学校司書の資格・養成等に関する作業部会(第1回) 議事録

1.日時

平成28年6月19日(日曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省5階5F1会議室

3.議題

  1. 会議の公開の取扱いについて
  2. 学校司書の現状について
  3. 学校司書の資格・養成等の在り方について
  4. その他

4.議事録


【堀川部会長】  それでは,定刻に二,三分前かもしれませんけれども,皆さん,お集まりですので,これより第1回学校司書の資格・養成等に関する作業部会を開催いたします。
  委員の皆様におかれましては,大変お忙しい中,日曜日ということもあります,お集まりいただきまして本当にありがとうございます。
  本作業部会は,平成27年6月に設置された「学校図書館整備充実に関する調査研究協力者会議」の下におかれております。特に学校司書の資格・養成等について,審議を深める必要があるということから,設置されたものです。この詳細につきましては,後ほど,事務局から説明がありますが,できる限りの審議をしていきたいと思います。ここでまとめる結果が一種の起爆剤ともなればというように願っております。
  委員の皆様におかれましては,御無理なことをお願い申し上げますが,どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは,議事進行に入る前に,事務局より配付資料の確認等をお願いいたします。
【友田児童生徒課指導調査係】  事務局の初等中等教育局児童生徒課の友田と申します。よろしくお願いいたします。
  それでは,本日の配付資料の確認をいたします。
  配付資料といたしまして,座席表,議事次第,資料1「学校司書の資格・養成等に関する作業部会」の設置について,資料2会議の公開の取扱いについて(案),資料3学校司書の現状について,資料4これまでの学校司書の資格・養成等に係る議論について,資料5考えられる主な論点について(案),資料6司書教諭,学校司書,司書に関する制度上の比較,資料7司書教諭・教員免許と司書資格の科目・単位について,資料8堀川部会長御提出資料カリキュラム案一覧,資料9日本図書館協会学校図書館職員問題検討会報告書(案)をお配りしております。
  また,参考資料として,「これからの学校図書館担当職員に求められる役割・職務及びその資質能力の向上方策等について(報告)」,平成26年3月(抜粋)をお配りしております。
  また,堀川部会長から,机上配付資料を委員にはお配りしております。
  委員の皆様におかれましては,資料の過不足等ございましたら,事務局までお申し付けください。
  また,会議の公開の取扱いにつきましては,後ほどお諮りいたしますけれども,それまでは暫定的に公開ということで会議を進めていただければと思います。
  事務局からは以上です。
  部会長におかれては,議事の進行をお願いいたします。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
  それでは,議事の進行をいたします。
  本日は,1回目の会議ですので,本会議の趣旨,目的や議事の(1)の公開の取扱いについて,まずは事務局から説明をお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  失礼いたします。事務局の初中局児童生徒課の補佐をしております鈴木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
  お手元の資料1をごらんください。
  資料1でございますけれども,本作業部会の設置について,5月26日に決定をしたものでございます。
  趣旨につきましては,冒頭,堀川部会長からもお話がありましたとおり,学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議がございます。その中で,現在,議論を行っていただいているところですけれども,今後さらなる検討が必要と考えられる事項で,学校司書の資格・養成等について,学校図書館法の一部改正法の附則も踏まえまして,審議を更に深める必要があるということから,この協力者会議の下に本作業部会を設置したものでございます。
  検討事項につきましては,ここにありますとおり,学校司書の資格・養成の在り方等についてでございます。
  1枚おめくりいただきまして,別紙ということで,委員の先生方の名簿を付けさせていただいております。委員の先生方の御紹介も兼ねて御説明申し上げたいと思います。
  まず,委員の先生方は,別紙,上からあいうえお順でございますけれども,失礼いたします。
  獨協大学教授でいらっしゃいます井上靖代先生でございます。
【井上委員】  よろしくお願いします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  青山学院大学教授の小田先生におかれましては,本日は御欠席との御連絡を頂いております。
  続きまして,筑波大学図書館情報メディア系教授でいらっしゃいます平久江祐司先生でございます。
【平久江委員】  よろしくお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  部会長をお願いしております青山学院女子短期大学教授でいらっしゃいます堀川照代先生でございます。
【堀川部会長】  堀川です。よろしくお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  続きまして,横浜市立並木中央小学校校長先生でいらっしゃいます堀部尚久先生です。
【堀部委員】  よろしくお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  続きまして,明治大学文学部准教授でいらっしゃいます三浦太郎先生です。
【三浦委員】  どうぞよろしくお願いします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  続きまして,東京都立府中東高等学校の(課長代理)司書でいらっしゃいます米澤久美子委員でございます。
【米澤委員】  よろしくお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  よろしくお願いします。以上であります。
  1枚おめくりいただきまして,参考ということでお付けさせていただいておりますが,親会議の協力者会議の5月26日配付資料ですけれども,今後のスケジュールをお示ししております。左側に協力者会議,親会議ですが,5月26日に第5回を開催しております。その中で作業部会の設置を決定いただき,右側が学校司書の資格・養成に関する作業部会ということで,本作業部会ですけれども,6月が本日第1回でございます。第2回を7月に予定しております。その後,7月に予定されております第7回の親会議の方に報告を頂きたいというふうに思っております。あくまでも現時点の予定でありまして,今後の審議の状況に応じて変更があり得るというふうに思っておりますが,いずれにしても,親会議である協力者会議の審議のまとめにつきましては,夏を目途にお願いをしている状況でございます。非常に厳しい短期間でのスケジュールとなりますけれども,どうぞよろしくお願いいたします。
  続いて,資料2でございます。資料2は,会議の公開について(案)ということでお諮りをさせていただきます。
  基本的には,会議につきましては,原則として公開をさせていただきたいと思っております。ただし,非公開情報等について審議する場合など,部会長が非公開が適当と認める場合には非公開とすることができるということでさせていただきたいと思っております。
  会議の資料については,原則として公開でございます。
  会議の傍聴につきましては,事前に登録を頂き,座席数を上回る場合には抽選とするということとさせていただいております。
  報道機関の取材については,基本的には許可した場合を除き,撮影・録画・録音については御遠慮を頂いております。
  続いて,4ですが,報道機関の取材については,会議の進行の妨げとならないようお願いをしております。撮影等については,原則として会議冒頭のみということとしております。
  議事録については,これを作成し,公開をさせていただきたいというふうに思っています。
  最初の資料については,説明は以上でございます。
【堀川部会長】  ありがとうございました。
  ただいま説明がありましたように,会議の公開の取扱いについて,何か御意見がございますでしょうか。
  なければ,御了解ということでよろしいでしょうか。
                            (「異議なし」の声あり)
【堀川部会長】  ありがとうございます。
  それでは,本会議の公開の取扱いについては,この資料のとおりとさせていだたきます。
  これを踏まえて,本日は非公開で審議をしていただく理由はありませんので,ただいま決定しましたように,資料2に基づき公開により議事を進行いたします。
  それでは,実際に議事に入ります前に,事務局,何かありますでしょうか。
【友田児童生徒課指導調査係】  座長にお諮りいたします。事務局に対して,本会議の撮影希望がございました。今回の撮影については,今時点のみ撮影可としたいと思いますが,よろしいでしょうか。
【堀川部会長】  はい,結構です。
【友田児童生徒課指導調査係】  それでは,撮影希望の方におかれては,今時点のみ撮影をお願いいたします。
  それでは,撮影はここまでとさせていただきます。
  以上でございます。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
  それでは,続きまして,議事の(2)学校司書の現状について,これまでの調査研究協力者会議の議論も踏まえて,事務局より説明をお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  失礼いたします。そうしましたら,資料3,資料4をごらんください。まず資料3から御説明申し上げます。委員の皆様は十分御案内のとおりですので,簡潔に説明させていただきます。
  まず,資料3,1ページ目でございますけれども,学校司書の法的位置付けについてでございます。
  学校図書館法の第6条におきまして,学校には,司書教諭のほか,学校図書館の運営の改善及び向上を図り,児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため,専ら学校図書館の職務に従事する職員(学校司書)を置くよう努めなければならないとされています。
  また,第2項におきましては,国及び地方公共団体は,資質向上を図るため,研修の実施その他必要な措置を講ずるよう努めなければならないということが定められてございます。
  これが平成26年の学校図書館の一部改正により追加された内容でございます。
  また,その後の附則も同じでございますが,平成26年の法改正において,検討ということで第2項でございますけれども,国は,学校司書の職務内容が専門的知識及び技能を必要とするものであることに鑑み,この法律の施行後速やかに,新法の施行の状況等を勘案し,学校司書の資格の在り方,その養成の在り方等について検討を行い,その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとされておりまして,本作業部会での検討がここに書かれております国の検討の一環でございます。
  続いて,おめくりを頂きまして,その次のページが,ただいま御説明申し上げた平成26年の学校図書館法の一部改正法の概要でございます。
  続きまして,その下が親会議であります調査研究協力者会議の設置の経緯,それから趣旨等について,ごらんとおりでございます。
  委員の先生方は,4ページ,次のページに上に書かれておりますような委員の先生方にお願いをしているところでございます。
  続いて,学校司書の配置状況についてでございます。文科省では,学校図書館の現状に関する調査を実施しておりますが,そこの中で調査をしておるものでございます。
  配置状況ですが,まず配置学校数につきましては,小・中・高等学校全体では約2万校でございます。全体に占める割合としては55.4%ということでございます。
  学校種別に見ますと,小学校は,1万1,000校余ということで,54.4%。それから中学校が,5,507校ということで,53.1%。高等学校が,3,201校ということで,64.4%でございます。
  おめくりを頂きまして,今申し上げた配置率の推移でございます。一番上が高等学校ですけれども,足元64.4%ということで,若干ここのところ低下してございます。それに対しまして,小学校,中学校については,増加傾向にあるというふうに思っておりまして,中学校については足元,先ほどの53.1%,小学校では54.4%ということでございます。
  続きまして,その下ですけれども,学校司書の配置人数についてでございます。人数につきましては,合計で2万1,302人の方が,現在,勤務をされてございます。常勤の方が29.6%,非常勤の方が70.4%でございます。小学校においては1万1,640名の方ということでございます。中学校においては,5,904名の方,そして高等学校では3,758名の方ということになってございます。
  続いて,おめくりを頂きましてスライドの8番ですけれども,学校司書が採用時点で有していた資格についてでございます。こちらは公立だけをピックアップしておりますが,いわゆる図書館法規定の司書の資格を持たれている方が55%ということでございます。司書教諭については14%,それから図書館勤務の経験がおありになる方が28%ということでございます。
  その下の9枚目のスライドが,学校司書の採用条件でございます。自治体ごとにお伺いしたところ,図書館法規定の司書等については59%の自治体,それから司書教諭の資格については15%の自治体,図書館勤務経験が16%の自治体となってございます。
  10ページが,資質向上等の取組について,また,11ページは指導助言体制についてでございます。
  その後,スライド12ですけれども,こちらが現在の学校図書館整備5か年計画の概要でございます。現在,5か年計画は,平成24年度から5年間ということですので,今年度までの計画期間となってございます。ですので,今後の地方財政措置については,夏以降,関係省庁との調整が必要であるというふうに思っております。
  続いて,その下,スライドの13ですけれども,13は,参考資料でもお配りをしております平成26年3月の報告書の内容でございます。簡単に申し上げますと,学校図書館担当職員に求められる役割・職務を学校図書館の機能として,真ん中にあります読書センター機能,学習センター機能,情報センター機能の3つからそれぞれ間接的支援,直接的支援,そして教育指導への支援という職務を規定したものがこの報告書のポイントであったというふうに思っております。
  また,そういった学校図書館担当職員に求められる資質・能力についても整理を行っており,いわゆる学校図書館の「運営・管理」に関する職務に携わるための知識・技能,それから児童生徒に対する「教育」に関する職務に携わるための知識・技能ということで,一定の整理をしていただいたところでございます。
  この報告書を踏まえまして,その後,学校図書館法の一部改正が行われたということでございます。
14ページは,御案内のとおり,学校図書館の役割についてでございます。
15ページ,16ページが,参考として,司書教諭の講習の科目のねらいと内容についてお示しをしたものでございます。
  さらに,スライドの17は,現在の司書教諭の講習科目の相当科目の開設等の状況でございます。これは一部ですけれども,ここにありますように,短期大学においても講習の開設がなされている状況にございます。
  最後のスライド,18番ですけれども,こちらは資格の義務付け等について,政府の方針でございます。平成10年に閣議決定しております地方分権推進計画でございます。中ほど,(イ)という部分にございますとおり,職務を適切に執行するためにどのような知識,能力,経験が必要とされるかは,本来,任命権者が,職務の内容,性格,専門性等に応じ,個々に判断すべき性質のものであるということでございます。
  ですので,その後,最後の部分ですが,職に就くための資格として全国的に一律の義務付けを行うことは,国民の生命・健康・安全に関わる,法令で定める専門的な講習を除き,適当ではないということが政府の方針でございます。
  それからもう1点は,御案内のとおりですけれども,図書館法上の司書についても,司書として勤務するためには,法令上,図書館法に定める「司書」資格等が求められるものではないという状況にございます。
  資料3については以上でございます。
  続いて,資料4を御説明させていただきます。
  資料4につきましては,親会議である協力者会議の第1回から第5回,この親会議では,3月までヒアリングを中心に実施させていただきましたので,ヒアリングにおける各団体等から学校司書の資格・養成について,どのような御意見があったかをまとめたものです。簡単に御紹介させていただきます。
  学校図書館協議会様からは,国が定める資格であることが大事である。他の資格の流用ではなく,独自の学校司書の資格を創設することが大事。また,大学における養成,専門職員としてふさわしい科目内容,単位が必要であるということでございます。
  それから,中ほど,日本図書館協会様からは,大学における専門的な教育課程における学修により,資格を付与するための学校司書の養成制度を検討し,創設することが必要であるということ。
  学校司書資格については,大学等高等教育機関において,司書,司書教諭,教職の各科目をベースに単位修得により資格を取得できるようにしてはどうかと検討しているということ。
  それから,学校図書館問題研究会様からは,専門として司書資格の取得をベースに,更に学校教育に関する知識を併せ持っていることが必要であるとの御指摘。
  続いて,学校図書館を考える全国連絡会様からは,学校司書の資格・養成の在り方について検討することは重要であるが,それらを実りあるものにしていくためには,雇用形態も併せて考えていくことが欠かせないとの御指摘がございました。
  続いて,日本学校図書館学会様からは,学校司書の専門性としては,学校図書館の管理業務に加え,学習指導及び読書活動を支援するための必要な資質能力を備える必要があるとの御指摘。
  学校司書の資格は,その専門性を担保するため,大学等において必要な単位を習得した専門職とするという御指摘等々ございました。
  その下が日本図書館情報学会様からは,これまでLIPERプロジェクトに取り組んできたということで,その研究成果からの提言として,他の資格制度,他の情報専門職のものとの関係から,新たに学校司書に関する養成制度を創設する必要がある。
  また,学校司書の養成は高等教育機関において行うべきである。グローバルな視点に立てば,これは当然のことであるとの御指摘を頂いております。
  ここからは,全連小,全日中,全高協ということで,学校現場のサイドからの御意見でございます。
  必要性が高いと思われる専門職員については,34県の校長会が「学校司書」と回答をしているということ。
  それから,学校司書の配置は,地方教育行政が主導してきた経緯があることから,実情を踏まえた対応が望ましい。
  資質については,資格だけでなく,研修もトータルで考えることが重要。地方教育行政が,資格と研修の組合せを総合的に考えていけるよう,自治体の取組を尊重することということでございます。
  全日中様からは,あくまで教育は教員が担うものであることや,学校司書には,教育や児童生徒の理解が不可欠,資格の検討でもこのことを踏まえること。
  あとは,重複しているところは割愛させていただきます。
  全高協様からは,学校司書の資質については差が大きいため,その専門性の向上を確保するような研修の充実が必要であるということ。
  それから,学校図書館整備推進会議様からは,配置促進の安定した職場の確保並びに研修制度充実を図っていただくこと。司書教諭との協同関係を進めていただくこととの御意見を頂きました。
  また,委員の皆様からの御意見としても一部抜粋をしております。
  学校司書は公立図書館の司書とは役割か大きく違うと感じる。どちらかというと,公立図書館の司書の場合は,調べたい人たちに対してサポートする。一方,学校司書は,どちらかというとプッシュ型で,自分から動いて子供たちに調べる方法を教えていくということなので,この役割の違いをはっきりしておいた方がいい。
  学校司書の前回の協力者会議については,児童生徒に対する教育に関する職務に携わる知識が必要だということが認められたということがポイントだと。
  それから,学校司書の資格・養成も大事だけれども,どう育成していくかというところも大事な視点だということ。
  学校司書の資格・養成については,ベースに教育という子供を視点にしたときに学校教育を支える概論,それから経営に関する部分が必須の条件である。
  学校司書の専門性については,子供の発達特性を踏まえる視点が必要であるといったような御指摘を頂いてございます。
  簡単ではありますけれども,現状,それからこれまでの議論については以上でございます。
【堀川部会長】  ありがとうございました。大変よくまとめてくださいまして,有り難いです。
  先ほどの,学校司書の現状についての資料3の6ページが,高校の学校司書の配置率がだんだん下がってきていると,これも事実ではあると思いますが,もう一方では,実習助手という名前の人たちが,今度は学校司書としてはカウントされなくなった,調査のところで報告されなくなったというような話もちらっと聞いております。実際やっぱり少なくなっているのかとちょっと残念ですけれども。以上です。
  続いて,議事の(3)の学校司書の資格・養成等の在り方についてに移りたいと思います。
  先ほど,事務局より説明のあった点を踏まえて,予定としては,本日を含めて2回ないし3回で,学校司書の資格・養成等の在り方について検討していくことになります。本日,この後の議論をするに当たって,考えられる主な論点及び関係資料について,事務局より説明をお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ありがとうございます。資料5,6,7をごらんいただきたいと思います。
  まず,5でございますが,本日,先生方に御審議いただくに当たって,主な論点ということでお示しをさせていただいております。 
  まず,学校司書の資格・養成に関する基本的な考え方についてでございます。こちらについては,先ほど御紹介した資料4において,関係団体からのヒアリングにおいて,学校司書の職務内容が専門性を必要とするものであるため,大学における養成が必要であるとの意見が多数示されてございますけれども,この点についてどのように考えるかという点がございます。現行の司書や司書教諭の養成につきましては,短大においても実施をされておりますけれども,それと同様に,大学及び短期大学において行うことが考えられるのではないかという論点でございます。
  続いて,本作業部会では,この養成に関して大学等のモデルカリキュラムとして望ましい科目,単位数等を示すこととしてはどうかということが考えられます。このモデルカリキュラムの履修については,大学等が履修証明を行うことが考えられるというふうに思っております。
  続いて,このモデルカリキュラムにつきましては,学校司書の方が学校図書館で職務を遂行するに当たって,履修していることが望ましいものとすることが考えられるというふうに思っております。
  なお,先ほど資料3でも御説明いたしましたけれども,学校司書の採用については,任命権者である地方公共団体や学校法人等の権限であります地方分権の観点からは,モデルカリキュラムの履修の義務付けを行うことは適切ではないというふうに考えられるのではないか。
  一方では,このような養成には長い時間を要すること,現に学校図書館で勤務をされている学校司書の方々が保有する資格,経験年数等も様々であることを踏まえれば,経過的な措置も必要ではないかということが考えられますけれども,どのような内容が考えられるかという論点。
  また,学校司書の養成は,大学における教育に加えて,研修あるいは採用後の資質能力の向上のための取組も重要であると考えられますけれども,どのような取組が期待されるかというような論点がございます。
  続いて,2つ目でございます。本日,主に御審議いただきたいのが,このモデルカリキュラムについてでございます。
  モデルカリキュラムは,学校司書が学校図書館において職務を遂行するための基礎的な知識・技能を修得するためのものとして,その後,更に専門的な知識・技能を身に付けていくことを期待し,学校司書の職務の遂行に当たっての必要最小限のものとしてはどうかというふうに考えております。
  また,先ほど御紹介した平成26年報告書では,学校司書の職務として,間接的支援,直接的支援,それから教育指導への支援ということが示されておりますので,これらの職務の遂行のために必要不可欠な科目・単位等はどのような構成が望ましいかという点。
  それから,このモデルカリキュラムにつきましては,学校司書としての望ましい在り方を御議論いただいた上で,仮に科目の内容が司書資格の科目,司書教諭の科目,それから教員免許状の科目と重なる場合には,読替えを行うことが考えられると思いますけれども,この点についてどのようにお考えかということ。
  それから最後ですけれども,単位数については,養成を担う大学等と履修しようとする学生側の双方にとって過度な負担とならないよう配慮することが必要と考えられます。また,司書などの他の資格とのバランスも考慮した上で検討する必要があると考えられますけれども,どのようにお考えかということをお伺いできればと思ってございます。
  論点については以上でございます。
  続いて,資料6,資料7が,現状の資格等について御紹介したものでございます。審議時間を確保したいので,簡単に御紹介いたします。
  資料6は,司書教諭,学校司書,司書についての制度上の比較をしておるものでございます。
  司書教諭については,御案内のとおりでございます。5科目10単位でございます。その前提としては,教諭の免許状を有する方,あるいは大学に2年以上在学する学生で62単位以上修得した方ということですけれども,ここにございます5科目10単位がございます。現在は,学校司書については定めがございません。一番右側ですけれども,司書につきましては,必修11科目22単位,選択が2科目2単位ということで,合計24単位が課されてございます。司書についても,大学,短大を含む,ここに記載のとおりの修了した方等々の前提がございます。
  2ページ目以降は法令ですので割愛させていただきます。
  資料7が,具体的に科目名をお示ししたものであります。左側が司書教諭でございます。5科目10単位がございます。その下が小学校教諭の一種免許状の例でございますけれども,教員免許を取得するには,教科に関する科目8単位,教職に関する科目41単位,それから,いわゆるその他と言われてございますけれども,施行規則第66条に関する科目が憲法等々8単位でございます。右側が司書資格についてでございますが,必須科目の22単位の内訳は,基礎科目,図書館サービスに関する科目,図書館情報資源に関する科目の3つで構成されてございます。全て2単位でございます。その下が選択科目でございます。全て1単位で構成されてございますが,以下のうち2科目を選択ということで,合計すると24単位ということでございます。
  なお,司書教諭の科目と司書資格の必須科目については,色付けの部分については読替え等の措置がなされているところでございます。
  2ページ目以降が具体的なその科目のねらい,内容等を示したものでございます。3ページ目以降が,司書資格の方でございます。生涯学習概論から始まり,4ページ目が図書館サービスに関する科目,5ページ目が図書館情報資源に関する科目,最後が選択科目でございます。これは全て平成21年に現在の司書資格を検討した際の協力者会議の報告書において示された内容でございます。
  簡単ではございますけれども,以上でございます。
【堀川部会長】  ありがとうございました。たくさんの資料を用意していただいて,大変助かります。
  それでは,ただいま事務局より説明のありましたように考えられる主な論点が2つに分かれております。この残りの時間を2つに分けて,それぞれ意見交換を行っていきたいと思います。
  それでは,まず1枚目の1.学校司書の資格・養成に関する基本的な考え方,ここの部分を御意見を伺いながら固めていきたいと思います。これだけの人数ですから,挙手はもう必要なく,どうぞどなたからでも御随意に発言をお願いいたします。
  まずは上から見ていきたいと思います。関係団体からのヒアリングにおいて,学校司書の職務内容が専門性を必要とするものであるため,大学における養成が必要であるとの意見が多数示されたが,どのようにお考えになりますかということで,ここには現行の司書や司書教諭の養成と同様に,大学及び短期大学において担うことが考えられるかというように書いてありますが,実際,可能性としては,民間で行うこともできますし,それから,今,司書の養成で図書館界では,短大はどうかという話もちらっと聞こえてきたりはしています。そうしたことも踏まえて,学校司書を養成するというところでは,どういうようにお考えでしょうか。この大学及び短期大学,ヒアリングでも御意見を伺っていますけれども,どうでしょうか,平久江先生。
【平久江委員】  一応,基本的に,私はこの考えに全く異存がなくて,これまで議論してきたことの流れでは,当然この大学及び短大ということが前提として考えられるのかというふうに思っております。
【堀川部会長】  どうですか,井上先生。
【井上委員】  基本的には賛成しますけれども,短期大学ではやはり無理があると思います。以前であれば,高校までのカリキュラムがかなり必修が多くてしっかりした基礎教育をした上で短大ですから,それもあったと思うんですが,やはり現在よく議論されているゆとり教育というところでしょうか,ふだんから大学生を見ていると,ほとんど基礎教育ができていないという,いろいろな大学で基礎数学とか基礎英語とか,高校とか中学レベルのクラスをやっているところがありますね。そういう現状を見ますと,大学生の質が低下している。短期大学を考えると,大学,4年制で言うと,1年生,2年生ですよね。それで例えば小学校,中学校へ行って,ある意味,指導するわけですけれども,無理がある。ですから,これは短期大学を外した方がいいと思います。
【堀川部会長】  なるほど。今,教職課程も短期大学はやっていますよね。どうしますかね。
  米澤委員,いかがですか。ごめんなさい,どうぞ御自由にと言っておきながら。
【米澤委員】  もちろん専門性を確保するといった視点からは,大学,短期大学等での養成というのが私も賛成なのですが,短期大学で無理か,その辺は今の段階だとはっきり意見がまとまらない感じです。
【堀川部会長】  どうでしょうか。
【三浦委員】  私は,やっぱり司書資格との整合性があるので,現在,司書資格が大学及び短期大学で付与,養成されているという状況ですから,学校司書もそれに合わせざるを得ないのかなという感じは持っております。ただ,井上先生御指摘の問題点については,もちろん認識した上で,国が短大に強制するという形ではないモデルカリキュラムの提示という形でしたら,整合性は付くのかなというふうに考えております。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
【堀部委員】  私はちょっとカリキュラムの詳細だとかという部分では,物理的な部分が見えないんですけれども,方針・方向については賛成です。 
  短大の方は,選択性みたいな部分が可能であれば,モデルは示しながら,うちの大学においては,短大においてはという発想が可能であれば,そういう便法もあるのではないかなと思いました。
【堀川部会長】  なるほど。ありがとうございます。
【平久江委員】  ちょっとよろしいでしょうか。
【堀川部会長】  はい。
【平久江委員】  これ実は,最後の方に議論すべき話のような感じもしたので理由を述べなかったんですけれども,やっぱりこの後のところで,どういう資格を設定するかというところで,やっぱり司書資格とか,それから教職との関わりの中で捉えていかざるを得ないという,そういうものが背景にありまして,そうなってくると,短大を含まないという理由付けが非常に難しいのではないかということがあります。
【堀川部会長】  そうですね。一応,暫定的に,ほかの資格との兼ね合いもあって,短大も一応入れておいて,また戻ってきて議論をするということでいいでしょうか。
  井上委員。
【井上委員】  同じことは,例えば大学院を含めるという視点はないわけですか。今,大学院で司書を学んでいる学生が随分増えてきていますけれども,資格として取れない事態が発生している。では,大学院でも,例えば学校司書という形で,学部までは違ったんだけれどもとなると,大学院生なんだけれども,学部へ行って取りにいくというのが現状ですよね。
【平久江委員】  はい。
【井上委員】  だから,例えばここのところで,大学院,大学及び短期大学もというような幅の広さという視点は無理なんですか。
【堀川部会長】  そうですね,それは個人的にはいいですねと言いたいのですけれども,どうでしょうか。
【平久江委員】  短大以上ぐらいで考えておけばいいんじゃないですか。
【堀川部会長】  どうでしょうか。それもちょっと視野に入れて考えておいて,そしてまた後で戻ってくるということでいいでしょうか。大体基本的な方向ということで。
  ありがとうございます。
  それでは,次のところですが,本作業部会では,学校司書の養成に関して,大学等のモデルカリキュラムとして望ましい科目,単位数等を示すことということで,これをこちらの作業の目標ということにしていいでしょうか。本当はこれが一番大切なところなんですが。そして,このモデルカリキュラムの履修については,大学等が履修証明を行うことが考えられると。
  これについて,きょう御欠席の小田先生から御意見を頂いています。この大学で履修証明をするということはもちろん賛成なんだけれども,それについて,大学でこういう課程をやっているという認証をどこかで行う必要があるのではないかというような御意見を伺っています。今,評価機構などありますので,大学の教育課程についての認証を民間で行っている,そうしたことももうちょっとまた先で,最後のところで検討したいと思いますが,個人について履修しましたという個人に対する履修証明は,その大学で行う司書教諭は最後は文科省でしていますね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  司書教諭の場合は,個人に対する単位修得の認定は大学が行い,その上で,それを大学から文科省に報告いただいた上で,修了証書の授与は文科省で行うという仕組みになっています。
【堀川部会長】  だから,学校司書としては,大学で履修しました。それを文科省に届ける義務はないことになりますね。
【井上委員】  ついでに質問してよろしいですか。
【堀川部会長】  はい。
【井上委員】  学校ですから,教員の方はいわゆる10年免許の制度ではないですか。司書教諭も教諭ですから,本来を言うと10年免許で研修を受けた方が,本来はいいわけですよね。やっていませんけれども。
【堀川部会長】  司書教諭としての10年目。
【井上委員】  ええ。というような形で,認証機関も必要なんですけれども,やっぱりどこかの時点で,司書もそうだと思うんですけれども,認証機関の方は,中のカリキュラムをどうしているかということを第三者がチェックする,今,大学の基準協会がチェックしているようなことも含めてだろうと多分想像しているんですが,それ以外に,免許を取って死ぬまでずっとというよりも,どこかで区切りを付けて,再度研修していただかないと,例えば現在の司書教諭,私も司書教諭を取っていますけれども,基本,1科目だけで取った世代なんです。やっぱりそれは違うでしょうと言われたら,そのとおりでございますということなので,ですから,今現在,小中高でおられる司書教諭の方が,そのまま学校司書になるかといったら,ちょっとそれは違うので,この認証機関プラス10年ごとに研修を受けて,再更新みたいなことも大学が責任をとってやる,責任をとるのが大学かどうか知りませんけれども,文科省かもしませんが。
【堀川部会長】  それを学校司書の養成……。
【井上委員】  のときに……。
【堀川部会長】  として考えたい。
【井上委員】  学校ですから,やっぱり学校司書と司書教諭は学校として全部の教員と同じように指導もするわけですから,教育指導もするわけですから,やっぱり10年ごとに研修を受けて再更新……。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  資格制度の中で更新制を設けている資格は余り多くはなく,例えば運転免許とか,教員免許の更新制も始まったのもそんなに古くからではないのですけれども,その観点から言うと,今,司書教諭には更新制がないのに,学校司書にだけ更新制を入れるというのは,もちろん図書館法上の司書にもないわけで,そことの整合性とのバランスは考えていただく必要があるのかなとは思います。
【堀川部会長】  そこをこちらの最終的な報告で,こうした方がよいというように確定的に言うのではなくても,最後のところで,司書教諭も本当は更新してほしいんだという,そうした希望というか,これからの取組として必要ではないかというところで少なくとも触れてはいきたいと思います。両方とも,学校司書もということになる。いいポイントを押さえてくださったと思います。
  2番目としては,今の議論でオーケーでしょうか。
  それでは,3番目は,このモデルカリキュラムについては,学校司書が学校図書館で職務を遂行するに当たって履修していることが望ましいものとすることが考えられる。これはどうでしょうか。
【平久江委員】  それが前提にならないと話は進まないですね。
【堀川部会長】  なお,学校司書の採用については,任命権者である地方公共団体や学校法人等の権限であり,地方分権の観点から,モデルカリキュラムの履修の義務付けを行うことは適切ではない。正直言って,義務付けはできないですよね。これは御了解いただくということでいいでしょうか。
【井上委員】  いいですか。
【堀川部会長】  はい。
【井上委員】  義務付けはできなくても,例えば毎年調査をして大々的に公表する。ですから,カリキュラムを出している大学名を出して,どのようなカリキュラムをしてやっていますという調査をして公表することは可能だと思うんです。
【堀川部会長】  なるほど。
【井上委員】  義務ではないけれども,名前が出た大学で余りに悲惨なカリキュラムをしていると,自己反省していただけるのではないかという期待を持って調査,公表,実名を出してというのをすれば,義務付けしなくてもカリキュラムがよくなっていくのではないかという期待を持てるのですが。
【堀川部会長】  そうですね。だから,そういうように,これが進んでいく,推進していく何か仕掛けみたいなものを考えていく必要はありますね。それを,その調査をする主体が,文科省なのか,あるいは,そういう認証の機関を設けるのだったら,そこがするかとかというような,いろいろなまた可能性はあると思いますが。
  どうでしょうか。
  では,次の項に移っていいですか。
  一方で,このような養成には長い期間を要すること,現に学校図書館で勤務している学校司書の方々が保有する資格や経験年数等も様々であることを踏まえれば,経過的な措置も必要と考えられる。どのような内容が考えられるかという,この内容については,また最後のところで,となると思いますが,経過的な措置も必要だということはいいでしょうか。
【平久江委員】  最後に検討すべきことじゃないですか。
【堀川部会長】  どういう措置をするかということは中身を考えなくてはいけませんけれども,必要ということでいいですね。
【井上委員】  それは以前の司書教諭のしばらく置かなくていいというような経過措置ではないということですよね。
【堀川部会長】  ないですよね。
【井上委員】  しばらくということで,60年も70年も経過的措置をされると,ここで話す意味が全然なくなってしまいますので。
【堀川部会長】  その内容は,私たちで提案することなので,そういうのはなしにしましょう,具体的で実際に動いていくことを考えたいと思います。
  次の項目,また,学校司書の養成は,大学等における教育に加えて,地方公共団体による研修の実施など採用後の資質能力の向上のための取組も重要であると考えられるが,どのような取組が期待されると考えられるかということで,これについても終わりのところで取組についていろいろな御意見を伺いたいと思います。
  したがって,私たちのここの作業部会の報告としては,一番初めにこういう基本的な考え方を置く,そして次に,モデルカリキュラムをこれから検討しますが,それをきちんと形のあるものにする,そして最後のところで,こうした先ほどの更新の10年目の研修も本当は必要なのではないかとか,地方公共団体においては,こういうような研修が必要なのではないかというようないろいろな取組への可能性というか,提案をまとめていくというような形になるのかと思いますけれども,そんなイメージでいいでしょうか。構成はまた変わっていくとは思いますが,イメージとしてはそんなことでいいですか。
【平久江委員】  ちょっとよろしいでしょうか。
【堀川部会長】  はい。
【平久江委員】  この基本的な考え方ということなので,ちょっと発言させていただきたいんですけれども,やっぱり基本的な考え方としては,資格基準の在り方を考えるというのは非常に大事だと思うんですけれども,ただ,これまでの,先ほどお話がありましたけれども,何十年もそのままにというような話もありましたように,またモデルカリキュラムの履修の義務付けを行わないというようなことがありますので,やっぱり資格の在り方だけではなくて,資格,これから基準とかということに議論が進むかもしれないのですけれども,そういったものの普及の仕組み,これをきちんと考えないといけないのではないかというふうに思います。
  それから3点目としては,やっぱりこういった普及を考える上で肝になってくるのは,都道府県教育委員会の役割ということなんですね。今後,資格を作っていったときに,都道府県教育委員会をどう巻き込んでいくかというようなことは非常に重要になってきますので,やっぱり都道府県教育委員会の役割を明確にしているという,多分3つくらいの観点で捉えていかないと,せっかく議論したことがなかなか生きないのではないかというふうに思っております。
  更に言ってしまっていいですか。
【堀川部会長】  どうぞ。
【平久江委員】  普及の仕組みとしては,私は飽くまで個人的な段階なんですけれども,余り回数がないので無理やり入れ込んでしゃべってしまうんですけれども,国レベルにアドバイザー的なものを配置するということが大事なのではないかと。つまり,こういったものを作りました,基準を作りました,ガイドラインを作りました,各都道府県に配りましたと言っても,読まないし,これまで誰も実行に移さなかったので,やっぱり人がいないと駄目ですね。都道府県を含めてこういったものを働き掛けるような,そういった人が置けたら,すごくいいんじゃないか。多分それは兼任でも構わないと思うんですけれども,それは飽くまで私案なんですけれども。
  以上,3つの観点でできればお話を頂きたいと思います。
【堀川部会長】  3つというのは,もう一回言ってください。
【平久江委員】  つまり,ここで議論する基準の在り方ですね。
【堀川部会長】  基準……。
【平久江委員】  資格の在り方です。
【堀川部会長】  はい。
【平久江委員】  それから,普及の仕組みをやっぱり議論していただきたいということと,それから3点目としては,特に都道府県をどう巻き込んでいくというようなところを少し考えていっていただきたいと。
【堀川部会長】  普及の仕組みについては,今のアドバイザーの話とか,それから,先ほど井上委員がおっしゃってくださった調査をして,大学名を出してというような,どういうカリキュラムでやっているとか……。
【平久江委員】  そうですね。いろいろあると思います。
【堀川部会長】  というような,そうしたものもこれからはもっともっといろいろなアイデアを頂きたいと思いますけれども,その辺をどこに入れ込むかというのは,また最後のところで,皆さんで検討するか,事務局で考えてくださるかというところだと思います。でも,その普及の仕組みというか,仕掛けというか,これはやっぱりとても大切だと思いますので,是非またいろいろ御意見を伺いたいと思います。
  というところで,それでは,今のこの基本的な考え方については,一応,1枚目はいいでしょうか。きょうのところは。またきっと戻ってくるところはあると思いますけれども。
  それでは,続いて,今度は2の方なんですが,学校司書のモデルカリキュラムについてというこちらについて御意見を伺いたいと思います。このモデルカリキュラムを議論するに当たって,参考になる資料,資料8を見ていただきたいと思います。
  これは,これまでに出されているいろいろな案をまとめたものです。最初のページは,7つのもの,一覧表になっていますけれども,作成者が,伊藤真理さんから始まって,ずっと7番目まで,そして,それの具体的なカリキュラムが,次のページから載っています。これを見ていただくと,皆さんがいろいろ考えてくださっている中では,この司書にプラスするものとか,2番のところでは,桑田さんの案では,生涯教育,学校教育分野,学校図書館分野というように3つに分かれていますし,3番のところでは,必修,選択。それから4番目では,司書,司書教諭,教職,学校司書というように,既存の資格の中からいろいろ引っ張ってきて,それにプラスして学校司書。5番のほんとも案も,既存の資格の中から持ってきたものに学校司書。それから6番目の野口さんの案,ごめんなさい,ちょっと数字が違っていまして,番号が違って申し訳ありません,最後の野口さんの案では,以前の協力者会議のときに出した間接的支援,直接的支援というような言葉を使って学校司書の養成案を作ってあります。ごらんいただければと思います。
  それから,きょう,机上配付で置かせていただいたものは,これは以前に米澤委員に手伝ってもらって作ったものなんですけれども,それの裏の4ページの方をごらんください。その下の図です。学校司書と司書教諭が共同でというように,動きのイメージとして,ちょっと具体的な言葉があると,イメージしやすいかなと思って持ってきただけのものです。
  ということで,今度は,次に,日本図書館協会の学校図書館職員問題検討会から報告書の案が公表されていますので,これについては事務局の方から御説明をお願いいたします。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ありがとうございます。資料9をごらんください。こちらは,日本図書館協会様の方で,学校図書館職員問題検討会を設置され,その報告書の案がホームページで公表されましたので,本日,お配りをしております。簡単に御紹介させていただきます。
  この報告書を1枚おめくりいただきますと,2ページ目に目次がございますけれども,1.から5.までの中で整理を頂いております。具体的に3ページから5ページまでが,学校図書館の使命・目的・役割を整理されたものです。
  3ページの中ほどに(2)とありますけれども,この報告では,学校図書館の役割を,1,資料・情報提供の役割,2,教育的役割,3,「場」を提供する役割の3つから整理をされたということでございます。
  時間の関係もございますので飛ばさせていただいて,6ページをごらんください。6ページから10ページまでが,学校司書の歴史・現状と資質能力ということでございます。歴史・現状については御案内のとおりですので,飛ばさせていただいて,8ページからが学校司書の役割・資質能力ということで整理を頂いてございます。
  特に9ページに,学校司書の資質能力の整理をされていて,先ほどのように学校司書の役割を3つに整理をされているので,それにそれぞれということで,資質能力,表3ということですけれども,大きく4つに分けて整理されております。
  1つ目が,各役割の基礎となる資質能力があるのではないかということでございます。その下が,「資料・情報提供の役割」に関する資質能力。それから,教育的役割に関する資質能力。そして最後が,10ページですけれども,「場」を提供する役割に関する資質能力ということで,学校図書館に置かれる学校司書の役割から資質能力を整理されています。
  続いて,更に10ページから13ページは,役割分担と協働ということでございます。
  その上で,13ページから22ページまでが,この報告書の一番肝の部分ですけれども,学校司書の資格・養成・研修ということで整理をされてございます。
  表4ということで,14ページからになりますけれども,先ほどの表3で支出能力を整理した上で,その必要とされる資質能力について,具体的な講義内容に読み替えるということで,先ほどのとおり,基礎となる資質能力からの講義内容,それから「資料・情報提供の役割」からの資質能力,「教育的役割」に関する資質能力,そして「場を提供する役割」についての資質能力に関する講義内容みたいなものを整理されてございます。
  17ページにございますとおり,表の終わった後ですけれども,資格のあるべき姿として,既存の関連資格をベースにしながら学校司書の専門性が認識できるような知識やスキルを身に付けたことが証明される資格を作るべきということで,既存の司書資格,司書教諭資格に設定されている科目だけに限らず,教職課程まで範囲を広げ,場合に応じてこれらの資格や課程に含まれない独自の科目についても検討ということ。
  それから,現職者に対してのリカレント教育についての対策も必要というようなことでございます。
養成の在り方が(2)で出てきますけれども,そのあたり,学校司書の養成は,現行の司書,司書教諭の養成と同様に,大学及び短大において担うことを前提とし,大きく3つの方向性があり得る。
  1つは,独自のカリキュラムを構築。2つは,司書,司書教諭,教職のカリキュラムに存在する科目の中から組み合わせて構築。それから3つ目が,折衷案の3つの方向性があり得るということを前提としつつ,18ページですけれども,前述の2つ目又は3つ目に挙げた形,つまり,全くの独自カリキュラムだけで構築するのではなくて,既存の科目等を活用しながらいくという科目で,考え方としては,養成を担う大学と,それから学生の負担が荷重にならないよう配慮が必要であるということ。それから,司書資格取得に必要な24単位を下回らない限りとすることが望ましいという考え方等々,それからその下ずっといきますけれども,4で現職者に対する措置としては,実務経験等による単位認定も適切に設定するというようなことも考えられるということで,19ページの表5が科目構成案でございます。A案,B案,2つ並んでございますけれども,共に27単位で構成されております。A案は既存科目のみで,B案か既存科目と独自科目を組み合わせたものということでございます。
  詳細には御紹介しませんけれども,こういったようなことで,その後20ページからは,研修等の在り方等々が書かれてございます。
  簡単ではありますけれども,以上でございます。
  その上で,参考資料もお配りをさせていただいておりますので,補足させていただければと思いますけれども,平成26年報告書の抜粋でございます。おめくりいただきまして,9ページから抜粋しておりますけれども,10ページに,先ほど,堀川先生も御紹介いただきました学校図書館担当職員の職務をイメージ図で入れております。ここでは,基本的に現段階において学校司書の役割ですとか職務を文科省として整理したものは,この報告書でございます。ですので,この報告書の学校司書の職務をまずベースに考えるべきであるという観点からすると,間接的支援に関すること,直接的支援に関すること,それから教育指導への支援がございますので,こういった職務を担うに当たって,必要な科目がどうなるのかということで,11ページ,12ページ以降は,その職務が書かれております。
  その上で,17ページには,資質能力ということで整理をしたものとして,学校図書館の「運営・管理」に関するものと,児童生徒に対する「教育」に関する職務に関する知識・技能ということで,ここにありますように,学校図書館の意義に関することですとか,情報や資料の種類や性質に関すること,コレクション形成・管理,それから情報機器等に関して,また,著作権を個人情報等の関係法令,それから教育の部分については児童生徒の発達,学校教育の意義,目標等々,あるいは読書指導,学習活動支援等々の一定の整理をされておりますので,基本的にはこの検討会での報告をベースに御検討いただければというふうに思っております。
  以上でございます。
【堀川部会長】  ありがとうございました。
  それでは,いよいよ具体的にこれを検討していくことになりますが,今の論点の2ページ目,2番の最初の項目,モデルカリキュラムは,学校司書が学校図書館において職務を遂行するための基礎的な地域・技能を修得するためのものとして,その後,更に専門的な知識・技能を身に付けていくことを期待し,学校司書の職務の遂行に当たっての必要最小限のものとしてはどうかというように論点としては提案されています。この必要最小限のものというのが難しいところですね。大体これをどのくらいの単位として考えるかというのは,それぞれお考えが違うと思うんですが,そして今ここで何単位と決めることは,今の時点ではちょっと無理だとは思います。中身を決めていかないと,単位を決めてからそれに合わせるということもできないですが,大体というか,先ほどの資料8を見ていただけますでしょうか。
  カリキュラム案一覧で,最初の1番は42単位のものが提案されています。いろいろな内容によって単位数にばらつきがありますが,今まで発表されたもの,提案されたものを見ていただきますと,上から42単位,42単位,塩見案が24単位,これは司書と共通させるということで24単位,日本図書館研究会は38単位,それから5番目,済みません,これをこの表の中に具体的に入れていないんですが,これは親会議の方で日本学校図書館学会から冊子が配られましたので,ここに書かなかったんです,申し訳ありません。井上委員にはお手元になかったですよね。56単位が第一種の資格,学校司書の第二種の資格として42単位というような提案がありました。そして,これは個人の学校司書の経験者の方が提案されているものですが,39単位。それから,野口先生のものが40単位,先ほど,事務局で説明をしていただきました日本図書館協会,これには書いてありませんが,27単位でした。
  そして,その下に書いてある現在の司書資格が24単位,司書教諭資格が教員免許プラス10単位,教員免許がこういうように小学校一種で67単位,二種で45単位。中学校も同様なというか,二種は43単位になっていますが,こんなようなところです。
  大体のイメージとして,どうでしょうかとお聞きするのも,御意見もなかなか出にくいと思いますけれども,正直申して,私としては50出るのは余りにも多過ぎる。個人的な意見ですからね,皆さんの御意見で,もちろんこの会議で決める,こちらの会議として提案をしていくことですけれども,どうでしょうか。学校司書の資格を前回の協力者会議で考えたときに,間接的支援とか,直接的支援とか,図書館界にいらっしゃる方々は,資料や情報の世界と利用者の世界を結ぶのが図書館だというように基本的に大体認識しているかなと思いますけれども,資料の世界から情報を取り入れて選択収集する,そしてもう1つ,次の段階が,取り入れたものを使いやすいように整理をするという段階あたりを間接的支援というように言っています。利用者に直接的には関わらない部分。そうした資料を使いやすく整理をして,そしてその次に提供するという利用者の世界に直接つながる部分,それを直接支援という言い方をしていて,間接的支援が資料の選択収集から始まって,組織化,保存とかというようなところ,そして利用者に情報や資料を直接提供する直接的支援,学校司書の役割は,そういうものにプラスして教育支援,教育指導への支援ということを前回の協力者会議で言っていますので,個人的には,こんな個人的に司会で言っていいのかどうか分かりませんけれども,皆さんの御意見が出るまでのつなぎで話をしていますけれども,だから,ちょっとぐらいはプラスしたいなと,個人的には思いますけれども委員方がどうお考えになるか,やっぱり司書と並びで考えた方がいいという御意見もあると思うんです。
  それから,教員免許が76,でも,第二種が45ですから,45,43ですから,それ以上はちょっと無理ではないかという気もします。
  これが配置が義務付けられていれば言えるんですけれども,これ,努力義務ですよね。なかなか難しい……。
【井上委員】  済みません,確認していいですか。
【堀川部会長】  はい。
【井上委員】  この中で初めて参加するのは私だけですので,基本的なところを確かめたいんですけれども,全く独自に学校司書課程を作るというのを想定されているんですか。
【堀川部会長】  どうなんでしょうか。学校司書を先ほど申しました短期大学,大学,大学院とかで養成をするということは,やっぱり学校司書の課程になるのではないですか。
【井上委員】  理想はそうでしょうけれども,大学で実際に教えている現場からすると,無理。
【堀川部会長】  無理。
【井上委員】  思うんですけれども。
【堀川部会長】  だから,丸々独立したものがもう1つポンと付くというのは無理。
【井上委員】  やっぱりいいところどりみたいな感じ……。
【堀川部会長】  いいところどり。
【井上委員】  今の司書課程は,公共図書館ですから,学校図書館とは違う部分は,やはりこちらから,例えばこういう教材が使えますよという積極的な御提案ができるほどの資質が学校司書には求められるわけで,公共図書館でそれは基本的には,やりたくてもそこまで踏み込んでというのはできない。やっぱり児童サービスでも,1年間,指導計画を立ててなるなど,公共図書館では絶対やりませんが,学校司書ならそれは可能になってくる,同じメンバーで少なくとも1年間見てという。それはやっぱりサービス内容も,やるべき資質も違う,そこから始まると,やっぱり独自の課程になるんですが,実際に大学で誰が教えられるかという,現状の公共図書館向けの司書課程での児童サービスの担当者ですら,実質,児童サービスを研究して担当できる人が,ごくごく限られているわけで,その現実からいって,司書課程以外に小学校,中学校,高校の子供たちを相手にするところの学校司書を養成する人間がいないでしょうという,非常に現実的なところで,それを目指していらっしゃるのかどうか,そこを確認したいんですけれども。
【堀川部会長】  それはここで決めるんです。
【井上委員】  そうなんですか。
【堀川部会長】  はい。
【井上委員】  済みません。
【堀川部会長】  正直言って,その担当者の問題は大きいんです。司書教諭講習が始まったときに,司書教諭を養成する教員がいなかった。今でも困っているところはたくさんあると思います。その辺も今度は学校司書がまた同様な状況になってくる,その対策もこちらで考えて提案しないといけないというところではあります。本当におっしゃるとおりだと思います。でも,ここで決めるんです。
【井上委員】  分かりました。

【堀川部会長】  分からないことでも何でも……。
【堀部委員】  では,分からないこと,分からないことだらけですけれども,1つは,これは私個人としては,やはり司書資格プラスアルファという部分が丸々というのは限界があるなというか,現実問題として厳しいということと,今回,前回の協力者会議で教育的指導への支援というところを大事にしていくという打ち出しをしている前提の中で,新たなというか,独自の部分を考えていく中で,結果的には重なるというのか,取り込むという部分が見えてくるのかなというふうに思っています。
  選択とありますね。この資格……。
【堀川部会長】  科目の中に。
【堀部委員】  科目の。今回は義務付けという前提ではないから,その場合,選択はどう考えていけばいいのかと,個人的に。それはだから,項目,プロットとして,内容としては例示はするけれどもというスタンスでいいんですよね。今,必須と選択というのは,どんな重なり具合なのかという部分は,選択の内容を必須の中に盛り込んで提示するということもあるかもしれないんだけれども,それは物理的に単位数,数字的に限界があるとすれば,もう少し内容をシャープにしなければいけないなとは思うんですけれども,その選択という扱いについて教えていただければと思います。
【堀川部会長】  どうでしょうか。
【井上委員】  そうだと思います。実際,選択科目の中で,司書課程の中に選択科目があるんですが,その中で学校図書館論というのも3年ぐらいやっています。ですから,それだけでは全然足りないのでというのはあるんですが,確かに司書課程をとって,その中で学校図書館に関する選択科目をとった人は学校司書として認定するけれども,その選択科目をとらなかった人は,普通のというか,公共図書館の司書だけとかという方法もあり得るかなとは思うんですけれども。ただ,その場合,選択科目を各大学でめいっぱい全部とれるようにするような体制を必要としておくというのは要ると思います。
  資料9の19ページに,別の構成案として書いてあるんですけれども……。
【堀川部会長】  日図協のですね。
【井上委員】  はい。この中で教職があるじゃないですか。だから,教員免許を取らないんだけれども,司書課程だけなんだけれども,教職課程のこういった科目をとれるようにするというのは,かなり妥当だと思うんです。今,自分の大学だと,教職課程に登録していないと,教育関係の科目を履修できないようになってしまっているんですね。でも,学校図書館とか,あるいは公共図書館の児童サービス論をとるにしても,1科目でも2科目でも教育関係の科目をとっておいてもらった方がいい部分があるので,こういう選択の幅を広げるような形で構成した方が,大学の方も余り負担にならない。ただ,それは教職課程とか司書教諭を開講しているというのが前提になってきます。司書課程しかないところでは,この構成ができなくなってしまうので,それはそれで問題だと思うんですけれども,ただ,司書課程をやっているところが全て学校司書の履修証明を出すというわけではないので,それはいいかと思うんですけれども。
【堀川部会長】  だから,やはり学校司書として必要な科目は,教育原理が必要だというようなことを,まずは学校司書として必要なことを科目を考えて,これが教職にあるんだったらば,そこを受けさせてもらうような,どう運用するかという話は,また同時にというか,考えていかなくてはいけないと思いますけれども。
【平久江委員】  よろしいですか。
【堀川部会長】  はい。
【平久江委員】  大学で講義として展開するということで,今,大学は事業評価とかは非常に力を入れてやっているんですね。そう考えると,高等教育機関でやる講義として,批判に耐えるようなレベルのものを設定しなければいけないということから考えますと,独自に作るというのはそう簡単にいかない話で,そんな作ってレベルが低いというわけにいかないので,そういったある一定の批判に耐え得る科目を中心に,そこをうまく取り入れながらやっていかざるを得ないだろうというふうに思います。
  日図協案として,僕は実はここに加わっているので考え方が近いところがあるんですけれども,ここには独自案というような,今見ていた19ページの表5などは,独自案の設定というような案もあるんですけれども,やっぱりこれは現実的には難しいと思いますので,関連する資格の中から単位を履修していく形で,より現実に近い形のカリキュラムをモデル案として作っていくということを基本的な考え方として進めていっていいのではないかなというふうに思います。
【堀川部会長】  そうすると,今,平久江委員がおっしゃったのは,現実の司書教諭,司書,教職のある中から,この科目をこういうようにとっていけば,これが学校司書ですよと。
【平久江委員】  そうですね。必ずしもそれを排除するわけではなくて,それをある一定期間,続けていった中で,また知見がたまっていったときに独自案というものも改訂で考えられるのではないかとは思いますけれども,現時点では,出発時点では難しいと思います。
【井上委員】  でも,少なくとも学校図書館という科目は,1科目でも2科目でも作った方がいいと思います。例えば,児童サービス論と読書と豊かな人間性をかぶらせるというのを決められたと思いますが,やめてほしい。全然違う,公共図書館の児童サービスと学校図書館と全く違うので,なぜかぶらせたというのがあるので,これをそのままにすると,学校司書は子供だからといって,また児童サービスと読書と豊かな人間性をかぶった科目を1科目とったら学校司書ですと言われたら,目も当てられなくなってしまうので……。
【堀川部会長】  賛成です。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  済みません,事務局から補足ですけれども,先ほど,堀部先生から御指摘いただいた必修と選択ですけれども,いろいろな案を提示されている中でのお考えというのは,それぞれの方々がお持ちなので,現在の公共図書館の司書の資格についての考え方で申し上げると,当時の平成21年の報告書の中では,やはり必修科目は基礎的な部分を大学等で養成をするという考え方を前提として,今後,更に知識・技術を身に付けていくための入り口としての養成の在り方であるということから,必ず修得していただかないといけないものが必修で置いてあって,それ以外に,その必修科目で学んだ内容を更に深めるために,各大学が科目を選択して開講できる選択科目が7科目という考え方に立っていて,中には演習なども含めた形でのことで,ですので,最低限の部分が必修で,それ以外に選択もあるというようなことが,今の司書の考え方でございます。
【堀川部会長】  そうですね。司書は最低24,大学によって,28とか30とか32とかいうように……。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  上乗せされる。
【堀川部会長】  そう。上に重ねていっているんです。だから,大学によって,ここの大学で司書を取ったと言ったら32単位で取った。うちの短大などは最低の24単位で司書の資格を出しています。という現実には単位の数が最低しか決められていないんですよね。だから,学校司書も,今,ある大学では学校司書のこういうカリキュラムを作りかけているところがあるようですけれども,何単位にするのか分かりませんけれども,こちらも最低として,必要最小限はこのくらいの単位でしょうというのを出しても,いや,うちではもっとこれを加えますよ,と開講するところは出てくるのではないでしょうか。
【平久江委員】  質問,いいですか。
【堀川部会長】  はい。
【平久江委員】  1種類で考えますという……。
【堀川部会長】  1種類。
【平久江委員】  2種類とかと考えますという……。
【堀川部会長】  日図協のこの2つのように,案を幾つか考えますということですか。
【平久江委員】  いやいや,例えば,小学校司書とか,中高司書とかというようなことは考えないか,なかなか難しそうなんですけれども,ちょっと確認の意味合いです。
【堀川部会長】  いや,小学校の司書,中学校の司書,高校の司書の資格をそれぞれ作ると,今度はまた……。
【井上委員】  でも,先生,今,小中一貫とか,中高一貫の中等教育学校が増えているので,余りそういうふうにされない方が……。
【平久江委員】  いやいや,したいわけではなくて。
【井上委員】  すると,中等教育学校向けとか,小中一貫校向けとか,3つで済まなくて,5つは作らないといけなくなりますが。
【堀川部会長】  では,ここで確認です。学校司書は1種類でいいでしょうか。
いいですか。
【平久江委員】  はい,分かりました。
【堀川部会長】  それとも,司書も上級とか何とか作ろうとしているようなあれもありますけれども……。
【平久江委員】  私としては,今の御説明いただいたので納得できます。
【堀川部会長】  まずは1種類というところから始めるということにしますか。
  今の必要最小限のものというところから始まって,まだ全然進まないんですけれども……。
  それから,次に進みますけれども,2ページの次の項目,平成26年報告書では学校司書の職務として,間接的支援に関する職務,直接的支援に関する職務,教育指導への支援に関する職務が示されており,これらの職務の遂行のために必要不可欠な科目・単位等はどのような構成が望ましいか。
  次,読みます。学校司書のモデルカリキュラムにおいて,科目の内容が司書資格の科目や司書教諭や教員免許状の科目と重なる場合には,読替えを行うことが考えられる。
  単位数については,養成を担う大学等と履修しようとする学生等の双方にとって過度の負担にならないよう配慮することが必要と考えられる。また,司書などの他の資格とのバランスも考慮した上で検討する必要があると考えるがどうかというところです。
先ほどの,いろいろ御意見が出てきていますけれども,読替えを行う,読替えを積極的に行って学校司書の資格にするのか,実際に学校司書としてもともと必要なものというので,まずは検討して,その結果として読替えが可能ならば読み替えるという,方向としてはどちらでしょうか。
委員の皆さん,どうですか。
【三浦委員】  私は後者でよろしいかと思います。文科省の事務局から,先ほど,2014年3月の資質能力の向上方策等についての報告の御説明がありましたけれども,ここで挙がっている読書センター,学習センター,情報センターを学校図書館での機能として規定しているので,まずはその学校図書館で働くところの学校司書の方には,読書センターとして何が必要なのか,学習センターとしてどういう能力がその方に必要なのか,情報センターとしてどういう能力が必要なのかということを,まず考えた上で,そこで挙げられた実際の具体的な科目が,教職であるとか,司書の課程であるとか,既に設置されている内容と重なっているのであれば,それは積極的に読替えを行って,現実的な対応を考えていくということがやはりよろしいかというふうに思います。
  また,諸案を拝見すると,その枠組みがかなり皆さん異なっているんですが,やはりここは2014年3月の報告書からの継承ということを念頭に置きながら,まずこちらの側で枠組みを設定して,その枠組みの中での必要科目を考えていくのがよろしいのではないかというふうに考えました。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
ほかの委員の方,いかがでしょうか。
【平久江委員】  基本的にはそれでよろしいと思うんですけれども,ただ,研究協力者会議の報告書の枠組みは2つの考え方が含まれていて,1つは,職務に関してという枠組みと,それから,資質能力という側面から捉えた枠組みが2つありまして,どちらから科目を考えていくかというのは,そこは検討してみないといけないのかなと思います。機能という枠組みを考えれば3つぐらいなのかもしれないですけれども,場合,資質能力ですと,ここにありますように,資料・情報でしたか……。
【堀川部会長】  17ページ。
【平久江委員】  17ページか。そうですね,管理・運営に関する職務に関わる知識・技能と児童生徒に対する教育に関する職務に関わる知識・技能という,そちらの枠組みもありますので,多分,その辺も検討する必要があるのかなということがあります。
  それとあと,単位数に関してなのですけれども,やはり採用の段階で今一番多いのが司書なんですね。現実問題としては司書資格が課されているということになりますと,やはり今後は学校司書という資格を作って,司書資格を持っている人と,学校司書資格を持っている人,将来的にどちらを採用するのかというようなことも考えられるかもしれないんですけれども,そうなったとき,やっぱりそれが司書資格に余り見劣りしない形でのある一定の水準を保った資格として学校司書資格を設定していかなければいけないんだと思うんです。そう考えていくと,単位的には24単位という司書資格がありますので,学校司書資格も24単位相当以上の資格という単位数をある程度想定していった方がいいのかなというふうに思います。
  ただ,上限のことに関してはいろいろ異論があると思うんですけれども,現実的には僕は30単位ぐらいかなと思うんですけれども,それは確固たるものではないので,単位数もある程度そのぐらいを目安にしながら想定していってもいいのかなというふうに思います。
【堀川部会長】  ありがとうございます。
  具体的に科目名を挙げていきたいと思いますけれども,前の協力者会議の報告書の先ほどの17ページ,学校図書館を運営していくために必要な専門的・技術的職務というのは,先ほどの間接的支援と直接的支援が一緒になったものと考えてくださればいいと思います。
  もう1つ,教育活動への協力・参画等に従事する資質能力というと,教育指導への支援と,単純にそうやって2つに分けられると思います。ですから,先ほどの3つの間接的,直接的,それから教育支援へという,そちらで考えていきますと,今の協力者会議の10ページの図です。1,間接的支援に関する職務のところで,大きく図書館資料の管理,施設・設備の整備,学校図書館の運営と3項目に分かれていますが,大体このあたりはどういうような科目名というか,内容。だから,資料の管理というと,今,司書の科目の中でやるどれに相当しますか。大体。情報資源概論。でしたか。
【井上委員】  概論。
【堀川部会長】  概論。情報資源概論。ただ,それも学校図書館の資料に焦点を合わせる。違う,一般的な司書としての。だから,これは司書の科目で読み替えできるかなというところですけれども。
  それについては,こちらで資料7を見ていくと分かりやすいんですよね。図書館情報資源概論。それから,この情報資源に関する科目,資料7の右上のところの図書館情報資源に関する科目というのが3つあります。一応これ,3つとも必要……。
【平久江委員】  よろしいですか。
【堀川部会長】  はい。
【平久江委員】  確かにそう具体的に考えるということも大事かと思うんですけれども,私はむしろ,司書教諭の資格は10単位あるんですね。その科目は一体どうするのというのがすごく気になっているところなんです。
【堀川部会長】  どうするのというのは。
【平久江委員】  つまり,それを使うの,使わないのという,早い話が。
  例えば,24単位あったとしたら,やっぱり幾つかここでカリキュラムのモデルについての条件というような形で最小限のものであるとか,他の資格等を考えるとか,過度の負担にならないように配慮するとかというような,こういったことを考えると,例えば学校司書資格というものを24単位ぐらいで設定していったときに,そこに司書教諭資格の10単位を入れて,プラス司書資格と教職を入れて24単位にしていくというような,そんなに変ではない,一般的なアイデアの話だと思うんですけれども,そういうふうに考えていくと,学校司書の資格を取りながら,司書教諭資格も取得できるとかというようなことになるわけじゃないかなというふうに思うんですよ。
【井上委員】  どうでしょう。
【堀川部会長】  教員免許を取って。
【井上委員】  それは納得できないのですが,学校図書館メディアの構成は,例えば資料の概論と組織論,組織演習の3科目を全部学校図書館メディアの構成の1科目に押し込んでいるわけで,それで果たして実務としてできるか。だから,司書教諭が全部実務をやるわけではなくて,指導の方に重点を置くので,そういうコンパクトな形になっているわけではないですか。学校司書というのは実務をするわけですから,そういうコンパクトバージョンで実務ができるのかといったら,かなり後研修をとことんしないと,かなりつらいものがあるだろうと思います。
【堀川部会長】  ほかの先生方,いかがですか。
【米澤委員】  済みません,ちょっとずれてしまうかもしれませんが,教育実習生の話などを聞くと司書課程と司書教諭課程の両方をとるのは大変だということでした。ここで司書教諭と学校司書と司書の3つを選べるとなったときに,ある程度の職務の分担がはっきりしていないと,多分,取る側の大学生にしても,私たちにしてもわかりにくいので,まだこれは途中段階だと思うのですが,例えば司書教諭は教員なのですから教員としての立ち位置から学校図書館に関わるというようなことがある程度明確になっていて,学校図書館の専門性の高さを言うのであれば,司書と学校司書だという位置付けを分かりやすく決めていく必要があると思います。カリキュラムの細かいことは,分からないのですが,現場で感じたのは,児童心理とか,教育学は欲しいと思います。それでそのあたりのところを少し整理する時間がこの作業部会であるのかどうかと思うのですが。
【堀川部会長】  いや,それはやらなくてはいけないんですよ。
【米澤委員】  気になったので,やはり司書という名前が付いたものが3つできたときに,かなりその辺を考えた方がいいのではないかと思いました。
  以上です。
【堀川部会長】  ほかの……。
【平久江委員】  今の御意見なんですけれども,司書教諭の科目自体は結構問題があります。本当に内容的に入門なんですね。なかなかそれを資格を取ったからといって,現実に仕事ができるかというと,非常に難しい問題があって,うちなどは専門教育をやっているところなので,司書教諭の資格を取った学生がおりますけれども,実際に行って仕事ができるのは,司書の資格と司書教諭の資格と教員を持った者が実際に行くと,すごく活躍できているという現状なんですね。ですから,そういう問題点は十分分かっていて,あえて私が意見を言ったのは,司書教諭の科目そのものについても,やっぱりここは考えなければいけないということがあると思うんです。ですから,学校司書の資格を考えながら司書教委の問題点も変えていってうまく整合性をとれるような形でやっていかなければまずいんだと思うんです。ちょっと宿題で,頭を抱えそうな話で申し訳ないですけれども。
【堀川部会長】  いや……。
【井上委員】  でも,それは大賛成です。司書教諭イコール学校司書と思われると,これはとんでもない話なので,実務はかなり難しいことになると思うので,繰り返しになりますけれども,私のような世代で昔取ったんだけれどもという人と,今取った人もみんな司書教諭ですから,私の世代などは,もっともっとできないはずなので,それで学校司書とか言われると,ちょっと困ってしまうんですね。
【平久江委員】  そこを考えつつ,やっぱり僕はそういう意味で,司書教諭科目というものを確認しながら,全体を含めた再検討をしていくべきではないかというふうに思うんですけれども。
【堀川部会長】  それは本当はやりたいんですけれども,司書教諭の資格までちょっとここでは手はつけられない。
【井上委員】  だから,そういう意味で,そのまま司書教諭の仕事を学校司書にスライドするのは,かなりリスクが大きいと思います。
  だから,司書課程の方をベースにして,どうしていくかという方が,もう少し建設的ではないかと思うんですが。
【堀川部会長】  だから,現在の役割を考えると,司書教諭は教員をベースにプラス10単位。学校司書は,じゃあ,どうするかというと,司書をベースに教育の原理とか何とかをちょっとプラスしていくのかな。違うのかな。
【平久江委員】  そういった考えも強いんですけれども,じゃあ,逆に,司書資格の内容の問題点もあると思うんです。
【堀川部会長】  司書資格ね。
【平久江委員】  はい。各科目の。ほとんどは学校図書館に関しての内容はないんです。
【堀川部会長】  ないですね。
【平久江委員】  皆無なんですよね。それでいいのかという話です。
【堀川部会長】  だから,もちろん司書を全てそのまま取りましょうではなくて,やっぱりそれを学校司書に適したように変えていかないといけないと思うんです,ある部分。使えるものはもちろん使っていく。
【平久江委員】  変えていくというのは,どういうことですか。
【堀川部会長】  だから,例えば……。
【井上委員】  多分,例えば,図書館概論を学校図書館概論に,図書館制度経営論は学校図書館経営論という非常に学校図書館に特化した形の内容になるということじゃないですか。
【平久江委員】  新しい科目を作っていくという様式ですか。
【堀川部会長】  そこの部分は……。
【井上委員】  将来的にはという。
【平久江委員】  将来的に?
【井上委員】  先生,先ほど,司書課程と同じぐらいの単位数のとおっしゃったじゃないですか。だから,それを考えるのであれば,今,司書課程の中のこの科目で特に学校図書館を特化したような形で,同じように最低22か24単位にすればというのが1つ考えられるのではないですか。
【堀川部会長】  まずそういう理想的なものを作っておいて,でもやっぱりここは無理だとなると,ちょっと妥協してこれとこれを一緒にして何とかの科目にするとか,何とかの,司書教諭の資格を取るとか,振り替えるとかというようなことにはなるかもしれないけれども。
【井上委員】  本当に理想的なことを言うと,読替えはほとんど司書課程では無理かなという気はします。ごめんなさい。
【堀川部会長】  だから,さっきの資料論の話は……。
【井上委員】  資料論? 公共図書館をベースにして事業を構築している中で,どれぐらい子供向けの資料を選ぶかという,でも,公共図書館は教育とか指導をしているわけではないので,子供たちの,せいぜい言って発達段階を見てということであって,例えば,識字教育,識字学習というような段階的な計画を立てて資料構築を必ずしもしているわけではないので,じゃあ,この資料概論でできるのかと言ったら,せいぜいこの中で1時間とってお話しされてということになりかねないので。
【堀川部会長】  確かに私も司書教諭講習で講師の人がいらっしゃらなくて,県立図書館の人を頼むとかということになると,学校図書館の資料に特化しないで,一般的な話になってしまう。それがちょっと問題だなとは思いつつ……。
【平久江委員】  非常に問題だと思うんですけれどもね。延々と公共図書館の話を聞いていているだけでいいのかというところだと思うんですけれどもね。
【堀川部会長】  たから,今度はそうやって講師をする側,教員の側の問題も指摘をしながら,理想と現実をどう折り合わせていくかというところではあるんですけれども。
【井上委員】  これは資料概論だけではなくて,資料組織も子供向けのOPACとか,子供向けの資料の,特に件名などはそうじゃないですか。子供の言葉を使ってというのを資料組織概説とか,資料組織演習で,子供の言葉を使っての演習とかをされておられるのかどうかというのが分からないと,これをそのまま読み替えていいのかどうか。基本は一緒だと思うんですけれども,じゃあ,これが学校図書館の場合にはという部分を講義していただけるのかどうか。
【堀川部会長】  だから,それが現実無理だとしたら,理論としては図書館学の,情報学の理論はきちんとそこで習っておいて,あとは研修で現場に適した技術に変えていくというか,向上させていくことを考えるのか,全て学校司書に特化した科目だけでやっていくのは,正直言って現実的ではないですね。理想は理想なんだけれども。
【井上委員】  それこそ先ほど言われた経過的措置で,5年後にはそういった理想的なカリキュラムとか……。
【堀川部会長】  経過的というのは,資格を取るカリキュラムの経過的,現場の人が……。
【井上委員】  それは駄目だ。
【堀川部会長】  現職の人がというのではなくて,カリキュラムの経過ね。
【井上委員】  そうですか。
【堀川部会長】  それもだから,最後のところで課題というか,取組のところで書いていくし,先ほどの認証というような問題と関連して,どんどんいいカリキュラムを実践していく大学が見えてくれば,改善されるかもしれないということはありますよね。
でも,正直言って,余りにもハードルが高過ぎて,いや,うちはこんな養成はできませんというようにそっぽを向かれても困る。
【井上委員】  おやりになるところと,うちはできませんといろいろできても,それはいいのではないかと思いますが。
【堀川部会長】  まあ,いいけれども,そっぽを向く大学の割合ですよね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  済みません,ちょっと事務局の方からよろしいですか。
【堀川部会長】  はい。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  先ほど,堀川先生から,参考資料の平成26年報告書の10ページに,3つの職務のイメージ図で間接的支援,直接的支援,教育指導への支援という3つのイメージ図の御紹介を頂いた上で,例えば図書館資料の管理については,司書資格の図書館情報資源概論との関係みたいなお話があったんですけれども,逆に堀部先生とか米澤先生にお伺いしたいんですけれども,3の教育指導への支援の部分については,どの程度まで必要になってくるのかという点と,それから,現在の教員養成課程のどういった科目みたいなものを使うことが考えられるのかみたいな話が,現場で実際に御経験されている中で何か知見があれば,済みません,残りの時間も大変厳しいんですが,お話しいただけると有り難いかなと。
【米澤委員】  では,私から先に……。
【堀川部会長】  資料7がありますが,それに教員免許の表が左側にあります。特にこういうところが必要とかということは。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  資料7に,これ,小学校の一種の例にしてしまいましたけれども……。
【米澤委員】  私は司書の資格を取りまして,ただ,今ここにある司書の24単位よりはかなり多くとっているので,大学図書館サービス論とか,昔ですがいろいろとった記憶があるんですけれども,実際,学校の現場に行きまして,そこから今の御質問で考えますと,教科等の指導に関する支援というのは,経験値で学んできたことを利用してやっていますので,教職に関する科目等で当てはめて必要になってくると思います。
  特別活動の指導に関する支援,特別活動というのは,これは例えば図書委員会とか,あと,いろいろな行事のことだと思うのですが,これを具体的にはどういうものだということを教える科目は,恐らくないと思いますし,小学校,中学校,高校でも違うので,配属された後での研修に含まれる部分もあるのではないかと思います。学習指導と学校図書館は,司書教諭の課程にありますが,これは教科等の指導に関する支援にあてはまるのではないかなというふうに思います。
  特別活動論というのも教職課程にありました。済みません,この資料9が見やすくて,そこを見ているんですけれども,情報活用能力の育成に関する支援,これは図書館情報学の方で,コンピューターとか,ネットワークとか,そういったことを学べば対応できることではないかと思いますので,この2つの教科等の指導に関する支援と,特別活動に関する支援は,読み替えることでとりあえずは賄えるのではないかなと思います。
  ただ,学校図書館に関するサービス論は別に新しく欲しいと思います。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ありがとうございます。
【堀部委員】  本当にこの司書教諭の科目と司書資格のギャップというか,濃淡というのはすごく改めて感じるところで,やっぱり学校の文化というところでは,教育課程をベースとした専門性をベースにしながら,専門性をどういうふうに培っていくかというところでいきたいということがありますね。だから,この教職に関する部分で言えば,司書教諭の教科としては,一番上の部分と,3番目の部分,特に3番目の部分は,司書教諭の講習科目,プロット,項目として置かれていますけれども,これが司書資格とどうリンクしているかというところを軽重あるいは濃淡を位置付けていくと,本当に学校図書館に必要な資質能力は何かという部分ももう少し見えてくるのかなどという気がしました。
  今回この協力者会議の3つの視点という部分は,そういう視点で広げていくというのは非常に有効ではないかと。やっぱり新たなというか,そういう見方で学校司書の役割というところを広く広めていくということが,今までとの際に絶対つながるものであるということを考えると,ベースはそれでいいと思いますけれども,教育指導への支援というところを,司書教諭科目の,特に学習指導と学校図書館というところに少し重きを置きながら考えて精度を高めていくといいのかなと思いました。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ありがとうございます。
【堀川部会長】  さあ,2回ではとてもね。今,教育指導への支援というところに特化して聞いてくださって,とてもよかったなと思います。この辺をもう少し具体的な,今度は科目といいますか,やはりきちんと科目と単位を出していかないと,モデルカリキュラムになりませんので,今お伺いしたことも含めて,次回までには必要な科目名を事務局案で出してもらう。これは要る要らない,要る要らないような,そうした検討をしますか。この先の議論の方法として,どうでしょうか。
【平久江委員】  要る要らないと,具体的にどういうことを意図されたのか。
【堀川部会長】  具体的な科目名を。
【平久江委員】  科目名? つまり,既存の資格の科目を要る要らないと考えていくという話ですか。
【堀川部会長】  いいえ,学校司書として必要だと思われる科目名を挙げてもらう。
【平久江委員】  科目名を挙げる。
【井上委員】  それは,新しいものですか,それとも司書課程とか教職課程からとってくるんですか。どちらですか。
【堀川部会長】  とってくるものもある。
【平久江委員】  そうですね。
【堀川部会長】  だから,先ほどの図書館概論は学校図書館概論とかにする。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  一度,今後の進め方はまた御相談させていただきますけれども,いずれにしても,学校司書の先ほど申し上げた標準的な職務が平成26年報告書で掲げられておりますので,それに必要な知識・技能を大学で養成するために必要な科目構成は何なのか。それから,他方で,もう一方の視点として,やはり平久江先生がおっしゃったように,現実問題として大学に開講していただかなければいけないわけで,大学の方で養成が現実問題としてなされる視点から言えば,当然,既存の科目単位を活用できる部分は活用するというような考え方に,本日の先生方の議論をお伺いしていてなるのかなと思いつつ,いずれにしても次回までに,また,早めにメール等で御調整をさせていただきますのでという形で,部会長,いかがでしょうか。
【平久江委員】  大まかな単位の大体の目安はなしで……。
【堀川部会長】  単位の目安。
【平久江委員】  挙げられるだけ挙げろという話。
【堀川部会長】  いやいやいや。先ほど平久江先生は30ぐらいと……。
【平久江委員】  だから,幅をとって24から30ぐらいは,ある程度幅をとらないと考えられない。例えば,何単位と決めるんですかね。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  各大学で上乗せされるのは,現在の司書養成でもやられていますし,そこは上乗せを必要に応じて各大学でやっていただくのは何ら可能なことだと思っております。
【平久江委員】  最低何単位以上ぐらいは,ある程度,きょうこれだけ議論したんだから……。
【堀川部会長】  そうですね。司書が24ですから,24より少ないことはないだろうということは大体……。大体ですよ。個人的にはもうちょっとプラスかなとは思っていますけれども,それは個人だから,先生方が今度またどういうようにお考えかですが。
  それをまずは案を出していただいて,いや,もっとこんなものも必要でしょうとか,これだったらこれに大体できるでしょうとかというような具体的な御意見を伺わないと,形になっていかないので,基本的なお考えはきょう少しお伺いできたかなと……。
【平久江委員】  宿題ということで。
【堀川部会長】  宿題は誰の宿題?
【平久江委員】  いやいや,そのモデル案を各自が考えてくるというのが宿題です。そこまでではない。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  また御相談させていただきます。
【堀川部会長】  では,ちょっと早めに出していただかないとという,そうすると,この次の日程的なことはどうなるでしょうか。では,事務局,お願いします。
【友田児童生徒課指導調査係】  次回の会議についてですけれども,今後のスケジュールや各委員の日程の御都合を以前お伺いした結果,7月16日土曜日,9時半から11時半ということでお願いできればと思うんですけれども,よろしいでしょうか。
【堀川部会長】  委員の方,大丈夫でしょうか。そのときには小田委員も大丈夫というように伺っておりますので,そこで全員で……。
【平久江委員】  僕はちょっと,校務の都合で。
【堀川部会長】  平久江委員が駄目でしたね,済みません。
【平久江委員】  はい。
【堀川部会長】  そうすると,やはり……。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  また事前にメールさせていただきますので,御意見があればいただければ,そのように……。
【平久江委員】  はい。
【堀川部会長】  だから,全員……。2回だと,1回しか出られないことになりますので,3回のうち2回は出たぐらいにしたい。中身ですけれどもね。
【井上委員】  もう1回しないんですか。3回目,8月の……。
【堀川部会長】  もう1回,予備として。
【平久江委員】  できれば,是非3回目をお願いしたい。
【井上委員】  全員がそろうときを設けた方がいいので……。
【堀川部会長】  したいですね。
【井上委員】  このときは全員来られるのでしょうか。
【堀川部会長】  予備として……。
【井上委員】  だから,やっぱりもう1回,全員がそろうときを設けた方がいいと思います。
【堀川部会長】  是非御検討ください。それが大体8月2日でしたか。
【友田児童生徒課指導調査係】  そうですね。予備日が8月2日ということで。
【堀川部会長】  皆さんの御予定の確認はまたさせていただきますが,多分,8月2日は全員が大丈夫ということになっているでしょうか。
【友田児童生徒課指導調査係】  はい。
【堀川部会長】  議論の進捗状況にもよりますが,全員で顔をそろえたいですね。
  それと,次回でまとまるかなということもありますので,それからまた,先ほどの普及のための仕掛けですね。工夫というか,そういうところまで。それから司書教諭についても何か提案したいということも……。大変欲張っていろいろな思いがある中で,2回,3回しかないというところで,無理も申しますけれども,是非どうぞよろしくお願いいたします。きょうはなかなかまとまりませんでしたけれども,皆様のお考えを少しずつお聞かせいただいて,ありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いいたします。
  きょうはこれで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
【鈴木児童生徒課課長補佐】  ありがとうございました。

                                                                  ―― 了 ――

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