学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議(第6回) 議事録

1.日時

平成25年12月1日(日曜日)14時00分~17時00分

2.場所

都市センターホテル7階 701会議室(東京都千代田区平河町2-4-1)

3.議題

  1. 学校図書館担当職員の担うべき役割・職務について
  2. 学校図書館担当職員の質の確保を図るための方策について
  3. その他

4.議事録

【堀川座長】  それでは、定刻になりましたので、これより学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議の第6回目を開催したいと思います。
 本日は、前回までの御議論を踏まえまして事務局でまとめました資料の1、これまでの議論のまとめについて御意見を頂きたいと思います。これは委員さん皆さん御承知のように、第4回と第5回の御議論、そしてその後にメールで頂きました御意見も踏まえて、事務局の方でとても頑張ってまとめてくださったものです。今回はこれに第6章が初めて加わりまして、やっと全容が明らかになったというところです。
 本日の会議が実質的には内容について御議論を頂く最後の機会となりますので、また最終回がありますが、皆様の御意見を伺えるのは実質的には最後ということになりますので、どうぞ積極的に御意見をお願いいたします。
 それでは、最初に事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【春山課長補佐】  失礼いたします。配付資料の方は、資料1ということで、今、堀川座長の方から御紹介がありました、これまでの議論のまとめということで、全体が一貫した姿になった、初めてお示ししたものということで、これが資料1ということで、以上のみになっております。
 それから、あと、先日、この資料1を配付させていただいた後に、槇川委員の方から御意見を頂きましたものを、机上配付させていただいておりますので御確認ください。
 それから、前回、11月4日の第5回の会議の議事録、これもまた毎回同じでございますけれども、未定稿ということで机上の方に配付をさせていただいておりますので、御確認をいただきまして、訂正や事実誤認等がございましたら、12月9日の月曜日までにまた事務局の方まで御連絡を下さいますようにお願いいたします。電子媒体は明日以降、メールの方で委員の皆様方にお送りをさせていただきます。
 事務局からの確認は以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 それでは、初めにこの資料1に関する説明をお願いいたします。
【春山課長補佐】  それでは、引き続きまして失礼いたします。資料1を御覧いただければと思います。全体構成といたしましては、1ページの方に報告書の構成案ということで書いてありますけれども、このような形になってございます。「おわりに」というものは、ほかのこういった報告書等々を見ておりますと、特に「おわりに」というものを改めて設けているところもございませんので、この「おわりに」は削除をして、こうした構成にさせていただいてございます。
 1枚おめくりいただきまして「はじめに」というところで、これは全く初めて御覧いただく文章になりますが、一番初めに、この会議をなぜ、今、このタイミングで設置して、こうした御議論を頂くのかというところを、経緯からさかのぼってお示しをしたものとなってございます。一番初めは、学校図書館全般の話といたしまして、この20年ということで、平成5年の「学校図書館図書標準」の設定と、それと時を同じくした「学校図書館図書整備5か年計画」の開始ということに触れております。
 また、そこから学校図書館担当職員に限るということで言うと、平成17年、これは前回か前々回か、文字・活字文化振興法にも触れては、という御意見がございましたけれども、それの御紹介、平成17年に人的体制の整備についての施策を講じるということが法律でうたわれたり、また、平成24年度からは学校図書館担当職員の配置に係る地方財政措置ということが始まっているという中で、各地方公共団体におかれては、厳しい財政状況の中でも学校図書館担当職員の配置を進めてきていただいているというところで、その必要性というのが強く認識されているということではございますが、学校図書館の現状ということで言いますと、「一方」というところから始まるパラグラフでございますけれども、学校図書館が書庫としてしか認識されていなかったり、また、あるいは社会状況の変化や学問の進展に伴い、配架にふさわしくない図書がそのまま置かれたりというような状況も見られるのが現状であると。
 そうした中、学校図書館でございますけれども、児童生徒の確かな学力、豊かな心というものに大きな役割を果たすというようなことを目標として掲げまして、その現状を目標に近付けるという中で、学校図書館担当職員、これから配置が期待されて、実際に配置をされていくだろうということでございますけれども、そうした中で、本協力者会議は、国として、今後、そのような重要な役割を担う学校図書館担当職員の配置拡充を推進するに当たり、地域や各学校の参考に資する資料を作成することが極めて重要であるというようなことをもって、この会議を設置をして、委員の皆様方に御議論を頂くということです。
 一番後のところですが、これは前回、前々回、皆様方から御議論がありましたけれども、学校職員担当職員のみならず、学校図書館に関わる関係者全体での共通理解を図るということで、その認識を「はじめに」に書かせていただきました。
 1枚おめくりいただきまして、この報告書の実際のプランというものが教育委員会ということで、公立中心のような書き方になっておりますので、国公私立においてもこの内容を必要に応じて読み替えて、その活動の充実を図られたいということですが、表現や、この表記の位置をどこに置くのがいいのかということについては、また御意見がありましたら御指摘いただければと思います。
 それから、以下は簡単に触れさせていただきますけれども、4ページの方に参りまして、学校図書館の位置付けということで、学校教育法施行規則の方も位置付けたということで、丸の二つ目として入れてございます。
 それから、一番後のところで、4ページの最後の丸で、前々回に幾つかの御議論を頂きましたが、最も簡潔な形でまとめたような形に今はしてございます。これにつきましても御意見がありましたらまた御議論いただければと思っております。
 それから5ページに参りまして、丸の二つ目のところですけれども、丸の二つ目と三つ目、ちょっと順番を工夫してはどうかという御意見が前回ございましたが、順番を変えてみて、それでも座りがちょっと悪いところがございましたので、「この観点から」というのを削りまして、御覧いただいているような表記の工夫をしてございます。
 それから、三つ目の丸のところですが、図書館の資料を有効に活用することということを協調するという御意見と、それから、資料だけじゃなくて、学校図書館という場、いろいろな資料がそろっている場としての機能というものもあるのではないかということで、資料ということと、場としての学校図書館ということを両方記載してございます。
 それから、四つ目以降の丸のところは、少し記述の順序を整理をしたところでございます。
 それから、5ページの最後のところでは、学校図書館の機能として、情報の収集・選択・活用能力の育成という、いわゆる情報に関する機能と、情報に関する力の育成に関する機能というのを明示をしてございます。
 それから、6ページの方に参りまして、「読書については」というところですが、読書習慣の形成だけではなかろうということで、読む力の育成ということを明示をさせていただきました。
 それから、7ページのところです。7ページに「主な関係者としては」ということで、一番初めの丸のところですが、並びが必ずしも良くなかったのかなというところで、表現上の工夫をさせていただきました。
 それから、上から三つ目や七つ目の丸の辺りですが、学校経営方針や計画に盛り込むということで、学校図書館を学校全体の中で位置付けるというようなことの御意見の反映をしてございます。
 それから、7ページの下から二つ目は、図書館主任のところの記述を工夫いたしましたのと、7ページから8ページにかけましては、表現を少し簡潔な形でまとめるようにしてございます。
 8ページの一つ目の丸ですけれども、「司書教諭に対し」というのがございましたけれども、これは司書教諭に限るものでは全くございませんので、削除をしております。
 それから、「期待されるが」というふうなことでございましたけれども、「期待されるが」ということになってしまいますと、もうこの報告書の結論みたいなところになりますので、「そういう形態が一般的には想定される」というような言い方にしております。
 それから、上から三つ目の丸のところですが、学校図書館担当職員を支援するための体制整備ということで、研修のほかに学校図書館担当職員の方が学校の中で理解を得ながら職務をするということの前提の話を書いてございます。
 それから、ボランティアのところですが、ボランティアにつきましては、有効性を否定するものでは全くございませんけれども、学校図書館に関わる関係者ということで、今まで変えていった教職員という並びでここに位置付けるのはどうかということで、一旦ここは削除ということにさせていただいています。
 それから、8ページから9ページにかけまして、組織的対応ということですけれども、趣旨を変えているつもりではございませんで、学校図書館に専ら関わる会議と、学校の全体に関わる会議のところがちょっと順番が出たり入ったりするところがございましたので、まずは学校図書館に専ら関連する会議のこと、それから、職員会議をはじめとする全体に関する会議のことということで、書き方の順序を整理しているものでございます。
 それから、10ページからですが、10ページからは全体といたしまして、18ページまでのところで、ここの3の(2)から3の(3)に当たるところですけれども、少し順序というか、流れが必ずしも良くないのじゃないかという御意見を前回頂きまして、少し流れを良くするために整理をしております。10ページの一番初めに書いてあった1、2というものは、例えば17ページの上から二つ目のところでお示しをするなどいたしまして、まずは10ページの(2)の学校図書館担当職員の役割・職務につきましては、従来言われております「読書センター」「学習センター」「情報センター」というセンターの機能に照らして、それを考えた後に、それをさらに学校図書館担当職員の視点から再構成したものということで、具体的には13ページからの個別具体的な三つの分類に関する例というような構成としております。
 そして、13ページから16ページまでまとめたものを、さらに役割という観点で再整理をすると、17ページの、先ほど申し上げた上から二つ目の丸というような構成というふうにしているところです。
 全体としましてはそういうことになってございます。
 それから、特に申し上げるのは、13ページのところの一番下から14ページにかけてでございますけれども、特別支援教育に対する記述というものを、どちらかに盛り込むということで、今は1のここのところに具体的に特別支援学校でやられているような取組を紹介するとともに、また、公共図書館の連携によって、こうした取組というのが効果的であるという形の事実をここに加えさせていただいたところです。
 それから、先ほども申し上げましたけれども、17ページの方に参りまして、上から二つ目のところでその位置付けというものを示したことを受けて、上から四つ目のところで、ここで学校図書館に求める専門性ということで二つ並べて書いてございますけれども、学校図書館の運営管理に関する役割に関する職務に当たるための知識・技能ということと、それから、児童生徒に対する教育に関する役割に関わる活動に携わるための知識・技能という二つの柱を併置をさせていただいておりまして、そして、その二つの分野にそれぞれ具体的にその中身といたしまして、その次の17ページの下から二つ目の丸と、それから、17ページから18ページにかかる丸といたしまして、その二つの具体的な、領域という言葉が適切なのかどうかは御議論もあるかと思いますけれども、こうしたところがやはり標準的に有することが期待されるものであると。
 こうしたものに関するようなところの知識・技能を、基本的なところを最低限の身に付けていただくものとして、こうしたものに対して次の19ページから始まります研修等の取組で、こうしたところを確保するための方策につながるというような構成になっております。
 19ページのところに参ります。19ページのところでは、これも下から二つ目の丸のところですけれども、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、やはり学校図書館担当職員自身の研修や質の向上ということだけでは、やはり学校での中の理解というものがない施設になると、なかなか御活躍というか、必ずしも発揮されないということで、ここにそうした記述を書いてございます。
 それから、20ページの方に参りまして、下から二つ目のところですけれども、ここについて具体例を盛り込んだらどうかという御意見がございましたので、前回終わってからの御意見の中でこうしたものがあるよということを御提供いただきましたものを具体的な例示としてここに位置付けております。
 それから21ページの方に参りまして、丸として上から二つ目のところですけれども、情報交換や交流の場ということですが、それは自主的な研修会のようなものの位置付けというのも重要であるということで、交流の場というよりは研修会という言葉で表現をしてございます。
 それから、その次の丸ですけれども、そうした交流の場というものだけじゃなくて、いわゆるインターネット等を通じた情報交流といったようなものをどう表現するかということで、ここにこのような形で表現をしております。
 それから、(2)の学校の方に参りまして、ちょっと趣旨は繰り返しになりますが、丸の一つ目のところでは学校教職員全体に支援体制の確立ということと、それから二つ目のところでは日常の授業だけに限らず、校内研究事業も学校図書館担当職員の先生方に入っていただくということも有効な手法であるということで例示として位置付けております。
 それから、22ページの国による取組の充実ということで、上から二つ目のところはちょっと表現が拙速な表現になっていたということで、表現を改めましたのと、22ページ、最後のところでは、民間の団体等による取組との連携ということで、少し形としてはこういうのをどういう形で書くかということですけれども、文部科学省がそうした団体に対する取組に対して各種協力を行っていくということも考えられると、このような形で書かせていただいています。
 23ページで参考事例でございますけれども、これはちょっと、きょう、間に合うような形になってございませんが、今、事務局の方で各都道府県教育委員会を通じまして、事例の提供の依頼をさせていただいております。文部科学大臣の子ども読書表彰の学校部門で受賞された学校で、学校図書館担当職員の先生がおられる学校を主な対象にしまして、今、事例の御提供をお願いをさせていただいているところです。これにつきましては、次回というか、次回より前の段階で委員の方にお送りさせていただくという形になろうかと思います。
 それから、24ページのところにまいりまして、「おわりに」がなくなりましたけれども、これが「おわりに」のような位置付けになろうかと思いますが、「より良い学校図書館を目指すために」ということで、具体的には五つのことで、この会議自体は学校図書館担当職員の資質向上ということでございますけれども、それをもう少し幅広い、一歩引いて全体を見たような立場から具体的な提言ということで五つお示しをしております。
 まず一つ目としましては、上から四つ目の丸のところですけれども、文部科学省において、教育委員会の指導主事の先生方や管理職、司書教諭、幅広い方を対象といたしまして、学校図書館自体の利活用や、それから学校図書館担当職員の役割・職務と、その配置による効果という形について、分かりやすい形で周知をして理解を広めるということをまず一つ目として書いてございます。
 それから、二つ目は、その次の丸と、その次の丸と一緒ですけれども、司書教諭を対象いた研修の機会の充実ということで、これは下から四つ目の丸のところに書いてございますけれども、司書教諭を特に充実させる必要性から、こうした研修を学校図書館と合同研修の形態もとりながら進めるということで、二つ目として書いております。
 下から三つ目ですけれども、三つ目は、教育委員会において、学校図書館担当職員の配置についてということで、ちょっと御議論がございましたが、やはり学校図書館担当職員が配置を充実はしていくということが、学校図書館の進行について意義があるということと、それから、職務の特性にかんがみということで、やはり自治体によっては例えば3年限りで配置が変わってしまうというような実態もあるわけでございますけれども、やはりその継続的な勤務の中から専門性を蓄積していただくというような特性にかんがみまして、その配置を継続して行うということが期待されるというような形で書いてございます。
 それから、四つ目といたしましては、下から二つ目ですけれども、これはさきにも触れたところですが、学校教育において積極的な学校図書館の利用ということについて、学校全体の中に位置付けていくということです。
 それから、5といたしましては、25ページの方を御覧いただけたらと思いますけれども、かつてというか、文部省の主体で進められましたが「学校図書館の手引」というものを作成をしてございました。こうしたものが近年作成をされていないわけですけれども、こうした手引のような指導資料につきまして、新たな刊行が期待されるというようなことで、五つ目として書いてございます。
 それから、26ページの方には、これは最終的、具体的にはちょっとまだお示しされていませんけれども、参考資料といたしましてどのようなものを付けるかということで、当然、この委員の先生方の名簿や設置紙、開催状況、各種データということと、それから、下から三つ目のところですけれども、教育委員会における学校図書館担当職員を対象とした研修のモデルケースというようなものも少し事例を、既に頂いたものもございますし、そうしたものの中から簡単な形のモデルケースが示せればということと、幾つか、ここに書いてあるような参考資料というものが付けられればということですので、これもこんなものができたらいいのじゃないかというものがもしございましたら、御意見を頂けたらと思います。
 ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 これから議論に入りますが、本日も間に休憩を挟む形で進めていきたいと思います。大体15時30分を目途に休憩を入れることをしたいと思います。進め方なんですが、3の(3)については、以前に取り上げたときに積み残した部分です。しかし、それをまずするというのではなく、きょうのところは、初めて御覧いただいた第6章、「より良い学校図書館を目指すために」というところの内容について、もっとこんなことを入れた方がいいのではないかという御意見を先に伺いたいと思います。それが終わってから、最初から章ごと、あるいは節ごとに御意見を頂きたいと思います。よろしいでしょうか。第6章の「より良い学校図書館を目指すために」というところで御意見はまずいかがでしょうか。
 1章からと思われていたので、ちょっと準備が。(笑) どうでしょうか。後の方が話しやすいですか。最初から始めていくと、また時間的に余裕がなくなってくると思いますので、まずは6のところで、こんなことも入れてほしいっていう御意見、いかがでしょうか。なかなか、今までの皆さんの御意見を生かしきれていない部分はたくさんあると思いますが。
 はい、村山委員さん。
【村山委員】  司書教諭として発言させていただきます。ここまで言うと、この会の趣旨からは少し外れるのかもしれませんが、「司書教諭が非常に重要である」というふうに書いてあるのですが、そのための仕事をする時間軽減など、司書教諭が司書教諭として担当職員と一緒に仕事ができるような待遇というものも考えなければ、司書教諭の存在が薄くなってしまって、ここに求められているような活動ができないのではないかと感じました。どういう文言がいいかは別として、ちょっと考えていただけたらなと思います。
【堀川座長】  そうですね。ここの6章は、学校図書館担当職員だけではありませんので、是非検討していただけたらと思います。時間軽減とか、司書教諭がとにかく動きやすい体制ですよね。
 ほかにはいかがでしょうか。はい、平久江委員さん。
【平久江委員】  筑波大学の平久江です。
 この24ページの下から三つ目のポツのところなんですけれども、これは配置に関して触れられたものだと思うんですけれども、この教育委員会において学校図書館担当職員の配置というふうになっているんですけれども、ここでどのぐらいまで前向きに表現できるか分からないのですけれども、やっぱり司書教諭と学校司書の配置の充実……そうか、ここではちょっと文章的には難しいのですけれども、ここで趣旨としては配置を継続して行うことが期待されているというふうにあるのですけれども、やはり専任の職員が求められているのではないかなと思うんですね。ですから、そういったことが少しでも盛り込んでいただけると非常にありがたいなというふうに思います。これは非常に難しいかなと思う部分なんですけれども。
【堀川座長】  そうですね。
【春山課長補佐】  その専任というのは、どういった御趣旨の専任でしょうか。
【平久江委員】  実際、司書教諭は兼任という形になっておりますよね。その辺の問題が一つ、司書教諭にはあるかなと思うんです。それから、学校司書に関しては、やっぱり正規の職員として専任で勤務できるような状況の確保っていうのはやっぱり非常に重要になってきていると思いますので、その辺に向けた文言が少しでも入ればいいなということでありますけど。
【堀川座長】  そうですね、この学校図書館担当職員を配置、こういうような役割ですよって言ってきていて、専任っていう言葉は入っていないのですけれど、それを専ら担当する人という、その文言がなかなかあれですね。
【平久江委員】  ちょっと初めて見ましたので、にわかに思い付かないんですけれども。もう少し配置について踏み込んだ表現を検討していただければという。
【春山課長補佐】  少し申し訳ないような気分なんですけれども、司書教諭の専任化というのは、全国的にはそういった例もないわけじゃない。ないわけじゃないという世界でございまして、司書教諭を専任すると、学校全体としては、もう一人教職員を増やさなければいけないと。授業を担当するためにはそういうことになってくるということから、なかなかそういった実態としては、今、私が申し上げたように、本当にそうしたところはなかなか進んでいないというような状況なんだと思っております。
 そうだということだと思うと、やはりなかなか実態としては、ここに書いたところで、なかなか実態としてはそこをするのが現実的には相当難しい部分があるのかなと。ただ、今、時間軽減の問題とかにつきまして、これも時間軽減を相当進めるとなると、例えば代わりの非常勤職員の配置とか、非常勤講師の配置とかといった問題になってきますが、実態としてなかなかそこの部分が進んでいないという部分がございますので、司書教諭の方が、司書教諭としての仕事にどういうふうに専念していただくかというようなことはちょっと工夫をしてみたいなというふうに思っております。
【平久江委員】  まあ、状況はよく分かりますけれども、ただ、ここはやっぱり「より良い学校図書館を目指すために」というふうにありますので、できる限り盛り込んでいただければというふうに思います。
【堀川座長】  そうすると、今、学校図書館法で12学級以上入っていますけれども、11学級以下にも司書教諭をというような文言もやっぱり盛り込みにくい。
【春山課長補佐】  それは学校図書館法の構成といたしまして、全体に置かなければいけないんだけれども、当面、11学級以下は置かなくていいという構成になっているので、やっぱり11学級以下でも基本的にはおいてほしいということなので、それは従来も申し上げていることです。
【堀川座長】  文章にしては、できるわけですか。
【春山課長補佐】  それは、はい、できると思います。
【堀川座長】  いかがでしょうか。
【平久江委員】  ちょっとそれに対して。司書教諭というだけではなく、学校司書の方にも。学校司書といいますか、この文面ですと学校図書館の方にも、やっぱりその辺の文言を盛り込んでいただければと思います。
【堀川座長】  皆さんからそういう御意見も今までたくさんありましたので、文章的に難しいとは思いますが、ちょっと検討していただけたらと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。門脇委員さん。
【門脇委員】  先ほどから出ております、人的体制を充実させるという意味では、今、全国で働いている学校司書は、専門、正規、専任で働きたいという願いを持っておりますので、その言葉は今後強く期待されるっていうようなことでも、方向性を示していただければ、養成課程を含めてなんですけれども、そういう言葉が入っていくとありがたいなと思っています。
 それから併せて、ここで申し上げることかどうか分かりませんけれども、これからの学校図書館作りを目指して、実効性を高めるための方策を考えてきたわけですけれども、いろいろなその過程を各学校それぞれの担当者が行って、やりっぱなしということではなくて、どこかで振り返って改善をしていくというようなことも考えていかなくてはいけないことなんですね。
 特に学校現場などでは、忙しい毎日を過ごしながら1年の終わりに振り返りをするわけですけれども、振り返りが次の年に生かされる動きに必ずつながっていくことが当たり前という教育委員会の指導なり、あるいは文科省の広報なりでも強く訴えていただけると、学校全体としてのスキルも高まっていくし、理解も広がっていくんじゃないかなと思います。
 それと、学習指導要領とか教科書とか指導書の中に、言語活動の充実あるいは工夫の事例が盛り込まれているわけですけれども、その中に「司書教諭や学校司書と連携して」といったような言葉も一緒に入れていただければ、そこで先生たちが、はっと思っていただいて、意見を聞いてみようかなとか、ここで一緒に授業やってみようかなという協働が広がっていくんじゃないかなと思ったりしています。
 それぞれの場で自分たちの課題を見つめ直して、改善して高めていくサイクルになるような文言が一つあるといいかなと思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 確かに指導要領の中は、場所としてしか学校図書館が述べられていないというところはあるのですが、司書教諭が何らかの形であるといいですね。解説に学校図書館編があるといいですね。
 清水委員さん。
【清水委員】  ちょっと同じような意見かもしれませんけれども、司書教諭の方たちの状況もかなり学校によって違う。別に講師が来ていて授業を持たずに専念できるというのもあれば、数時間だけっていうケースもあると思うんですね。いろんなケースがあるし、勤務要件みたいなものについても今後、改善していかなくてはいけないということがあるのですが、まず、学校図書館を活性化するために、学校司書という表現でいいかどうか分かりませんが、学校司書、それから司書教諭の方たち、それから管理職も含めた教職員と一緒になって共同していくということが、まず一つ、理想系みたいなものをいろいろ議論してきたのではないかなと思うんですね。
 やはりそれを実践するためには、当然、いろんな形で待遇が改善されていかなくてはいけないということが当然あるので、盛り込めるっていうことについて言えばとても必要なことだと思うわけですけれども、ひとまずその辺の整理の仕方が、これをやれるためにはこっちを改善しなければできないんだ的になってしまうと、なかなか議論が前に進まないなという気がするんですね。私も、全校に入れて状況を改善するということについては大賛成なんですけれども、ちょっと議論がその辺難しいかなというふうに思います。
【堀川座長】  確かに難しいところですね。その辺はもうちょっと検討を要すると思います。
 ほかにはいかがでしょうか。今までの議論の中でさんざん言ってきましたっていう皆さんのお気持ちは重々感じ取れるんですけれども。いいですか。どうですか。吉田委員さん。
【吉田委員】  もう十分言わせていただきました。
【堀川座長】  最後にもう一度、皆様の記録とか御意見を頂いたものを見直したいとは思っていますけれども、やはり最後ですので、是非、御意見を頂きたいところです。米澤委員さん。
【米澤委員】  今の24ページの「より良い学校図書館を目指すために」という文章を拝見していて、とてもまとまっているなと思ったのですが、全体のまとめとしては、せっかくこれだけ学校図書館担当職員のことをいろいろと、どういった重要性があるかということを話していて、もちろん担当職員だけではなくて学校現場全体と、それ以外の理解も必要だということもありますし、両輪である司書教諭の配置と役割も重要だということも書かれているのはいいと思ったのですが、もう少し学校図書館担当職員について、最後により良い学校図書館を目指すためにやはり重要だということをここに入れていただきたいと思いました。
 もしこれがまとめというのであれば、やはりせっかくここで議論をしてきた部分をもう少し厚く入れてほしいと思います。ちょっと今、言葉がうまくまとまらないんですけれども、やはり配置の充実についての前向きな検討というのも入ってはおりますが、先ほどの皆さんの御意見にもあったように、ここに載せていただきたいと思いました。
【堀川座長】  そうですね。24ページの下から三つ目の丸、これをもうちょっと膨らませて、最後に持っていっていただくというようなことも検討していただけたらということですね。
 確かに、報告書の最後のところですね。
 いい御意見を頂きました。ほかにはいかがでしょう。吉田委員さん。
【吉田委員】  最後に付けるべきかどうか分からないんですけれども、きょうの資料1のタイトルもしっかり、いわゆる学校司書というのが取れてしまっていますので、以前に文部科学省からお話があったように、従来、学校図書館の職名として一部で学校司書という語が用いられてきたけれども、それには法的裏付けがないし、各自治体によっていろいろな職名があるし、学校司書という資格自体がないことから誤解を招かないように、今回、学校図書館担当職員という語を使用しているというような内容を最後か、それとも「はじめに」の方がいいのかもしれませんが、入れていただいた方が現状がよく伝わると思いますので、よろしくお願いします。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 7ページに、最初に、「いわゆる『学校司書』」って出てきているんですね。その辺が難しいところですが、検討させていただきたいと思います。
 加藤委員さん。
【加藤委員】  報告書として文章に盛り込める内容というところが随分規制されている中でなんですけれども、やはり学校図書館担当職員、いわゆる学校司書ですけれども、今何が問題かというところで、本当に子供たちや先生方が学校での活動をしている間、いつでも使える学校図書館でないというところ、それから、その人たちが司書としての技術や専門性を身に付ける、そういう研修であったり、それから、それは働き方であったりするんですけれども、そういう場がない、そういう職員でないというところがやはりとても問題であり、そこは何とかしないといけないところだと思っています。
 学校司書について言うと、専門性という言葉が本当に飛び交ったわけですけれども、先ほど米澤委員がおっしゃったように、ここの部分で、もう一度、学校司書というのは資料の専門家であって、利用者と求める資料を確実に結び付ける、それを学校教育の中で行っていく、そこから学校教育がどういうふうに発展していくかというところが少し文章としてあったらいいなと。良い学校図書館ができたら、どんな良い教育になるかということがこの中に少し盛り込まれたらいいなと思います。
 例えば具体的に言うと、情報を批判的に読み込む学習であるとか、答えのない問題を多様な資料を読んで考え、議論する学びとか、そういうのは学校図書館が充実することによって実現していくと思うんです。その辺りが入ったらいいなというのを思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 もうちょっとまとめのところを膨らませるというか、押さえることが必要ですね。
 堀部委員さん。
【堀部委員】  今の御発言を聞いて、あ、そういうことなんだなっていうことが見えてきたように思います。6の性格がどういう立場かっていうのはちょっと初出だったので見えづらい部分があったんですけれども、何かが足りないと思ったんですね。その何かっていうのが、やはり子供の目線で、学校図書館をどう捉えているかがないんじゃないかなと思いました。
 子供の学びの姿を通しながら、どういった育ちが期待できるのかという部分が、下から二つ目の白丸に書かれているように、まずもって教育課程の展開に寄与する、それと健全な教養を育成するというのは、これまでの論議の二つの軸だったんですけれども、やはり目指そうとするのは、子供にとってどういう学校図書館であるかと。その前提があるところで学校図書館担当、あるいは司書教諭を軸にしたという職員組織が機能されるべきものであるというところを押さえたところで、こういった、これまで議論を進めてきた各論に関しての目指すべき方向を示すというところで、繰り返し重複になるところはあると思うんですけれども、やはり落としてはいけない観点、そこが学校図書館ならではのものではないのかなと思っています。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 皆さんの御意見によってだんだん充実してきていると思いますが、いかがでしょうか。
 では、この6章については、一応、ここで区切っておいて、また後から、最初から見直す中でまた最後に戻っていくという形でいいでしょうか。
 それでは、この最初のページから行きましょう。「はじめに」の部分はいいですか。飛ばしても。
【平久江委員】  1点。
【堀川座長】  平久江委員さん。
【平久江委員】  飛ばすって言った途端申し訳ないんですけれども、先ほどの、いわゆる学校司書という表現の部分なんですけれども、僕もちょっとそれが気になっていたところでもあったんですけれども、7ページに初出ということですけれども、実は学校図書館担当職員という文言の初出は2ページのところにあるんですね。3段落目辺りですか。「学校図書館担当職員に係るものに限る」と言っている部分がありますので、もし付けるとしたらここが最初かなと思います。
 それと、続けてよろしいでしょうか。
【堀川座長】  はい、お願いします。
【平久江委員】  3ページの方なんですけれども、「なお」のところなんですけれども、細かい表現ですが、この「念頭に置いた一部の記述については」という限定したものが付いているんですけれども、これは必要に応じて読み替えていくというふうな文言がありますので、ことさら強調されているような感じもしますので、「念頭に置いた」ではなくて「念頭に置き、必要に応じて読み替えて」というぐらいにした方がよろしいのではないかなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。そうですね。
 吉田委員さん。
【吉田委員】  すみません、表現上のささいな問題かと思うんですけど、真ん中辺りのもう少し下がった辺り、「社会状況の変化や学問の進展に伴い配架にふさわしくない図書がそのまま置かれていたり」というのは、多分、進展に従って、廃棄とか更新がされていない図書という意味だと思いますので、「伴い」というよりも、「学問の進展にもかかわらず利用価値が低下した図書がそのまま置かれていたり」とした方がすっきり分かりやすいかと思いますので、よろしくお願いします。
【堀川座長】  なるほど、そうですね。「ふさわしくない」というのが引っ掛かりますね。
 ほかにはいいでしょうか。加藤委員さん。
【加藤委員】  真ん中のところで、「一方、学校図書館の利活用が学校教育で果たす役割の大きさに対する理解が十分でなく」というところなんですけれども、これ、「学校図書館が書庫としてしか認識されていなかったり」という文章があって、今でもそうなんでしょうかと、ちょっとショックを受けたんです。例えば、「一部の本好きな利用者が使用する場としてしか認識されていなかったり」とか。何か、書庫というのはちょっと余りにもショックが大きいです。
 それから、その次のところで、「学校図書館は児童生徒の確かな学力や」というところの最後の文章が「予想される」というふうにあって、ちょっとこれは、私たちが今、考えているわけですから、「予想される」というのはちょっと無責任かなと思いまして、少し、ここの委員会で考えたというニュアンスあるようにした方がいいかなと思ったんです。それで、「学校図書館の利活用の促進に貢献してきた学校図書館担当職員が、児童生徒に対する教育活動を教員とともに進める機会は多くなっており、期待される役割はますます大きくなっている」というふうに文章の入れ替えをした方がいいと思いました。
 そうすると今、学校司書の役割を考える、こういうことが行われているんだよということにつながるかなと思いました。
【堀川座長】  なるほど。はい、ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 じゃあ、この「はじめに」の部分は終えて、4ページ目の第1章、「学校図書館の位置付けについて」のところはいかがでしょうか。
 このページはいいですか。はい、加藤委員さん。
【加藤委員】  丸の四つ目のところです。この委員会で何度も出てきたところなんですけれども、学校図書館の働きとして、「読書センター」「学習センター」「情報センター」のこの三つが言われてきたんですけれども、ところによっては「読書センター」と「学習・情報センター」というような2くくりで表されているところもあり、その辺の整合性というか、もとは全部つながっているんですけれども、三つに分けているところと学習センターと情報センターは一くくりにしているところがあるので、その辺の整合性を少し考えたらいいかなと思いました。
【堀川座長】  そうですね。ありがとうございます。
 ここは「学習センター」及び「情報センター」。難しいですね。検討しますか。ここは……。
 はい、ありがとうございます。ここは「読書センター」と「学習・情報」と、大きく二つに分かれているということですね。まあ、三つは出していることは出しているんですけれども。ちょっと検討させてください。
 では、4ページはいいでしょうか。
 じゃあ、5ページの2の方。「学校図書館の利活用の意義について」というところで、まずはきょう、槇川委員さんの御意見を伺っていますが。
【槇川委員】  よろしいですか。
【堀川座長】  はい、お願いします。
【槇川委員】  この「学校図書館の利活用の意義について」という部分は、この会議が始まって何回目かのときに、是非これは盛り込みたいということで、ここに盛られた内容だと思うのですが、基本的に柱立てが非常にしっかりしていて、とても分かりやすいと思いました。であるからこそなんですが、次の部分について、より分かりやすく説明ができないかなということで案として、一つの意見として出しております。
 それはどういうことかというと、この報告書の中で、「情報活用能力」というのが一つのキーワードになっていると思います。この「情報活用能力」と「図書館の利活用」と「言語活動」若しくは「言語活動の充実」がどのような関連にあるかということがはっきりしていない部分があるような気がしました。
 学校にとっても、学校図書館の活用で情報活用能力を育てるってどういうことかとか、学校図書館活用をしながら言語活動の充実を図るってどういうことかっていう疑問は、依然非常に大きいものがあると思うんです。そこで、一つ御提案を申し上げております。
 改めて見たときに、この利活用の意義について、丸が八つあります。これは一連の文章なので、1段落から8段落までっていう言い方をさせていただきながら説明をさせてください。
 まず、この1段落と2段落には、指導要領と学校図書館のことが書かれています。それから、3段落から6段落については、学習と学校図書館というふうな記載の内容です。それから、7段落と8段落は、読書と学校図書館というくくりになっていると思います。今申し上げたいのは、この中でも二つ目の学習と学校図書館、3段から6段までの中で、これがさらに二つに分かれていて、まず、3段落については、図書資料の活用について書かれています。今、私が申し上げたいのは、4段落から6段落までの情報活用能力、学校図書館と情報活用能力と言語活動がどんな関係にあるのかという部分です。
 印刷していただいた資料にあると思うんですけれども、こんな形ではどうかなということで一つ考えております。
 まず、私の資料の二つ目の丸なんですが、ここで探究的な学習ということで、これは指導要領に直接書いてある表現をそのまま使っています。これを加えました。
 3番目の丸と4番目の丸が追加をしたところです。この探究的な学習における学習過程、を取り上げて、例えばという例示なんですが、課題の設定の仕方とか、目次とか索引の使い方云々といった情報を活用するための技能が身に付いていないと、学習の展開は困難だということを言っておいて、学校図書館を活用した学習では、こうした技能を習得させることにより、児童生徒の情報を活用する能力を育成することが重要だということで、ここで学校図書館で展開する学習と情報活用能力を結び付けました。そして、それをさらに各教科等での言語活動への結び付け方なんですが、この力は、総合的な学習の時間だけではなくて、各教科等で、次にも二つの例示をしています。これがふさわしいかどうかはまた御検討いただければと思うのですが、課題を決めてリーフレットを作る、あるいはあるテーマについてプレゼンテーションする、これは言語活動です。このたびの学習指導要領の中で「言語活動の充実」に当たる活動だと思います。
 こういった学習を展開するためにも、今の力は学習を支える力になるということで、先ほどの三つを結び付けてはどうかというのが、今、意見としてお示しした部分です。
 それから、二つ目の段落なんですが、この中で「報告や討論、スピーチなどの言語活動を各教科等を通じて充実」というふうに書いてあるのですが、20年度の中教審の答申から総説の解説の中では、「記録、要約、説明、論述といった活動を各教科を通じて充実する」というふうになっていると記憶しておりまして、それを採用された方がいいのかなと思っております。
 それから、3段落目なんですが、これは言葉の言い回しの部分なんですが、「具体的には」の部分です。この後のところで、「知識や情報を提供したり」、それから「知識や情報を有したりしており」というふうに、これが並列になっているのですが、若干分かりにくいところがあるので、こういうふうに変えてみてはどうかと思います。「具体的には、例えば学校図書館は、学習に関する背景に触れたり」、以下は削除します。「または補足となるような知識や情報を提供したり」、これは削除です。つまり、「テーマに関する背景に触れたり」、次に「テーマを深め、発展的な学習につなげたりするような資料や情報を有しており」というふうに変えたらどうかというふうに思いました。
 それから、最後なんですが、最後のイメージ図と学校図書館の利活用の意義がなかなか結び付かないかなというふうに思っています。そこで、このたびの学習指導要領の改訂の中で、いろいろなところに学校図書館についての記述はあるわけなんですが、その中で中学校の解説の国語編、これが恐らく学校図書館の利活用について最も詳しく語られている部分です。これ、教科調査官の方に確認しましたら、中学校の解説ではあるんだけれども、小学校での利活用でも同じことが言える部分だというふうなことを言われておりますので、この部分をそのまま、どこにかというと、6ページの「支援・充実することができる」、この下に新たな段落として挿入したらいいのではないかという部分があります。
 ちょっと読ませていただいていいですか。そんな長い文ではありません。
 学校図書館などを活用して学習することを通して、資料の集め方、調べ方、まとめ方、報告や発表の仕方などの学び方や考え方を身に付けるとともに、自らの力で論理的に考え、判断する力、自分の思いや考えを的確に表現する力、今まで気付かなかったことや分からなかったことについて新たに関係があることなどを発見し、解決する力などを身に付けること。
 つまり、このイメージ図の説明にそのまま当たるような部分がありまして、この部分を採用すると、このイメージ図がさらに生きてくるのかなということを思いました。
 私の意見としてまとめた一つの紙と、それからイメージ図の解説の部分。すみません、長くなりました。以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 こちらも随分、今、教えていただいて分かりやすくなりました。検討していただくということでいいでしょうか。
 先ほどのイメージ図ですけれども、これはちょっと堀川の方から、これを書いた後で読書の部分が増えてきたもので、ここに「確かな学力」のほかに、やはり「豊かな人間性」という言葉も必要だろうというように。もうちょっと読書の力を、「学校図書館のはたらき」の三つ目のところ、それが図に入っていませんので、ちょっと工夫をしたいなというように思っております。
 そして、先ほどの槇川委員さんの中学校の国語編のところですね、それも検討させてください。ありがとうございます。
 ほかには、この第2章についてはいいでしょうか。村山委員さん。加藤委員さん、後で、それでは。
【村山委員】  質質問というか、確かめさせていただきたいんですけれども、この6ページの一番下にある「学校図書館のはたらき」というところ。一番上の「資料や情報の提供による主体的な学習の支援」が「学習センター」に当たるもので、二つ目が「情報センター」に当たるもので、三つ目が「読書センター」に当たるものというような確認でよろしいのでしょうか。
 というのは、これまで「学習・情報センター」という言葉が身近にありましたので、その「学習センター」と「情報センター」というのはどういうふうに分けるのだろうというのが、いろんな人から身近な疑問として聞いていますので。先ほどもおっしゃいましたように、学習・情報センターが学習センター、情報センターになるのなら、そこの説明があると現場の者としては分かりやすいなと思いました。
【堀川座長】  正直言って、確かにそうなんです。どうしましょう。春山課長補佐さん、学校図書館の協力者会議、最初にあった会議のときの資料を今お持ちですか。急に言いまして。
 そこのところで何回か、私もここで確認させていただいて、三つでいいですか、二つで今まで来ているのにっていう話を確認をさせていただきました。堀川の中でも、この今の二つ、「情報を収集・選択・活用する能力の育成」もやっぱり学習・情報センターにも含まれるのではないかと、自分の中にあるものですから、そんなふうに三つにきちんと分けられるかどうかっていうのは難しいところなんですが、最初の……。
 はい、それではお願いいたします。
【春山課長補佐】  学術的には、いろいろなセンター、この三つのセンターに限らず、学校図書館のセンターっていろいろな話は多分あるんだろうと思いますけれども、こうした中、行政的な報告書で出たのは多分これが一番初めじゃないかということで、平成7年に、児童生徒の読書に関する調査・研究協力者会議というものが行われております。その中で、読書センター、それから、このときは見出しとしては学習情報センターということで中ポツもなしに書いてあるんですね。ただ、中を見てみるとこんな記述がございまして、読み上げます。
 これからの学校図書館は子供の主体的学習活動を支える場として、いわゆる学習センターという機能を効果的に発揮していくことが極めて重要である。また、社会の情報化が進展する中で、情報を収集・選択・活用する能力を育成することが重要になっており、図書館の持ついわゆる情報センターとしての機能を充実することも必要である。
 というような記述です。このために図書資料の整備、本だけに限らない資料の整備がこういう形で必要だということがつながるし、各教科における活用というのが望まれると書いてありますけれども、このときはこんなふうですね。一応、分けた整理はされているんですが、以降、例えば子どもの読書基本計画とか、各種の報告では、やっぱり学習・情報センターというカテゴリーでやっている部分が多いというのは事実でございます。
 事実関係としてはそんなところです。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 平成7年の協力者会議、今、説明していただきましたように、読書センターと、それから、あのときには中ポツがなく、学習情報センターと書いてあるんだけれども、その下に説明として学習センターと情報センターと分けて書いてあるんです。それがあるから、ここでもそういうように分けてもいいかなというように私も一応納得はして、皆さんにそれをお諮りして三つにしたというところなんです。
 正直、そんなにきっちり分けられるものではないですよね。ちょっと個人的な意見ですと、情報活用能力の育成が情報センターかっていうと、うーん、という気もするんですよね。どうしましょうか。
【平久江委員】  なかなかきっちり分けられないんだと思うんですね。確かに。だから、むしろ、学習センターと情報センターの機能が相互に作用しながら情報活用能力の育成っていうことが行われるんだと思うんです。具体的に言えば、やっぱりレファレンスサービスとか、情報提供サービスっていうのが、やっぱりこれから学校図書館にとっても非常に重要になっていくんじゃないかなというふうに思うんですね。また、今後、電子ブックとか、それから携帯端末機器というのが導入されていくというのは、意外と急速に進展するんじゃないかなという気もします。これは一部だけかもしれないですけれども。
 というような動きを考えていきますと、やっぱり一緒でいいのかって、逆にむしろ僕ななんかは考えてしまうんですね。やっぱりこれから5年後、10年後を考えたときに、情報センター機能というんですか、今後、学校図書館で非常に重要になってくるのではないかというふうに考えています。
【堀川座長】  分けるのはいいんですけれども、情報センター機能の説明として、この能力の育成を情報センターの機能にするかどうかというところなんですよね。今おっしゃったレファレンスサービス、情報サービス、あるいは情報機器の活用とかいうところを情報センターとして言うのか、そこのところだと思うんです。
【大串委員】  これ、イメージ図なんでね。ここの6ページはね。学校図書館の働きのところに3行あるんですけれども、僕、これを読んでちょっと違和感があったんですけれども、これはイメージ図だから、簡単に言うと、この三つのセンターについての記述というのは、具体的に表題を立てて書いてあるのは、10ページに読書センターとして、学習センターとして、それから情報センターとして書いてあるわけですね。ですから、ここでは特に文字じゃなくて、重なった三つの輪で学習センターと情報センターと読書センターと、この三つの輪を、このはたらきの下に三つ付けた方が、僕はイメージ図として分かりやすいと思うんです。こういう文字で書くよりね。
 それで、具体的にじゃあどうなんですかとくくってみると、その後ろに項目としてあるし、それから、先ほどの御指摘のように、その前の5ページから6ページにもあるわけだから、ここで特にそういうふうに文字にこだわってやるよりは、僕はイメージとして出すわけだから、三つの丸を重なったやつをここで表示して、確かにおっしゃるようにきっちりと分けることができない部分もたくさんあるわけで、だから三つの輪が重なったような、そういったものをここで示した方が僕は分かりやすいと思いました。
【堀川座長】  そうですね。もうちょっと検討を。で、この上の図は学習センターの図になっていますので、もうちょっとこの図を考えたいと思います。それでいいでしょうか。
 ありがとうございます。私もちょっともやもやしていた部分がありましたので、ありがたいです。ほかの委員さん、いかがでしょうか。
 じゃあ、この2のところは、利活用の意義についてはいいでしょうか。堀部委員さん。
【堀部委員】  ちょっと前に戻るかもしれませんが、槇川委員の意見に付け加え的なところで聞いていただければありがたいんですけれども、新たな御提案の2、3、4かな、この三つの段落につながる部分というところでは、やはり情報活用能力を付けるというところでは、槇川委員がおっしゃっているように、最終的な段落で、「こうした技能を習得させることにより」っていうのは、すごくライブラリースキルというところでは大事になるわけですけれども、ともすれば誤解を受ける可能性があると。つまり、単独で技能を取り出して習得させるということではなくて、せっかく探究的な学習という一連のプロセスというところを言っているわけですから、やはり情報活用能力を付けるというところは、子供たちがまずもって、その一連のプロセス、探究的な学習のプロセスを身に付けるということとともに、その上で必要なときに必要な技能を習得させるというところがやはり実であるというところを関連付ける段落があるといいかなと思いました。
 そこが昔の学習指導要領ですと、やはり取り出しで、百科事典の使い方ですとか、学級活動的な扱いで押さえられる時間があったわけですけれども、現状の学習指導要領ではそういったところはかなり限界というところで、厳しいところがあるわけですね。やはり本来的な意図からすれば、探究的な学習、総合に限らず、教科の学習で問題解決的な学びを一連の学習過程、この探究的な学習過程にのせた上で必要な技能を習得させると、こういうところを前面に出す方が、より実効的な学び作りにつながるのではないかなというのが1点です。そういうところで、もし修正がきくようでしたら加筆をお願いしたいと思います。
 それから、こういうイメージ図、今、お話に出ましたけれども、やはり視覚的な効果ってすごく説得力があると思うんですね。その上では、やはり精度を高めていくということが必要になるという点では、読書センター的な機能、いわゆる読書指導に関する部分をもう少し内容として盛り込むのと同時に、この探究の過程の根拠は、たしか堀川座長の方から資料からの御提示でしたっけ。
【堀川座長】  これは文科省の四つの過程なんですけれども。
【堀部委員】  そうですよね。そのときに、これは書きぶりなんでしょうけれども、課題設定から始まって、四つの四角がありますよね。その下に、子供の問いというかこだわりというか、何が問題なのだろう、何が必要な情報なのかって、すごく分かるには分かるんですけど、書きぶりっていうのがちょっと、同一概念、同じ次元に立っていないなというふうに思われるところがあるので、ここを何とか子供の姿として、情報活用の姿はどうであるかっていうのを、例えば整理・分析なども、「本にはこう書いてあるが、私は〇〇と考える」って、非常にほかの箱とは具体的な次元で違いますよね。例えば「情報をどのように読み解くか」とか、情報とかそういったところをキーワードにしながら整理するというところが必要になると思います。その姿が、それぞれの教室の学びで、子供の具体的な学習内容と関連させたときの情報とは何かという見え方につながってくるのではないかと思いました。
 あと、学校図書館の情報センター的な、資料センター的な機能からすれば、やはり活動の後に残るものというところからすれば、子供たち自身、活動を通して資料を作っていくわけですよね。役割としては、その作り替えられたというか、新たに発出された資料を次の活用に向けて保存するというか、取り留めておくというようなところは、この探究の過程には位置付けなくていいのかどうかというところも、私は個人的に考えてみたいなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  そうですね。ありがとうございます。
 これは、最後にもう一つ、五つ目の段階が必要っていうことですね。
【堀部委員】  そうです。ごめんなさい、もっと言えば、評価っていうんですかね、活動自体がどうであったか、身に付けたスキルは何であったかを、今挙げた認知的なところでやはり押さえておくことが次の活動につながるのではないかと考えるわけです。
【堀川座長】  そうですね。是非入れたいと思うのですが、文科省の探究の過程として出ているのがこの四つの段階だったんです。その辺はまた検討させてください。是非、本当は入れたいところです。
 それから、先ほどのプロセスを身に付けるということも大切なことですよね。
 いろいろと御意見を頂いてだんだんにうれしくなってきましたけれども、それでは、第3章に行っていいでしょうか。門脇委員さん。
【門脇委員】  この学校図書館の利活用の意義について、ずっと語られている言葉が、学習に関連にしたこと、探究の学習をずっとプロセスを追って、このように学習させていくことに意義があるっていう話が出てくるんですけれども、それを実現するための担当者の姿みたいなところが、ここでどのように活用すると利活用の意義が高まるのかっていうような文言が一つ入るといいのかなと思うのですが。
【堀川座長】  すみません、それは6ページの中にということですか。
【門脇委員】  そうですね。6ページの最後の部分にでも。
【堀川座長】  2の最後のところにですか。
【門脇委員】  そうですね。例えば、1の「学校図書館の位置付け(機能)」のところでも、最後に。この全体の流れがあって、「学校図書館の運営に当たる人員の配置・資質の向上を図ることが極めて重要である」というふうに締めくくられていて、とても納得がいくのですが、こういう学習活動を進めていくに当たり何か担当の職員の役割みたいなことを、少しそこに考えを持っていくような文言が一節入るといいなと思うんですが。
【堀川座長】  なるほど。ありがとうございます。ちょっとこの辺は考えていただいて、ここに入らなかったら最後のところになるかもしれませんし、ちょっと分からないですね。最後っていうのは、先ほどの、もっと膨らませるといったところですが、ここに入れた方がいいという御意見で伺いました。
 では、この2章はこれでいいですか。加藤委員さん。
【加藤委員】  自分でも答えはないんですけれども、今、イメージ図が議論されているので、これで気付いたところをちょっと言わせてください。
 情報の収集ということが重要なんですけれども、収集することの意義というか、例えば情報を収集して新しい発見があるとか、自分が考えていたことへの確信を持てるとか、そういう情報収集、何が大事なのかというところ、それから、整理・分析で、本にはこう書いてあるが私はこう考えるという、これ、図書館で言うと、多様な資料を使うというところがとても意味があると思うので、「この本にはこう書いてあるけれども、この本にはまた違うことが書いてある」のニュアンスがあることが学びを広げるなというふうに思っています。
 そして、まとめをしますけれども、その後に、こういう情報を収集して、調べ、考えたことによって、新たな疑問が子供たちの中に生まれるという、ここがとても重要だなというふうに思っています。新たな疑問に対する探究という、そういうところへ続いていくことが盛り込まれたらいいなというふうに思いました。
 それから、探究的な学習ということの説明のところで、5ページの下から2番目の丸のところなんですけれども、「探究的な学習とは」という、その次の1から4まで書いてあるのは、これはもちろん主語は「児童生徒が」ということですよね。児童生徒が「疑問や関心に基づいて」ということ。この中の文言で探究的な学習というときに、私は思考、考えるということが落とせない要素かなと思うんですけれども、それは3の中の「情報の整理・分析等」の中に入るかと思うのですけれども、改めて思考という言葉が入ったらいいなという希望を持っています。「情報の整理・分析等を行い、思考を繰り返して問題の解決に取り組み」という、そういうふうに「思考」が入ったらいいなと思います。
 それから、最後の文章で「こととされている」というのは、ちょっと人ごとみたいなイメージがあるんですけれども、「一連の学習のことを言う」という。最初に「ここで言う」というふうにあるんですけど、それを最後に持ってきた方がいいような気がしました。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 今の御意見は、槇川委員さんの、きょう配付されている二つ目の丸のところと一緒にさせていただいて、槇川委員さん、すみません、この「情報の整理・分析」、これは文科省の説明の言葉ですよね。見出しが。
【槇川委員】  そうですね、はい。
【堀川座長】  そして、3のところで「分析して思考する」っていうのは入って……。
【槇川委員】  これも入っています。
【堀川座長】  加藤委員さん、このままでいいでしょうか。「思考する」っていうようにここに。これは文科省の説明の文の中から取ったものです。「である」と。「されている」ではなくて「である」と。違いますか。
【春山課長補佐】  解説のところで、「思考する」は、3の過程の中には具体的には書かれていないんじゃないかと思います。
【堀川座長】  いないですか。
【春山課長補佐】  はい。
【堀川座長】  見ているところが違うんでしょうかね。引用が。
【春山課長補佐】  ですかね。私が見ているのは、探究的な学習は総合的な学習の時間の中のお話ですので、小学校の例を見ているのですけれども、書き方としてはそんなふうな表現になってはいないのですが、これがなぜなのか、例えば2とか4に当たっても、これ、「思考する」っていうような過程が多分、否定されているようなことでもないと思うんですね。だから、ここに特出しをしていないのか、どういった趣旨でそうなっているのか分からないんですけれども、ちょっとここは表現は指導要領の趣旨に照らして、ちょっと整理させていただきたいと思います。
【槇川委員】  中学校の解説には、整理・分析の段階として、解説ですけれども、「2の学習によって収集した情報を整理したり、分析したりして、思考する活動へと高めていく」っていう、「思考」という言葉が使われているんですが。
【春山課長補佐】  中学校の総合ですか。
【槇川委員】  そうです。中学校の総合の解説。
【春山課長補佐】  はい、分かりました。ありがとうございます。
【堀川座長】  じゃあ、その辺をもうちょっと。
【春山課長補佐】  ちょっと、小学校と中学校で違う趣旨も含めて確認させてください。
【堀川座長】  はい。
 平久江委員さん。
【平久江委員】  6ページ、イメージ図なんですけど、ちょっと思い付きなんですけれども、左側に探究の過程があるので、真ん中辺りに「自分の言葉で」っていうところに「確かな学力」とそれから「豊かな人間性」を置いて、右側に読書の過程っていうようなものがプロセスで示されると、下側から、両方からっていう、支えられて、すごく役に立ちそうな図になりそうだなと思ったんですけれども。
【堀川座長】  「読書のプロセス」って、どこかにあります?
【平久江委員】  多分。
【堀川座長】  あります?
【平久江委員】  ええ。
【堀川座長】  ちょっと、じゃあ、その辺はまたお知恵を拝借させていただいて。
【平久江委員】  まあ、ちょっと思い付きですから、まあ。
【堀川座長】  いや、確かに、「確かな学力」を出していて、「豊かな人間性」がないのは、これはちょっと、そこは足りない部分ですよね。
 それでは、いいでしょうか。2章については。
 じゃあ、3章に行きたいと思いますが、もう3時半近くになってきましたので、ここで休憩を入れたいと思います。40分から再開というのでもいいでしょうか。15分と思っていたんですが、十二、三分と、ちょっと短くしていただいて、15時40分から再開にしたいと思います。ここでちょっと休憩を入れさせてください。
( 休憩 )
【堀川座長】  それでは、そろそろ40分になりますので、再開させていただきます。
 いろいろ、たくさん御意見を頂いて、うれしい悲鳴を上げているところなんですが、この分で行くと、最後まで行くのかなと、とても心配で。まずは7ページの3の(1)に行きますが、その後は(2)、そして13から16、具体的な職務については、御意見があればメールでまた頂くということにさせていただきたいと思います。
 まずは3の(1)、そしてその後、(2)と(3)、17、18ページのところを一緒に御議論いただきたいと思います。
 さて、それでは、7ページ、3の(1)のところ、7、8、9ページですね。御意見いかがでしょうか。はい、村山委員さん。
【村山委員】  まず、細かいことかもしれないのですけれども、最初の丸「校長等の管理職、司書教諭資格を持った教員」となっています。7ページの一番上の方。「学校図書館に携わる関係者について」の丸の一つ目の1行目、2行目なんですが、司書教諭というのは、これは校内の役職として発令されている司書教諭なのか、学校の中に2人も3人も司書教諭資格を持っている人がいたら、その人たちが皆同じような立場なのか、学校図書館を担当していなくても資格を持っている人もいると思うので、ただ「司書教諭や一般の教員」というふうにしてはいけないのだろうかと思ったのが一つ。
 次に、7ページの司書教諭についてのところにはいろいろ書いてありますが、司書教諭も授業をするのですが、その授業については何も触れられていないので、例えば下から四つ目の丸のところなど、教育課程を編成するとか、メディア活用等に従事するとかありますが、「の授業をする」という内容も含まれているといいいのではないかなと思いました。8ページの1行目学校図書館担当職員が行うことの中に、「教育活動を教員とともに進める」というふうになっていますが、ここにまずは司書教諭というものが間に入るのが普通の在り方ではないのか、これだと司書教諭が消えてしまっているのではないのかなと思いました。司書教諭が授業を行うとか、司書教諭とともに計画を立てるとかいうことがないと、組織としてどうなんだろうかと疑問を持ちました。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 ほかにはいいでしょうか。林委員さん。
【林委員】  8ページの「組織的対応について」ですが、8ページの最後の丸から9ページにかけての記述のところで、特に9ページの最後の方に記述されている、「その組織や構成員の役割を明確化し」という文言の前の、「これらについては」という文言が削除されていますが、その部分に「校長は」とかあるいは「校長には」という表現を入れた方がいいのかなと思います。そうすることによって、7ページ目に校長に関して求められる記述が2か所ほどありますが、そこにつながっていくと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。校長先生に是非頑張っていただかなくてはいけないですものね。
 はい、ほかの委員さん、いいでしょうか。真鍋委員さん。
【真鍋委員】  お願いします。8ページです。少し細かくなりますが、8ページの一つ目の丸、これが丸一つの大変長い一文なのですが、少しすっきりさせたらいいかなと思うのですが、中に出てくる図書館資料という言葉が、括弧書きで説明が付いておりますが、今回、赤が入ったことで、図書館資料という言葉が5ページに先に出てきていますから、そちらに入れてもよいのか、それとももうその細かいのは省いてもよいのか分かりませんが、整理したらよいかと思います。
 あと、図書館資料という説明の中で、テープと出てくるのは、カセットテープのことかなとは思われるのですが、もう時代の流れからしても、テープという言葉を入れるぐらいだったら省いてDVDにしてもよいのではないかと思っています。細かいことですが。すみません。
【堀川座長】  はい、ありがとうございます。
 本当にきちんと見ていくと、いろいろ出てきますね。ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。加藤委員さん。
【加藤委員】  今、議論しているのが「学校図書館担当職員の担うべき役割・職務について」ということなんですけれども、(1)の「学校図書館に携わる関係者と組織について」というところを私が学校司書の立場で読んでみましたら、学校司書の役割・職務というのは、実は余り具体的に書かれていなくて、司書教諭の職務や役割がとても具体的に書かれているなという印象を持ちました。
 例えば、丸の6番目のところに司書教諭のことが書いてあって、最後のところに学校司書のことが書いてあるんですけれども、この二つを比べたときに、司書教諭は有資格者で、学校図書館の専門的職務をつかさどると書いてあって、あと具体的に書いてあるわけです。学校司書については、資格のことについてはまるで問われていなくて、これは「つかさどる」ではなくて、「必要な技術的・技術的務に従事する」という、ちょっと責任が軽くなる言葉で書いてあって、具体的な仕事がここには書かれていないと思いました。
 それから、8ページ目の最初のところにも、司書教諭と学校司書の職務が一文で書いてあるなと。一文で両方の仕事が書いてあるので、ちょっと分かりにくいかなというふうに思いました。
 やはり学校司書と司書教諭って、人の配置のされ方で、歴史的な経過で、本当に仕事が今のところ重なっていることが多いんですけれども、どこが専門性なのかというのがやはり少しはっきりした方がいいなと思いました。私は司書は、資料を知り、資料を提供する人というふうに考えて自分の仕事をしています。司書教諭は、授業を知っていて、その授業を学校図書館を利活用してするというところに重きがあるのかなというふうに考えました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 その辺と、それから次の(2)(3)のところとまた連動してくるわけですが、この辺、(1)の中にもしっかり書いてほしいということですね。検討させてください。
 そして、(1)について、ほかの委員さん、いかがでしょうか。
 それでは、次に行っていいでしょうか。あ、ごめんなさい、今の(1)についてですね
【加藤委員】  (1)のところで、8ページの丸の二つ目のところに、いろんな学校の配置の形態があって、勤務・労働条件なんかは柔軟な対応が必要だというところ、それからページがまたいろんなところにあるんですけれども、11ページなんかにも、学校によっていろいろあって仕方がないというのを認めるような書き方が諸所にあって、今回の報告書はそこがすごく残るんですけれども、そこが必要でしょうか。この丸の二つ目というのは。というふうに思いました。要らないのではないかと思いました。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 事務局、何かありますか。いいですか。
【春山課長補佐】  趣旨といたしましては、実態はやっぱりいろいろだということがある中で、ややもすると、ちょっと変な言い方かもしれませんが、すごく高いボールが投げられているという受け止めになってしまうと、この報告書全体自体がそういったふうに見られてしまうということも逆に余りよろしくないことなのかなということで、実態を踏また視点で見ているんだっていうことを示すっていう観点では、こうしたものがやはりあるっていうのは一つの意義なのかなとは思っております。
【堀川座長】  そうですね。この学校図書館担当職員って今、言われている、雇用に関してはそれぞれの自治体に任されてしまう部分ですので、なかなか書きづらいところはあるんですよね。それでこうした、実際に進んでいるところのお仕事が抑えられることなく、そして、全国の学校図書館の働いている人たちの底上げになるようなということを考えると、やっぱりちょっとここを入れておいた方がいいかなという気はするのですが、いかがでしょうか。
【加藤委員】  そういうふうに皆さんが読めたらいいと思うんですけれども、私、全体を通して読ませていただいて、やはり底上げになっていく方向で頑張りましょうというふうに読めなくて、今はそういう格差があるんですよという、そこを認めているところでとどまっているように感じるんです。それは、例えば10ページの最後の丸のところでも感じますし、それから、11ページのところの二つ目の丸でも感じるんですけれども、いろんな置かれ方がしていて、いろんな状況がありますよ、だからそれに応じたやり方で学校図書館を経営していってくださいというふうな、ちょっとそこで止まっている感じがして、それが気になりました。何度も出てくるんです。
【春山課長補佐】  そこのところがございますので、11ページの下から二つ目の丸のところですが、そうした実態を踏まえると、全く同一の職務を行っていくということは、今ただちに現場の実態にはそぐわないんだけれども、今こういう状況の中で学校図書館担当職員というものが、これから配置が増えていくというようなことの中で、今この会議で御議論いただいた一定の標準的な在り方について、学校図書館関係者、学校関係者全体として、一定の共有理解をしていくことが重要なことだということで、今、加藤委員がおっしゃっていただいた視点を、多分、この11ページの下から二つ目のところで、そういうふうに位置付けているんだろうと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 杉本委員さん。
【杉本委員】  今のところに関わってですけれども、この後の(2)(3)に非常に関係してくるところだと思うんですけれども、文科省の事務局がおっしゃっていることは理解できるわけですけれども、ただ、一方で、加藤先生も先ほどおっしゃったように、学校図書館担当職員の専門性といいますか、これだけはというところはやっぱり何らかの形で示した上で、ですから、この言葉でいくと、期待される部分と求められる部分と、今回13ページのタイトルが「求められる」から「期待される」に変わったんですけど、やはり「期待される」と言うと弱くなります。
 ですから、それを全部、職務を一緒くたにしてしまうのではなくて、やはりそこに期待されるところと求められるところ、つまり求められる部分が冒頭から、この会の最初から出ている専門性に関わるところだと思うわけですが、それがこの後、(2)(3)、そちらで意見を言おうと思っていたんですけれども、今ちょっと出てきたので触れさせていただきたいんですけれども、例えば、ちょっと進みますが、(2)の中で、読書センター、学習センター、そして情報センターとあるんですけれども、文末を見ていくと、読書センターは「求められる」、それから学習センターは「重要である」、それから情報センターとして「必要がある」と、重要性について触れているんですけれども、T2としての関わりの部分については「期待されている」と、ここがおのずと職務によって軽重が出てきていると。これが春山さんが何回か前におっしゃった、職務を考えていくことによってその専門性を浮かび上がらせるという、まさにその部分だと思うんですけれども、これが今回までの議論の中で尽くされたまとめとして捉えるならば、やはりその議論の中で、職務を考えてきたら、専門性がここで明らかになってきていて、先ほど加藤先生がおっしゃったような資料の収集、提供、レファレンス、ガイダンスといったところが学校図書館担当職員の専門性ということが図らずも出てきていると。
 ですから、是非、17ページの資質・能力について、また、ちょっと時間がそこまであるかどうか分からないので先走って発言していますけれども、またその場面が来たらそこでお話しさせていただきますけれども、この部分で、もう少し、もちろんスタンダードな部分は分かるわけですが、これだけのものを出すのであるから、やはり学校図書館担当職員としてこれだけはというところは文科省の名前のもとに出さないと、実効性といいますか、実情がこうだから今こうですよっていうことだけではなくて、実情はこうだけれども、ここは努力目標として持っていくんだっていうところは示していかないと、報告書としてやはり効力が弱くなってしまうのかと。
 ですから、是非この後、議論の中で17ページ(3)の部分について深く時間がある限り話し合いができたらと思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 7、8、9の(1)については、一応、区切らせていただいていいでしょうか。加藤委員さんならの専門性として、資料を知り、資料を提供するっていう、資料の専門家、それからあとは「実情に応じて」っていうような、そういう文言に関する表現ですよね。そこをどうするかというところはまた検討させていただいて、(2)に移っていいでしょうか。(2)と(3)を、先ほど申しましたが、13、14、15、16は、すみません、具体的なものですのでここは飛ばさせていただいて、10、11、12、そして17、18ページ、(2)(3)一緒に御議論いただきたいと思います。ここは連動しているところですので。
 杉本委員さん。
【杉本委員】  すみません、続けて申し訳ないです。
 17ページの(3)に関わってですけれども、ここが、ここまでの報告書のいわゆる中間まとめといいますか、このページを見れば大体内容が分かるという、非常に重要なページだと、ダイジェスト的な意味を持ったページだと思います。しかしこのままですと、僕の印象ですけれども、漠然としてしまっているように感じます。例えば、基本的な役割を整理するといって、1、2を挙げているのですけれども、1の方は、要は資料の提供及び利用の支援、それから2の方も、ずっと読んでいくと、図書館資料の整備・活用を図ること、これは違いがはっきりしないわけです。1、2、これを分ける必要があるのかというところで、2の方では「各学年・各教科の学習内容に関する理解を深め」ってあるんですけれども、理解を深めるっていうことが役割という表現になじむのかって、非常に疑問で、その次の丸である、「研鑽を積むことが重要である」、これについて「理解を深める」が掛かってくるのなら分かるのですけれども、役割として理解を深めると。ですから、ここは一つでいいのではないかと思います。
 そして余計、混乱を来すのが、その次、上から行きますと三つ目の丸の中で、「児童に対する『教育』に関する役割」と、一遍にここで教育っていうくくりが出てくるわけですけれども、教育に関する役割として、具体的には何かというと、上の丸で述べている「図書館資料の整理・活用を図ること」っていう内容になってくると、さあ、それを教育と捉えてしまっていいのかということについても疑問が残ります。
 それで、具体的な項目として、その後の方に出てくるのですけれども、児童・生徒の発達に係るもの、発達段階に応じた読書指導の方法に係るもの、学習指導要領や学校教育目標等に係るもの、校務や学校における諸活動に係るものとあるのですけれども、これは上で述べている役割の「図書館資料の整備・活用を図ること」には、僕の解釈だと含まれないと思うんです。ですから、下で述べている内容と、この上で述べている役割がイコールではないと思うんです。ですから、ここを分けて、分けるというのは並列に並べるということではなくて、あくまで専門性としては、先ほどから出ている、資料の収集・提供という部分であって、この後の方で述べている、児童の生徒に対する教育に関する活動に携わるための知識・技能というのは、並列ではないというふうに思うんです。ですから、そこが期待される部分であって、その上で述べていることは、これは学校図書館担当職員としては、もう必要不可欠といいますか、求められる。これは最低限、知識・技能を持っていていただかなくては困りますよというくらいの記述に、このページがなっていた方が分かりやすいと思うんです。
 それから、最後の丸ポツの中でも、「学校図書館を活用した児童生徒に対する教育活動」とあるのですけれども、その後に「学校図書館を活用した授業への協力・参画」とあるのですが、教育活動の中には学校図書館を活用した授業がもちろん含まれるはずであって、教育活動という表現のみでいいのではないかと。ですから、ここで学校図書館を活用した授業ということはあえて触れていかなくても、前の方で、T2として参加することが望まれると、期待されるという表現が項目として入っているわけですから、ここに教育に関わる活動が、僕の個人的な印象ですけれども、中途半端な、根拠がない形で入ってくると余計混乱してしまう。あくまで学校図書館担当職員に求められる資質・能力としては、先ほどから出ている専門性に基づく活動であるというところであって、無理に教育活動ということをここに入れなくてもいいのではないかということ、これを学校現場で読む方はかえってそれで混乱してしまうのではないかというふうに思います。
 ですから、その職務をこれまで述べてきて、それに基づくまとめというところであるならば、ある程度そこで専門性ということが伝わる必要があるのだろうし、そう考えてくると、やはりそこを並列に並べて表現するのではなくて、求めていく部分と、期待される部分とをある程度読んだとき分かるような表現が必要なのかなというふうに感じました。
 すみません、先の方までお話をさせていただいて申し訳ないですが、以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 ほかの委員さん、いかがでしょうか。吉田委員さん。
【吉田委員】  杉本委員さんが言われたところですので、ついでに申し上げますけれども、先ほど、加藤委員さんが言われたように、学校司書、学校図書館職員は、資料の専門家という言葉を言われました。ですから、まず、専門性ということの第一に、資料の専門家としての能力が入ってくると思うんですね。でも、図書に関する知識、図書に関するのはNDCぐらいで、まるっと抜けていると思うんです。余りに当たり前過ぎて書かれなかったのかもしれませんけれども、図書に関する知識、あるいはファイル資料と図書と、また、一次資料、二次資料、三次資料といった図書の組織化についての知識・理解が第一に必要なんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
【堀川座長】  すみません、それをどこに入れたらいいでしょうか。
【吉田委員】  運営・管理に関して言えば……。
【堀川座長】  ここですかね。
【吉田委員】  はい。それで言えば、図書の組織化に関する知識、ここにはNDCしか触れられていませんけれども、そのほかにも基本図書と周辺図書とか、あるいは書誌的な目録の意味とか、そういうことは当然知っておいていただくべきだと思いますし、もう一つの教育に関する活動という方であれば、児童生徒に読ませたいと思う、教育に役立つと思われる図書に関する知識・理解というのは当然必要になってくると思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 確かに資料の性質とか活用に関する基本的な知識っていう、整理するだけではなく、というのは必要かと思います。
 ほかの委員さん、いいでしょうか。
 ちょっとごめんなさい、個人的なところで、やはり1と2、確かに図書館資料の整備・活用というところで終わってしまっているので、2の方は、何か、資料の専門家として教育に関わるっていうような文言があるといいなと思ったのですが、その辺は杉本委員さんとちょっと意見が、多分分かれるところですね。
 ほかの委員さんの御意見を伺いたいのですが。門脇委員さん。
【門脇委員】  今、これから求められている学校図書館、あるいは今現在、本校でも取り組んでいることなんですけれども、やはり学習指導要領でも求められていますように、教科横断的にどんどん図書館を活用していく、あるいは、課題解決的に各教科において言語活動を充実させていこう、探究的な活動を充実させていこうというような活用が進んでいく中で、ただ資料の専門家として本のことを知っていればいい、あるいはそれを子供たちから求められたら手渡せばいいといったような動きでは、何のために学校図書館に担当職員を置いていくのかということの意味が薄れると思うんですね。やはり、教育に関わるというところは出ていて当然じゃないかなと私は思います。
【堀川座長】  杉本委員さん。
【杉本委員】  こういう言い方をすると必ず誤解をされるんですけれども、ここに記述をするとき、先ほど春山さんもおっしゃったけれども、現状を踏まえると、書き方としてはやはり制限があると。そうなってきて、「期待される」に合わせてしまうのではなくて、「求められる」方をまず書いていったらどうでしょうかと。もちろん、学校図書館担当職員が教育活動にということは、全く否定するつもりもありませんし、現に私自身もそういう実践をこれまで続けてきました。
 ただ、それが広くこれから各学校に配付される資料として記述されるときに、それはちょっと現状では難しいので、全て一緒くたにして「期待される」にしてしまうと、かえって分かりづらくなるのではないかと。ですから、この部分は、求められる、最低限この部分についてはやっていただく仕事ですよ、職務ですよ、専門性に基づく活動ですよということを明らかにした上で、その上で求められる部分についてはもう前の方にそのことははっきりT2として参加というところまで記述をされているわけですから、否定するものでは全くありません。
 ですから、どちらにこの記述の基準を合わせるかと。要するに、期待されるところで書いてしまうと、求められる部分がはっきりしなくなってしまうと。ですから、あくまで求められるところはここですと。その上に立って期待される部分はここですということを分かるように書いた方がいいのではないかと。
 ですから、繰り返しお話ししておきますが、学校図書館担当職員の先生方の職務はここまでとか、これはしてはいけないとか、そういう話をしているのではなくて、この記述の上、これがきっと各校なり各教育委員会でこれから学校図書館担当職員を採用する、又は現に採用されている方々の職務についての資料となっていくというときに、これは先ほど文科省の方からも出たとおり、上をスタンダードにしてしまうのではなくて、これだけはというところを分かるように示した方が報告書としては分かりやすいのではないか、そういった形の方が実効性が高いのではないかということをお話をさせていただいているんです。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 ここはやっぱりとても重要なところだと思います。図を今度、入れていただいたところで、12ページの図を見ていただけますか。これも前、皆さんから御指摘があって、全体像が分かるような図があるといいと。これも皆さんの御意見を全て生かされているかどうかっていうのは、ちょっとまだ足りないところもあるでしょうけれども、大きく、この下の部分が、下から言うと、間接的支援、直接的支援、そこでオレンジの線を書いてくださっていますが、ここが学校図書館の運営管理に関する役割ですね。そして、その上のところが児童生徒の教育に関する役割というように、今の17ページの1と2がこうやって分けられているわけですが、この1と2に関して、今、杉本委員さんは、下の部分は「求められる」、上の部分は「期待される」というように書き分けるべきではないかというようにおっしゃっているのでいいですかね。それに関していかがでしょうか、ほかの委員さんは。はい、加藤委員さん。
【加藤委員】  杉本委員の方から、私の発言と同様にというふうに言われて、今、堀川座長の説明を聞いたら、上は「期待される」、下のところは「求められる」というふうに聞くと、やはり違うなと。私が言ったのはそういうことではないなと思ったので、ちょっと発言させてください。
 ちょっと具体的な話が出ない中で司書の仕事が語られているんですけれども、私が資料を知って、資料を手渡すことで教育に関わっていくというのは、ちょっと長くなるけど、最近の事例を言うとこういうことなんです。
 例えば、宮沢賢治の「注文の多い料理店」を5年生が国語で学習しますけれども、そういうときに、テーマとして「人間の身勝手さ、傲慢さを動物の目を通して見る」というふうに、そういう学習のテーマを付けました。それは授業者がそういうテーマを設定したわけです。そのときに、もちろん「注文の多い料理店」を読み解いていくわけですけれども、その後にさらにそのテーマについて考えられる作品はないだろうかということを担当者と一緒に本を見ていくわけです。そういうときに「雪渡り」の中でキツネが人間をどういうふうに見ているかというようなことを見ていくことができるんではないでしょうかというような話を担当者とするわけです。そうすると、テーマの類似性というのを見つけていくことができて、宮沢賢治が描きたかったことを、ほかの作品からも子供たちは同じように読み取っていく。さらに、宮沢賢治の人となりというのを表した絵本、「けんじ先生」であるとか、詩の「雨ニモマケズ」というものの中から賢治を読み取っていく。それから、ほかの作品を紹介することで、「賢治と石」とか「賢治と植物」とか「賢治と天体」とか、いろんな賢治のことについて、子供たちは自分の体験や関心と合わせて、作家についても研究につながっていったり、作品研究につながっていったりという、そういう広がりがある。それを私は別に教育をする、指導するということでなくて、自分が資料を提供する、資料についての知識を出して授業者と話をするということから、そういう授業が展開されていくので、上とか下とか、そういうこと関係なく、今、そういう教育に関わってきているので、ちょっと複雑な気持ちで今の議論を聞いているところです。
【堀川座長】  大串委員さん。
【大串委員】  これね、図を描くととっても分かりやすくなると思うんですけれども、実はね、この(3)のところを丁寧にというか、素直に読むと、二つ目のパラグラフでこう言っていますよね。学校図書館の主たる3機能と、こう書いてありますよね。これは既に説明のあった情報センターとか、そういった三つの機能ですよね。それに応じた標準的な職務って書いてあるんですよね。これは、その後の、具体的に例示として示した、例えば12ページの三つの職務っていうのが、標準的な職務に僕は当たると思うんですね。それを勘案して、それで学校図書館担当職員に期待される資質・能力の観点から、役割を再整理すると、ここで再整理があるわけです。ここで二つに再整理されているんですよね。だから、流れとしては三つのセンターがあって、そのうち、具体的な職務っていうのが三つあって、それをもう一度、その観点から再整理すると二つあると。二つのことについて、まず二つ目のパラグラフで1、2を付けて説明をして、それから、三つ目はその意義みたいなものに少し触れて、四つ目にそれをもう一度再整理した形で、実はここに1、2が入っているともっと分かりやすかったと思うんですけれども、書いてあって、それで、その1番目については5番目の丸で説明しているんですよ。それで、2番目の丸については6番目で説明しているんですよ。そういうふうに見ていくとね、これはとってもよくまとまっていると思う。分かりやすいと思うんだね。
 ただ、今、僕が説明したように、例えばここに黒板でもあって、そこに書いて説明すると、これはとっても分かりやすいと僕は思ったんです。だから、今のお二人の議論が、この文脈に即して考えてみると、ちょっと僕にはどうなんだろうかなと。確かに「期待される」と「求められる」という、そういう分け方は、確かにそれはそのとおりなんだけれども、この文脈に即して考えた場合は、どういう関係になるのかなということでね、ちょっと僕はいまひとつ、今の御議論について理解できないところがありましてね。具体的なお話は確かにそうだなというふうに思うんですけれども。ちょっとその辺が。
 だけど、ここは確かに「期待される」と「求められる」があるんですけれども、僕、ここの整理の仕方っていうのは、ちょっと3が邪魔になるんですけれども、3は後ろの方に回した方が分かりやすいかなと。ただね、これ、一般の方が御覧になったときに、今みたいな僕の理解を多分されない方もいらっしゃると思うんですよ。それは三つの機能があって、それから三つの職務があって、それでどうしてここで二つにするんだっていうことがね、あると思うので。だから、ここで二つ設定したっていう、ここの説明がちょっと今ひとつ、一般の方には理解しにくいところがある。
 だから、僕は、もう一つの案としては、三つの職務ということで明示したわけだから、その中のエッセンスを抜き出して、これはこうだっていう形で、5と6のような形で箇条書きで示しちゃった方が。それで杉本委員のおっしゃるように、「求められる」と「期待される」と分けて示した方がね、何か流れとしては分かりやすいのかなというふうに思いましたけどね。
【堀川座長】  今、議論になっているのは、今、杉本委員さんが、並列っていうのを、同じ重さをもって書くのか、あるいは「求められる」か「期待される」って、ちょっと段階を付けるのかというところが皆さんの御意見を伺いたいところなんですが。
 杉本委員さん。
【杉本委員】  僕が言いたいのは、まさに大串先生がおっしゃったとおりで、分かりづらいということを言いたいわけです。各学校で図書館に対してそれまで余り関わってこなかった先生方、特に管理職の先生方が見たときに分かりづらい。ですから、もうちょっと分かりやすい書き方の方がいいのではないかということです。
 それから、僕自身は学校図書館担当職員の専門性をはっきりさせるという意味では、加藤委員と同じ考えで話しているつもりです。説明が足りないんだと思いますけれども、例えば10ページ、先ほどちょっと触れましたけれども、具体的に役割・職務について述べているところで、「読書センターとして」というところでは環境整備を行うことが求められる。それから「学習センターとして」は、整備することが重要である。それに対してその次の丸では、T2として関わることが期待される。そして、その次、「情報センターとして」は、必要な機材・機器の準備が必要であるという文末になっているわけです。これが、もしこの報告書として、上の方でそろえられるのならば、僕も何も言いませんし、といいますか、それはそれで大変すばらしいことだなと思うわけですけれども、結果的に、先ほどから言っているように全国的な状況を見ると、そこではそろえられないと。この報告書の性質をかんがみるに、それができないので、という発言が先ほどもありましたので、それで下の方の「期待される」に全てがおりてしまっている。
 それが分かりにくくなっている原因なんだと思うので、司書、学校図書館担当職員の職務として、まずこれだけはということを、次善の策と言えば次善の策ですけれども、そこをまずは示すことが必要なのではないかと、それの方が分かりやすのではないかということを言っているのであって、職務がここまでとか、それはっていう話をしているのではなくて、この報告書の、理想は別にして、現実的な運用を考えたときに、各学校現場で効果を発揮するかということを考えたときに、やはり分かりやすさを最優先にした方がいいのではないか。そのためには、まずはここまで、まずはこれが司書、学校図書館担当職員の職務としては求められる内容ですということを分かるように書いた方が。期待されるのではなくて、求められる部分をはっきりさせた方が理解を得やすいのではないかということを先ほどからお話をさせていただいています。
 以上です。
【堀川座長】  分かりやすく書くために「求められる」「期待される」という言葉使いをしましょうということなんですが、ほかの……。はい、槇川委員さん。
【槇川委員】  12ページの図は、これは担当職員の役割・職務について非常にうまく整理されたものだと思うんですね。今までの論議の中で、これを提示せよということになった、そういう流れだと思うのですが、僕はこれに軽重を付けることはできないと思うんですね。「期待される」か「求められる」か、それは恐らく事務局の方も文末表現まで全て吟味をされたようなものではないと思うんですよ。これまでの、これだけの論議を、これにおまとめになった、それは僕、すごいことだと思って、じゃあ、その過程の中で文末まで本当に吟味を重ねたかどうかというのは、僕はそこまで求めるのは非常に酷だと思うんですね。
 それから、逆に僕は、これが職務であれば、学校司書の方々に求められる資質・能力というのは、やっぱりこれに基づくものであるべきだと。分かりやすいと思うんですよね。大串委員が言われた、僕もまさにそこに着眼して、僕は分かりにくさを感じたんですよ。これはやっぱりこの表に基づけば三つに整理した方が分かりやすいし、その三つは軽重が付けられるものではないというふうな印象を持ちました。
 だから、結論としては、今、議論になっている、この1、2を、僕の考えの中では、三つに整理して、その三つについてはもう軽重は付けないというのが分かりやすさの一つになるのかなというふうな感想を持ちました。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 春山さん。
【春山課長補佐】  10ページから12ページにかけての最後の文末の表現が「重要である」「期待される」ということなんですけれども、「期待される」っていうのは、まさにこれはT2としてやっていくという、活用の中の一形態であって、それが全て17ページで児童生徒の教育に関する部分を表すものではないと思っているんです。
 ですので、先ほど加藤委員さんがおっしゃっていただいたようなことも、多分、前者で言う学校の図書館の管理・運営的なものと、児童生徒の教育に係るものと、多分両方が相混ざってやっていらっしゃるものだと思うんですね。
 例えば、じゃあ、学校教育に関することで、児童生徒についてのことを知らなくていいかというと、そんなことはやっぱりないわけで、それと資料の専門家ということが一緒でないといけないと思うんですね。そういう意味で、ここでは軽重を付けずに併置をするというようなことにさせていただいております。それが二つでいいのか。確かに文脈からすると三つか二つかちょっと分かりにくいので、そこをどう整理するかという部分があると思うんですけど、そこはただ軽重だっていうお話をいただくと、前回もありましたけど、学校教育がどうなのかという部分についても、やはり御承知おきいただかなきゃいけないということと、あと、実態としては、司書資格又は教員資格ということで採用している自治体は結構ございます。そういうことからすると、必ずしも資料の専門家というところだけに着目をしているというわけでもないという部分がございますので、そこは二つ、同じ重みで捉えていく必要があるんじゃないかということで、このような表現にしております。
【堀川座長】  ほかに。平久江委員さん。
【平久江委員】  17ページの記述の件なんですが、今、御議論があったのですけれども、分かりにくいというのは、理解するのに若干時間が掛かるからそうかなとは思うんですけれども、論理的な整合性から考えると、そんなにおかしくはないんだろうっていうのが僕の率直な感じなんです。
 つまり、期待されているのは役割であり、職務なんですね。これは現状から考えたら「期待される」という言葉を使っても、それはそれで、それなりの意味があるというふうに捉えられるかなと思います。
 それから、「求められる」という言葉が使われているのは専門性なんですね。求められる専門性ということで、最低限度、専門性が求められているということがここに書かれているっていうのは、僕はこれは非常に重要なポイントだと思うんです。これまで議論してきた中で、やっぱりそのキーワードが学校図書館担当職員の専門性ということであって、それは求められているということがここで明記されているというふうに理解するならば、それなりにきちんと書かれているという感じはいたします。
 それで、やっぱり順番が分かりづらいのかなというのは若干あるので、そこを整理すると大分分かりやすくなるかなというのが一つあるのと、それから、これは二つに役割が捉えられていて、一つが運営・管理なんですけれども、管理が間接サービスで、運営が直接サービスということなんですね。だから、管理・運営に関する役割が1番目と2番目で、3番目が2になっているという、そういうことですから、これも論理的には自然なまとまりにはなっているという感じはしております。
 ただ、2の表現に関して1点、ちょっと僕は訂正した方がいいなと思っているのは、「学習内容に関する理解を深め」というのは、これはおかしいという御意見がありましたけど、やっぱりおかしいので、これは「学習内容をもとに、授業のねらいの達成に資する」と、きちんと書いた方がいいのかなと思います。
 ということで、ちょっと議論の腰を折るような感じになって恐縮もしておるのですけれども、そういう理解ができるんじゃないかということですね。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 この点に関して、ほかの委員さん、いかがですか。海野委員さん。
【海野委員】  先生方のお話はそのとおりだと思います。それで、ほぼ素人というか、資格云々でない採用で雇用になった身で読んでいくと、13ページの1、「児童生徒や教員のニーズに対する」というところの下の方の「学校図書館の管理運営」という言葉があるんですが、ここに「管理運営」が入っていて、(3)の方には「管理・運営」となっていて、学校図書館のことを多少なりとも知っている人が読めば、管理と運営が直接サービス、間接サービスを表しているということが分かるのですが、前の章で細かい職務の内容の中にまた管理運営という言葉が入ってくるので、分けて考えるっていう発想がなかなかできない。直接サービス、間接サービスにつながるということがなかなか理解できないのかなと思いました。
 そういうこともちょっと考慮に入れてもらえれば、私自身も(3)はよくこういうふうにまとめてくださったなと、教育の方にも携われるし、自分の専門性もしっかりしていないといけないんだということがよく分かる内容になっていると思います。
 細かくて申し訳ないんですが、素人目で見たときに、12ページと、それからもうちょっと戻って6ページのイメージ図なんですが、イメージ図になっているだけで、図にタイトルが付いていないので、ここにも何の図なのかというタイトルを入れていただくと、学校図書館に余り携わっていない者にとっては分かりやすくなるのかなと。ちょっと細かいお話になってしまいますが、以上です。
【堀川座長】  確かにそうですね。ありがとうございます。
 12ページの図にも「管理運営」とか「教育に」とかっていう言葉が入りますかね。ここで急に出してもおかしいのかもしれませんけれども。その辺、管理運営と直接的、間接的っていうのがつながるような。
 そうしますと、どうでしょうか。堀部委員さん。
【堀部委員】  17ページのところ、今、再三触れられてきたところですけれども、この二つ目の白丸の2のところですが、児童生徒の教育に関する役割というところの書きぶりになるのかもしれませんけれども、ここがやっぱりすごく違和感というか、学校図書館なんだよなっていうところを意識したときに、18ページの教育に関する基本的技能あるいは知識に関するっていうことで、期待される領域ということで4点置かれていますよね。これに連動した部分がやはりもう少し書き込まれてこないといけないと思うんですね。並列という部分は、当然、専門性というところからすれば、やっぱり学校図書館で業務を遂行していただくというところでは、子供のことを当然知らなきゃいけないということですよね。そういう視点の中で個に応じた資料性の高いものを提供するというところがやっぱりすごく大事になるでしょうし、子供の育ちというところ、やっぱり公共図書館の司書とは違うというところは、まさにここにあるのかなというところから、18ページの黒点で示された四つの視点で少し書きぶりを変えたらいかがかなと思いました。
 今のままですと、1と、さっきおっしゃったように、内容的には本の専門性のことをかなり前面に出しているような書きぶりであったというふうに私は読み取ってしまいました。そういうところでは、学校の現場からすれば、校長の立場からすれば、当然、本の専門性は本当に求めたいところであるわけですけれども、それ以前にやはり学校教育を担っていく一員というところも、広い意味で言えば当然専門性というふうに考えたいなというのが個人的な考えでもあります。そういうところで、2のところの書きぶりを少し児童生徒に関する、教育に関するというところを、18ページの四つの視点をクローズアップしながら強化される方がいいのかなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 確かに2と1が資料のことに関してですので、もうちょっと教育を入れていただいて、やはり気になっているのは、分かりやすく書くために「求められる」か「期待される」かっていう御意見がある中で、今、堀部委員さんは、これは両方とも……。
【堀部委員】  もう少し強く強調すると、やっぱり学校図書館ですから、子供の人間形成、育ちというところの上で専門性を発揮していただきたいというのがあるから、もう大前提が教育に携わる者の理念というんですかね、これで言えば児童生徒に関する教育的な側面、それを大前提にした上で、専門性を発揮していただきたいというところを、逆に、今までの話と違うニュアンスになるかもしれませんけれども、学校現場で必要とされるのは、やはりそういったところの人的なサポートではないかなと考えます。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 先ほど、槇川委員さんもおっしゃってくださったように、軽重を付けるのではなくというのでいいでしょうか。
【杉本委員】  すみません。前回、僕が出した資料を見ていただければ、言いたいことは理解していただけるのだと思いますが、職務の中で、そこで要するに資料の専門性と教育に関わる部分とを分けているつもりは全くないです。学校図書館担当職員、いわゆる学校司書としての専門性というものが学校教育に関わる部分であるということは十分承知をしていますし、それに基づいた記述として、この前も資料を出させていただいたつもりでいます。
 ですから、ここで今、御意見を頂いたものについては、僕もそのとおりだと思いますし、表現の方法の違いを言っているだけであって、考え方としては違わないということは私自身も感じています。いかに分かりやすく、最初から僕は、学校図書館担当職員の専門性というところでこだわってきているのですけれども、職務から学校図書館担当職員の専門性を明らかにするという流れで議論が進んでくる。で、いよいよ最終のまとめの段階を迎えようとしているわけで、その中でおのずと学校図書館担当職員の専門性というものが明らかになってきたのではないかと。それがこの17ページの文章の中でまとめられて、ここのページを見ただけで分かるような記述がされるといいということを言いたいわけです。
 そのためには、今、堀部先生もおっしゃったような、1と2の分け方といいますか、書き方に工夫をした方が良いのではないかと。ですから、どちらかだと思います。僕はそこで、言葉としては軽重を付けるという言葉になってしまっていますけれども、そうではなくて、現状を考えたときに目標達成の段階を示した方が理解を得やすいのではないかということを言っているんです。ですから、分かりやすくするというねらいに基づいて発言しているという点については是非、御理解をいただきたいと思います。ですから、今、座長もおっしゃったとおり、2の部分で教育に関わる内容がもっと盛り込まれてくるのであれば、その違いがはっきりしますから、それはそれで分かりやすいのだと思います。
 繰り返しになりますが、学校現場の実情を考えた上で、いかにしてわかりやすいものにしていくかということを言っているのであって、現職の学校図書館担当職員、あるいはこれから職務に就こうという方がその資料を見たときに、ああ、こういう専門性が必要なんだな、じゃあ私にはこういう部分の知識や技能が必要だなとか、私はこれについては経験があり、自信があるので挑戦してみようといった判断をする上での一助となる資料になるのが一つの目的なんだと思いますので、まずはこれだけは必要ですよということを明らかにするという方法もあるのではないかと言っているのです。僕はそこで線を引いて将来的な可能性を否定するつもりはありませんし、資料収集、選択、提供というところに職務を限るべきだといっているつもりもありません。学校図書館に勤務するということを大前提で理解しているつもりでいますので、そこは是非、御承知の上で聞いていただければというふうに思います。
 以上です。
【堀川座長】  はい。すみません、ちょっと堀川の方が余りにもうがち過ぎたというところはあるようです。おわびします。
 ということで、17ページ、とにかく杉本先生も、分かりやすくということをおっしゃってくださっていて、確かにそうですね。今まで議論されてきたことがここに集約されていると。ここだけをまずは見てくださる方もいらっしゃると思います。ここが本当に分かりやすくなっていればいいですね。今までの御意見を踏まえて、またちょっと修正をしていただくようにお願いをいたします。
 というところで、大急ぎで、今、(2)と(3)のところをやってきましたけれども、ほかの委員さんは。吉田委員さん、どうぞ。
【吉田委員】  12ページの図が大変インパクトがあってよかったのですけれども、まだ改善の余地があると思いますので、お話し申し上げます。
 第一に、この12ページの後の13ページから、間接的支援、直接的支援、それから教育指導への支援というふうになっているのですが、この図ですと、反対の順番になっているので、どうせなら間接的支援が一番上に来るようにしていただいた方がいいんじゃないかと思いました。
 で、二つ目ですけれども、学校図書館職員が間接的支援に関する職務をするのはいいのですけれども、その中に、学校図書館の管理運営と施設の整備が入っていますね。それを受けるのは、当たり前なんですけれども、教員というのが一番上にあって、大きな目から言いますと、司書教諭も図書館主任も教員の中に入ってしまっていて、いかにもこの図だけを見ると、施設の整備も学校図書館の管理運営も教員が離れているようなイメージを、この図からだけですと持たれてしまうと困る。実際、中の文章を読んでいただければ分かるのですけれども、余りに図がインパクトがあるものですから、ただし書きか何かの形ででも、誤解がないように書いていただけないかということを思いました。
 あと、児童生徒と教員に最も近いということを考えると、直接的支援というのが一番近い方がいいような気がしまして、それに対する間接的支援ですけど、そうしますと教育指導への支援というのが、今、一番、児童生徒と教員に近くなっていますけど、それだけ縦のバーか何かにして絡ませる形になってもよかったんじゃないかなということは思いました。
 あと、最後にささいなことなんですが、その前の11ページに、一番下のポツの3行目、3機能において期待される、「それらの職務を学校図書館担当職員の視点から再構成し」と書いてありますが、必ずしも視点から再構成されたんじゃないような気がしましたので、別な表現でというか、あるいは省略していただいてもよかったんじゃないかと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 図についてももうちょっと検討させてください。そうですね。順番とか、横になっているか、縦にするか。
 村山委員さん。
【村山委員】  図に関連してですけれども、私も、この教員というのが完全に独立して別な場所にあることについては違和感を持ちました。司書教諭ももちろん関わることですけれども、図書館指導部とかそういう組織として、学校図書館を運営するものですので、もちろん、中心となって具体的なことをやっていただくのは学校司書さんが多いと思いますけれども、これだけを見た場合、やはり学校図書館というのが公共図書館のように学校から独立しているもののように見えかねない。全てが学校司書さんが一人で運営するものであるというふうに見えかねないなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 この(2)というのが、「学校図書館担当職員の役割・職務」というタイトルなので。
【村山委員】  そういう趣旨なので分かるのですけれども。
【堀川座長】  そこが、やはりそうは言っても、この図だけが独り歩きすることもあるというので、もうちょっと考えさせていただきたいと思います。
 牛山委員さん。
【牛山委員】  17ページから18ページにかけて、特に18ページの方に、第1行に「標準的に有することが期待される領域として」という、この「領域」という言葉が先ほども話題になりましたけれども、四つのポツから考えてみましたときに、やっぱり私も領域という表現が果たして適切であるかどうか。もっと違う表現はないか。それからもう一つ、「例えば」って書いてありますが、「標準的に有する」っていうことになりますと、この「標準的」という言葉の意味も、こういうことはもうやらなければいけないというような意味合いの方がどちらかというと強いという意味もありますし、それから、一般的ですよというような意味合い、どちらにも取れますので、ここの「標準的」という言葉も何かもう少し違う表現があったら、違う方がいいと思いました。
【堀川座長】  例えばですと、牛山委員さん、例えばどんなのがありますかね。「標準的に」じゃなかったらね。
【牛山委員】  ちょっとそこがよく私も分かりませんけれど。学習指導要領なんかのことを考えますと、標準とするっていう意味のことが盛んに伝えられておりますので、そういうことから考えると、「やらなければいけない」とかっていうような強制的な意味合いがちょっと強いかなと思いますし。
【堀川座長】  もうちょっと弱めるということですね。
【牛山委員】  ええ。ですけれど、ここのところでは「例えば」っていうことに下の四つがなっているものですから、この「標準的」という言葉は、どちらかというと「一般的」というニュアンスに取ってもいいかなというような、そういうことで、代わる表現は分かりません。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 「領域」という言葉ですね。工夫を。
【槇川委員】  すみません、そこなんですけれども、具体的に「携わるためには次のような知識・技能を有することが期待される」というふうに直すとすっきりするのかなと。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 それではまた、これも検討させていただきましょう。もう、だから、「標準的」も何も取ってしまうということですね。
 それから、ほかの委員さん、御意見いかがでしょうか。もうこの報告書、どこでも結構です。
【加藤委員】  じゃあ、質問も兼ねて。
【堀川座長】  加藤委員さん。
【加藤委員】  13ページからは、具体的なので後で意見を出すようにということだったんですけれども、先ほども少し話が出ましたので、この順番なんですけれども、1番が間接的支援で、2番が直接的支援で、3番目が教育指導への支援となっているんですけれども、これはそれが一般的なんでしょうか。私、自分の仕事を考えたときに、まず、直接的支援が一番に思い浮かぶんですけれども。直接的支援があって、それから教育的指導への支援というのも、これ、直接的なことが多いと、ここに書かれている内容は多いと思うんですけれども、2番目に教育目標を達成するための教育指導への支援があって、3番目に、それらを実現させるためにはどういう整備をしていったらいいかなという理論付けや、蔵書の整理があって、間接的が3番目に来るのかなと思ったんですけれども、この順番というのは何か意味があるのでしょうか。
【堀川座長】  まずは、私なんかは学校図書館をまず整備してっていうようには思いましたけれども、ほかの、今、現場にいらっしゃる方々はいかがでしょうか。この順番。それぞれ受け取り方は違うのかもしれないのですけれども。
 海野委員さん。
【海野委員】  参考意見として聞いていただければいいのですが、この順番だと思います。まず、図書館が本の整理がしていないと、カウンターに立っても本の案内ができないし、本の案内ができるようになれば、授業での関わりもできるようになるという段階で大丈夫かなと思うのですが。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 学校図書館を作るという視点に立ったときには、やはり整備のところから始まるかなと思いますが、それだけ加藤委員さんが、もうそこはクリアしてというか、当然のこととして先に進んでいらっしゃるのかなと思いますけれども。
 米澤委員さん。
【米澤委員】  12ページの図ですが、これが児童生徒や教員のニーズに対する学校図書館担当職員の職務というようなタイトルのイメージだと思うので、これが間接的支援は基本的な部分の、図書館寄りですよね、の土台で、それにプラス、上に乗せているのが直接的支援に関するというように解釈をすれば、そして教育的なサービスというのに重なっていく。
【堀川座長】  順番としては、土台にこれがあってもいい。
【米澤委員】  ええ。この図の見方として、そういうふうに見れば、決して上に教員が別にあるというのではなくて、教員のニーズに対するという意味で、タイトルの付け方だと思います。もちろん、司書教諭と振り分けっていうのがここにどう関わってくるかといったら、全てに関わってくるので。図としては難しくなると思うんですけれども。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 いろいろな御意見がある中で、また考えさせていただきますが。
 清水委員さん。
【清水委員】  なかなか図にどこまで書き込むかっていうのは非常に難しい。入れればきりがないしっていうのは感じるわけですけれども、ちょっとアバウトなあれなんですけれども、12ページのこの図も、私はこれはこれでとてもいいなと思っています。専門性に基づいた職務、これまで関わってきた職務にさらにいかに上乗せできていくかっていうことが、この学校図書館担当職員の役割、これから目指す役割ではないかなと思うんですね。
 そういう意味で言うと、学校教育への支援に関する職務というところで、そこに書いてあるようなことが今後さらに広められていかなくてはならないというのが、学校を経営する立場としては期待値ですので、これまでの職務がこうであったということだけでなく、いかに発展させていけるかということを私は職員に期待したいというふうに思いますので、この図についてはこれで私はいいのかなというふうに思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 ほかの委員さんはいかがでしょうか。報告書のどこの部分でも構いません。
【加藤委員】  今の図のところでなんですけれども、私はこの図に違和感はないのですけれども、間接的支援のところに、図書館資料の管理というふうに書いてあって、この中に含まれるのかどうなのかなと思いながら、図書館の働きでとても重要なのが、蔵書を作るというところがあると思うんですけれども、管理だけでは蔵書を形成するというところがちょっと抜けているというか、弱いのではないかなと思ったんです。
 それと、併せて「直接的」のところと「教育への支援」のところで、私、何度も言っているんですけど、資料提供という、そういう資料を提供するということの大きな仕事は、直接支援で言うと、情報サービスというところに含まれているんでしょうか。一般的な資料提供という大きな働きがこの図の中にないので、ちょっと戸惑っているんですけれども。
【堀川座長】  この見出しでもって、13、14、15と、その後のところで説明がされているところですね。「直接的支援に関する職務」が、ごめんなさい、堀川としては、全部これが資料提供だと思っているのですが、どうなんでしょうか。そして、この12ページ、「直接的支援に関する職務」に「読書活動」ってありますが、以前、米澤委員さんから「読書推進活動」という言葉が出ていて、私はその方がいいなと思っているんですが。それも全部、資料提供が傘として掛かっていて、その中にいろいろあるということではちょっとやっぱり違いますか。それから、もちろん、教育指導への支援の方にも資料提供はありますけど。
【加藤委員】  私もそのとおりだと思います。資料提供というのは、直接的支援と教育支援の全てに掛かると思うんですけれども、言葉としてないことに戸惑っています。
【堀川座長】  これよりもっと上の概念ですよね。
【加藤委員】  包括的というか。
【堀川座長】  包括的にね。ちょっとこの辺、検討させてください。まあ、本文の中にはたくさん出てくるのですが、図の中に……。
【大串委員】  いや、これでいいんじゃないですか。僕はね、この図でいいと思いますよ。図書館の人たちが言っている資料提供って、とっても分かりにくいんですよね。実は、一般の市民の方とか、地方自治体でも議員さんの方とかね。つまり、すごく広い概念であり過ぎて。だから、ここを読んでいてやっぱり同じような疑問を持ったんですけれども、やっぱり「直接的支援に関する職務」の「館内閲覧」と「館外貸出」と、もう書いてあるから、普通の人はこれでね、十分理解できると思うんですよね。それであと、「情報サービス」とか、こう、並んでいますので、僕はこれで十分だと思いますね。僕、これ、いい図だと思いますよ。よくまとめてくれたなと。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 資料提供は難しいですよね。いろんな中に散らばっているのでね。
【大串委員】  そう。難しいですよ、あれ。
【堀川座長】  ほかの委員さん、いかがでしょうか。もうあと5分になりましたので。吉田委員さん。
【吉田委員】  21ページに「学校における取組の充実」というのがありますが、やはり現場の学校図書館は、学校図書館職員にとっては一人職場なもので、先ほど8ページに、司書教諭との連携・協力を特に密にするとは書いてあるんですけれども、なかなかパートタイマーと、それから児童生徒がいるから放課後ぐらいしか空き時間がないということもあって、本当に連絡する時間、相談する時間を取るのがひと苦労というところがあるんですね。そのための場を設定してくださいというわけではないんですけれども、司書教諭も学校図書館担当職員も努力して連携するようにしないと、やっていけないと思うので、何かの形でそういう文言を盛り込んでいただけたらなということを思っています。
【堀川座長】  コミュニケーションに努めるようにというような。はい、ありがとうございます。
 ほかの委員さん、いかがでしょうか。
 きょうのところはこの辺でいいでしょうか。まだまだこうやって御意見を伺うと、本当にすごく充実してくるという気がしますので、時間が終わってしまうのが残念なんですけれども、時間となりましたので、きょうのところはこれで終わりにさせていただきます。
 きょうの御意見を踏まえまして、今度は最後になりますね、2月2日に皆様の御意見を伺いたいと思いますが、これまでと同様に、是非メールで最後の御意見を。2月2日にも伺いますけれども、是非出していただけたらと思います。
 というところでいいでしょうか。それでは、最後に事務局の方から。
【春山課長補佐】  今後の次回までの動きですけれども、今までやっていたように、御意見を頂いて、次回会議の直前にお渡しするという形だと、また次、最終回ということですのでなかなか難しいことがあろうかと思いますので、一度、御意見を頂いて、それを早い段階で御紹介申し上げて、そのプロセスを、今まで1回やっていたものを2回させていただくということで、具体的な調整も含めて少しさせていただくというようなことで、次回は最終回ということですので、そういった調整を進めさせていただきながら次回を迎えるというような形にできればと思っておりますので、また御意見につきましては、いつもと同じようになりますけれども、議事録の修正と同じように、また来週の月曜日の9日までに頂きまして、それをなるべく早い段階で座長の堀川先生の御指導のもとでまとめたものをまたなるべく早い段階でお示しするということで進めたいと思っております。よろしくお願いします。
【堀川座長】  それでは、御意見としては、9日を締め切りというように一応しておいていいでしょうか。とても早い……。
【春山課長補佐】  一応、最後ということでございますので。
【堀川座長】  いいでしょうか。
 それでは、もういいですか、きょうは。
 ということで、きょうはこれで閉会にさせていただきます。12月に入ったとはいえ、まだまだ「よいお年を」という、とてもそんな雰囲気ではありませんけれども、あと2か月後にまた最後の集まりをしたいと思います。これまで本当にありがとうございました。あともう一息、どうぞよろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  失礼しました。肝心なことを忘れていました。次回の日程と場所でございますけれども、2月2日の14時からの開催ということで予定をしております。場所は、すみません、調整中ということですので、これはまた決まり次第御連絡させていただきます。
 すみません、失礼しました。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 それでは、きょうはこれで閉会にさせていただきます。ありがとうございました。

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