指導要領に移行するため、それの意図を十分に配慮した問題をどう作っていくかが課題となりうると思う。
2点目は、得られたデータをどう使うかということ。学校側は、フィードバックされた膨大なデータをどう扱えばよいか、どう読んでよいか分からないことがある。こうした問題を解決するために、今後、特にS-P表などのデータを出すときには特段の工夫が必要になってくると思う。

【委員】
1点目はデータの生かし方が重要である。どこまで行っても結果が独り歩きしやすい、エビデンスを求める声が強まる傾向がある中で、調査結果をどう生かすことができるかについて、不断の見直し、改善向上が常に求められる。その生かし方の行き着く先として、一人ひとりの教員の授業力の向上、授業改善を見落としてはならないと思っている。
2点目は、各教員の学びを支援、促進することである。授業には、担当教員の個人名がどこまでも張り付いたような個別性がある。その点で行けば、一人ひとりの教員がいかに自身を磨いていけるか、授業研究に取り組めているか、それがどのように保証されているかが問題となると思う。この点での、各教育委員会の方針、あり方を把握し、国として支援していくことが大切である。
3点目は、PDCAサイクルについてである。PもCも上の方では文部科学省となるが、実際的にはPが学習指導要領や中央教育審議会、Cは全国学力・学習状況調査になると思う。このPとCの主語の異なりに、時折、隔靴掻痒な思いを抱くことがある。PとCの一致、CをAに繋げる仕組みを将来的にはグランドデザインを描いて実現を目指すべきであり、それに向けて、今できること、例えば学力調査、教育課程、国立教育政策研究所の一層の連携強化等を強めていく必要があると思う。

【委員】
全国学力・学習状況調査においては、結果公表における数字が先歩きし、「うちはよかった、悪かった」といったイメージを抱くことがしばしばある。本来は、大きな割振りの中での行政に対する施策だと思うが、なかなか伝わっていないように思える。この問題は、児童生徒の保護者世代が、この調査を受けたことがないこともあり、学力調査という文言が独り歩きしてしまっている部分があると思う。そこで、学校の方から調査の対象や目的を保護者にうまく伝えながら、保護者が本調査の結果を参考にできる形での情報提供を行うと良いと思う。
また、保護者調査の結果を、保護者にも見られるとありがたいと思う。調査結果を保護者が見る機会や、情報を共有する機会をとることは難しいと思うが、これからは学校と地域、もしくは学校と家庭の繋がりが必要になるだろうし、学力は学校のみならず家庭からもさまざまな影響を受けることが指摘されているということを保護者に伝える工夫と、結果を受けた活用をしていただければと思う。

【委員】
アメリカの調査では、20世紀初頭、仕事に必要な知的な能力、抽象能力が求められる職業というのは3%。それが21世紀初頭になると35%に上がっている。職業に必要なスキルの抽象化がますます進んでいく次の時代を生きていく子供たちに、そうした側面を強調した学力を身に付けさせることは非常に大切だと思う。その意味でも全国学力・学習状況調査の果たす役割は重要だと考えられる。
ただ、学力・知的能力・適性、あるいはパーソナリティーも、物理的な実態は存在しないため、いわゆるテストにより数値化されたとき、その数値は必要以上に大きな力を持ちがちであることに注意しなければならない。調査方法の改善や、数値化のプロセス、ICT、AIなどを活用した学力のアセスメント・測定技術の開発といったことも視野に入れ、かつそれを担保できるヒューマンリソースを確保することも必要である。これらの課題自体が非常に大きく、複雑で難しいことから、これまでと同様、様々な立場・専門分野の委員が参加されている本会議にて、オープンで、かつ活発な議論ができればと考えている。

【委員】 
現行の学習指導要領は平成20年に告示され、その1年前から実施されている。その方向性を踏まえた記述式の導入については、当時はその実施自体に非常に大きな課題があった。それをこの調査でチャレンジして実際に物にしたことは、大きな成果である。よって、今後も出題・分析を含めて調査の改善進めていくことが、我が国の教育にとって非常に重要であると思う。
今回も新しい学習指導要領が告示され、平成32年度から順次実施となっており、その前段階から趣旨を反映していく方向は是非進めていただきたい。その際、問題作成については、その枠組みについて基本的な理念とA問題、 B問題についての枠組みが整理されているが、今のものにこれから目指す基準の重要な要素をどう付け加え、再構成していくかという視点で見直す必要があり、それらを踏まえつつ新しい問題の開発や、既にある枠組の中での問題の改善といったことに取り組む必要があると思われるので、可能であればそのようにチャレンジしていただきたいと思う。
教員の授業改善のためのノウハウを支える情報を提供することが、大きな課題と思う。全国学力・学習状況調査は、人間ドック的に基本的なことを全部チェックする調査だと思うが、現行の調査でうまくいかないものについては、現場のそれぞれのレベルにお任せするでは限界があるため、精密検査を行うことも併せて視野に入れるべきと思う。
また、集計について授業改善とか学力向上ということを考えると、詳細な類型で反応率を整理しているため、正答ごとの枠組みだけではなく、学びの水準という視点で、五つか六つくらいの状態に分析整理し、それぞれの段階から上げていくために、上がらない要因の特定や、その要因を除くための方策の研究も精密検査の一つとして取入れ、特に課題が明らかになっているタイプの問題については、手法を考えながら、チャレンジしていく時期かと思う。

【委員】
学力調査と子供の生活習慣が無関係でないということは指摘をされているとおりだと思う。「早寝早起き朝ごはん」という運動を通じて、学力との関係において、どう子供たちの自立を促していくのかということを、本調査結果を踏まえた上で考えていきたい。
また、保護者の置かれた状況は非常に多様化しており、子供の生活習慣にも当然影響を与えている中で、基盤となる家庭と学校の関係、地域の関係をどのように作っていくのかということについては、今回の調査結果を踏まえた上で、各学校や地域において、地域学校協働活動や家庭教育支援という形で、どこかで結び付けていけたら良いと考える。

【委員】
まず、調査問題のいい問題は作る必要があり、過去の国語問題を見ていても、作業能力を問うているのか、思考力を問うているのか、その両方なのか、よく分からないことも多かった。文字数などに関する目安なども作って、ある程度均質化された問題に整理することも改めて大事だと思う。
新学習指導要領の方向性を踏まえてどのように修正を加えるかということは大切だと思う。今回の改訂で、資質・能力の3観点で再整理されていることから、重なる部分も当然あると思うが、今一度検討する必要があると思う。
保護者調査への調査については、保護者にどうフィードバックするか、学校がそれをどう受け止めるかは、非常に重要な問題なので、引き続きさらなる充実を図っていく必要があると思う。また、子供に対する質問紙調査も、様々な調査研究が進むことで、さらに充実したものになっていくと良いと思う。
また、小中で全国学力・学習状況調査をばねにしながら授業改善を図っているが、高校にはまだ依然として課題が多い中で、高大接続という大きな取組がある。その動きの中で記述式の問題を実施しようと思えたのは、この調査があったからこそ可能という推測が立ったと思う。この調査の取組が高大接続にも大きな影響を及ぼしていくはずなので、引き続きその方向性を見つつ検討を重ねていくということが大事だと思う。

【委員】
1点目は、早期のデータ処理および発信についてで、調査結果を生かすためには、各学校に対し早い段階で情報を提供し、教職員が特に夏季休業の中で研修を深めていく、あるいはそれぞれの子供たちに情報提供、指導していくことが必要になると思う。
2点目は、分かりやすいデータの必要性についてで、個別の指導や教職員の研修において、分かりやすいデータであれば、教職員は活用しやすいと思う。
3点目は、小学校・中学校の連携体制についてで、小学生のときにどの部分でつまずいているのかについて早めに、たとえば中学校入学時のときにキャッチし、指導に結び付けることが非常に大切だと思う。
4点目は、少人数授業と習熟度指導についてで、調査結果は教職員の基礎定数に大きく関わるので、少人数授業、あるいは習熟度別授業によってこれだけ成果が上がった成果がうまく出れば、更に改善していくと思う。

・事務局より、都道府県、指定都市における独自学力調査の平成27年度の実施状況と平成28年度の実施予定状況について報告があった。


お問合せ先

初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)

-- 登録:平成29年07月 --