学校司書の資格・養成等に関する作業部会(第3回) 議事録

1.日時

平成28年8月2日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省6階6F3会議室

3.議題

  1. 学校司書の資格・養成等の在り方について
  2. その他

4.議事録

【堀川部会長】  皆さんおそろいですので,これより第3回学校司書の資格・養成等に関する作業部会を開催したいと思います。3回目にして,やっと全員がそろったというところで,大変うれしく存じますが,それでも,この3回目で終わりです。3回ですけれど,ホップ,ステップ,ジャンプと,今日はジャンプということでやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  さて,前回の会議において,学校司書の養成に関しては,大学等において担うということにした上で,学校司書のモデルカリキュラムの内容について議論をしてきました。本日は,引き続き学校司書のモデルカリキュラムの科目構成と,その内容について議論をした上で,本会議における報告書の検討をしたいと思います。
  それでは,議事進行に入る前に,事務局より配布資料の確認等をお願いいたします。
【友田児童生徒課指導調査係】  おはようございます。それでは,本日の配布資料の確認をいたします。配布資料として,座席表,議事次第,資料1「学校司書に求められる専門的な知識・技能と学校司書のモデルカリキュラムの科目構成について(案)」,資料2「学校司書のモデルカリキュラムにおける独自の科目の科目名,ねらい,内容について(案)」,資料3「学校司書の資格・養成等の在り方について(案)」,資料4「(公益社団法人)全国学校図書館協議会 学校司書の資格について」をお配りしております。
  また,参考資料として,第1回の作業部会の配布資料「司書教諭・教員免許と司書資格の科目・単位について」,参考資料2として「これからの学校図書館担当職員に求められる役割・職務及びその資質能力の向上方策等について(報告)」をお配りしております。委員の皆様におかれましては,資料の過不足等ございましたら,事務局までお申し付けください。
  また,最後に座長にお諮りいたします。事務局に対して,本会議の撮影希望がありました。今回の撮影については,今時点のみ撮影可としたいと思いますが,よろしいですか。
【堀川部会長】  はい,結構です。お願いします。
【友田児童生徒課指導調査係】  それでは,撮影希望の方については,今時点のみ撮影をお願いいたします。
                                  ( 撮影 )
【友田児童生徒課指導調査係】  それでは,撮影はここまでとさせていただきます。
  事務局からは以上です。
  座長におかれましては,議事の進行をお願いいたします。
【堀川部会長】  それでは,議事の進行をいたします。
  議事に入る前に,全国学校図書館協議会より,学校司書の資格に関する意見を頂いておりますので,この場をかりて御報告させていただきたいと思います。事務局より説明をお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  それでは,資料4を御覧ください。公益社団法人全国学校図書館協議会様から,学校司書の資格についてということで御意見を頂きましたので,御紹介いたします。
  学校司書の資格について,まず1.の方で学校図書館の目的を整理されております。本来の学校図書館は読書センター,学習センター,情報センターの機能を有し,司書教諭,学校司書を中心に学校の教育活動を支援する校内の組織の一つであるという基本的な考え方が示されております。
その上で,2.が学校司書の存在ということでございます。学校図書館は組織的に活動するが,その中核となるのが専門的な知識,技能,経験,見識を有する司書教諭と学校司書であるということで,このたびの学校図書館法改正により,教育活動の支援も学校司書の重要な職務となったということで,「チーム学校図書館」の一員として教育活動の支援を担うことになるという旨の指摘がされております。
  おめくりを頂きまして2枚目ですけれども,3.として学校司書の専門性についてまとめられております。学校司書の場合,学校図書館並びに各種の情報源及び情報資源に精通し,それらを教育活動に活用する技能と,生涯教育を視野に入れた学校教育に関する豊富な知識,理解と経験が専門性と考えられるということでございます。
  その上で,4.として養成とカリキュラムの構成ということでございまして,その専門性を担保するために,学校司書としての独自の資格が必要であり,その養成は大学・短期大学で行うことが必須であるということ。それから,科目も公共図書館の司書資格とは異なる学校司書独自のものが必要となるという旨の御指摘でございます。新たに創設する学校司書独自のカリキュラムは,学校教育,教育支援,学校図書館の三つの分野で構成することとし,全部で14科目,28単位,その全てを必修科目としたということでございます。
  具体的な内容でございますが,(1)学校教育については,学校教育を支える一員として教諭と同じ基盤で教育活動を遂行するために,教育の理念,目的,教育制度,教育課程,児童生徒等の心理等に対する知識と理解が必要である。(2)教育支援といたしまして,学校司書の具体的な活動に児童生徒の学習活動・読書活動への支援がある。具体的には,学校司書は司書教諭や教諭とともに学習活動の支援を行うために,学習指導法,学習活動,読書活動等の理論と具体的な方法等に対する知識と理解が必要であるという旨の御指摘。(3)が学校図書館に関する科目で,こちらについては学校司書独自の科目を設けた。学校図書館の基礎として,全般に関する科目,学校図書館サービスに関する科目,学校図書館メディアに関する科目からなる。これらの科目は全て学校図書館に特化した内容であり,これまでにはない独自の科目である。ただし,この科目のうち5科目は司書資格の読替えも可としたということでございます。不足する内容等は研修等で補うこととするということでございます。
  最後のページが,この学校司書の科目と単位数についての表でございます。
  簡単ではありますけれども,以上でございます。
【堀川部会長】  ありがとうございました。
  それでは,議事に入りたいと思います。本日の進行についてですが,前回の議論に引き続いて,学校司書のモデルカリキュラムの科目構成と,その内容について,意見交換を行いたいと思います。その上で,後半30分,報告書に関する意見交換にしたいと思いますので,よろしくお願いします。
  それでは,まず,学校司書のモデルカリキュラムの科目構成と内容について,御意見を伺いたいと思います。前回の議論を踏まえて,学校司書の職務に求められる専門的な知識・技能を整理した上で,それらの知識・技能を身に付けるために必要な科目について整理しました。まずは,それについて事務局より説明をお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  それでは,まず資料1を御覧ください。前回の御議論の中で,まず科目設定の方針について,どのように考えるのかという点について御議論いただきましたので,その点について整理をいたしました。まず学校司書の職務から求められる専門的な知識・技能というものを整理した上で,それらの知識・技能を習得できる科目の構成とするという考え方。また,それらの知識・技能には既存科目の内容と重なる部分もあるため,大学等における開講の可能性や,学生等の履修の可能性も勘案し,既存の科目を一部活用することとし,これらの科目では習得できない知識・技能については学校司書の独自科目を設定するという基本的な考え方を整理しております。
  その上で,本日御議論いただきたい点として,1点目は,どのような科目構成にするのか。それから2点目として,学校司書の独自の科目の内容を設定するのであれば,その科目のねらい,あるいは内容というものをどのように示すかということでございます。
  図の方ですけれども,基本的に左側の大きな枠囲みが,学校司書に求められる専門的な知識・技能でございます。こちらは前回も御提案しましたけれども,平成26年の文科省の調査研究協力者会議の報告書における整理を基に,学校図書館の運営・管理,それからサービスに関する職務に関する知識・技能と,それから児童生徒に対する教育支援に関する職務に携わるための知識・技能ということで整理をした上で,それぞれ項目を列挙しております。
  その上で,そういった科目が既存科目の中で教えられているものとして,どういったものがあるのかを含めて整理したのが科目構成ということで,右側の大きな枠囲みでございます。これが大体,左と右で対応することが可能であると思っておりますけれども,前回の御議論の中で,薄い網掛けというか,色を付けている部分の科目については,こういった科目が必要ではないかというような御議論を頂いた部分でございます。
  前回,御議論がなかった部分が,白い枠囲みの科目でございます。また,それに加えて,破線で書かせていただいた科目については,前回,必要ではないかというような御議論があった科目でございます。
  前回の御議論の中で,学校図書館サービス論,あるいは学校図書館情報サービス論については,公共図書館における図書館サービスと,学校図書館における児童生徒及び教職員に対する学校図書館サービスについては,大きく異なるのではないかというような御議論を頂きました。そういったことも踏まえまして,学校司書独自の科目について,堀川座長とも御相談の上,用意をさせていただいた資料が資料2になります。資料2が,この独自の科目のねらい及び内容についてを示したものでございます。
  まず,学校図書館サービス論ですけれども,ねらいとしては,学校図書館における児童生徒及び教職員へのサービスの考え方や,各種サービスの基本についての理解を図る科目としております。内容といたしましては10項目掲げております。こちらは参考資料1として本日お配りさせていただいております,司書教諭や司書資格の科目単位についてのねらいと内容が示されている資料がございますけれども,司書資格の科目が10項目程度で整理をされております。また,示されている内容につきましても,大学の自主性,主体性を尊重する観点から,このぐらいの内容項目が列挙されておりますので,こういったものを前提に,学校司書の独自の科目についても10項目程度を目安に,内容としても柱立てを示すという考え方に立ってございます。
  内容につきまして,資料2にお戻りいただきまして,1が学校図書館サービスの考え方と構造から始まりまして,環境整備,運営,資料・情報の提供,それから情報サービスの基本,読書支援,学習支援,特別な支援が必要な児童生徒への支援,教職員への支援,広報・渉外活動といったような項目を列挙させていただいてございます。
  また,学校図書館情報サービス論につきましては,ねらいとして情報サービスの種類や各種情報源の種類と特性を理解し,児童生徒に資料・情報を適切に提供できる能力の育成を図るということを掲げております。内容としましては,学校図書館における情報サービスの意義,情報サービスの種類,レファレンスサービスのプロセス,各種情報源の構築,各種情報源の種類と特性,比較と評価,情報サービスと探究的な学び,情報サービスと著作権といったことを掲げさせていただいております。このあたりにつきまして,本日,御議論いただければと思ってございます。
  事務局からは以上でございます。
【堀川部会長】  ありがとうございました。前回,様々な御意見を頂きましたが,それをよくまとめてくださったと思います。
  この科目の内容について御議論いただきたいのですが,まずは,この科目については,11時30分をめどに御議論いただきたいと思います。そして,あと30分で報告書の中身,文章の方について御議論いただきたいと思っております。
  まずは,この科目を固めていきたいと思いますが,資料1を御覧ください。前回いろいろ御意見を頂きまして,この左側の方に運営・管理,そしてサービスが項目として加わっています。そして,五つ目のところでは情報サービスの提供という文言が入っていたと思いますが,それが,このように学校図書館サービスに関することというように変わっています。
  それに対して,この科目が右側に掲げられていますが,これについて皆様の御意見を,まずは伺いたいと思います。黄色で色を掛けている部分は,大体決まりと考えていいのでしょうか。それでも,まだ御意見がおありだと思いますので,どなたからでも,どのような御意見でも,どうぞお願いいたします。
  井上委員さん。
【井上委員】  よろしいですか。私が理解していなかったのですか。学校経営と学校図書館ではなくて,基礎的な学校図書館論のような入門の科目を設定するのではなかったですか。
【堀川部会長】  この前,基礎的あるいは基盤的ですか,堀部委員さんと,それから井上委員さんの,そうした枠がありました。それを,どうしようかと事務局とも相談をしたのですが,そうすると教育心理とか教育原理とか,どこに,どのように入れるかというように検討しまして,なかなか枠組みが難しかったものですから,前回の報告書の大きな二つの枠組みに組み替えたものです。
【井上委員】  組み替えたのは別にいいのですが,教育心理や教育原理と,学校図書館論とは全く別物ですので,この枠組みでいかれるのでしたら,学校経営と学校図書館ではなくて,学校図書館司書としての入門編というか,基盤としての科目が必要だということなのです。それはどこへ行ってしまったのですか。
【堀川部会長】  学校図書館。
【井上委員】  学校図書館論でも,学校図書館概論でも。
【堀川部会長】  それはサービス論とは違いますか。
【井上委員】  サービス論は,もっと具体的な内容ですので,司書教諭とは異なる学校司書としての立場としての,学校図書館とは何のためにあるのか,何をするのか,全体的にいろいろな,このような仕事があってという。それを更に具体的にするのが,例えば資料論であり,サービス論でありという,このような枠組みだと思います。
  学校経営と学校図書館は,あくまでも司書教諭としての学校図書館とは何かという,このような科目になると思うので,学校司書として,学校図書館とは何か,何をするものかという,そういった基本的な,基盤的な科目が,まず必要だと思います。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
【堀部委員】  私も実はそこのところが文言としてなかった部分なのですけれど,結論から言えば,学校図書館概論のような形で,これも新設というか,組替え的な発想の中で,今,井上委員が言われたような視点ももちろんですし,今回独自で学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論ということで,各論につながるというところでは,総論的な意味合いを持たせなくてはいけない概念が必要なので,学校経営と学校図書館の内容も一部,当然盛り込まれるのですけれど,例えば,学校図書館教育という概念をどう捉え,司書教諭の立場,学校司書の立場をどう捉えていくか。それを学校経営の中で,どのような位置付けをしているかというところで,広義の学校図書館教育というところを前面に出しながら,読書指導の内容と,情報活用能力の育成の内容をもって,この学校図書館教育が推進されていくのだというところを押さえる必要があるのではないかという点で,内容的には学校図書館活動の部分ですとか,司書教諭の役割というところで,司書教諭の資格科目というところの前提であるので,そのような点では,私なりの中にもあるように,基盤的科目というように私は打ち込んだのですけれども,そのような概念が必要なのではないかと感じています。
【堀川部会長】  ありがとうございます。基礎分野と,それから基盤科目として,井上委員さんからは学校図書館概論と,それから教育原理か教職論。堀部委員さんからは,基礎科目として教育原理,教育心理学,そして学校教育概論が出ています。児童生徒指導論,特別支援教育概論。特に堀部委員さんの強調なさりたいのは,学校教育概論,井上委員さんは,学校図書館概論ですね。基礎科目,基盤科目として特に。
【堀部委員】  学校図書館概論という解釈で,私も結構です。
【堀川部会長】  それについて。
【平久江委員】  前回おりませんでしたので,議論の中身が見えないところがあって,多少前回の議論に引き戻すことになるかもしれないのですけれども,一つ確認したいのは,学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論なのですけれども,これは結局ほかの科目と違って,省令科目等の法的根拠のない科目として作るという科目になるという理解でよろしいのですね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  そうですね。
【堀川部会長】  独自で。
【平久江委員】  そうしますと,このような科目を設けますと,設けていないところは履修ができないというような状況が生まれるように思うのです。つまり,この二つの科目を設置するか設置しないかによって,こうした養成ができるかできないかということが縛られてしまうという危惧があるのですけれども,その辺は誰に聞いたらいいのですか。事務局の方に伺ったらよろしいのですか。そこを確認させていただきたいのです。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  まず前提なのですけれども,独自科目を設けるということは,平久江先生がおっしゃるように,そういった科目が開講されなければ,養成ができないということになります。他方で,まず1点目は,科目の名称ですけれども,こちらは司書資格もそうですし,教職課程もそうですけれども,科目の名称というのは基本的には大学等において設定するものになっています。ですから逆に言うと,お示ししたねらいや内容が十分に満たされた科目なのかどうかということになってくるわけであります。
  他方で,前回において平久江先生が御欠席の中でしたけれども,独自科目を設定するべきではないかというような御意見も頂いたことから,今回の資料としては,こういったものを御用意させていただきました。
【平久江委員】  分かりました。ありがとうございます。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ですから現実の開講可能性を追求するのか,それとも学校司書の独自科目を優先するのかという,そこは選択になってくると思います。
【平久江委員】  そのような趣旨ですと,こういった独自科目を作るということは,今回の制度論の中ではまずいような気がします。むしろ独自科目は要らないのではないかというのが私の考えです。
  それからもう1点,内容としてですけれども,図書館サービス論と図書館情報サービス論の中身がかなり重なっておりまして,多分これはやる身にとっては整理できない部分が多々ありそうな気がするので,内容的にももう少し考えないと,実効性がやや難しくなるのかなという気がしますので,内容的にもこの二つの科目を並列するというのは難しいかなと思います。むしろ,学校図書館サービス論ではなくて,児童サービス論,それから学校図書館情報サービス論ではなくて,情報サービス論というような既存の科目を使っていった方が,むしろ現実的ではないかというところがあります。その理由については,また長くなりますので,一応今後に関しては,このような意見を言わせていただきます。
【堀川部会長】  ありがとうございます。今日,この資料1に提示した科目について,それぞれ御意見を,まずは伺いたいと思います。
【小田委員】  よろしいですか。平久江先生の一つ分からなかったところがあるので,現行の制度の中では独自科目を作るのはかえってまずいというのが,よく分からなかったところなのです。
【平久江委員】  例えば現実問題として,私は筑波大学なのですけれど,筑波大学で考えたとき,新たにこの二つの科目を作って対応できるかというと,かなり難しいでしょうということがあります。そう考えていくと,まずきちんとしたカリキュラムを作っていくのですから,比較的こうしたモデルカリキュラムが履修しやすいというところを考えないといけないのかなという意味です。
【小田委員】  そこの趣旨は理解しているつもりなのですが,もう一方で,せっかく学校司書に関する新たな制度を作っていこうという動きが,今進んでいる中で考えたときに,前回私が申し上げて少し動いたという面も若干あるかなと受け止めているのですが,学校司書にはこのような力が求められると考えていった場合に,どうしても既存の公共図書館の司書の養成の中では,取り扱うことが難しい科目がある。部分的に難しいというだけではなくて,大きくそれが難しいものがあるのではないかということで,まずそちらを先に考えましょうと。
  その結果,いろいろな委員のところから出てきた案を総合する中で,前回は主に三つのところに焦点が合わせられて,一つが,先ほど議論になった,学校図書館の基盤となる概論的なもの。それから,学校図書館のサービス活動というのは,教育をバックにして行っていくという点から違うだろうと。それから学校図書館の情報サービスに関しても異なるだろう,そういったところで前回議論が終わったと受け止めています。
  具体的な中身の話は,今日この資料が出てきたので,この中身の話がこうだからというように検討してしまうと,これはまずいかなと思いますので,中身は変えればいいというと変ですけれども,これを基にしながら,よりよいものにしていけばいいと思うので,そこのところとは一緒にしない方がいいのではないかと私は思っています。
  もう一つだけ。今,筑波大学の例を出されましたけれども,この間,全国の教職と,それから図書館の司書と,それから司書教諭の開講の状況など,今,使えるデータがないものですから,ホームページ上で出てくるものなどを参考に見て,余り数量的なところまでは至らないのですが,確認できるのは,全ての大学が三つの資格,免許を,教職と司書教諭と図書館司書を出しているわけではない。図書館司書を出しているけれども,教職についてはというところも中にはあるわけで,そうすると普及ということを考えたときに,独自に設けなければいけないという,もし全国のいろいろなところにお願いするとなった場合には,どうしても避けられないだろう。
  そう考えたときに,既存の科目だけで作れる大学というのは限られてきますので,そうなると独自科目は逆に設けない方がいいという議論もあれば,この際だから,きちんと設けた方がいいという考え方も成り立つのではないかと私は思ったということがあります。
【平久江委員】  続けてよろしいですか。今のお話がありましたので,制度的な問題はさておいて,内容的なことがまず大事だということなので,内容的なことを考えなければいけないのかなというのは,確かにそのとおりだと思いますので,内容的な側面からお話を申し上げますと,前回は議事録を読ませていただいたのですけれども,そこの問題点としては,つまみ食い論のようなところに問題点があるような,いってみれば,このようなものをつまみ食いのようにそろえていって,果たしてそれで養成課程として専門性が担保できるのかというようなところが一つ議論の話題としてあったような感じがするのですけれども,それに対しては,それはそのとおりだと思うのです。今回いろいろなところから取ってきて,総合24単位にしたとしても,養成としては一つのある程度の体系性というものを担保しなければいけないのだと思うのです。そう考えたときに,今ここで構成されている科目に,果たしてそうした体系性が確保できているかということが検討すべき点だと思うのです。
  そのような点からいいますと,学校図書館の方では,学習指導要領の中に学校図書館の教育的役割というものが総則の中に書かれているのですけれども,正しくは引用できないかもしれないのですけれど,要点だけを申しますと,計画的に活用し機能の活用を図る,そして主体的,意欲的な学習と,それから読書に関する教育。
  読んだ方が早そうなので,ごめんなさい。意欲的な学習活動や読書活動を充実することと,このような表現がなされているのですけれども,こう考えますと,養成すべき目標とする内容というのは三つぐらいの側面があることが分かってくるのです。計画的に活用し,機能の活用を図る。これはつまり経営の側面なのです。それから,意欲的,主体的な学習というのは,学習指導に関する側面です。それから読書活動は,読書指導に関する側面です。
  つまり養成すべき中身としては,この三つの側面について基本的な養成ができるかということだと思うのです。そう考えていったときに,果たして今,この集まった24単位の科目が,そのようなものをきちんと担保できる中身になっているか,ここは問われるところだと思うのです。
  そう考えていったときに,科目の構成はどうあるべきかというと,一つは,一つの体系性をもってそれぞれの科目が分担をしながら,一つの体系性を構築するというのがカリキュラムの考え方としてはあるし,ただ,それ以外にも体系性を担保する考え方としては,総論と各論という形できちんと構成をしていくことで,一つのある程度の体系性を担保できるのではないかと考えるのです。そうなってきますと,経営と学習指導と読書指導の,この三つの側面のそれぞれ総論となる科目がきちんとこの中に設置されているかということが問題になってくると思います。
  そうなってきたとき,今回の設置された科目の中を見てみますと,ねらいと中身というものを見ていかなければいけないのだと思うので,ねらいとして資料3の方に,学校司書のモデルカリキュラムのねらいと内容がございます。そうすると,この三つの側面に担当する科目というのは,司書教養科目の学校経営と学校図書館と,学習指導と学校図書館と,読書と豊かな人間性ということになってくると思うのです。そのねらい,内容を見ていただくと,実は学校司書と司書教諭という,この科目自体は,必ずしも区別した内容になっていないのです。つまり司書教諭が何を学ぶべきかとか,学校司書が学ぶべきかということではなくて,この内容の8項目を見ていただきますと,正に学校図書館経営の基本的なことが内容として掲げられている。
  それから同様に,次の裏ページの方に行きますと,学習指導と学校図書館,それから読書と豊かな人間性。正に総論といっていい内容を含んだものであると考えられます。そうしますと,この中では総論としてこの三つの科目が位置付けられて,それ以外は各論としてのスキル的な側面を育成する科目というのも選択しているということで,十分内容的には満たしているのではないかと思っております。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
  まず,これに出された科目については,こちらの方々はいかがですか。
【米澤委員】  図書館論の総論的なものがないのが私も気になっていました。でも平久江先生のお話を伺うと,それがなくても総合的にみて総論的なものが取れるということも考えられますが,確実にできるという保証がない感じがします。大学によって科目内容によって差が出てきてしまうことにはならないかという不安があるので,やはり私は図書館論的なものがあった方がいいのではないかという意見ではあります。
【堀川部会長】  学校図書館概論のような科目ですか。
【米澤委員】  そうですね。学校図書館概論というものが欲しいという気がします。
【堀川部会長】  三浦先生。
【三浦委員】  学校図書館概論の科目については,私は最初の原案のときには,今,平久江先生がおっしゃっていたような学校経営と学校図書館で大体可能ではないかと考えておりました。
  ただ,議論の中で,井上先生から御指摘のあったように,司書教諭をメーンとしている学校経営と学校図書館では視点の取り方が違うのではないかというお考えを伺いまして,学校司書の養成のために,学校司書の役割に特化した科目を設けることが望ましいとは思いました。
  ただ,現実的に,先ほど小田先生から,必ずしも全国の大学で司書教諭や司書の科目を全大学が配置しているわけではないから,現実的に司書教諭の科目の読替えがあったからといっても,それが進みやすさにつながるかは分からないという御意見がありましたけれども,もし独自科目を設置する方が大学にとって難しいのであれば,司書教諭の総論的科目であるところの学校経営と学校図書館の方を読み替えることは,一案として適用可能なのではないか。済みません,まだ固まっておりませんけれども,そのような考えでおります。
【堀川部会長】  ありがとうございました。
  先ほど手を挙げられた。
【井上委員】  私は米澤委員がおっしゃっていただいたのと同じでして,3科目取って,結果として総論になるということではなくて,まず総論があって,読書というような読書指導につながるような読書であり,調べ学習につながるような学習指導と学校図書館であるという,そちらは各論である,各論を全部取った後で総論ではなくて,まず概論としての入門的な総論があった上で各論になるわけで,平久江委員のおっしゃることは,私は全然賛成できません。
【堀川部会長】  それで,学校経営と学校図書館では違うというわけですね。
【井上委員】  違います。
【堀川部会長】  学校図書館概論とは違う。
【井上委員】  違います。
【堀川部会長】  それはどうしてですか。
【井上委員】  それは司書課程と司書教諭課程の間ぐらいにあるのが学校司書だと思うので,司書課程は公共図書館までです。司書教諭,あくまでも教師としてのあるべき姿ですから,確かに総則で学校図書館の活用というのは書いてありますけれども,それは教師になる方がみんな熟知すべきことであって,本来いうと教師になる過程の中で,その総則の部分に当たる科目が本来はあってしかるべきところなのですが,ないので,結局,結果として現状として学校図書館が充実していない。だからこそ学校司書を配置して,日常業務などを充実させようということだと思うのです。そもそも学校図書館法が改正になったという。
  ですから,総則に合うように教師がみんなしっかりやって,充実しているのだったら学校司書は要らないわけです。やっていないから学校司書が必要なのだ。学校司書がどのようなことを知っておいて仕事をすべきなのかという,公共図書館ではなく,司書教諭でもなくという,そのような総論はどうしても必要だということだと思います。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  済みません,よろしいですか。参考資料1の2枚目に,司書教諭の講習の科目のねらいと内容があるわけですけれども,今,学校図書館概論という科目が必要だという御意見を頂いたのですけれども,仮に科目名,学校経営と学校図書館という科目名は,大学によって学校図書館概論という科目名で開講することは可能です。
  そうなると,ねらいが学校司書の養成の基礎科目というか,基盤科目について,学校図書館の教育的意義や経営など全般的事項についての理解を図る。これは多分同じなのかと思います。
  それから内容について,ここに掲げられていること,平久江先生からも御意見いただきましたけれども,学校図書館の理念と教育的意義,発展と課題,教育行政と学校図書館,こういった内容について,学校司書の方が学ぶ内容と,司書教諭の方が学ぶ内容を変える必要性がどこまであるのかという観点と,冒頭ありましたように,独自科目を設定すればするほど,モデルカリキュラムの普及可能性というのは下がっていくというあたりを,どうお考えいただくかということかと思います。
【堀川部会長】  どうぞ。
【平久江委員】  井上委員が言ったことなのですけれども,確かに,そのとおりではあると思うのですけれども,ただ,考えてみるに,学校司書がうまく機能している,機能していないとか,司書教諭がうまく機能しているか,機能していないというのは,少なくともこの科目とそれほどリンクしている話ではなくて,もっといろいろな要因が絡んでくるので,ここで概論を教えたから機能するかというと,そのような話ではないので,そこは余りごっちゃにしない方がいいのかなという気がします。
【堀川部会長】  いいですか。私も,教員がやっていないからという,それは置いておいてということで,学校司書が必要だということで,この科目を考えているわけですから,それでしたら先ほどの議論の中で,情報サービス論と学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論が重なる部分も多いだろうという御意見も頂きましたけれど,学校経営と学校図書館を学校図書館概論にして,そして下のところを一緒にしますか。それで二つの科目を独自。それでは駄目ですか。
【平久江委員】  これは相当する科目という形でリンクする形。
【堀川部会長】  学校図書館サービス論にしますか。
【平久江委員】  学校図書館概論は,学校経営と学校図書館を履修すれば,それに相当するものを履修したと認めるというようなリンクを付けるということですか。
【堀川部会長】  それは,後の後半で出てくるのですけれど,一応モデルカリキュラムとしては,こちらでこのようなものを設定しました。それを読替えというのですか,このような形にしますというのは,それぞれの大学の裁量でできるということです。
【平久江委員】  私もそれと似たようなことを考えて,下の学校図書館情報サービス論も,情報サービス論にと相当する科目という形にしていけばいいとは思うのです。
【堀川部会長】  そうすると,なし崩しに,全部元に戻ってしまうような気がします。
【井上委員】  それは違います。そのような考え方は,筑波大学だけすごく例外だと思います。違うと思います。図書館サービス論は,高齢者もビジネスの方も全部対象にしているのに,それで読み替えるのは余りに無理があり過ぎると思います。
  そもそも学校経営と学校図書館の内容のところの5番目などを見ていきますと,司書教諭とはっきり書いてあります。そうすると,ねらいはいいと思うのです。ねらいはかぶっていてもかまわないと思うのですが,内容の項目をそもそも変えないと,という話なのです。
  確かに学校司書側から,司書教諭はどのようなことをするべきかというのを学ぶのは,当然必要だと思いますが,司書教諭の方が,学校司書はどのような役割を持っていてというような項目が内容のところにない。ですから内容の項目を変えない限り,それをそのまま読み替えるのは,余りに無理がある。余りにというのは言い過ぎなのですが,余りにというのはどちらかというと学校図書館サービス論を,司書課程の図書館サービス論に読み替えるとか,学校図書館情報サービス論を司書課程の情報サービス論に読み替えるというのは無理があり過ぎる。
【堀川部会長】  読替えをすると,現場でめちゃくちゃになります。
【平久江委員】  読替えは最後の窮余の策というぐらいに考えていただければいい話で,私も必ずしもそれをやる必要がなければ,それに越したことはないというところでありますので,そこは誤解があります。
  それで,内容的なお話をすれば,私は1回目の作業部会のとき,司書教諭の科目の中身を少し関連して見直さないといけないのではないですかというようなお話はしましたので,それはここの意味で,ねらいと内容についても当然変えていくべきところはあるのではないかと思っています。
  学校経営と学校図書館を見ても,学校経営と図書館という一番肝腎な文言が入っていないとか,これも古いので少し中身を変えていかなければいけない部分があるということは間違いないことなので,むしろ学校司書も学ぶということを前提にしながら,それに耐えられる内容として再検討するというのは,当然必要なことだろうと思います。
  もう1件だけ。時間ばかり取って申し訳ないのですけれども,それから各科目で教えるということですけれども,これは教えること自体は状況によって変わってくるわけで,受講者が司書教諭だけではなくて,学校司書を希望する者が来たら,それに合わせた内容というのは当然教える方で授業のプランニングで考えるべきことだろうと思うのです。これは授業の科目の性格だけではないので,それは同様に司書科目も学校司書さんがなったら,司書科目をやる方も学校図書館をもう少し意識した授業をしていただかないといけないので,それを養成していかなければいけないのだと思うのです。
【堀川部会長】  ありがとうございます。司書教諭の講習科目について,平久江委員さんのおっしゃることももっともだと思いますが,ここの会議で,そこまで触れることは無理だと思います。とにかく作業部会では学校司書のモデルカリキュラムとして構成をして,そしてある一定の期間経過してから検討というところで,司書教諭の科目も併せたものが,もしできれば,それはそれで,その時点で望ましいと思えば,そうしてくださればいいと思いますが,今回ここもこうして欲しいので,学校経営と学校図書館も学校司書の科目として考え直してくださいというところまでは決められません。
【平久江委員】  了解しました。
【堀川部会長】  済みません。
【平久江委員】  それはそれで。
【堀川部会長】  それで,学校図書館概論というところが必要というように,皆様方の御意見かと思いますが,どうでしょうか。
【平久江委員】  すると必ず各学校では,学校司書の資格に関するカリキュラムをやるときには,作っていかないといけなくなってしまうのですか。
【堀川部会長】  これは総論ですね。
【平久江委員】  全部必修科目ですね。
【堀川部会長】  そうですね。
【平久江委員】  それは現実性として,どうなのですかというところがあるのではないですか。
【堀川部会長】  御意見は。
【坪田児童生徒課課長】  言われたように,私も基礎的な科目は必要だと思います。学校司書のモデルカリキュラムとして独自なものを出していかないといけないという中で,全てが司書教諭の科目というのでなくて,学校司書たるものの学校図書館概論的なものが,まず総論としてあって,そのような入門的なものを心得つつ全体の科目を取っていく。学生の立場に立つと,そのようなことが非常に重要な,意識付けの意味でも大事なのではないかと思います。
  先ほどの学校経営と学校図書館で読み替えるのは,もちろんテクニックの話で,こちらでモデルカリキュラムとして学校図書館概論の項目を10個ぐらい示した上で,学校経営と学校図書館と読替えが可能だということにしておけばいいだけの話であって,学校図書館特有の学校司書としての動きというものがきちんと入った概論のようなものがあるのが,全体をうまく包み込む形でいいのかなという気がします。
【堀川部会長】  どうですか。ここを総論として,学校経営と学校図書館のところを,学校図書館概論という形に変えるということでいいですか。
【平久江委員】  私としては,現実に学生の観点からすれば,それはそれで一定のいい案と思うのですけれども,教えられるのですか。
【堀川部会長】  それはまた別の問題ですので。
【平久江委員】  どうしても実施が絡んでくると思うのです。
【堀川部会長】  それも天秤に掛けながらやっていかなくてはいけないとは思いますけれど,学校司書のモデルカリキュラムとしては,この総論を入れましょう。
  その次の図書館情報資源概論,情報資源組織論は,本当は学校図書館に特化したものが欲しいところですが,司書の科目で,まずは基礎を学んでいただいて,現場の中で,あるいはこのような科目も学校司書が取っていますので,どうぞ御理解くださいというのを,もう少し強く出していただいて,そして情報資源,組織,演習,図書館情報技術論,このあたりまでは確定でいいですか。
【小田委員】  一つだけ確認なのですが,前回最後のところでちらっとだけしか申し上げられなかったので,演習の位置付けなのです。つまり技術的な面があるとか,実践的な力を養成するというところで,演習というものが設けられているわけなのですが,それを考えると,各論的な意味でいうと,各論の位置付けでいうと,サービス系のところに演習というものが,実践面を考えると必要なのではないかというロジックが組み立てられるのですけれど,それはどうするかという。
  要するに,若干パズルのようなというか,24の中でどうやるかということを座長も考えていらっしゃるようだから,そうするとどこか増やして,減らしてということは,どうしても避けられないところではあるのですけれども。
【堀川部会長】  だから,例えば学校図書館サービス演習というものを作っておいて,その中に資源組織演習も入れるということですか。そうではなくて,また別に。
【小田委員】  そうではなくて。でも,そうすると,調整がきかなくなりますよねという話が出てくるのは分かるので,大きく組み替えるということであれば,例えば下のところに入っています,学習指導と学校図書館とか,そういったようなところとの組替えをして演習を設けるというやり方があるでしょうし,あるいは,仮に先ほど来の議論で平久江先生が,学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論の重なりが大きいとお考えであれば,一部は重なると思いますけれど,それほど大きいと私は思っていないけれど,例えばそこを講義系の科目と演習系の科目という組立てにするとか,そのような構造なども考え得るのかなとは思います。
【堀川部会長】  情報資源組織演習は必要ですか。
【小田委員】  分かりません。でも,平久江先生が学習指導要領を基にされましたけれど,私は前回のところでは親委員会の報告を基にして考えてきたところでいけば,間接的なサービスというところに,この情報資源組織演習の話は関わってくるので,必要なのかなとは思われます。
【堀川部会長】  今の,上から五つ目までは,大体認めていただくという方向でよかったですか。そこで今,演習ということが出てきたわけで,下の,学校図書館サービス論,学校図書館情報サービス論を考えるところで,演習も含めて考えるかというところなのですが,井上委員さん。
【井上委員】  2点。1点は,上から五つ目というのは学校経営と学校図書館は,学校図書館論,概論にするわけですね。
【堀川部会長】  概論になって。
【井上委員】  もう一つ確認しておきたいのですが,情報資源組織演習は既に司書課程としてあるのですが,例えば小田委員がおっしゃったように,学校図書館演習のような科目を作るとしたら,演習科目は2単位だと現在だと15時間ではなくて30時間です。ということは,新しく演習科目を設けると,1年とか,1週間に2回という授業構成になるのですが,かなり負担になりませんか。
  先ほど平久江委員がおっしゃったように,誰が教えるのだというのを考えると,演習科目を増やすと,かなり大変ではないですか。
【堀川部会長】  今,情報サービス演習は1単位でしたか。2単位。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  2単位ですね。
【堀川部会長】  2単位ですよね。
【井上委員】  演習科目は30時間ではなかったですか。ですから,情報資源組織演習とか,週に2回やっています。
【平久江委員】  書いてあっても,カウントは違うでしょう。
【井上委員】  だから演習と普通の講義科目と授業時間数が違う。だから普通の講義科目なら15時間で済みますが,演習だと30時間必要になってくるのです。
【堀川部会長】  資源組織,あれは。
【平久江委員】  講義と演習は算定基準が違うのです。
【堀川部会長】  でも,情報サービス演習は。
【井上委員】  30時間のはず。違いますか。
【小田委員】  2単位でしょう。
【平久江委員】  コマ数が多くなるはずです。
【堀川部会長】  半期で2単位ではないですか。
【井上委員】  単位は一緒だけれど,時間数が違う。
【小田委員】  それはそうですね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  大学の授業時間については,大学設置基準において,講義及び演習については15時間から30時間までの範囲で
大学が定める時間の授業をもって1単位とすると定められていますので,この範囲内であれば大学の裁量となります。
  ただし,文部科学省の通知において図書館に関する科目は講義科目については1単位あたり15時間,演習科目については1単位あたり30時間を想定している旨が記載されていますので,多くの大学ではそのように運用されていると認識しています。
【井上委員】  ただ,司書課程の情報資源組織演習は,2単位科目ですね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  全部2単位科目です。選択が1単位です。
【井上委員】  それで演習だから,2単位ということは15掛ける2で30時間やらないといけないのではないですか。
【小田委員】  30時間でその大学がやっていたときには,そのとおりです。1単位を30時間で演習をやりますというように大学の規則の中で決められている場合には,2単位だから60時間。
【井上委員】  決めてなかったら。
【小田委員】  逆に1単位15時間ですよと講義科目と同じ位置付けをして。
【井上委員】  決めている大学ならば,それで可能だということなのですか。
【小田委員】  司書の科目は。
【井上委員】  大学で決めていいのですか。
【小田委員】  決めていいことになっていたから,決めています。
【堀川部会長】  それでは,下の学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論と,先ほどから出ている学校図書館演習,学校図書館サービス演習か何か演習科目,何かいい工夫はないですか。
  正直なところ,司書と同じように24単位で収めたい。下の教育支援に関する科目が,今5科目10単位になっていますけれど。
【平久江委員】  よろしいですか。また反対するのかと言われそうで嫌なのですけれど。
【堀川部会長】  何でもおっしゃってください。
【平久江委員】  私はこれが省令科目として何を設定するかという議論であるならば,余りこだわって独自科目に反対はしないのです。実際にいろいろ作れば作るほど,それぞれ新たに作っていかなければいけないということが出たときに,それだけのインセンティブが各大学にあるのかといったところを考えると,正に宙に浮いてしまう可能性もすごく危惧しているのです。
  一定期間したら見直しましょうという文言が,たしかまとめの中に入っておりますので,ある程度動き出していって,学校司書の養成の必要性が社会的に認知されていったときに,独自科目に切り替えていくという選択肢もありだと私は思っているのです。
  ですから,ここでは今,学校司書が法制化されました,それに値する養成を至急やらなければいけないという社会的なニーズかあると思うので,それに対応していくためには,立ち上げの部分,安易という批判を受けることは十分に考えられるのですけれども,あえてそのようなことを踏まえて,独自科目をできるだけ少なくするような形で,まずモデルカリキュラムを作って,そして今後考えていくというぐらいの2段構えも,戦略的にはありではないかと思っております。
  そのようなことが,ここで独自科目に対してこだわって反対をしている理由でありまして,私は図書館サービス論というのは児童サービス,それから学校図書館情報サービス論は,情報サービス論という科目に変えてやっていってもいいのかなと思っています。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
  ある程度,期間を置いて,見直しのチャンスがあるかないかというところです。学校司書という存在をきちんと世の中に確立するためには,独自の科目も必要ではないかと私自身は思いますけれど。
【井上委員】  期待されているので申し上げますが,反対です。経過的措置は1回目にも申し上げました。次に見直しがあったらというのはありますが,それが60年後だったらどうするのですかという話です。期限を切って,5年後に必ず見直ししますという明確な文言があれば,確約が文科省の方からあるならば,それほど大きく反対はしませんが,前例がございますので,経過的措置が60年後になっては困ってしまうので,それは避けたい。
【平久江委員】  当然二つの見方は出てくると思います。
【堀川部会長】  このモデルカリキュラムも,とにかく実際にやっていただかなくては,カリキュラムを実践していただかなくては困るのですけれども,でもある程度,学校司書というのは打ち出したいのです。
【平久江委員】  ただ,そうは言いつつ,作れば作るほど学生の負担は増えるということも,一方であると思うのです。そこのところは,前の議論ですと,そこも考慮しなければいけないというところはあったような気がするのです。
【堀川部会長】  だから,これで今回出した2科目ぐらいは独自というのでいかがですか。
【井上委員】  負担というよりも,選択の幅が広がるのではないですか。全部取得するのではなくて,公共図書館の司書を取るか,司書教諭になるか,はたまたいろいろな科目の教師だけになるのか,学校司書になるのかという,どれかを選択して取得することも可能だと思います。全部取ろうとすると,それは負担は負担で,4年間では無理でしょうという話になりますけれども,幅が広がる。
【平久江委員】  いや,幅は広がらないのではないですか。
【井上委員】  選択の幅が広がる。
【平久江委員】  広がらないのではないですか。
【堀川部会長】  選択が広がるということで,自分の中の可能性はどこかにしなくてはいけませんけれど。
  それで最後のところの学校図書館サービス論と情報サービス論と演習の関係です。あと30分ぐらいで。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  済みません,事務局からなのですけれども,先ほどの参考資料1の司書資格の履修すべき科目一覧というものの2が,図書館サービスに関する科目というのがあります。科目名も大事なのですけれど,要は内容ですので,資料2について,学校図書館情報サービス論の内容,ここに8項目挙げておりますけれども,これと司書科目の情報サービス論の内容というのがレファレンスから始まり,情報源の話,このあたりが本当に学校図書館独自の内容になり得るのかどうかというのが,ここはまた御議論いただきたいと思いますし,場合によっては,ここを演習科目に切り替えるというのも一つの考え方なのかなと。
  要は,情報サービス論の内容が,どこまで学校司書独自であり得るのか。
【堀川部会長】  ありがとうございます。区別していけば切りはないのですけれど,どこかで妥協する点は必要なので,どうですか。
【坪田児童生徒課課長】  済みません,余分なことですが,大学の現場をお分かりの方に聞いておきたいのですけれど,もし,先ほどの概論が設定されて決まった場合に,目指す学生さんは,4年間でどのような取り方をするのか。要するに,入門編をやりつつ,このような技術的なものも一緒に1年生から取ろうとするのか,まず1年生のときには入門編だけ取っておいて,その道へ行くかどうかも判断をして,2年生からがっと取るのか。あるいは,専門が始まる三,四年でがっと固めて技術的なものは取るのか,イメージとしてはどのような形になるのですか。
【井上委員】  それは大学によってどう設定するかだと思います。例えば,うちの大学の場合だと,そのような基礎的な科目は一,二年生のうちにしか取れない。もっと各論的なものになると3年生以上でないと取れないというように,ある程度縛りを掛けています。ただ,必ずしもそれに沿って受講してくれるわけではない。何でかというと,専門の科目とかゼミとかありますから,毎年5人程度ですけれども,逆転する学生は必ずいます。だから各論から始めていって,4年生になって初めて図書館概論を取るとか,その場合には総まとめの形で学んでねというしかない。
  うちはそうなのですが,よそはどうされているか知りません。
【坪田児童生徒課課長】  なるほど。
【小田委員】  振られたけれど,うちは司書の方は図書館概論に相当する科目が2年生なのですが,これを取らないと翌年このような科目は取れませんという年次的な順序を決めています。
【坪田児童生徒課課長】  先に取らないといけない。
【小田委員】  例えば4年生で全部取れますということはあり得ない,そのようなカリキュラム構成にしています。その辺が基礎と,それから応用というか,各論的なというところを学生の在籍の中で組み立てるということをやっています。
【坪田児童生徒課課長】  何をお聞きしているかというと,先ほど入門編という話があったので,そのような位置付けをきっちりとするのであれば,最初に一,二年生のうちにしっかり取ってもらう。そこであきらめるという場合,自分では概要は分かったけれども,自分は負担もあるから取らないということも判断していいし,キャリアガイダンス的な意味合いもきちんとないといけないということを考えたのと,あと,このような技術的なものと一緒になった場合に,後先になった場合の教えにくさのような,カリキュラムマネジメントができていないといけない。とにかく24単位集めればいいのだというような資格というのはほかにもたくさんありますけれども,余りよろしくないと思っていて,学ぶ順序というものをはっきりさせた方がいいのではないか。ますます負担になるかもしれませんけれど,理想はそう掲げないと,何かもう,分かり切ったことを最後にやろうとか,そのようなことで資格的なものはいいのかなと,ほかの資格も含めて,いつも考えていたので,お伝えしました。
【井上委員】  学生に言ってやってください。
【坪田児童生徒課課長】  分かりました。
【堀川部会長】  大体そのように体系的に学んでいくのが一番望ましいのですけれど,実際の現場では逆もあり得るということで御了解ください。
【小田委員】  先ほど鈴木さんから,中身のことが出ていたのですが,親委員会の報告書の中でも,そのような扱いだからということで,若干致し方ないかなと思うのですが,情報サービス論に関しては,学校図書館の現状を考えると,特化するところは情報活用の教育に関係するところになるのだろう。情報リテラシー教育とか,教育という言葉を使わなくてもいいですけれども,そうしたところに特化した中身で組み立てていくということに恐らくなるので,前回独自科目ということが出たときに,真っ先にその中身で組み立てれば,これは明らかに公共図書館の情報サービス論とは異なる側面であるということを考えました。
  もちろん教師向けの情報サービスもありますけれども,児童生徒ということを考えた場合にはという,強調するところが大きく異なりますので,その点を含めて考える必要があるかなと。
  それがあったので,平久江先生から,この中身がというお話が出たときに,これは変えないといけないのではないかと発言しました。ただ,堀川先生が24に収めるということも考えていかなければということを考えると,学校図書館サービス論と情報サービス論を一つにして,別途情報利用に関する演習的なものを作るという考え方はあり得るとは思っています。それは組立ての問題かなとは思います。
【堀川部会長】  今の情報リテラシーの教育に関しては,学習指導と学校図書館の方で主にやるということではいかがですか。情報サービス,それで図書館サービス論と情報サービス論を一緒にする。
【平久江委員】  私は井上委員に質問したいのですけれども,多分かみ合っていない部分もあるのかなというので,学校司書と司書教諭の違いがあるのだというのですけれども,何を,どの部分を変えて教えれば,この違いがきちんと教えられるのかということ。観念的には違うのだと,これは当たり前の話なので分かるのですけれども,具体的に教える内容の違いは一体どのような違いを考えられているのかということが分からないのです。
  例えば,私などは学校図書館の専門でいろいろ教えていて,司書教諭の養成などを一番メーンでやっているのですけれども,実際科目を持っていて,例えば学校経営と学校図書館は,教える上で司書教諭と学校司書は全然違わないではないかという感じはするわけです。むしろ学習指導と学校図書館,これは司書教諭と学校司書,これは別ではないかとか,読書と豊かな人間性,これは別にやらなければいけないのではないかという,むしろそちらの違いの方を大きく感じていて,今,学習指導と学校図書館は一緒に教えてしまっていいのか,読書と豊かな人間性を一緒に教えていいのに,でも,学校経営と学校図書館は別にしなければいけないのだと,どうも一貫性で納得できないのです。
  その辺は,具体的にどう考えられているのか。
【堀川部会長】  今の学校経営と学校図書館というのは,学校司書としての概論にしたいということですね。
【平久江委員】  だから,それはそれでいいと思うのですけれども,それを教える内容で本当に変える中身の違いは出せるのですかということなのです。同じ項目を結局教えるだけの話で,教える対象が違うだけといったら,これは分ける必要はないのではないですか。
【堀川部会長】  でも司書教諭というのは,学校全体を俯瞰した立場にいるわけです。学校司書というのは,学校図書館を自分で運営するというところだと思うのです。これは自分の考えですけれども。
【平久江委員】  そこに違いはないと思うのです。
【井上委員】  違うと思います。だから司書教諭というのが,例えば専任でいる場合と,専任でいない場合,公立の学校の場合は専任でない場合の方が圧倒的に多いわけです。その中で,今,堀川先生がおっしゃったように,学校のいろいろな教科指導,特別活動とか,いろいろな科目の中を踏まえて,どう学校図書館指導という,利用指導であるとか,読書指導をどう位置付けるかという計画策定もあるし,それから現場の問題として,教員会議に出るではないですか。学校司書の場合,高校はともかくとして,小学校,中学校で出ない場合が多いわけです。学校図書館独自の利用活動計画のようなものが,司書教諭とは視点が違うのではないですか。
  つまり,成績を付けなくてもいいのですけれども,付けるということが前提にして教科指導というものがあるわけで,司書教諭というのはそのような部分を考えて,全体的な学校図書館を使っての教科指導とか特別活動指導という計画を策定していく。でも,学校司書は,いわば成績を付けないわけです。付けていいのですか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  そこではなくて,学校経営と学校図書館の内容として,今8項目定められていますけれども,平久江先生がおっしゃっているのは,先ほどの司書教諭の役割というところが学校司書の役割と多分変わるというのは分かるのですけれど,それ以外は何が違うのですかというのが平久江先生の御質問。この8項目。
【井上委員】  細かい項目で説明していった方がいいということですか。例えば,教育行政と学校図書館という場合に,例えば校務分掌の制度であるとか,そうすると教師としての校務分掌をどう見ていくかということと,学校司書から校務分掌をどう見ていくかは,視点が違うわけではないですか。
【堀川部会長】  少し待ってください。米澤委員さん,学校司書の立場からはいかがですか。学校経営と学校図書館と,学校図書館概論という。
【米澤委員】  済みません,私はまた少し違う意見になってしまって申し訳ないのですけれども,司書教諭は学図法にもあるように,教員をもって充てるという形なので,教員が軸だというような意識を私は持っています。学校司書は学校図書館を軸にして仕事をしていると思いますので正直言えば,図書館員的な発想の部分が多いです。でも,学校の教育のことももちろん知っていかなければ,学校現場では対応ができません。司書教諭と学校司書は違う立場で関わっているのですから,学校経営と学校図書館という科目は司書教諭の科目で教員であることを前提とした内容ですから,それを何も知らない学生が初めて取るときに,混乱をするのではないかという気がするのです。司書教諭と学校司書の職務分担が分からないのではないかと。
  ですから,学校図書館概論のようなものがあって,学校図書館というものはどのようなものかということを分かって,全体が分かってからでないと,経営とかいうことも分からないのではないかと思います。済みません。
【堀川部会長】  ありがとうございます。学校司書としての総論は置きましょう。
【平久江委員】  つまり,それぞれ視点が違うというのはもっともな話なのですけれども,両方の視点を知らなければいけないわけです。狭い学校のところで片方の視点だけ学びましょうというのは,そもそも現実には無理で,実際に教える内容では切り分けることはできないと思うのです。
【堀川部会長】  概論は経営的なものだけではないです。
【平久江委員】  そうなのです。もちろん。
【堀川部会長】  司書としての全体像を,ここで最初に把握してもらう。
【平久江委員】  だから私はそれぞれの全体像をきちんと話していくということだけの話であって。
【堀川部会長】  だから,これが司書教諭の科目として設定されなければ,最初からそのように両方のそれぞれの立場で入門的なことを,概論的なものをやってもらいましょうというように決められれば,それでいいのです。だけども決まっているというか,司書教諭の科目として,もう成立しているものなので,今これは手が付けられない。
【平久江委員】  時間の限りがありますので,全然賛成はしないのですけれども,意見は控えます。
【堀川部会長】  先ほど鈴木さんの方から説明してくださったような,学校図書館情報サービス論と重なりもあるのではないか。もちろん細かくいえば,別物が望ましいかもしれませんけれど,ここのところを情報サービス論に変えるという御提案はどうですか。学校図書館概論と学校図書館サービス論を独自の科目として設定する。ここに出ている学校図書館サービス論を,司書科目の情報サービス論に替える。
  小田委員さん,首をかしげていらっしゃいますが,何かいい。
【小田委員】  それならば,まだ演習を設けた方がいいのではないかと,個人的には思います。
【堀川部会長】  学校図書館サービス論は,これはそのまま認めていただいていいですか。そうではないですか。学校図書館情報サービス論を,情報サービスに替えるか,あるいは演習的なものにするかということですか。
【小田委員】  いいですか。どちらかというと,先ほどの学校図書館概論のところについては,平久江先生の考え方を若干サポートしたいくらいのところにあって,つまり基礎的なところは司書の養成の科目とか,司書教諭養成の科目との重なりというのは多くなると考えられるけれど,各論的なところであればあるほど違うはずだと思うのです。
  だから,各論的なところで情報サービス論というのは,かなり司書の側の科目の構成などを見ても,公共図書館寄りであることは間違いないので,むしろこれに相当させることの方が課題は大きくなるのかなと思います。
  先ほど,情報リテラシー教育とか情報活用教育については,堀川先生のお考えでいけば,学習指導と学校図書館の方でカバーできるのだと。できるのかどうかは若干異論はあるけれど,一応それを受け止めるならば,むしろ演習的なものを作っていった方がプラスになるのではないかとは思います。
【堀川部会長】  概論を少し見直してですか。
【小田委員】  そうではなくて。
【平久江委員】  情報サービス論演習を。
【小田委員】  名称は別にして,図書館サービス系の演習を作った方がいいのではないですかということです。
【堀川部会長】  そうすると独自科目が三つになりますね。
【小田委員】  ただ,今までの議論で,一つ目の独自科目は,先ほど三浦先生からもあったように,内容によっては読み替えることもあり得るという考え方のところは,まだ結論を出していないと思います。
【堀川部会長】  学校経営と学校図書館ですね。
【小田委員】  ただ,学校司書のための基礎科目としては,学校図書館何とかという科目でいきましょうという,そのような考え方だけは共通になっているのかなと受け止めています。
【堀川部会長】  どうですか。
【井上委員】  司書課程の情報サービス論とかぶらせてしまうと,例えば,この資料2のところで学校図書館情報サービス論の内容として挙げていただいた中の,特に6とか7の部分が司書課程の情報サービス論という中から,特に児童生徒の発達段階を踏まえるとか,それを踏まえた上の例えば問い掛けであるとか,調べ学習の対応とかという項目がどこかに飛んでいってしまう。これは残しておいて,名称はともかく,この学校図書館情報サービス論の中で実践的な演習も含めるというような形で対応されたらいいのではないかと思うのですが,それでは時間が足りないのですか。
【堀川部会長】  これについては,学校図書館サービス論に入れてしまうこともできますので,このような中身は教えてほしいということで。
【井上委員】  だから,これはこれで私はいいかと思うのです。
【堀川部会長】  情報サービス論でいいかと思うのですか。
【井上委員】  いや,情報サービス論ではなくて,その資料2で学校図書館情報サービス論という,この科目でよいのではないか。司書課程の方では,何度も繰り返しますが,6とか7とか,児童生徒のためにというような内容がほとんど触れられないので,それでは実際に学校図書館で日々の調べ学習にどう対応するかというところの一番大事なところが,司書課程の情報サービス論とかでは賄えないのではないか。
  ですから,私は資料2のこれがいいのではないかと思っているのです。
【堀川部会長】  それでは,上の学校図書館概論は,学校経営と学校図書館と読替えができると一応考えておいて,下の二つを独自科目,学校図書館サービス論とした,学校図書館情報サービス論,あるいは今,演習という科目が挙がっているのですが,それについてはいかがですか。
【三浦委員】  演習に関しては,情報検索とかレファレンスについて実態的な演習を積んでおくことが,学校図書館で働く場合には必要になってくると考えます。その意味で,先ほど小田先生から御提案の中にあったような,学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論を一体化して,それ以外に情報サービス演習の読替えという選択肢を設けることで,対応としてはよろしいのではないか。
  今,井上先生の方から,学校図書館情報サービス論の6と7,発達段階に応じた教育という点については,学校図書館サービス論の中に,特に情報サービスの部分に組み入れる形で内容構成したらよろしいかと,今考えました。
【堀川部会長】  そうすると,皆様の御意見をまとめますと,学校図書館サービス論に必要な学校図書館情報サービス論の内容も含め,もう一つ,学校図書館サービス演習,学校図書館演習,あるいは学校図書館サービス。
【平久江委員】  情報サービス演習ですか。
【三浦委員】  読替えで,私はよろしいかと考えます。
【堀川部会長】  情報サービス演習という,それだけに限らないで,学校図書館サービス演習にすると,もう少し広いものが演習として含められるのではないかと思うのですが,内容が余りにも多岐にわたりますか。
【小田委員】  その方がいい。
【堀川部会長】  学校図書館サービス演習。時間としても,大学によって30時間。
【小田委員】  ないし60時間。
【堀川部会長】  それは大学にお任せする。それでいかがですか。
【平久江委員】  大学にお任せする。どのような意味ですか。
【堀川部会長】  今も演習は30時間と15時間と,両方使っています。違いますか。
【平久江委員】  開講時間数をお任せするという意味で言われているのですか。
【堀川部会長】  だから演習の2単位を,どのくらいの時間を使ってするか。たしか情報サービス演習は,半期で2単位ではないですか。違いますか。
【井上委員】  半期で2単位だけれども,週2時間コマ数を開講しているのです。
【堀川部会長】  情報サービス演習もですか。
【井上委員】  やってもいいけれど,うちでは絶対開講できない。そのような負担の大きいことは無理。
【堀川部会長】  演習は負担が大き過ぎますか。
【平久江委員】  大きいと思います。ここは本当に三浦委員がおっしゃったように,私も演習を入れるというのは悪くないと思うのです。できれば,入れるに越したことはないと思っていて,ただ,入れるには負担が多いから,情報サービス演習で読替えという形で私はいいと思うのです。
  その理由としては,なぜかというと,学校図書館はこれから公共図書館との連携協力とか,いろいろな機関との連携協力を進めていかなければいけないわけですから,必ずしも学校図書館に限定した形での情報サービス演習的なことをやることは,必ずしもいいことではないと思っているからです。
  実際,独自科目で,私は演習は作れないと思います。
【堀川部会長】  そこのところをどうしますか。学校図書館サービス演習にしておいて,情報サービス演習と読替えができる。
【平久江委員】  それをしておかないと,多分できなくなってしまう。
【堀川部会長】  中身が……。学校図書館サービス演習で,学校図書館情報サービス演習ではないですよね。情報サービス論がないのですものね。学校図書館サービス演習にしておいて,情報サービス演習と読替え。
【平久江委員】  演習を入れるなら,私はその線しかないと思うのです。
【小田委員】  先ほど,大学の中でどのような順序でという話が出ましたけれど,これもデータが余りないけれど,情報サービス論を受講してから,情報サービス演習という形での組立てを,少なくても指導的には行っている大学はかなりあるはずなのです。したがって,学校司書のところだけ取ってもいいよという話をするのは,これはなかなか難しくて,だから,それもまた,後は大学にお任せするしかないようなところはあって,読み替えるということが,その大学の中で何らかの措置ができているならば,それは可能だと思いますけれど,一律読替えというのは少しリスクがあるように思うのです。
【平久江委員】  一律読替えではないです。読み替えてもいいですよということだと思うのです。
【堀川部会長】  でも,情報サービス論が講義があって,演習がある。
【平久江委員】  相当というのは,お作りにならないところは読み替えてできますよということだと思うのです。
【井上委員】  済みません,確認させてもらえますか。演習というのが前回まで出てこなくて,いきなり出てきて,そのようなことを言われてもねらいも内容もなくて,今,演習の科目を作りましょうというのは,それは余りに。今からまた3回この作業部会をやりますかという話があるのです。
  だから,一つは,ここに資料に出していただいた学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論,それから学校図書館論という三つの独自科目を成立させるというのが一つ。
  もう一つは,学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論を合わせた科目を,プラス演習という3科目のパターン,今は,この二つのどちらかにしますかという議論なのですか。
【堀川部会長】  今は,そうです。
【井上委員】  それであれば,新しく今出てきた学校図書館演習なり,学校図書館サービス演習なり,学校図書館情報サービス演習なりを全く独自科目にするのか,司書課程の情報サービス演習と読替えをするのかというのが,今どちらかにするかという選択をされていますか。
【堀川部会長】  どちらか。そうですね。
【井上委員】  ということは,もう一つの選択は,演習という科目をそもそも設定しないという選択もあるわけですね。
【堀川部会長】  あります。だから,学校図書館サービス演習で,ねらいたい中身というと,情報サービス演習の中身と,それから,どうなのでしょう,児童サービス論の演習的なもの。それから,演習としてはどうですか。
【井上委員】  それは,最初の方に戻りますが,その演習科目の内容というのは,学習指導と学校図書館と読書と豊かな人間性というところでカバーできないのですか。
【平久江委員】  それはできないです。
【堀川部会長】  ここには入らないのではないですか。
【井上委員】  入らないですか。了解です。
【堀川部会長】  また米澤委員さんにお聞きしたいのですけれど,現場で今,学校司書していらっしゃって,演習的なものというのは。
【米澤委員】  例えば,資料2の学校図書館サービス論は,かなり実務的な内容が細かく入っているようなので,もちろんこれは。
【堀川部会長】  本当はこの中身も検討していただきたいのです。
【米澤委員】  情報サービス論に関しても,実務的なことで考えれば,これはリファレンスサービスとか,ファイル資料の構築は,学校図書館独自のものがかなり入ってくる部分だと思います。ただ,これを一つにできるような気もするのですが,6,7,8を別のところに持っていって,レファレンス等も入れていただいて,実務的な部分は演習的な形でやることが,現場に行ってからはとてもいいとは思うのですが,情報サービス論や全体的な図書館のネットワークとか,公共図書館との連携といったことも必要なので,とても難しい部分ではあります。演習が必ず必要だというと,大学の先生にしてみたらとても大変だとは思うのですけれども。
【堀川部会長】  もう30分になって,過ぎてしまいましたが,そろそろまとめたいと思います。下のところですね。
【井上委員】  まとめられる。学校図書館サービス論の内容の中身のところは,これでいいのですか。
【堀川部会長】  いや,だから,これも検討していただきたいのです。
【井上委員】  検討したいのですけれど,例えば6の児童生徒への読書支援の中に括弧でいろいろ挙がっているのですが,読書相談だけではなくて,読書表現への支援という言葉は加わりませんか。
  つまり,読むだけではなくて,読んだ後,例えばしおりを作るとか,ポップを作るとか,ビブリオバトルとか,いろいろな形で読んだものをどう表現するかという,その支援も要るのではないか。
【堀川部会長】  この辺は,先に科目を決めたいと思います。
【井上委員】  どうぞ科目をやってください。
【堀川部会長】  学校図書館だから,今,選択肢があるのは,学校図書館サービス論と,学校図書館情報サービス論,この2本立てで行くか,あるいは,学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論を合わせて一つの科目にして。もう一つ科目を立てるものとして,学校図書館サービス演習を立てるか。
  あるいは,学校図書館情報サービス論を情報サービス論にするか。
  ほかにはありましたか。
【平久江委員】  提案してよろしいですか。基本的に私は賛成したというわけでもないのですけれども,改正案としては,は学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論を合わせて1科目にして,新たな科目を立てるといったときには,読書に関しての内容が弱いので児童サービス論を入れたらよろしいのではないかということで提案したいと思います。
【堀川部会長】  学校図書館サービス論と,それから学校図書館情報サービス,これが今,書いてあるところです。それから今度は,図書館サービス論と,それから児童サービス論。
【平久江委員】  学校図書館のカウンターパートになるので,少しその辺を知っておかないとまずい。
【堀川部会長】  これが入っていて,それから3番目は,学校図書館サービス論とこれを足して,あとは学校図書館サービス演習を入れる。あとほかに選択肢はどうでしたか。
【井上委員】  概論を入れてですね。
【堀川部会長】  概論はそのまま置いてあります。
【井上委員】  置いてある。
【堀川部会長】  学校図書館概論は置いてあります。そして図書館情報資源概論,情報資源組織論,情報資源組織演習,図書館技術論はそのままです。その下の1学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論,今書いてあるまま。それから2学校図書館サービス論に,先ほどの平久江委員さんの児童サービス論,二つ入る。それから3学校図書館サービス論と,それから学校図書館サービス演習を3番目に入れてください。
  この三つですか。
【井上委員】  もう一つ出ていたのは,4学校図書館サービス演習を情報サービス演習に読み替えるとかいう説もありました。
【堀川部会長】  これが読替え。情報サービス演習。
【井上委員】  個人的には賛成しませんが,そのようなものも出ていました。
【堀川部会長】  これが四つ。それぞれ選択肢が四つですか。このあたりでいかがですか。
【井上委員】  だからこの(2)は,上の学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論を合併させてということですね。
【堀川部会長】  そうです。
【井上委員】  合併させて,プラス児童サービス論をということですね。
【堀川部会長】  それぞれお考えいただけますか。学校図書館サービス論,学校図書館情報サービス論,書いてあるとおり。これとこれを合わせたものに児童サービス論,それから,これも,これと合わせたものですね。プラス学校図書館情報サービス論に演習が入る。
  それぞれ支持する項目,もっとほかにもありますか。平久江委員さんは,これですね。
【平久江委員】  決めました。
【堀川部会長】  小田委員さんはいかがですか。
【小田委員】  僕は1か3なのです。
【堀川部会長】  井上委員さん。
【井上委員】  私は平久江先生と同じ2番目です。
【堀川部会長】  これですか。
【米澤委員】  私も1か3なのですけれど,困った。
【堀川部会長】  1か3。1か3が二人。
  三浦委員さん。
【三浦委員】  3です。実現可能であれば3。
【堀川部会長】  3。
【平久江委員】  選ばないと,1か3の人が二人とも1へ行ったら計算が合わなくなってしまう。
【堀川部会長】  1か3か。井上委員さん。
【小田委員】  では,3というのが誘導されているような気がしてきたけれど。
【堀川部会長】  堀部委員さん。
【堀部委員】  僕は1です。
【堀川部会長】  1。
【小田委員】  堀川先生,僕が演習ということを言い出した一番初めの今日の話は,情報資源組織演習があるのに対して,サービス系はないのだけれどもというところから始めたつもりなのだけれど,だからこの委員会の中で,情報資源組織系は演習が必要だけれども,サービス系は演習は特に要らないのではないか。優先順位として高くないのではないかとなれば,3ではなくて1でもいいのかなと考えるということなのです。
【堀川部会長】  でも,3がいいという,三浦委員さんは1より3なのですね。
【三浦委員】  情報サービス系で演習があった方が望ましいと考えています。
【堀川部会長】  米澤委員さんは1か3でしたか。
【米澤委員】  はい。演習は欲しいのですけれども,現実的なことを考えると,とてもそれが。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  可能かどうか分からないですけれど,(1)の学校図書館情報サービス論の中に,必要に応じて演習を含むとかという書き方をして,内容項目を少し薄くしておく,演習ができる時間を確保するという案もあります。
【坪田児童生徒課課長】  やりようによっては,あります。
【堀川部会長】  私も,そうかなとは思います。そうすると,1でもいい。小田委員さんも1でいいのですか。
【小田委員】  はい。了解です。
【堀川部会長】  そうすると,強引ですけれど,三浦委員さんも,演習が入れば,こちらでも大丈夫ですか。
【三浦委員】  そのような要素が含まれるのであれば。
【堀川部会長】  ただ,あとは児童サービス論が2人。
【小田委員】  それは学校図書館サービス論のところでカバーしていただくということではないのですか。
【堀川部会長】  これは,ここが必要だというのが平久江委員さんと井上委員さんですね。私も,だから,これか,これか,どちらを取るかというところです。
【平久江委員】  正直言って,学校図書館サービス論にそんなに盛り込んだら,学校図書館サービス論を担当できる人がいなくなってしまいます。
【堀川部会長】  現状に合わせるか,学校司書という資格を,これから先どう育てていくかというところで,司書教諭の資格が始まったときだって,実際に担当できる人がいるからやりましょうという話ではなかった。
【平久江委員】  だから,それは一緒にしない方がいいのです。それは省令科目の話であって,これは省令科目ではないので,全然状況は違うのです。そこをきちんと理解しておかないと。
【堀川部会長】  モデルカリキュラムだから,もっと現実を考えた方がいい。
【井上委員】  児童サービス論は,司書課程で既存の科目なわけですから,独自科目ではないので,ですから司書課程を開講している大学であれば,それほど負担ではないので,1の学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論,プラス児童サービス論というのは可能ではないですか。
【小田委員】  どこか減らさなければいけない。
【堀川部会長】  あとは重なりですね。この辺の1か2で考えていきたいと思いますが,どうですか。
   数的にはこちらが多いということなのですけれど,多数決でどうかということです。
  そうすると,こちらとしては,独自科目が三つで,上の学校図書館概論を学校経営と学校図書館と読み替えることができるかどうかを入れるかどうかです。入れなかったら三つ。これだったらば。
【井上委員】  二つだけですね。
【堀川部会長】  二つですね。学校図書館概論を独自で読替えも何も書かないで。
【平久江委員】  そこは一緒にしないで。
【堀川部会長】  一緒にしないでください。
【平久江委員】  読替えは是非。
【堀川部会長】  読み替えるべきですか。
【平久江委員】  学校図書館概論に関しては。
【堀川部会長】  概論。
【平久江委員】  だって学校図書館概論というだけでは,中身のねらいが分からないのです。
【堀川部会長】  一応読み替えることができるというようにしておく。その辺,難しい。
【坪田児童生徒課課長】  こともできると。本当はきちんと立ててもらうのだけれど,例外的にできるということです。自動的に読み替えるわけではないということは押さえておかなければいけない。
【堀川部会長】  という,一応前提にしておいて,どちら。あとは多数決でいうと,こちら。多数決で,こちらでいいですか。三浦先生も,こちらでいいのですよね。
【三浦委員】  はい。
【井上委員】  一応必修と,幅の広い選択のような感じで各大学でこれを取得することが望ましいというので,例えば児童サービス論などは非常に近接した科目なので,必修ではないけれども取得することが望ましい科目であるとか,そのような形は可能かと思うのです。
  それを,例えば各大学に完全お任せするという方法もあるのですけれども,一つは,このような科目をモデルカリキュラムのときの説明文のようなところで,このような科目も取ることが望ましいぐらいの解説文を付けてもいいかなと。いかがですか。
【堀川部会長】  それがモデルカリキュラムとして24単位プラス児童サービス論という言い方ができますか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  可能だと思いますので,そこは最後は上乗せは大学の御判断ですけれども,我々としては,このようなモデルカリキュラムを設定する際に,児童サービス論については非常に近い科目としてという話は付言すればいいかと思います。
【堀川部会長】  そうですね。ということでいいですか。ありがとうございました。御納得いただけましたか。平久江委員さんは,何とかしたいのですけれどねという。
【平久江委員】  発言しないことにします。
【堀川部会長】  申し訳ありません。もう10分というところになりましたが,済みませんが,ねらいについては皆様の御意見をまた伺って,皆様の御意見をもう少しこの辺にこのようなものが入った方がいいという,学校図書館サービス論と学校図書館情報サービス論,そして学校図書館概論についての内容をメールでお知らせいただけると有り難いのです。
【平久江委員】  概論は読替えはしてもよいという位置付けでいいのですね。
【堀川部会長】  ということでいいですね。ただ,内容としては。
【坪田児童生徒課課長】  あくまで概論の理想は掲げる。
【堀川部会長】  内容としては,このようなことが含まれるべきだというのは,きちんと出さないといけないと思います。
【平久江委員】  そうですね。それは納得しました。
【井上委員】  一応前回,内容とかねらいということで,学校図書館概論について,前回たしかお渡しして,私が作ったものを配布していただいたかと思うので,参考にしていただければ。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
  さて,それで時間が押して申し訳ありません。科目としては,これで一応確定させていただきます。
  それから今度は報告書の文章の方なのですけれど。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  資料3の方です。
【堀川部会長】  資料3の,特に6ページ,7ページについてお伺いしたいのですが,いかがですか。以前に小田委員さんの方から認証のことについてお話がありましたけれど,いかがですか。
【小田委員】  今日の議論を踏まえて,含めるべきと考えているのは,各大学にお任せという形に最終的になるというのは,これは基本だと思うのですが,各大学でどのような授業が組まれて教育が行われてということをきちんとどこかが点検することが必要ではないかと考えています。
  既存の司書教諭にしても,司書にしても,これは省令の科目ですから,届出という形,この言い方が正しいかどうか分かりませんが,文部科学省の方に報告をしてという形で,そこに一応のハードルを作っていくということは担保されている。ところが,これの場合には,それはないと考えられますので,モデルカリキュラムがモデルとなるような仕組み作りも,これは文部科学省に全てお任せするだけではなくて,民間の機関なり,いろいろな団体なりが協働して進めることも必要だということを,モデルカリキュラムの考え方,普及ということの中で盛り込んでおいた方がいいのではないかということで,認証という言葉を使わせていただいた。
  モデルは,高等教育の大学の認証評価のところが,ある種のモデルの考え方で,大学は7年に1回,今,認証評価が入りますので,学校司書のカリキュラムがどうなっているかということを,これは別に歯止めを掛けるというよりは推奨することを踏まえて入れていただければと考えます。
【堀川部会長】  6ページの下から二つ目の丸の,更に大学等におけるモデルカリキュラムの開講状況等とありますけれど,ここのところをもっと主体を書くとか,具体的にもう少し詳しく入れたいというところですね。
【小田委員】  評価の仕組みのようなところです。
【堀川部会長】  どのような書き方になるのですか。こちらから,どこかにお願いしますと書くわけにもいかない。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  文言は事務局の方でまた検討いたします。
【平久江委員】  要はアクレディテーション。
【小田委員】  に近いところを。
【平久江委員】  何ができるかということですね。
【堀川部会長】  最終的な文言については,また皆様に見ていただいて,そしてまたこちらへ御意見を頂きたいと思っていますので,なるべく早くこちらとしても加筆修正していきたいと思います。
  ほかのところはいかがですか。米澤委員さん。
【米澤委員】  6ページの下から丸ポツ三つ目の,地方公共団体等に対してもモデルカリキュラムを周知しという文章なのですが,ここのところに,今の現職者の方たちの移行に関して触れられていないので,これはここの部会で話すことではないのかどうか分からないのですが,作業部会としても,今働いている方たちが移行できるシステム作りと,あと,学校司書の採用枠がない自治体が多いのに,学校司書になりたい人たちはどうやって実際に現場に行くかという道筋が全くないというのが,とても不安に思いますので,もちろんそれは文科省としてはいえないことだというのは分かるのですけれども,地方公共団体の方で学校司書の配置に関してはもっと前向きにやっていくということを,何かここに入れていただきたいと思います。
【堀川部会長】  どうですか。今,現職者の移行というところなのですが,これが先ほどの平久江委員さんからも出ている省令科目だったらとかいう言葉も出ていて,これがモデルカリキュラムでなければ,それを入れたいのですが,このカリキュラムも大学によってどうぞやってくださいというスタンスですので,なかなか移行措置までは無理かと。
【米澤委員】  望ましいという形でも,少しだけでも入れておかないと,ただの絵に描いたものになってしまうので。
【堀川部会長】  資格を取ることが望ましい。
【米澤委員】  ということを,もう少し強調していただいて。
【堀川部会長】  そうですね。履修者の採用状況を公表するだけではなくて,それが望ましいので,そのような人を採用してくださいというような,その辺の文言は検討させてください。
  ほかには。平久江委員。
【平久江委員】  1ページ目の下から二つ目の白丸なのですけれども,ここにモデルカリキュラムの義務付けを行うことは適切ではないと考えられると,否定的なニュアンスが強いのではないかという感じがしますので,時間がないので自分なりに考えてみた案を述べますと,「履修の義務付けは,各任命者が行うことが適当である」というような,プラスの書き方をした方がいいのかなというのが1点と,それから,最後の7ページのところ,学校司書への研修等についてというところで,ここには委託の問題が出てくるのかなという気がしますので,これだけ研修をしっかりやりましょうと言っているので,できれば,文言だけ言ってしまいますと,委託の問題についても考えなければいけないのかなということで作ったのですけれども,「地方公共団体は,十分な研修を受けない者が学校司書が行う職務を担当することのないように配慮することが求められる」というように,これは委託のことを少し含めました。
【堀川部会長】  ありがとうございます。今お伺いしました文言。
【小田委員】  ごめんなさい,少し混乱しているので,確認というか,共通理解としてお願いしたいのですが,今,米澤さんと,それから平久江さんがおっしゃったことの両方に関わるのですが,ここの3番はモデルカリキュラムを受講している人が更にという読み方をするのかなと思っていたのですが,そうではなくてということで考えるということになりますか。
【堀川部会長】  そのことについては,こちらも申し上げようと思っていたのですが,この親会議の報告書があります。その中の,また最後の部分で,こうした会議としての意見というか,まとめたい今後の方策というか,課題についてまとめたいと思っていますので,その辺との兼ね合いで,今,平久江先生がおっしゃったことは,多分親会議の方に含まれる内容かなと。それは最後のところで事務局で整理をしてくださることをお願いしたいと思いますが,でも,御意見はとにかく伺わせてください。
  小田委員さんがおっしゃるように,ここは学校司書の資格・養成等の在り方についてという,それをどう養成するかというところですので,今の平久江委員さんの話は少し後かもしれません。
【平久江委員】  私は両方に入れておいた方がいいと思ったのです。
【堀川部会長】  だから,その辺の両方に入れられるか,片一方に入れられるか,全体との調整でさせてください。
【平久江委員】  一応意見として出しただけなのです。
【堀川部会長】  米澤委員さんのところは,6ページにも触れられている部分なので,そこをどうするかということですね。
【小田委員】  6ページ側に持っていくと,移行措置という形での研修というような話につながるのだけれど,最後のところへ持ってくると,モデルカリキュラムはこうなっています,これに基づいてのもっと将来的にまたリカレントしていかなければいけないですよねという流れというか,ストーリーなのかなと思っていた。両方あるというならば,そのような理解をします。
【堀川部会長】  親会議の方は学校図書館整備充実に関するというところなので,広い意味です。それは全体を通して事務局の方に調整していただきたいと思います。
  ほかには。
【堀部委員】  済みません,7ページの研修について,細かいところになるかもしれませんけれど,二つ目の白丸のところは,意図性,計画性,継続性がすごく大事だと思うので,意図的・計画的・継続的な研修というところは押さえていただきたいというのが1点です。
  それから次の白丸は,最後のところで,職務経験や能力に応じて研修内容の構成というばかりではなくて,研修方法もあるかと思うので,「内容の構成及び研修方法を工夫」と。
  そして一番下の白丸では,一番嫌だなと思ったのは,学校司書さんの業務というのはマニュアル的な部分は当然あるのですけれども,このマニュアルという言葉はすごく事務的な印象を受けてしまうので,ガイドラインというような,方向性,指針を示すというところで,マニュアル業務ではないというところを少し出していただく必要があるのかなと思いました。
【堀川部会長】  なるほど。ありがとうございます。
  ほかの委員さん,いかがですか。
  では,時間になりましたので,今の在り方についての報告書の案ですけれども,文言についても,更に気が付かれた点はメールでお知らせいただければ有り難いです。ただ,親会議の方が8月の30日に開かれることに決まっておりますので,そうしますと,皆さんから御意見を頂いて修正して,また最終的な報告書というので確認の意味で皆さんにお返しするというと,いつ頃の締切りになるのですか。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  一旦こちらで整理をしたものをお諮りいただいてというプロセスで進めます。
【堀川部会長】  そのときに締切りとかは。整理の前に,とにかく科目のねらいと先ほどの内容,学校図書館概論,それから学校図書館サービス論,学校図書館情報サービス論のねらい,それから今の在り方についても,1週間ぐらいで,もし御意見があれば,もしではなくて是非御意見を1週間ほど,大変短くて申し訳ありませんが,それでもぎりぎり。そして事務局の方で同時に修正加筆していただいて,頂いたものをもう一度調整して取りまとめて皆様にお送りする。それでも1週間,今日が火曜日,今週の金曜日などは無理ですか。今日は2日ですので,8月の5日金曜日,無理なことを申して済みません。
【井上委員】  先ほど申し上げたように,学校図書館サービス論とか情報サービス論の内容についてのコメント。
【堀川部会長】  内容です。学校図書館概論も。
【井上委員】  オーケーです。
【堀川部会長】  科目の内容,ねらいもそうですけれど,特に内容。そして先ほどの,この在り方についての案のいろいろ気が付かれた点をお願いしたいと思います。
  大変駆け足の3回の会議でしたけれど,皆様の御協力でここまで一応たどりつきました。本当にありがとうございました。大変いいメンバーでこれだけ議論させていただきましたこと,とても感謝申し上げます。3回でこれだけ自己満足的に深い議論ができたこと,本当にありがとうございました。
それでは,最後に事務局から一言お願いいたします。
【坪田児童生徒課課長】  どうも,委員の先生方,大変御多用なところ,短期間にわたり本当に濃密な議論をしていただきまして,まだ宿題がありますけれども,本日,報告案の全体を取りまとめていただきましたこと,厚くお礼を申し上げたいと思います。
  座長が言われましたけれども,率直な議論が繰り広げられ,遠慮もない中で,ある意味,きちんと詰まったなというような感じを,こちらも実感として受けるような議論だったと思いますので,そのような意味では,非常に意義のある会だったと思いますし,我々も非常に刺激というか,勉強させていただいたということだと思います。
  我々にとっても,この新しいモデルカリキュラムを作り上げていくというのは,やりがいといいますか,醍醐味でもありますので,大学の方にもいろいろと御負担も掛けますし,また現場の方もそれをきちんと受け止めて,採用に結び付かないといけないということで,いろいろフォローとかウオッチしていかなくてはいけないことがたくさんあるのですけれども,せっかく今,学校図書館に対するいろいろな機運が高まっているときに,学校司書がしっかり活躍できるような養成カリキュラムを作る,それを発信することは極めて重要なことですので,新規的なことも,このカリキュラムの中では打ち出すことができると思いますし,期待が高まる分,その期待に応えた活躍をしてもらえるかというのが,最大のこの養成カリキュラムの評価にまた戻ってくる,フィードバックされてくると思いますので,定期的な見直しも必要になると思います。
  そういう意味で,我々としてもきちんと検証の方法も含めて,皆様方,いろいろな団体の方々と多分手を取り合ってやっていかなければいけない部分が大いにあると思っていますので,まずは関係者の方々への理解を進める,普及を進めることを,すぐにこれが取りまとまった後にはやらせていただいて,学校司書の資格養成についてどんどん前向きに進めていけたらと思っております。
  本当に短期間でありがとうございました。また,全体会議で大きな方針もまとまる中で,様々な発信ができると思います。本当にありがとうございましたと申し上げまして,私のお礼の挨拶とさせていただきます。
  今日,外は大変嵐で荒れているようでございますので,お帰りは気を付けていただきたいと思っていますし,引き続き御支援,御指導よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【堀川部会長】  ありがとうございました。今のお話を伺って,大変心強く思っております。そして,言い忘れましたが,やりとりをする中で,最終的には,申し訳ありませんが,事務局と堀川に一任させていただけますか。皆様の御意見を十分に伺わせていただいて,それを反映させていきたいと思っておりますが,最終的な部分ではお任せいただけますか。済みません,よろしくお願いいたします。
  今日は本当にありがとうございました。この作業部会は,これで閉会にさせていただきます。今日は,本当にありがとうございました。

                                                                  ―― 了 ――


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