英語教育の在り方に関する有識者会議 指導体制に関する小委員会(第3回) 議事録

1.日時

平成26年9月4日(木曜日)10時30分~12時00分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 英語教育における指導体制の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

松本主査、石鍋委員、佐々木委員、藤村委員、松川委員、吉田委員

文部科学省

小松初等中等教育局長、伯井大臣官房審議官、榎本国際教育課長、圓入外国語教育推進室長、太田視学官、直山教科調査官、平木教科調査官、向後教科調査官、葛城英語教育プロジェクトオフィサー

5.議事録

【松本主査】 それでは,定刻になりましたので,第3回英語教育の在り方に関する有識者会議 指導体制に関する小委員会を開催させていただきたいと思います。
 お忙しいところ,御参集いただきまして,ありがとうございます。
 前回は,ペンシルベニア大学のアソシエイト・プロフェッサーであられるバトラー後藤先生に,東南アジア諸国での経験を踏まえて,それらの国々,特に韓国等の指導体制に関する現状,提言を御発表いただきました。中身の濃いディスカッションができたと思っております。
 今回の第3回ですが,これまで英語教育の在り方に関する有識者会議及びこちらの小委員会で出された御意見を踏まえまして,事務局の方で審議のまとめの案のたたき台を御用意していただきましたので,これをもとに本日は議論させていただければと思います。
 それでは,まず事務局から御説明がございます。その後引き続き自由に御意見を賜れればと思います。
 それでは,事務局より配付資料の御説明をお願いします。

【圓入室長】 それでは,お手元の資料,議事次第が1ページ目にございますけれども,こちらを1枚おめくりいただきますと,本日の御審議いただきたい資料を,資料1ということで添付させていただいております。御覧いただきたいと思います。
 前回までに御議論いただいたこと,それから,前回会議が終了しました後にも多くの先生から御意見を頂きました。それを踏まえまして,事務局の方で審議のまとめ(案)ということで本日御用意をさせていただいたものでございます。
 柱といたしましては,1ページ目を御覧いただきたいと思います。経緯から今後必要な対応ということで,指導・評価,教材・教科書,指導体制という,三つの柱で構成させていただいております。
 なお,前提といたしましては,有識者会議の方では目標と内容というテーマについて,特に御議論いただいておりますけれども,そういったことも視野に入れながら,直ちに今後の英語教育の充実のために必要なものもあわせて,対策といいますか,方向性をまとめさせていただきたいと思っておりますので,是非御意見をいただければと思います。
 それから,きょう別刷りで資料2の参考資料を御用意しております。これは後ほど審議のまとめ(案)を御説明しますときに,活用させていただきます。お手元に御用意いただければと思います。
 それでは,2ページ目をお開きいただければと思います。2ページから3ページにかけまして,経緯ということで書かせていただいております。平成15年の「英語が使える日本人」の育成のための行動計画以降,様々なグローバル人材育成という観点から,英語教育の充実・強化という御提言がございまして,本会議,小委員会が設置されまして,議論をしてきたということを書かせていただいております。
 また,3ページから4ページでございますが,ここは少しまだまだのところがございますけれども,特にこの会議の中でもどういう観点から改善・充実を図るかという視点で,今まで頂いたものをまとめさせていただいております。
 4ページ目以降を御覧いただきたいと思います。ここから「今後必要な対応」ということで,最初に「指導と評価」でございます。まずは,ア「現状・成果」のところ,「指導」から入っております。ここは前回の第2回で御議論いただいたときの論点の「指導」にも掲載させていただいておりましたので,省略させていただきたいと思います。指導の現状から,成果といたしましては,小学校では学級担任を中心としたティーム・ティーチングの定着,特色ある取組が広がりつつあるということ、それから,中高でも,CAN-DOリストの形での学習到達目標の設定で,指導・評価を一体的に行いまして,指導改善や,それから英語力の向上という成果を出している例も広がりつつあるというようなことをまとめさせていただいております。
 5ページから6ページにかけまして,学習評価の仕組みを少し詳しく書かせていただいております。これは前回の有識者会議本体の方でも様々な御議論がございました。その際,髙木委員からも,経緯からしっかりと制度の説明を頂いたかと思います。後ほど御議論いただければと思いますが,CAN-DOリストの形式に基づきまして学習到達目標を設定するということと,評価の四つの観点に関することについて御議論があったと思います。その関係もございまして,丁寧に6ページにかけて,制度,仕組みについて書かせていただいております。
 それから,6ページのイの小学校の方からは,課題でございます。前回でも御議論の中にございましたように,学級担任を中心にALTとのTTなどが効果を上げているということもございましたけれども,地域間格差ですとか,それから,いわゆる外部人材の方々でも,質の格差といいますか,かなりばらつきがあるというような御意見があったかと思います。そういったことにきちんと対応していく必要があるということで,課題を書きつつ,7ページ以降につきましても,これも前回の論点でお示しさせていただいております。一定の成果を小学校の中で上げており,これはいい方向でございますけれども,5,6年生の外国語活動を経験した児童が中学生になったときに,もう少し読むこと,書くことをしておきたかったと。小・中間での音声から文字への移行が円滑に行われていないという御指摘を改めて書かせていただいております。
 また,小・中連携の取組の調査を以前御紹介しましたが,なかなか取組が少ない。特に,取組としては情報交換が多くて,連携の実績の効果が期待される取組はまだまだ少ないというようなことだったと思います。
 さらに,小・小連携,小・中連携が大事であるということがございましたけれども,まだまだ年間指導計画ですとかといったものを検討,作成するというような学校の状況も少ないということと,そういったものに関する研修機会も少ないのではないかというような御指摘だったと思います。
 中学校・高等学校につきまして,ここも前回の論点を掲載しておりますので,省略させていただきます。
 7ページから8ページにかけまして課題を書いております。特に8ページ,一つ目の丸でございますけれども,CAN-DOリストの取組を通じまして成果を上げられているという御紹介がございましたが,なかなか十分な実際の指導・評価に活用されていない,若しくは意義や方法が理解がされていなくて,効果が上げられていないというような指摘でございます。
 また,これは有識者会議の御議論でございましたが,二つ目の丸に書かせていただきましたのは,何々ができるというような,いわゆる技能を中心とした目標設定から評価ということになりますので,目に見える行動だけが評価の対象になってしまう危険があるという御意見があったかと思います。そういった意味では,御懸念として,例えば外国語の評価の観点であるコミュニケーションへの関心・意欲・態度ですとか,そういった評価にはなじまないのではないかという御指摘がありました。
 それから次の丸は,中・高の連携が十分ではないということ。それから,前回御発言がございました,発達段階によっても効果的な指導方法はやはり異なるということで,それらについての取組を,指導・評価を改善する必要があるという指摘になっております。
 (2)以降が「指導・評価に関する改善の方向」です。9ページを御覧いただく際に,参考資料2の1ページ目,お開きいただけますでしょうか。これも有識者会議で一度配らせていただいたものから,前回髙木委員からいろいろと御解説,御意見いただいたものを参考に改めて修正して作らせていただいたものでございます。特に会議でも観点別学習の評価と学習到達目標との関係というものが一部整理し切れなかったかと思います。参考資料の上段のパワーポイント資料を御覧いただきますと,前回は,飽くまで真ん中にあります外国語表現の能力,外国語理解の能力という観点別評価を中心に,上矢印「英語を使って何ができるようになるか」という目標を「CAN-DOリスト」の形で具体的に記述というように書いてございました。それを修正いたしまして,そもそもは各学校において設定いただく学習到達目標というのは,真ん中の技能系の目標だけではなくて,上段の白いところに書いてございますように,まずは言語や文化に対する理解を深め,それから,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成,三つ目に,4技能などのコミュニケーション能力という技能系の目標,おおよそ三つの目標でございます。それに沿って,何ができるということだけではない,例えばこの間の御意見では,何々しようとしているという態度面,関心・意欲・態度面の目標も当然設定されるということを想定しておりますので,この図をそのような形で修正いたしまして,下の囲みの方,真ん中あたりから,髙木委員に御発言いただきました御意見を踏まえて書かせていただいております。
 「観点別学習状況の評価における『関心・意欲・態度』は,『他の観点に係る資質や能力の定着に密接に関係する重要な要素である』」ということでございまして,上の四つの観点は,単元における学習と一体的に評価が行われることが必要であると。例えば外国語表現の能力として何々ができるとする観点から,評価を行う事項を,関心・意欲・態度の項目として,別の局面から,何々しようとしているというように表現を置きかえて,その単元における両面から評価することによって,生徒がコミュニケーションに関心を持ち,自らが課題に取り組もうとする意欲や態度を身に付けているかどうかを効果的に評価することが必要ではないかという御意見であったかと思います。
 これを少し図式化して整理をさせていただいて,今後,各方面で御説明,周知を図っていくことになろうかと思いますので,この絵自体も案としてきょうお示しさせていただきましたので,是非御意見をいただければと思います。
 審議案9ページに戻らせていただきますけれども,そのような形で評価を行って,指導・改善につなげていくということを書かせていただいております。
 これが10ページにわたって,先ほどの御説明を書かせていただいていまして,丸の二つ目でございます。具体的な評価方法としては,筆記テストのみならず,面接,エッセー,スピーチ等のパフォーマンス評価,それから,観察ということで,前回事例でも御紹介いたしました,そういった効果的な評価方法というものをきちんと活用していただくということの重要性を指摘しております。
 その下の丸でございますが,これまでも御紹介いたしましたとおり,文部科学省の方で「英語教育強化地域拠点事業」を今年から始めており,その中でも,是非このような方針を御説明し,積極的に取り組んでいただければと考えているところでございます。
 また,そのようなところでは,大学等と連携協力をして進めていただきたいということを,国も支援させていただくということでまとめております。
 10ページの真ん中,小学校以降のところでございますけれども,ここも前回書かせていただいておりましたので省略させていただきますが,特に小・中連携が重要だという御意見がございました。先生方の御意見の中で,単なる情報交換だけではなくて,その効果が期待される相互乗り入れの授業,それからカリキュラム作りの連携,それから,指導計画を一緒に作る合同研修ということも例示で挙げさせていただきまして,これから周知を図っていかせていただければどうかと思います。
 それから,10ページから11ページの二つ目の丸まで,これが小学校の今後の,特に高学年の教科となった場合の評価の方向性を書かせていただいております。ただ,なかなか十分御議論いただく時間がなかったかと思いますけれども,当然教科として位置付けるという前提で御議論いただく場合,ほかの教科と同じように,数値等による評価というお話もあるかと思います。有識者会議でも御意見ございましたように,先生方の評価の御負担というような観点からも,どのように考えるかという御意見もあったかと思います。一方で,小学校段階におけるこれまでの文章記述による評価の良い面もどのように捉えていくか,また本日御意見をいただければと思っております。
 11ページ以降,中・高でございますけれども,ここは省略させていただきまして,12ページの方まで飛ばせていただきたいと思います。中・高につきましても,CAN-DOリストの話は繰り返し書かせていただいております。
 12ページ以降から,「教科書・教材」というテーマに移っております。こちらにつきましては,小学校と中学校・高等学校に分けて書いております。12ページの前段では,これまでの小学校における外国語活動の成果を踏まえまして,特に今後教科化を想定して,今,御議論いただいておりますけれども,教科となった場合に,丸の二つ目に書いてございますように,中学校での段階で音声から文字への学習に円滑に接続されていないこと,発音とつづりの関係の学習や文構造の学習に課題があるという指摘があります。それを踏まえて,効果的な新しい教材というものを今年度後半にかけて検討してまいります。来年度から,先ほど御紹介いたしました,英語教育の強化地域拠点事業に参加いただいている学校で活用いただいて,実証していくと。さらには,指導要領改訂後には教科書ということも念頭に引き続き検討していくというようなことをまとめさせていただいております。
 中学校・高等学校につきましては,たくさん御意見いただいていたかと思います。文法事項など,言語材料を活用しながら,内容に踏み込んで効果的な言語活動の展開というものが十分に意識できない,若しくはされていないというものが見られるという御意見だったと思います。
 13ページまでそのような課題を指摘いたしまして,13ページの後段から,小学校,中・高等学校の今後の改善の方向ということでございます。小学校,先ほど御説明いたしましたように,新たな教材開発をいたします。本日,今後の方向性につきまして御意見いただきましたら,今年度後半の検討におきまして,是非生かせていきたいと思います。
 中学校・高等学校につきましては,最後の丸でございますが,14ページを御覧いただければと思います。課題で指摘いたしましたことを踏まえまして,より言語材料と言語活動が効果的に関連付けられた授業を展開しやすいような構成が必要であるということを書いております。こういった趣旨を踏まえまして,丸三つ目でございますが,今後教科書・教材の作成・活用に当たり,次期学習指導要領の改訂におきまして,そのような趣旨をより徹底するとともに,教科用図書検定基準の見直しに取り組むべきであると書かせていただいております。
 参考資料の2ページ以降に,義務教育諸学校,高等学校の教科用図書検定基準を添付しております。今現在の規定が,例えば4ページに中学校の外国語科で書いてございます。基本的には学習指導要領に沿ってそれを達成するものということを前提に,どの教科も抽象的な書きぶりになっております。今申し上げたように,5ページに書いてございますが,文法事項については,言語活動と効果的に関連付けて取り上げることということは既に盛り込まれております。ですので,今後どのように改善が必要かという具体的な検討が必要になるというところまでは今回御指摘の中に入れさせていただいております。
 小・中・高につきまして,14ページ後半は,これは,これまでもお話がありましたICTの活用を進めると。その際,地方交付税を活用するということが書いてあります。
 最後の丸を御覧いただきたいと思いますが,政府の世界最先端IT国家創造宣言というものが6月に出ておりまして,その中でデジタル教科書・教材の導入に向けた検討を行うということになっております。その際でございますが,特に外国語につきましては,教科書には音声や映像データが含まれるという考え方を明確にする必要があるという方向で検討するということも書かせていただいております。
 15ページ以降は「指導体制」でございます。1ページ目は,以前から論点として取り上げさせていただいたもので,省略させていただきたいと思いますが,15,16ページにわたりまして,これまでの小学校における取組の成果,効果を踏まえて,どのように進めていくかということと,課題もまとめさせていただきました。特に学級担任の役割は重要であるということを中心に御意見いただいておったかと思いますが,16ページ以降,今後小学校高学年の英語教育が教科化される場合には,より専門性の高い評価指導を行う指導者の養成・確保が必要であるという御意見を頂いていたかと思います。
 参考資料の方にも,以前御紹介いたしましたものといたしましては,前回バトラー後藤先生からも御提案がありました。18ページにございます小学校の外国語における指導者のイメージとありますように,混合型というように先生もおっしゃっておられました。当面,次期指導要領改訂後も含めましては,このような形で必要な養成,それから,現職の方の研修というものが必要ではないかということを書かせていただいております。
 中学校・高校につきましても,前回御指摘いただいたようなことをそのまま掲載させていただいております。
 17ページの真ん中以降でございますが,指導体制の方向ということで,学校のマネジメント体制というような御意見いただいておったかと思います。英語教育を担当に任せず,校長先生がリーダーシップを発揮して全体で取り組んでいくというようなことを17ページから18ページに書かせていただいています。その場合,「英語教育推進リーダー」ということで,今年から始まっております。そのリーダーの役割というものを書かせていただいておりますが,更に必要なものがございましたら,後ほど御意見いただければと思います。
 また小学校から,18ページ,19ページ,今後の指導体制の中で必要な方向性ということで書かせていただいて,これもほぼ前回と同様でございますので,省略させていただきます。
 1点,19ページの真ん中のポツの下から三つ目を御覧いただければと思います。現職教員の方につきまして,これまで外国語活動で対応されてきた先生方のキャリアアップということも含めまして,「免許法認定講習」の開設支援をするということを書かせていただいております。これは参考資料の方にも添付させていただいております。25ページ以降でございますが,後ほど御覧いただければと思います。
 それから,次のページ以降は,外部人材の確保というところから入っております。こちらにつきましては,データ等を用いましてこれまでも御説明させていただいたこと,それから,教員の方々と外部人材との役割というものを明確にしながら効果的に進めていくということを書かせていただいております。なお,ガイドラインにつきましては,また御意見いただきながら作成をさせていただいて,先生方に御確認いただきたいと思っておりますので,今回は添付しておりません。
 22ページ以降を御覧いただければと思います。教員養成・採用でございます。先ほど指導体制で述べましたけれども,今後当面,特に5年間程度になると思いますが,どのように進めていくかということでまとめさせていただいております。特に「改善の方向」というところでございますが,23ページは,小学校の今後の,特に高学年に教科化するに当たり,どのようなことが必要かということを例示も含めてまとめております。
 24ページは,中・高等学校ということで,前回も頂きました教職と教科の科目のイメージというものも添付させていただいておりますので,是非御意見をいただければと思います。
 なお,「免許状取得に係る教職・教科科目の概要」というものを22ページに添付しておりますので,これも併せて御覧いただければと思います。教職に関する科目の趣旨,教科に関する科目の趣旨というのを22ページの真ん中あたりに書かせていただいております。また23ページ,こちらにつきましては,仮に小学校高学年を教科化するということになりました場合,23ページの真ん中より少し上段の方にございます指導法に関する科目で,少し黒塗りになっております「各教科の指導法」というものがございます。こちらにつきましては,教科の指導法でそれぞれ2単位以上を受けるということになります。教科化された場合に,2単位以上,指導法に関してどのようなことが必要なのかということも想定しながら,今後の養成や研修というものについて御議論いただければと思います。
 24ページ以降には教科に関する科目ございまして,御議論いただきましたいわゆる英語学から異文化理解の四つの科目の趣旨というものを書かせていただいております。
 養成につきましては,25ページの前半まで,適宜御確認いただければと思います。
 さらに,25ページの最後の方から採用ということでございます。特に英語力を求めるということで,外部試験の英語力,それから,実技試験などの活用を奨励するということを26ページにかけて書かせていただいております。
 最後に,教員研修ということで,26ページ以降,まとめさせていただいております。指導力向上のために研修に参加したいということがアンケート結果から出ておりましたが,その機会が十分にない,若しくは多忙により参加できないという状況があったかと思います。27ページ以降,「改善の方向」にございますのは,これからの現職教員の方の研修ということで,英語教育推進リーダーの方々が来年度から域内研修というものをスタートいただくことになるかと思いますが,それだけではなくて,例えば地域の大学,外部専門機関と教育委員会の方を連携いただきながら,新しく必要になってくるカリキュラム開発といったものも重要であると。また,そのようなものが免許法認定講習につながっていったり,更新講習につながっていくというようなことを書かせていただいております。それが28ページまでということになっております。
 御説明長くなって恐縮でございますが,以上でございます。

【松本主査】 ありがとうございました。この後に自由に御議論していただく時間を取りますが,この時点で何か基本的な御質問とか確認したいことがございましたらお願いします。よろしいでしょうか。ありませんか。
 それでは,これまでの御議論あるいは御発表を踏まえまして御意見を頂きたいのですが,今から約1時間ありますので,1ページ目の審議のまとめ(案)に,大きな1と2で,2の方は三つありますので,大体の流れとして,10分から15分程度,四つに分けて話を進めていければなと思っておりますが,よろしいでしょうか。
 それでは,2ページ目から4ページの前半部分,経緯の部分について,何か御意見,又は修正提案とか,文言についても細かいことはあってもいいわけですよね,御意見を賜れればと思いますが,いかがでしょうか。よろしいですか。
 手が挙がらないようなので,私から失礼いたします。3ページの一番下の丸のところに,「その中で求められるコミュニケーション能力とは」というくだりがあるのですが,現状の学習指導要領等にも「コミュニケーション能力」という言葉の定義がなくて,文科省がコミュニケーション能力をどう定義しているのかというのは,どの文書を見ても掲載されていないのですね。それで,ここで初めてと言っていいような定義となるので,かなり慎重になった方がいいのかなと思います。一応「などが挙げられる」となっているのですが,この文書のすわりですね,「コミュニケーション能力とは何々などが挙げられる」でいいですかね。何かこういうものを含むという概念であるとか,含むものであるとか,余りコミュニケーション能力について議論していないので,慎重になった方がいいかなと思っています。それから,その中で,「異なる国や文化の人々と」と,これは限定した使い方なので,これでもいいかなと思うのですけれども,念のため,「人々とも」というふうに「も」を入れといた方がよいと思います。日本人同士のコミュニケーションは含まないのかという反論をされても困りますし,国語や体育の教育でもコミュニケーション能力と言っているので,パッと見たときに問題が生じる可能性があるので慎重になった方がいいかなと思いました。この点を含めて何か御質問とか御意見ありますでしょうか。よろしいですか。
 じゃあ,経緯のところは,また後で戻っても結構ですが,指導体制というかなり重い部分もございますので,そちらに時間をかけるために,2の「今後必要な対応」の1,「指導と評価」の部分ですね,これがかなりあります。12ページの上2行まででございます。何かこれについて,御意見,あるいは修正提案等ございましたら,挙手願えれば幸いです。
 松川委員。

【松川委員】 中学校・高等学校の現在の指導体制の課題と,そのことに対する対応については,これまで余り議論していないと思います。親会議の何回目かのときに,教科調査官の御説明の中で先進校の事例を発表していただきましたが,そのことに関わる記述が余りないように思います。資料11ページの中学校・高等学校の最初の丸に、「中学校では」というくだりがあります。その2行目から,「また,内容に踏み込んで英語による言語活動を中心とする事業を構成することが重要である。そのため,英語を実際のコミュニケーションの場とする観点から,授業を英語で行うことを基本とする」と書かれており、授業を英語で行うことを基本とするというところに焦点が当たっています。あのときの教科調査官の御説明でも御指摘されたように,現在授業ではある程度コミュニケーション活動が行われているものの,それが真のコミュニケーションであるのかということや,内容に踏み込んでいるのかといったこと,決まり文句を言っていて考えながら表現していないというような課題が指摘されたと思います。そのような課題を解決するための手段が,「授業を英語で行うこと」だけではないと思います。内容に踏み込んだコミュニケーションが中・高等学校ではやはり求められると考えますが,授業を英語で行うという非常にキャッチーな言葉だけで,それ以外の手段が明記されていないということが,中学校・高校の授業の改善にとっては問題だと思います。
 内容に踏み込んで言語活動を行うためには,例えば教科書についても言及する必要があると思います。また、例えば今の語彙数でよいのかという基本的なことも検討されるべきことになってくるのは当然ではないでしょうか。内容に踏み込んだ話ができるためには,かなりの分量の英文を読まなければ表現できないということも事実だと思うのです,そのための手立てが、とにかく授業を英語で行ってくださいというメッセージだけでは,中学校・高校の先生方はどのように授業改善を図ればよいかよく分からない。中学校・高校についても,研究開発学校等があるわけですので,そのような学校の先生方は,内容に踏み込んだもっと深いコミュニケーションができるためにはこういう指導が必要なのだということを実践から掴(つか)んでおられるのではないかと思ういます。そのような先行事例を分析し、今後の指導改善についてもう少し踏み込んで書いていただく必要があるのではないでしょうか。

【松本主査】 これは,事務局なり調査官にお答えいただいた方がよろしいですか。

【松川委員】 何かもう少し書き加えることを用意していただきたいということです。中・高等学校の英語を高度化するには,どこをどうすればよいかということに踏み込んで議論すべきだし,書いていただく必要もあるのではないかと私は思います。

【松本主査】 ありがとうございます。これについて中学校の石鍋委員はいかがですか。コミュニケーションを充実させるという,学習内容の充実化に向けて,例えばということでしたけど,語彙数を増やすとか,英文を長くするとかいったような御提案がありましたが。

【石鍋委員】 実際に現場を見て,きのうもちょっと私授業を見てきたのですけれども,コミュニケーション活動とうたいながら,結局はパターンプラクティスというのですかね,ドリル的な活動を口頭で行って終わってしまうと。つまり,そこのレッスンなりユニットで扱っている内容について,中学1年だったのですけれども,自分の意見や思いを伝えるという活動はなかったのですね。ただ,若い教員だったので,その辺を聞いてみたらば,とにかくやっぱりよく分からないのだと。どういうことをやったらいいのかというのがよく分からないのですということだったので,授業が終わってから個別にちょっと話をさせてもらったらば,あっ,そういうことなら分かりますということだったのですね。
 ですから,今,松川委員がおっしゃったように,内容に踏み込んで英語による言語活動を中心に授業を組み立てるとはどのようなものなのかという,まあ,例示をして,それが枠になってしまってもいけないのでしょうけれども,やはりある程度きっかけとして例示があると教員の方は分かりやすい。進んで学んでいる教員の方はなくても分かると思うのですが,若い教員であるとか,今までの指導法から脱し切れていない教員。その教員のためには例示があってもいいのかなと思います。

【松本主査】 今の点ですけれども,パターンプラクティスが全部いけないということではないですよね。

【石鍋委員】 そうそう。

【松本主査】 意味ある活動のために基礎的な訓練がベースになっていればいいということですね。

【石鍋委員】 そのとおりだと思います。ただ,きのう見させてもらった人は,もうパターンプラクティス的なものをやって,それでもうコミュニケーションなのだというふうに誤解をしてしまう,そういったところですね。

【松本主査】 これについてどうでしょうか。室長,お願いします。

【圓入室長】 「小・中・高を通じた目標及び内容の主なイメージ」というA3の資料を,きょうまたお配りいたします。内容に踏み込んだものを本当に真のコミュニケーションの場とするというのはどういうものなのかということを御議論いただきたいと思って御用意していたものを,A3の裏面の方にも幾つか出させていただいております。確かに有識者会議の中でも,これを活用して具体的なイメージをお持ちいただけるような御議論を頂く時間がなかったように思います。例えば,目標もそうですが,学習到達目標とはまた別に,教育の目標としてCAN-DO的なものを掲載するという話と,裏の内容の方も,例えば高等学校の方を御覧いただきますと,言語活動にどういうものを想定していくかというところにアンダーラインを引いておりますが,ここは更に具体化すると。「高度化」という言葉が最初からございましたけれども,具体化して充実していくというようなイメージでたたき台を御用意させていただいておりました。是非,きょう,目標と内容の方の範囲を超えてしまいますけれども,先生方からも御議論をいただければと思っておりますので,よろしくお願いいたします。

【松本主査】 今の点で,吉田委員,どうぞ。

【吉田委員】 私も今の松川委員の御指摘,そのとおりだと思いますし,それから,後で言おうと思ったのだけど,免許法の中の具体的科目とか内容について触れたところ,後でありますね。そこと直結していると思うのですよね。だから,要するにこういうことを求めているというのがはっきりすれば,それに向けての教育をしなきゃいけないわけですね。ちょっと後ろの方で抜けているのかなと思うのは,最近よく言われているようなCBI的な,コンテント・ベースト・インストラクションであるとか,あるいはCLIL的な発想がほとんど何も入っていなくて,そういうものがなかったら内容がないので,深く掘り下げたものって何なのだろうと非常に疑問に思いますよね。ですから,その辺と結びつけた形で,後ろの方の教員の研修,教員の免許法の科目と関連させてきちんと考える必要があると思いますね。

【松本主査】 松川委員はどうでしょうか。

【松川委員】 それもそうだと思いますが,やはり内容に踏み込んだというのはどのようなイメージなのかということです。中学生なり,高校生が,他の教科で話していることと英語の授業で話していることの内容に大変大きな落差があります。それを克服するためには,本当のところ何が必要かというと,小学校の外国語活動でも他教科の授業を活用してということがありますように,中学生は日常生活の中で数学の授業や社会の授業、理科の授業などを受けて毎日学校生活を過ごしているわけです。ですから,そういうこととある程度絡めるなども改善の方向や方途としてあるのではないでしょうか。しかし、教科書の今の語彙はそのような表現活動を想定されていはいないわけで、そのようなギャップがある限りは,内容に踏み込んだといっても,いかにもお題目だけで実質がないと思います。随分教科書が分厚くなってしまうということはありますが,全ての分野について話せなくてもよいですが,数学が好きな生徒は数学について、体育が好きであれば体育についてある程度踏み込んで話しているというのは、内容に踏み込んだコミュニケーションをしている姿の一つとして当然考えられると思います。また、高校であれば,工業高校の生徒もいれば,農業高校の生徒もいるわけです。岐阜県でいいますと,農業高校でスーパーサイエンスハイスクールに指定されている学校があり,その学校ではALTが農業に関する英語を授業の中で扱い、生徒は非常に関心をもっています。工業高校であれば,工業に関する語彙などは英語の教科書には出てこないですが,生徒たちは自分たちが学んでいる工業に関する内容を当然語りたいと思っていると思います。だから,そのような専門性等と絡めた指導をしなければ,内容のある表現などできるはずもありません。ただやみくもに英語が話せるようにといっても,何を話すのだというところをもう少し切り込めるようなものがないでしょうか。根本的な中・高等学校の英語教育の改善の一つの方向性を,せっかくこういう機会ですから,出してほしいと思います。ただ授業を英語ですればいいというものではなくて,子供たちの興味・関心に合ったという抽象的な言い方ではなくて,それが具体的に実現できるような,コンテント・ベーストならコンテント・ベーストに踏み込むべきだと思うわけです。他教科で学んだものも活用してなどです。その辺りをもう少し踏み込んでいただきたいなと思います。

【松本主査】 確認ですけど,それは中学校段階でもというお考えですか。

【松川委員】 そうですね。中学校段階でも,日常の生活を英語で話すといったら,きょう数学の時間にこういうことを勉強しましたとか,体育でこういうことをやりましたということが話せなければ,深まったコミュニケーションなどできないのではないでしょうか。

【松本主査】 では,11ページの真ん中の丸の「中学校では」のところですけれども,「他教科の内容等を踏まえつつ」とかという言葉とか,あと,「そのため」,「授業を英語で行うことを基本とする」というのがちょっと際立ち過ぎているので,「英語を授業で行うことを基本としつつ,内容に踏み込んだ」とか,そういう書き方で。太田視学官。

【太田視学官】 ありがとうございます。松川先生の御指摘,そのとおりです。実は前回の指導要領の改訂でも我々同じことを考えていまして,机上資料の第7回会議資料43ページに学習指導要領があるのですけれども,「高等学校外国語科の目標及び内容」と書いているところです。そこの必履修科目のコミュニケーション英語1の内容と,目標の次に内容が来ている,非常に大事なところのア,イ,ウ,エという,そのウとエは特に何が書いてあるかというと,聞いたり読んだりしたこと,そして学んだことや経験したことということで,他教科も含めて学習したこと,そして,自分が日常生活で経験していることも含めて,そういうことに基づいて情報や考えなどについて話し合ったり意見交換をしたりするとか,そういうことについて簡潔に書いたりするということです。松川先生がおっしゃったような,いろんな他教科で学んでいること,そのコンテンツが大事なのだと,伝えるべき内容が大事なのだということが書かれております。
 それを踏まえて,具体的にそういうのをもっと集中していくこととか,そういうためにはどういう言語活動を仕組んだたらいいかという研修とか,そういうことを進めていくことは非常に重要だと思っています。

【松本主査】 ありがとうございました。今のは高等学校の?

【太田視学官】 高等学校です。

【松本主査】 松川委員の御意見は中学校でもという。

【松川委員】 中学校でも。

【太田視学官】 そうです。同じようなことだと思います。

【吉田委員】 いいですか。

【松本主査】 吉田委員,どうぞ。

【吉田委員】 私もこれはよく分かっているのですが,ただ,普通これを読んでいると,学んだことというのをそこに結び付ける人はほとんどいないのですよね。だから,その辺をもう少しきちんととした形で例示するなり,例えばということでもう少し明確にするとか,それが他教科だけじゃなくて,私は今はもっとグローバルイシュー的なものも含めたものが必要だと思いますし,それから,中学校の学習指導要領には,日常生活だとか風俗,文化,歴史という,日本についてという部分がかなり含まれていますけれども,今松川先生がおっしゃったような他教科的なものというのは余り匂ってこない。だから,テキスト,教科書を見ても,日本の文化についての章はたくさんあるのだけども,何かそこで終わっちゃっているようなところがありますよね。ですから,もう少しその辺の工夫をして,もうちょっと幅広くいろんな意味での学習経験を生かせるような,それを言語的に表現できるようなものに変えていけばいいなと思いますね。

【松本主査】 松川委員,どうぞ。

【松川委員】 吉田委員の御指摘のとおりだと思います。余り他教科などと限定するのではなくて,やはり内容に踏み込んだということの幅広なイメージを出していただく必要があると思います。学習指導要領に書いてあるからいいということではなく,強調していただかないと分からないです。

【松本主査】 はい。中学校段階ということで,平木調査官は何かコメントございますか。

【平木調査官】 ありがとうございます。教科書の本文そのものに,かなり他教科で学ぶこと,例えば理科で学ぶこととか社会で学ぶこととか,内容的にもかなり盛り込まれているところが,実際,特に2年,3年,学年が上がっていくとあるのが事実なのです。そこのところに他教科で学んだことをうまく関連させるといった視点をなかなか持てていないのも実際だと思います。
 とにかく問題として今考えているのは,本文をどうまずは理解させるとかいう読むことの指導がかなり十分ではないかなということ。前回のプレゼンのときもそういったことも申し上げたのですけれども,内容をどう捉えるかということをまずはスタートとしながらも,それに対して自分がどう関わるかという主体的な読みをどう展開するか。そこに他の技能を統合的に絡めた,さっき言った内容に踏み込んでというところが出てくるのかなというイメージを持っています。
 昨年度あたりから国研の研究指定校では,読むことの指導を,そういった他の技能を統合させながら,主体的に読む,さらにはそれを自分自身の発信へとつなげていくという,主体的な読みとは何かということを昨年度,今年度と参考で研究していただいています。それも,さっき言われた実践例なんかを具体を出していただけたらというところにつなげられるかなというイメージは今持っているところです。ありがとうございます。

【松本主査】 ありがとうございます。指導の内容及び教科書についても今話が進んでおりますので,次のセクションの教科書・教材の14ページの終わりまでを含めて,何か引き続き御意見等ありましたらお願いします。佐々木委員,どうぞ。

【佐々木委員】 すいません。そこまで,先なのですけど,今の点で,ここで言うと,新学習指導要領が始まって,英語で行うことを基本とするという文言が,そこだけクローズアップされ,意識ある人間は,そこで自分でいろいろなやり方だとか改善を授業の中で展開してきていると思うのですけれども,やっぱりここだけクローズアップされて一人歩きすると,学習指導要領で意図したことと現場で誤解を生じている部分がここでもあったと思うのですね。ですから,そこをきちっと理解していただいて,大事な内容に踏み込んだ言語活動をするというところであれば,文言の言い方,書き方を変えていかないと,同じ誤解をまた中学校で繰り返すような気がいたします。
 ですので,授業を英語で行うことを基本とし,授業を実際のコミュニケーションの場としつつ,最終的に内容に踏み込んだ英語による言語活動を授業の中で構成すると。何が一番中心なのかというところがはっきり分かるようなことが必要だなと思います。先ほど出たように,具体的にどうすればいいかということを,やっぱり高校のところでは今でもいろんな研修の場だとかといったところで学ぶ人もいれば,なかなかそこまでいかない人もいると思うのですね。ですから,そういった具体的な事例を盛り込んでいっていただくということは非常にいいことかなと思います。

【松本主査】 御意見ありがとうございました。中学校の方で際立ったのは,実施計画案の中で中学校でも英語で行うことを基本とするということを大臣発表したので,そういう点もあってのことだと思いますけれども,佐々木委員の御意見が皆さんの御意見をまとめていると思いますので,そういう形で修正していただければと思います。
 ほかに何か御意見ありますでしょうか。教科書・教材ですね,これについて何か。吉田委員,どうぞ。

【吉田委員】 今までの議論とも関係してくると思うのですけれども,教科書自体をどう取り扱うかって非常に難しいような気がするのですね。今は,それほど分厚いものではないし,その中に含められるものって非常に限られていますよね。ですから,ここの中にも載っていますけれども,ICTを使うとか,別の形で補強していくという,もっと幅広くいろんなインプットが得られるような,そういう総合的な教材というのかな,そういうものをもっと強調していく必要があるのではないかな。だから,教科書をペーパーベースで作っても,そこでとどまるのではなくて,必ずこれはこういうものと関連していると,ここを更に深めるためにこういうことをしてほしいというようなところまで踏み込んだ教材・教科書作りをしていかないと,これからの時代、ついていけないのではないでしょうかね。その辺,もうちょっと結び付けてほしいなという気がします。

【松本主査】 ありがとうございます。その点,どの場所にどういう形で入れ込むかというのは結構悩ましいのですけれども。14ページの上から三つ丸がありますが,ここの書きぶりでよろしいでしょうかね。「次期学習指導要領の改訂において,そのような趣旨をより徹底するとともに,教科書用図書検定基準の見直しに取り組むべきである」という文ですね。基準の見直しだけでよろしいでしょうか。

【吉田委員】 どうなのですかね。ほかのいろんなものが入ってくると,教科書検定どうなるのですかね。僕はちょっとよく分からないのだけど,今のところ,ペーパーだから検定はできますよね。ところが,それにICTの教材だとか,いろんなものをそこに附属していろいろなものがどんどん出てきた場合に,検定って一体どの範囲まで可能なのだろうか。その辺,先ほどの参考資料2の方にありましたよね。あれ見ているとものすごく曖昧にしか書いていない,本当に大ざっぱにしか書いていないわけだけども,あれ,大ざっぱだから逆に言えば何でも入れることができるのかなというような気もするし,あれで扱えるのかなという気もするので,結構そのあたりは考えなきゃいけなくなるのではないですかね。

【松本主査】 室長,どうぞ。

【圓入室長】 検定基準の性格,先ほど御説明させていただきましたけれども,まずは学習指導要領がベースになりますので,今吉田先生がおっしゃったような例えば指導の在り方みたいなものが学習指導要領上どう求められるかというのも大きく一つあるかと思います。それであれば,学習指導要領改訂のときに自動的に入ってくる。
 それと,もう1点,14ページの最後の丸に,先ほど御紹介いたしましたデジタル教科書・教材の導入に向けた検討ということで,教科書には音声や映像データが含まれるとなってくると,またそこでかなり考え方が変わりますし,ここには書かなかったのですが,どういう効果を求めて含まれる考え方を明確にするかというところも少し御意見いただければ,より分かりやすくなるのではないかなと思いますので,よろしくお願いいたします。

【松本主査】 あともう1点,私の方から,13ページの一番下の丸なのですけど,「世界的に広く用いられている教材を参考にしつつ」とあって,結局自前で開発せよというのが結論になっているのですけど,世界的に広く用いられている教材を,参考だけじゃなくて,「使用する」という文言をどこかに入れると随分話が違ってくるのかなと思います。実際個人的には多くの学習者が使っているので,そのことを学校で奨励するかどうかというのは大きな分岐点にはなると思うのですが,その点,ほかの委員の方,いかがでしょうか。

【吉田委員】 直接使用するというのは,言い方としては難しいかなという気がしますね。だって,いろんな本があるわけですから。むしろ,それこそ今の検定基準とどうかみ合ってくるのという話になったときに。

【松本主査】 検定教科書という意味じゃなくて,教材という意味。

【吉田委員】 教材という意味ね。

【松本主査】 補助教材という。

【吉田委員】 ああ,そういう意味でね。そういう意味でいっても,具体的にそこまで踏み込めるのかなという気はしますけどね。

【松川委員】 私はそのことよりも,先ほど室長さんが言われた14ページの最後の丸ですけれども,前回のこの小委員会でも申し上げたと思うのですが,やはり紙の教材というのは,どうしてもそもそも読むものという色彩が強く,4技能を教えるための教材ということを考えると,紙だけでいいのかということは当然問題になってくると考えます。教科書という「書」じゃないものが,4技能の習得を強調すれば出てくるのは当然だと思います。だから,先ほど調査官が,本文を読んで,そこからどのように表現活動に至らせるかといった話をされましたが、そのような指導となるのは,紙で書かれているという縛りが強いからです。4技能を指導するということを考えれば,教科書がベストの教材だということは言えないわけですから,教科書も重要だけれども,それは飽くまで一つの教材であって,それ以外のものを使う方向にいかなくては困るのではないでしょうか。他教科と同じように,例えば体育であれば,体育の教科書はありますけれども,それ以外の教材というのは山のようにあるわけでして、英語というのも実技教材であって,教科書は教材の中の一つだけれども,こういう時代になってくれば当然音声教材,視覚的な教材というのを使うことは必須なので,教科書のウエートをある程度下げざるを得ないのではないかと思います。

【松本主査】 紙を。

【松川委員】 はい。紙の教材の限界をある程度考えていくわけです。今回はそのことに踏み込むべきだと思いますね。音声教材が児童生徒に配布されていないということは,よくよく考えてみればおかしいと思います。

【松本主査】 ありがとうございます。ほかにございますか。議論されていない点で,中学校の教科書については,現在は6社とも基本的に文法シラバスになっているのですね。それもがちがちの文法シラバスになっていて,私も作っているので大きな声では言えないのですが,これをどうしたら変えられるかと悩みつつ何十年たってしまったのですけれども,これについては御意見ありますか。中学校の言語材料の並べ方ということについて。

【吉田委員】 私もやっているので,いろいろとありますけれども,ある程度今までの,今議論になっているような紙ベースの教科書の場合はしょうがないような気がするのですね。ところが,これがいろんなメディアを使って本当にコミュニケーションというものが中心になってきた場合,いわゆる言語構造的なものに焦点が当たる率は減ってくるのではないかなと。より意味を理解していくとか,そこから推測していくとか,それをベースにして何か自分たちで更に掘り下げていくという作業の方に焦点が当たれば,それに必要な文法であるとか,それに必要な語彙というのは,おのずと出てくるわけですよね。
 ですから,最初からいわゆる文法シラバスに基づいたものでなくても,逆に,文法は後になって,コミュニケーションベースであって,それに必要な文法。今の学習指導要領にそう一応書いてありますよね。文法をそれだけで教えちゃいけないというのは書いてあるわけなので,それにより近づくのではないかと思うのですね。それがどうしてもペーパーをベースになっちゃうと,それができない。どうしてもペーパーを基準にするので,どうしても文法を基準にして,さあ,それをどう使いましょうになっちゃって,何か本末転倒のような,本来はもっと別の観点でコミュニケーションして,そこに必要な文法を入れていくという,そっちにやっぱり転換する必要があるのではないかと思うのですね。
 そういう意味でいうと,デジタル教材ってものすごく大事な役割を果たすと思いますし,それからもう一つは,先ほどリーディングの重要性という,むしろ読むということの重要性についても少しあったと思いますけれども,デジタル教材的なものでいろんなものを聞いたり,あるいは映像で見たりしていると,おのずとそこで必要なものについて読まなきゃいけない率は高くなると思うのです。ところが,紙ベースのものだけを与えたら,それだけで嫌になっちゃって,結局読む量が減るのではないかと思うのですね。だから,総合的なコミュニケーションの中で,先ほどの文法も位置付けていけるし,読むということ自体も,総合的なコミュニケーションの中でより重要性が増してくると思うので,指導上もより多くのリーディングを取り入れることが可能になると私は思います。
 だから,よく松本先生がやっておられるディベートなんかそうですよね。たくさん読むわけですよね,皆さんね。ディベートなどをやらなかったら読まないと思うのです。だから,やっぱりそういうコミュニケーション活動がまずあって,そこの中にリーディングという個々の技能を位置付けていくという考え方。だから,学習指導要領自体もそういう方向で少し書きかえる必要があるのかもしれないけれども,教材自体,もう絶対紙ベースだけでは不可能だし,これだと今後伸びないような気がしてしょうがないですね。

【松本主査】 何かこの報告書に入れ込みたいのですけれども,例えばですが,「デジタル教材等を活用しつつ,コミュニケーション活動の内容を充実させるために,文法シラバスの見直しも必要である」とか,そういう文言を入れることは可能ですかね。

【吉田委員】 そこまで言うかな。

【松本主査】 そのぐらい書かないと,多分次も何十年と変わらないような気がします。to不定詞はどういう順番で出すかとか,I think thatの構文は複雑だから最後の方に出さなきゃいけないとかですね。
 もう一つの切り札は,中学校で英語で教えるようになれば,先生は習っていない文構造とか単語で指示しなきゃならなくなるので,それも一つには,習った,習わないという話から脱却できるのかなとは思うのですけどね。

【吉田委員】 もしそういう言い方をするのであれば,先ほどちょっと申し上げましたように,コミュニケーションベースのシラバスを作り,その中で必要な文法を導入していくというような書き方ができるのであれば,その方がいいかなと思いますけど。

【松本主査】 そうすると,現行の学習指導要領の文法はコミュニケーションを支えるものであるというのと合致しますね。

【吉田委員】 合致すると思います。

【松本主査】 そういう文法シラバスにかわるコミュニケーションベースのシラバスを展開するために必要な文法事項を同時に教えていくというような指導方法が大切であるみたいな感じで。その辺,文章は事務方の方で直していただければと思います。
 ほかに何かございますか。藤村先生,どうぞ。

【藤村委員】 今ずっと聞いていて,小学校の,今度,英語科になると,教科書をどうするかということが出てくると思うのですけれども,今現在使っている「Hi,friends!」は,いわゆる活動を中心に,映像なり音声があって,文字というのは余りないと。特に文としては非常に少ないというテキストになっている。それをいろいろアレンジして使っているというのが現状なのですが,中学校で今現在使われている,今話に出ていましたけれども,教科書と随分ギャップがあると。今お話の中で,コミュニケーション活動,それをシラバスとする点になれば,ある意味ではよく似ているというか,共通性が出てくるのかなと思って聞いていました。
 ですから,小学校で考えていく教科書,それから,中学校で考えた教科書がやはり同じ方向でないと,小学校は小学校でということではないだろうなと。もちろん小学校としての発達段階があるので,全く同じとは当然いかないと思うのですけれども,当然活動というのが中心になる部分があると思うのですけれども,そこはやっぱり先を見越したといいますか,そこと関連をさせた教科書といいますか,そういうものを作っていく必要があるのではないかなと思っています。

【松本主査】 ほかにございましょうか。
 では,最後,このセクション2まで,若干気になる点で,14ページの下から二つ目の丸なのですけれども,「地方財政措置がなされており」という部分なのですけれども,私,詳しいこと分からないですけれども,ここのニュアンスというのは,地方財政措置がなされているのに,その目的に使われていないケースがあるという読み方でよろしいのですか。

【圓入室長】 目的外に使われているということではなくて,これだけの額の措置がなされているのですが,実際に学校現場で活用されていない,十分まだまだ活用できるのですけれども,されていないという現状がありますので,もっと活用していただきたいというメッセージのものです。
【松本主査】 これに何か縛りを付けるということはできないのですか。必ず学校のこういうことに使ってくださいという。

【圓入室長】 今,総務省と,文部科学省の担当課があるのですが,一緒にリーフレットを作りまして,いろんな会議で周知させていただいて,学校の方にも活用促進ということで働きかけているという状況でございますので,あとは,自治体の中で御要望,これからまた来年度の概算要求になると思いますが,そこで必要なものを挙げていただくということになってくるかと思います。

【松本主査】 課長,よろしいですか。

【榎本課長】 失礼します。地方財政措置ですので,国でこれに使いなさいというふうに使途を縛ることはできません。あくまでも各自治体において,地方交付税も含めて,自主財源をどういうふうに使っていくかという自治体の判断になってまいります。
 一方で,地方交付税,あるいは地方財政措置を準備している総務省と,それから,教育を担当している文科省において,地方財政措置も駆使していきながら,学校のICT環境を進めていきましょうということを連名で呼びかけをしているところでございます。自治体の予算という前提でありながらも,そこは地方交付税を準備している総務省と一緒になって,地方交付税,あるいは地方財政措置をこれに使っていきましょうと呼びかけをしている,やや緩やかな枠組みでございます。これは総務省と一緒にやっておりますので,文科省だけで勝手に言っているものでもありませんから,強く呼びかけていきたいと思っております。

【松本主査】 ありがとうございます。それでは,残り時間,指導体制について,15ページ以降について,御意見等賜れればと思います。吉田委員。

【吉田委員】 英語教育そのものがどんどん変わっていった場合,先ほども室長から,現行の教員免許に必要な科目のリストなどについてのお話がありましたけれども,やはりどう見ても,古いなという印象をぬぐい切れないですね。英語学といったって,昔の英語学は完全に言語学ですから,もちろん言語の基本的な構造についての知識は必要ですが,もっと,いわゆる第2言語習得だとか,教授法についての知識だとかというのがもっとクローズアップされなきゃいけないだろうし,それからもう一つは,先ほど申し上げましたように,もう少し内容に踏み込んで何かをするのであれば,何らかの形で,例えばCBIの教え方であるとか,あるいはCLIL的なものの教え方であるとか,どういうふうに例えばほかの教科と結び付けて教えていけばいいのかという。現在もう既に,特に高校では,スーパーグローバルハイスクールなどで,そういうことをやり始めている学校ありますので,事例がないわけじゃないので,そういうときに必要なものって何なのだろうということも加味した上で,必要な科目というものを設定する必要があるのではないかなという気はしています。
 ですから,もうちょっと現代的に科目そのものの設定を変えていかなきゃいけないと思いますね。

【藤村委員】 すいません,いいですか。
【松本主査】 藤村委員。

【藤村委員】 19ページのところに「『免許法認定講習』の開設を支援し」というのが,小学校の学級担任の中で専科指導にも当たることができるようにということが書いてあるのですけれども,現場の教員はこういうことを望んでいないのですね。というのは,この間バトラー先生の話もありましたけれども,何時間の研修を受けた後,一定の簡単なテストがありますという話があって,それができるということが自信になったという話がたしかあったと思うのです。その中身については分からないのですけれども,小学校の英語のできる先生,あるいは英語をもうひとつうまくできない先生の話を聞いていると,どういうことができればいいのか,どんなことを,どんな英語を使えばよいのか,どういう指導をすることができるようになればいいのかということを知りたい,学びたいという声があります。ですから,中学校の免許を取ったらよいとか,それから,何級を取ればよいとか,そんなことを思っていないのですよ。具体的にどういう指導をすることがこれからの子供たちのコミュニケーション能力を高めることになるのかということを知りたい。そういうものを何か明確にしていただくことができないのかなということをすごく思っています。ですから,免許の認定の支援とか,そういうことではないと私は思います。

【松本主査】 ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。

【石鍋委員】 英語力を上げるというのは当然教員にとって必要なことだと思っています。また中学校の現場の教員から聞くと,いろんな検定で何級だというのは,それも一つの目安にはなるのですね。その辺を話題にする教員は多いです。ただ,よく聞くのは,授業で使える英語力を伸ばしたいという言い方をしますね。「授業で使える英語力ってどういうことだと思うの?」と聞いてみると,例えばクラスルームイングリッシュ一つとっても,やはり中学生に向いたものとそうでないものがある。ただ自分が英語ができるからといって子供を動かそうと思ってぺらぺらしゃべっても動かない,もう1人の先生は非常によく動く,これ,何か違いがあるのだろう。そういった力を身に付けたいとか,あとは,いわゆるティーチャートークと言われているものにどんな言葉を使っていったらいいのかと。そのようなことをよく話に聞きます。
 ですので,そのような部分が文字化されて入ってくると,非常に教員にとっては分かりやすくなっていくかなと思います。
 以上です。

【松本主査】 具体的な方向性,ありがとうございます。ほかにございますか。佐々木委員。

【佐々木委員】 ここ,全く同じです。これ,教員養成と後にある研修とが相まってずっとこれからやって改革していかないといけないなと思っています。その中で一番大事なのが,今言われたような,実際どういう授業を展開していくのかという具体的な手法,方法をやっぱり身に付けたいという意図が強いと思うのですね。我々が学んだような,知識を得て,その知識を注入するような時代はもう終わったわけですから,どういった活動を促してやっていけるかという現場的な発想ができるような養成と研修というところで相まってやっていただきたいと思っています。

【松本主査】 松川委員,お願いします。

【松川委員】 少々細かいことから申し上げますけれども,教員養成と採用についてかなり踏み込んで書いていただいて大変有り難いと思うのですが,1か所,25ページの最後のところです。採用で最初の丸がありますが,こうした取組を通じて,これこれ程度とすることが強く望まれるというようにいきなり書かれています。このことは採用の問題ではないと思うのです。養成段階における英語力を高めていこうすることが強く望まれるのであれば,養成の段階で書き足してもらいたい。なかなか難しいと思いますけれども,教員,中教審の,今後免許法の改定についてもいろいろ審議がされているようなので,どこまで書き込めるか分からないですけれども,中央教育審議会における教員養成の見直しの審議全体の中で検討を行うと書いてありますのでそのとおりなのですけれども,採用の一番にこういう英語力が強く望まれるということを言われても,望まれるのだったら,採用ではなく養成で,免許の必要要件として入れてもらいたいということが1点です。
 その後の文章がよく分からないです。「英語教員の採用に当たり」,「そうした英語力」というのは,英検準1級以上云々(うんぬん)でしょうけれども,「そうした英語力と併せて」,その次の文はどのように理解すればよいのでしょうか。「実技試験や面接等による指導力を有することを前提することが求められる」と。だから,採用に当たって実技試験や面接をやってくださいということですよね。そのようには読めないので,これは日本語の文としてそもそもおかしいということが1点と,それから,もう一つは,先ほど吉田先生もおっしゃった免許の要件ですけれども,さっきの参考資料によりますと,これも随分改善されてきていますが,要するに教科に,中学校の教諭の一種,それから,高校の一種の免許を取得するための教科に関する科目の単位数というのは20単位なのですよね。これがそもそも20単位でいいかどうかということです。昔はもっと多かったということがあります。20単位でいいかどうかということと,20単位の中身が,先ほど吉田委員がおっしゃったように,英語学,英米文学云々(うんぬん)ですけれども,それが,昔は何を何単位という縛りがあったのですけど,今はなくて,それぞれ1単位以上20単位を取得すればとい,どういうバランスでもよいという書き方ですが,本当にそれでいいかということと,それから,そもそも英語学,英米文学何とかという,こういう柱立てでいいかということは,非常に大きな問題でありまして,ここのところは何十年来直っていないわけです。これは大学との関係だと思うのですけど。英語の先生のバックグラウンドが,英語学か英米文学がほとんどだからこのようになっているのだと思うのですが,「こういう英語力を求める」と書かれても整合性がなかなか取れないと思います。だから,この委員会でどこまで言えることか分かりませんけれども,本当にやるのであれば,それは教員養成部会の中できちんと詰めていただくようにする必要があると思います。
 長くなって恐縮ですが,もっと大事な問題は,26ページの一番頭のところの丸に,「今後の英語教育の方向性を踏まえ,専科指導を想定した小学校教員の採用選考に当たっては」というふうにいきなり書かれているのですが,先ほど室長の御説明だと,小学校の指導体制というのは混合型とおっしゃったのですよね。混合型,それはどのように捉えたらよいのでしょうか。こういう文言があると,いきなり小学校は専科指導だと言い切っている感じがします。小学校の方向はもう専科指導でいきますと宣言しているわけで,ここまでそういうふうに書き込めるのかなというのが私の疑問です。
 だから,混合型なら混合型で,それらしき書きぶりにしなければいけないので,どういうバランスの混合を考えているのかということをもう一度明らかにする必要があるのではないでしょうか。

【松本主査】 ありがとうございました。非常に重要な点ですので,検討していく必要があると思います。
 私から,時間がないのですけれども,2点だけお願いします。25ページの最初の丸のところに海外体験の重要性を書き込んでいただいたのは大変すばらしいと思うので,それを23ページの小学校の方の教員養成でも書いていただけるとよろしいかなと思います。基本的に全ての教科に関して,教員になるには海外体験が必要だというようなぐらいのことを書き込んでいただきたいのですけども。少なくとも英語に関して,やはり異文化体験というのは先生になるのに必要じゃないかなと思います。
 それから,26ページの教員研修ですけれども,ここに日本人教員の海外研修について何も触れていないのですけれども,やはりそれはファクトも含めてどういうことをしているのかというのは書いていただいて,それで27ページにそれを更に充実していく必要があるといったようなことも書いていただけるとよろしいのではないかなと思います。
 以上2点です。
 最後に何か言い残した点,まあ,言い残した点たくさんあると思うのですけれども,これはという点がございましたら。よろしいでしょうか。
 それでは,時間になりましたので,皆さん,御意見,きょう賜った部分について,更に修正を加えなければならないのですけれども,親委員会との関係もありまして,皆さんの御意見を主査の方でまとめさせていただいて,それでまた皆さんにメール等で返して,御意見を頂くという形でよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。じゃあ,それでまとめさせていただきまして,御連絡をさせていただきたいと思います。
 小委員会,3回という短期間でございましたけれども,指導体制についてかなり突っ込んだ意見を賜ることができましてありがとうございました。
 それでは,事務局の方から今後のスケジュール等について御説明いただきたいと思います。

【圓入室長】 先ほど松本主査から御案内がありましたように,本日頂きました御意見を踏まえまして,審議まとめということでございますので,修正したものを,主査と御相談の上,後日お届けさせていただきたいと思います。
 小委員会の方,御多忙の中,御出席いただきまして本当にありがとうございました。

【松本主査】 それでは,これにて,会議,終了させていただきたいと思います。傍聴の方を含めてありがとうございました。

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