全国的な学力調査に関する専門家会議(平成27年6月24日~)(第12回) 議事要旨

1.日時

平成28年11月30日(水曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省3F1特別会議室(東館3階)

3.議題

  1. 平成29年度全国学力・学習状況調査における質問紙調査について【非公開】
  2. 平成29年度全国学力・学習状況調査について
  3. 分析指標の設定等について(議論の整理)(案)
  4. その他

4.出席者

委員

耳塚座長、福田座長代理、鎌田委員、斉藤(規)委員、齋藤(芳)委員、柴山委員、清水(康)委員、清水(美)委員、田代委員、田中委員、種村委員、垂見委員、土屋委員、長塚委員、吉村委員、渡部委員

5.議事要旨

議事1 平成29年度全国学力・学習状況調査における質問紙調査について【非公開】

・平成29年度全国学力・学習状況調査における質問紙調査について事務局から説明があり、その後、それに関する意見交換が行われた。

議事2 平成29年度全国学力・学習状況調査について

・平成29年度全国学力・学習状況調査について事務局から説明があり、その後、それに関する意見交換が行われた。

【座長代理】
小学校調査の結果を中学校に送付するというのは、どのような形で中学校に渡し、中学校側はそれをどのように管理していくのか。公立から私立へ進学するケースもあるが、どのように対応するのか。

【事務局】
イメージとしては、指導要録や保健関係の資料とともに、個人票をプリントアウトしたものを小学校から中学校に御提供いただきたいと考えている。公立から私立へ進学する場合も、指導要録などは渡さなければならないので、それと一緒に送っていただけると有難い。

【委員】
小学校が送付することができるということなのか、それとも、必ず送付するということなのか。

【事務局】
今でも送付することは可能であり、より積極的に小・中学校での活用を進めていただきたいと思っている。

【委員】
小学校教員の労力を要することなので、どの程度中学校で活用されるのかを明確にする必要がある。

【委員】
中学校としては、小学校から中学校に進学してくるときに、どの程度基礎的な学力が付いているのかということがなかなかわからない。中学校に進学してくる際に、どこでつまずきがあるのかが分かれば、その点へのサポートを考えることができるので、非常に有効だと思う。

【委員】
個人情報保護の観点からは問題がないか御説明いただきたい。複数の学校で合同で研修などを行うことがあるが、個人票のデータを他の学校に移すという判断は、校長個人でできるのか。

【事務局】
個人票は個人の結果の状況であり、それぞれの学校の結果の情報ではない。個人情報を全く提供してはならないということではなく、しかるべきルールの下で提供することが可能と考えている。

【委員】
教員は多忙であり、既に現場では日々の取組の中で一人一人の課題などを把握して改善に取り組んでいるので、個人票を小学校から中学校に渡すための労力とその効果のバランスがどの程度なのだろうかと感じる。現場の負担を考慮することが必要。

【委員】
中学校において一人一人の子供が身に付けていることや課題を分析をして、指導に生かすためには、個人票は価値ある資料であり、それにより中学校でのよいスタートが切れると思う。

議事3 分析指標の設定等について(議論の整理)(案)

・分析指標の設定等について(議論の整理)(案)について事務局から説明があり、その後、それに関する意見交換が行われた。

【委員】
S-P表を学級担任が読み取るためには、研修が必要だと思う。資料としては有効だと思うが、その活用を進めるためにどのような方法を考えているのか。

【主査】
ワーキンググループにおいてもその点について議論が行われ、教員養成課程の中で基本的な諸統計について学ぶ必要があるという意見があった。S-P表は一見すると複雑だが、見方が分かれば難しくはないと思う。理解しやすくする工夫を進めていきたい。

【委員】
個人票の学習アドバイスは、様々な文案が作成されることになるのか。それはある程度類型化されて、自動的に出力されるのか。また、小学校から中学校への個人票の送付に関して、個人票のデータがそのまま送付されるのか。

【事務局】
学習アドバイスは、幾つか類型化して、子供たちの解答状況に応じて、コメントが出力されるということを想定しているが、詳細は今後検討する。個人票の送付については、各教科の個人票を出力し、その趣旨などに関する資料を添えた上で、まとめて送付するということを想定している。

【委員】
個人票がどの程度有効なものになるかは、学習アドバイスの文案次第だと思う。教育的関心を貫き、褒めるべき点は褒めたり、子供たちの力になる具体的な学習アドバイスを記載したりすることが必要だと思う。
都道府県の数値の公表について、「都道府県ごとの特徴が容易に分かる様式」とは、具体的にはどのようなことを考えているのか。 【主査】様式については、数値データは慣れないと分かりにくい面もあるので、分かりやすいものを検討していきたい。

【委員】
個人票は、子供が読みたくなるような工夫をすることが必要だと思う。フィードバッグする中身は、正答率や各解答類型の反応率が固まった段階で作成するのか。

【事務局】
基本的には、解説資料で解答類型や誤答例を示すので、それに沿って作成することになるが、採点していく中で、予想もしなかったような回答が多くなった場合は、作業スケジュールに収まるかどうかの問題だと考えている。あらゆる誤答を個人票に反映させるのは、作業上も困難で、それを利用する児童生徒や教員にとっても難しいと思うので、ある程度数を絞って作成することになると思う。実際の解答の状況に応じて、調整しなければならない点については、内容に応じて対応していきたい。

【委員】
S-P表は、学級としてどこが弱いのかということと、一人一人がどこが弱いのかという二通りの読み方があると思うので、文章にもそれを記載するとよいと思う。
また、S-P表に関しては、マニュアルをパイロットテストするぐらい練られれば、すごくよい情報提供になると思う。
「学校ごとに、学校がより一層指導を充実すべき一定の学力層の児童生徒の人数及びその比率を示す」とは、四つの層の比率を学校にも示すということか。

【事務局】
このA~D層と別の指標を考えているが、ワーキンググループにおいて検討中の事項である。

【委員】
児童生徒質問紙調査の結果についても、個人票に反映させるような改善を行うのか。
結果チャートについては、子供にも分かりやすいような工夫を行う必要があると思う。
個人票に記載するコメントについては、「問題を見直してみよう」などと記載した場合、調査問題が手元にない状況も想定されるので、その点も考慮する必要がある。また、課題を抱える子供は、教師の働きかけがなければ振り返りを行うことは難しいと考えられるので、学校の教育活動の中に振り返りを定着させる必要がある。

【事務局】
質問紙の結果を個人票に反映させることは考えていない。

【主査】
このような指標は、余りに義務化してしまうと、かえって現場の先生の創造力や工夫を制限してしまう。

【座長代理】
国立教育政策研究所が示している解説において、問題に関する詳細な説明と、想定される解答類型等も示されているが、それを十分に利用しているか疑問がある。学校全体でそれを有効に利用して、できるだけ早い段階で児童生徒の解答状況と、それに対する指導を考えていくことが必要だと考える。

【委員】
様々な資料を提供することはよいことだと思うが、それに伴ってスケジュールの変更はあるのか。

【事務局】
今のところは、現在の8月中下旬に学校に提供するというスケジュールで検討している。

議事4 その他(国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)の結果について)

・国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)の結果について事務局から説明があり、その後、それに関する質疑応答が行われ、質問はなかった。

お問合せ先

初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)