資料4-1 平成27年度全国学力・学習状況調査の追加分析報告(概要)

1.目的

全国学力・学習状況調査の結果分析の充実、教育施策や教育指導の改善・充実に資する観点から、平成27年度全国学力・学習状況調査の結果を活用して、児童生徒の学力と学習習慣・生活習慣・学校の取組等の関係について、追加的な分析を行う。 

2.結果

(1)結果チャートにおける領域間及び学力との関係の分析
1)分析方法
領域間及び学力との相互の関係性の強さを検証するため、相関係数を算出。

2)分析結果
・言語活動・読解力領域及び児童生徒の状況領域と学力との関連が、比較的、強い
・学力との相関が直接的には強い領域でなくても、各領域が相互に関連性があることからこれらの領域についても間接的に学力に影響を及ぼす関係が考えられる
ことが明らかになった。

 

(2)学力と学習習慣・生活習慣・学校の取組等の関係の分析
1)分析方法
学力に影響を与えている項目、また、その影響の強さを検証するため、重回帰分析を実施。
※重回帰分析…回帰分析とは、一方の変数(独立変数)から別の変数(従属変数)の動きを予測するために利用される方法であり、独立変数に該当する項目が、複数存在する場合が、重回帰分析となる。

2)分析結果
下記の項目が、全科目共通で学力との関連が見られることが明らかになった。

[児童生徒質問紙] 
・「朝食を毎日食べているか」、「普段、1日当たりにテレビゲームをする時間」、「平日以外に勉強をする時間」、「学校の宿題をしているか」といった生活・学習習慣に関する項目

・「読書は好きだ」、「授業では、自分の考えを発表する機会が与えられていたと思う」、「学校の授業などで、自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しい(思わない児童生徒ほど、学力が高い)」といった言語活動に関する項目

[学校質問紙]
・「当該学年の学級数」、「就学援助を受けている児童生徒の割合」、「日本語指導が必要な児童生徒の割合」といった学校の取組外の状況に関連する項目

・学校の取組の状況に関連する項目としては、「児童生徒は熱意をもって勉強している」といった児童生徒の状況に関する項目と、「児童生徒は、学級やグループでの話合いなどの活動で、自分の考えを相手にしっかりと伝えることができている」、「児童生徒は、学級やグループでの話合いなどの活動で、相手の考えを最後まで聞くことができている」といった話合い活動に関する項目

※報告書内では、相関係数及び重回帰分析の他に、学力に与える影響の強い変数(今回の場合は、就学援助率)を統制変数とした三重クロス分析も実施。三重クロス分析の結果については、報告書を参照のこと。 

3.結果の活用

・今後の全国学力・学習状況調査の結果分析において、より詳細な分析結果を提供できるようにする。
・各教育委員会等へ提供し、今後の教育施策・教育指導の充実にいかす。

お問合せ先

初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)