学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議(第2回) 議事録

1.日時

平成25年8月27日(火曜日)14時00分~17時00分

2.場所

一橋大学一橋講堂1階 特別会議室101・102(東京都千代田区一ツ橋2-1-2)

3.議題

  1. 学校図書館担当職員の担うべき役割・業務について
  2. その他

4.議事録

【堀川座長】
 それでは、皆様、こんにちは。お集まりいただきましてありがとうございます。私のほうが一番遅く参りまして、申し訳ありませんでした。
 それでは、定刻となりましたので、これより学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議、第2回目を開催したいと思います。
 私事ですいません、こんな眼帯をしていて、お見苦しい姿をさらして申し訳ありません。ちょっと腫れたものですから。ただ、こうやって目が不自由になってみて、ちょっと不自由なだけなんですけど、そのおかげで、ああ、そうだ、特別支援学校の学校図書館、どんなふうにこの報告書、この中に盛り込んだらいいかなというのを改めて考えさせられているところです。
 それでは、まずは資料の確認のほうからさせていただきたいと思います。そちらにお願いしていいでしょうか。
【春山課長補佐】
 はい。それでは、失礼します。本日お手元のほうに資料としてお配りさせていただきました議事次第のほうに資料一覧が載っておりますので、御確認いただければと思います。
 資料1は、前回の議論を堀川座長におまとめいただいた資料で、後ほど座長から御説明がいただけると伺っております。それから、資料の2から資料の6までにつきましては、それぞれ学校司書の先生方のそれぞれの実践の御報告の資料ということで、いくつか資料があると思います。御確認をいただきまして、もし不備がございましたら、教えていただきたいと思います。会議としての配付資料は以上でございます。
【堀川座長】
 それでは、きょうの議題は、「学校図書館担当職員の担うべき役割・業務について」ということで議論を行いたいと思いますが、きょうの3時間、こんなふうに三つの構成で考えています。
 まず一つ目は、学校図書館の取組をイメージしていただくのに分かりやすいかと思いまして、一つ映像を見ていただこうと思っています。これは、堀川が放送大学で講義をさせていただいている中で、松江市立揖屋学校の取組を取材させていただいたものです。6分程度のものです。こちらにお出での門脇委員さんにも出演していただいているものです。
 それから、二つ目は、たくさんの資料がありますように、学校図書館担当職員の業務の現状を把握するために学校司書でいらっしゃる委員の方々からお1人15分程度ということで、ふだん従事されている業務の内容について発表をしていただきます。たくさん用意していただいているのに15分ずつというのは本当に申し訳ないんですけれども、きょうは皆さんにお話を、5人の方々にお話を頂くということです。
 それから、最後の1時間程度で、前回の会議にお出しいただきました御意見も踏まえて、自由討議に移りたいと思います。
 そういう3本柱で行きたいと思いますが、きょう委員さんに持ってきていただいたマニュアルとか、あるいは、堀川のほうで、ちょっと昔のものもありますけれども、各地で出されているマニュアル、あるいは事務局で用意していただきました、「子どもの読書サポーターズ会議」、以前に平成19年から20年にかけて文科省に設置された会議ですが、それのまとめたもの、各教育委員会、学校へ配付しました広報のパンフレット、そうしたものを順に回覧したいと思いますので、議事の進行中ではありますが、ごらんいただいて、お隣の委員さんに回していただければと思います。
 それでは、DVDの上映に入る前に資料1をごらんいただけませんでしょうか。これは前回出された御意見、記録を見せていただいてまとめたものなんです。ちょっと見ていただけないでしょうか。資料1の一番上のところ、これは前回配付資料の中から取り出したものです。趣旨と、それから調査研究事項です。これをもう一度確認ということで。そして、その下の「事務局から」ということ以降は、前回の会議の発言、記録の中から取り出したものです。「事務局から」、そして、その後は皆様の御発言なんですが、その発言の内容を、黒いダイヤ印で書いておいた「重要性に関する発言」と、それから、調査研究事項の(1)の「役割・業務に関する発言」と、それから、(2)の「質の確保を図るための方策に関する発言」、そして右下のところ、「報告書に関する発言」という、そうした大きく四つに分けてまとめてみました。そして、こうしたことを踏まえて、左下の点線の部分ですが、報告書を最後のところでまとめるということになります。
 これは例えばなんですけれども、こんな現状と課題とか、学校図書館及び学校司書、司書教諭の役割とか、あるいはそれに向けた方策とか、まあ、提言と書いてありますが、事例など、そうしたものが出てくるのではないかと思います。
 そしてもう一つ、前のサポーターズ会議のときの広報のパンフレットですか、それを回覧していただきますけれども、そうした何か報告書プラスアルファのものも作成できる余裕があるようですので、この辺も、誰に向けたものを、どういう形で、中身はどうするかという、そうしたことも頭の隅に入れといていただけたらと思います。
 そして、報告書の中で、提言というように書いておいたんですけれども、例えば(2)の「質の確保を図るための方策に関する提言」のところを見ていただけますか。それの6つ目に、例えばですけど、こういうような御発言がありました。学校司書というか、学校教育に関する業務に携わるためには、司書の資格だけではその仕事が、その業務が網羅できないのではないかといった、こうした資格、あるいは養成の問題を指摘するような御発言がありました。こうしたことも報告書の中の提言に盛り込むことはできるわけですよね。資格の問題、それから養成の問題という、制度の問題というのを私たちは議論しませんとは最初に確認をしましたけれども、それについてここで何かまとめるというのではなく、質の確保を図るための方策としてはこういうことを考えなくてはいけないのではないかという、そうした提言は報告書の中に盛り込むことはできると思います。(2)のところでは、いろいろな論点が出ています。そうしたことをここの中で話し合いをすることによって報告書の中身が作られていく。当然なんですけれども、皆様の御意見とか御提言の部分を厚くしていきたいと思います。ただ、ここの会議は、文科省の協力者会議ということで、立場上そこまでは踏み込んでいませんよというようなこともあるかと思います。でも、その判断は事務局のほうにお任せをして、私たちはとにかく現時点で私たちが考えられるよりよい一番いいものを出していき、それをまとめる。ただ、声が上がらないことには、次回(1)について、骨子案をもう既に、時間が短いものですから、骨子案を出させていただきたいと思っていますが、御発言のないものについては言えないわけですね。だから、皆様の中でいろいろなお考えがおありだと思います。それを全て出していただけたらなと思います。それをぜひお願いしておきたいと思います。
 それでは、6分ぐらいのものですけれども、DVDを見ていただけたらと思います。用意をお願いいたします。
(DVD上映)
【堀川座長】
 ありがとうございました。これに関しての何か御質問とか御感想があればまた後で聞かせていただきたいと思いますが、それでは、次の2番目の柱というか、きょうの2番目のところで、学校図書館担当職員の委員の方々からお1人15分程度で御発表いただきますが、ちょっとその前にまたもう一度、先ほど見ていただいた資料1を見ていただけますでしょうか。前回の振り返りのものなんですけれども、右下に「報告書に関する発言」ということで書いてあります。三つ目のところに「専門性の違いをアピールする」。それから、ちょっとここに書き忘れましたが、業務は一般化することはできないと。だから、一番下のところで、小中高、類型化するといいのではないか、あるいはレベル別にまとめるといいのではないかというような意見が出ていました。レベル別というのは、例えば資料の提供だったらば、基礎、標準、発展、この名称はちょっと分かりませんけれども、そういう何か3段階ぐらいに、学校図書館の整備だったらば、基礎はこれはやらなくてはいけない、標準的には、発展的にはというような、そういうレベル別にというように思っていたものです。小中高の類型化って、平久江先生にちょっと説明をしていただきたいのですが、急に言っても困りますよね。
【平久江委員】
 いや、この小中高の類型化ということなんですけれども、小学校ですと全教科担当制ということですし、中高になってくると教科担当制ということで、教員の関わりがまず違ってきますので、やっぱりサポートの仕方も変わってくるのではないかなと考えておりまして、ですから、やっぱりそうしたよりきめ細かい対応をしたほうが、それが役に立つ形の類型化ができるのではないかと考えております。
【堀川座長】
 分かりました。学校図書館という一まとめではなくて、小学校、中学校、高校というように分ける必要があるだろうというような御意見でした。
 このほかにもいろいろなまとめ方、まだまだあります。その辺を頭の隅に置いといていただいて、どういうふうにまとめればいいかというようなことも頭の中に置いていただいて、そして、きょうこういう資料(サポーターズ会議報告書の図)も用意していただいています。この前にも配付されていましたけれども、ちょっと余白を多くしていただいて、皆さんが作業用に何かここに書き込めるような形にしてあります。どのように使ってくださっても結構です。
 それでは、お1人15分程度でふだん従事されている業務について発表していただきたいと思います。発表に対する御質問等は、5名の皆様全ての発表が終わった後でということでお願いしたいと思います。それでは、加藤委員さんからお願いします。
【加藤委員】
 岡山県津山市立北陵中学校、学校司書の加藤です。15分で、網羅的な話はできないので、柱を立ててお話ししたいと思います。
まず学校司書の基本的な仕事についてです。一番基本的で一番大事にしているのは、公共図書館などすべての図書館に共通するところの、利用者が必要とする資料を確実に迅速に手渡しするということです。
 その前提として、マル1だれでも、いつでも、必要なときに利用できる学校図書館をつくることを心がけています。そして、利用者への徹底した資料提供を通じてめざしていることは、マル2資料を手渡しすつことで、利用者が主体的に学び、考え、主権者として判断し行動することを支える。マル3資料を手渡しすることで、学校の教育課程の展開に寄与する。この二点です。
マル1の、「だれでも」というのは、例えば私の学校のことを考えると、外国から日本にやってきたばかりで日本語が理解できない生徒がいます。この生徒が理解できる資料を提供するということがあります。あるいは、長期にわたって学校を休んでいる生徒にも、必要な資料がないかということを尋ねながら資料を提供します。足を骨折した生徒は3階の図書館まで来ることができないので、その子のところに、必要な資料を届けに行きます。弱視の生徒には拡大文字の見やすい資料を提供します。そういうことを含んでの「だれでも」です。
また、「いつでも」というのは、生徒や教職員が学校にいる間は、必要なときにいつでも使えるように図書館を開館して活動をしているということです。もし学校司書が非常勤や臨時職員で、勤務時間の関係で図書館を開けることができない時間帯があるとしたら、その間図書館は機能しません。それは大変問題だと思います。
 また、夏休みも職員研修などがない限りはいつでも開館をして、生徒も教職員も利用できるようにしています。新入生、つまり小学1年生や中学1年生に対しても、入学後できるだけ早い時期に学校図書館オリエンテーションをおこない、図書館を利用できるようにします。卒業生には卒業間際まで図書館利用を進めています。
 マル2「資料を手渡しすることで、利用者が主体的に学び、考え、主権者として判断し行動することを支える」について、若干の補足をします。だれでも、いつでも、必要な時に利用できる図書館をつくるのは、図書館が頻繁に使われるということ自体が目的ではありません。資料を手渡しすることで、利用者が主体的に学んだり、考えたり、主権者として判断して行動できる人になることを、図書館の活動あるいは図書館の資料が支えるということを目指して活動しています。
教職員に対しては、資料を提供することで学びが豊かになる、創意工夫に富んだ授業が行える、そういう支援をと考えています。それが、マル3で示した「資料を手渡しすることで、学校の教育課程の展開に寄与する」ということです。
以上マル1マル2マル3が、学校司書の基本的な仕事として大事にしている軸になる部分です。
 次に、現在私が学校司書として行っている仕事を、大きく三つに分けて話していきます。一つ目は、「徹底した資料提供」。二つ目は、「学校図書館を活用した学習への参加」。三つ目は、「日常的な図書館活動の充実」です。
まず、「徹底した資料提供」についてです。生徒と教職員の読書や探求活動に帯して、徹底した資料提供をおこないます。求められた資料は必ず提供するということです。子供たちの内的なものがぐっと膨らんで、今このことを知りたいと思う時機を逃してはいけないと思います。授業で学習したときに膨らんだもの、あるいは日常的に興味・関心を持ったもの、その時々に適切な資料を手渡していく。それも徹底的に。そんなことには関心を示さなくてもいいとか、そんなものは読まなくてもいいとかというような、大人の判断から、教育的配慮と言えば言葉はいいですが、子供の知りたい事柄や読むべき資料を選別するのではなくて、子供たちの内から起こる知的好奇心を大事にして資料を提供するということ。図書館は、一人ひとりの内からわいてくる自発的な知的好奇心を大切にしたいと考えています。
 二つ目「学校図書館を活用した学習への参加」は、まずは授業の内容を深めたり広げたりできる資料の収集が必要です。そのために学校司書は、小学1年生から中学3年生まで、授業でどういうことを学習するのかということを、教科書や指導書を読んで把握します。そして、学習に関連した資料をあらかじめそろえておきます。そして、学習時期には教職員に向けて資料紹介をしていきます。それにプラスして、授業者からの「こういう授業をしたいから、こんな資料があったらいいんだけどな」という資料要求に、そのときそのときに答えていきます。
 そして、資料があってもその使い方が分からなくて学習が進まないということがないように、子供たちに資料の使い方を紹介します。一斉に向けて紹介することもあるし、一人ひとりに向けてレファレンスワークとして、一緒に調べながら資料の使い方を話すこともあります。
 「資料を活用しての授業への参加」は、授業者にこんな資料がありますと提供するだけではなくて、その資料を子供たちに紹介することもおこないます。例えば調べる学習の前に、子供たちが調べてみたいという気持ちが起こるように、その資料の読み聞かせをしたりブックトークをしたりします。資料の内容を知ることで、子供たちは調べてみたいという気持ちが湧き起こるとともに、こんな資料があったら自分は調べられるという見通しが立ちます。こうした活動を「指導」という言葉を使わなくても、司書の仕事としてごく当たり前に、授業の中での「資料提供」として行っています。
 また、調べる学習に合わせて、図書館内に学習に関連した資料を展示したり、関連した図書館行事したりします。
 では次に、三つ目の「日常的な図書館活動の充実」についてです。二つ目の授業への関わりはとても大切ですが、授業だけで図書館の利用を進めていたのでは、子供たちは、こちらが思うほど主体的に調べたり学んだりするようにならないような気がします。では何が必要かというと、子供たちが日常的にいつでも図書館を使って、読んだり調べたりを楽しめることだと思います。本当に読みたいときに読みたい本を読むことができる、知りたいと思ったときに図書館を使って調べて納得することができる。学校司書はそれを一つ一つ、一人ひとりの要求と向き合って、確実に、丁寧に、一緒になって楽しみながら、一緒に調べるということが求められていると思います。そして、図書館に行けばわかるんだ、自分で調べることができるんだ、一つのことを知ったらもっと次のことが知りたくなるんだということを、子供たちが体験を通して実感するのがとても大切だと思います。
 そのためには、子供たちが学校図書館に来て書架を回っているときに、「あっ、こんな本もある」とか「読みたいな、これ」とかと感じられるように、気持ちがわくわくするような蔵書を形成していく必要があると思います。
 例えば坂本龍馬のことが知りたいと思ったら、龍馬に関する資料がたくさんあり、その近くには武市半平太の資料があったり、土佐勤王派のことや、幕末に活躍した人たちの資料が並んでいたりする。そんなふうに、一つのことに関連してどんどん興味が広がるような書架、蔵書を組織化するということが大事だと思います。
 次に、日常的な図書館サービスについてです。予約を行い、読みたい本は必ず読めるようにすること。レファレンスワークで、子供たちが知りたいと思ったことは、分かったという実感が得られるようにフォローすること。そして、図書館のネットワークを整備することを行っています。私の勤務する学校は蔵書が12,500冊ほどの小さな図書館が、生徒や教職員はそこを窓口として、ほかの小中学校、市立図書館、県立図書館、世界の図書館の資料とつながることができます。こういうネットワークを使っての資料提供を、学校司書は担っていると自覚しています。
 さて、子供たちが、図書館の使い方が分からないから使わないというところでつまずかないように、年度当初に各クラスに向けて図書館オリエンテーションを実施します。図書館を使いたいと思ったときには尻込みせずに使える、図書館をもっと使いたくなることを目指しています。
 日常的な図書館活動で、図書館のはたらきを広げる可能性を感じているのが、図書館行事です。子供たちが今どんなことに興味を持っているかをキャッチしたり、授業で学習した内容をどのように広げることができるかを考えたりして図書館の行事につなげていきます。
 特に最近では、自分の住んでいる地域のことを知っていこうという流れがありますから、図書館としても、地域にどんな人がいるかということを把握し、その人たちとも協力をして、子供たちの学びを豊かにすることをすすめています。例えば津山市でしたら、箕作阮甫という洋学を広げた人物がいます。郷土の歴史研究家や博物館の学芸員の力を借りて、「箕作阮甫を知ろう」という行事を行いました。知識豊富な研究者が元甫について、幕末にアメリカのペリー来航やロシアのプチャーチン来航に関わり、重要な外交文書の翻訳にあたっていることや、漢方から西洋の医学への変換期に新しい知識を学んで伝えた人であることなどを多角的に話してくださいました。生徒は、津山藩の藩医であることしか認識していなかった元甫が、にわかに調べるに値する人物だと感じたようです。また、元甫を知ることで、幕末という時代が自分たちとつながっていることも感じたようです。
修学旅行に沖縄へ行くときには、三線を演奏される方とか、琉球の舞踊をされる方とか、沖縄のガマをずっと調査している方に、行事に参加していただき、中学生も一緒に演奏したり研究発表をしたりして、沖縄のことが網羅的に分かるような図書館行事を開催するということを行っています。
 「日常的な図書館活動の充実」の最後として、広報活動について話します。図書館だよりや新着図書案内、学校の校内放送やテレビ放送など、複数の手段を使って、図書館から伝えたいことが全ての人に伝わるように、お知らせをします。広報の内容は、図書館で行っている展示や図書館行事の案内、新着図書やおすすめの本の紹介、図書館や本に関連したクイズ、レファレンスの記録、図書館利用の様子などです。心がけていることは、事務的なお知らせで終わらせないことです。広報を見たり聞いたりした人が、学校図書館のいきいきした様子を感じたり、読書の楽しさや知ることの喜びに気づいたりしてもらえるようにしています。図書館から足が遠のいている人が、「図書館でこんなことも調べられるのか」「この本借りに行こうかな」「今度の図書館行事楽しそうだな」「図書館に行ってみるか」という気持ちになってくれたら、成功かなと思います。
 私のレジュメの最後に、「具体的な仕事(子どもの読書サポーターズ会議を意識して)」をのせています。この調査協力者会議の第1回の資料に、サポーターズ会議で提案された「学校図書館の専門スタッフとボランティアの役割分担」がありました。その資料では学校図書館の仕事を、「図書館経営」「図書館奉仕」「読書指導」「教科指導」の四つに分けて、「司書教諭」「学校司書」「ボランティア」がそれぞれどんな仕事を担うかが表されています。そこで、サポーターズ会議の分類にそって、現在私が学校司書として行っている仕事を整理してみようと試みたのが、レジュメに載せたものです。
自分の仕事を整理しながら、学校図書館の仕事を「図書館奉仕」「読書指導」「教科等指導」に分類することの難しさを感じました。これまで自分は、「読書指導」「教科等指導」にあげられている仕事のほとんどを、「図書館奉仕」(私は、図書館サービスということが多い)に含まれる「資料提供」としておこなってきたからです。「資料提供」は図書館のはたらきの最も重要なはたらきで、具体的にあげると多くの仕事内容を含んでいます。私は、指導とサービスに分けて考えることができません。
また、「読書指導」と「教科等指導」の線引きも難しさを感じています。本を読むことで、教科の学習を広げたり深めたりすることを体験してきたからです。教科書を使って生徒が学習する内容と、本に表わされたさらに広い世界とを結んでいくことが、学校図書館のできることだと考えて、資料提供を行っています。
時間がなくなりましたので、あとは勤務する学校で使った資料をつけているのでご覧ください。学校図書館を活用したら、どんな学びを展開できるのかを、行内研究で教職員も学校司書も一緒に考えながら、教科での学校図書館活用を模索しています。
【堀川座長】
 ありがとうございました。今お聞きしただけでも、この図でいうと、教科指導のここの部分がやっぱりたくさんあるなと。そして、ここと日常的な指導とがつながっているというのを特に感じました。皆様方にもいろいろ御意見がおありかと思いますが、それでは、次、門脇委員さんにお願いしたいと思います。
【門脇委員】
 失礼します。松江市立揖屋小学校の学校司書をしております門脇久美子と申します。よろしくお願いします。
 先ほどDVDでも紹介していただきましたけれども、あの学校の学校司書をしております。あのDVDに登場しておられた先生方はもう1人もいらっしゃいませんが、それでもまだ図書館活用教育は顕在で、活性化して続いています。
 では、報告を始めたいと思います。
 私は学校司書になって11年目です。揖屋小学校での勤務はことしで8年目になります。勤務形態は、松江市の嘱託職員で、勤務時間は週29時間となっています。専任の学校司書として働いています。
 本校の児童数は385名、学級数は特別支援学級3クラスを含む15クラスあります。島根県では中規模校に当たります。
 現在司書教諭が3名発令されており、そのうちの1名はほぼ専任の形で動ける司書教諭です。
 揖屋小学校は、7年前から図書館活用教育を校内研究に据えて全校体制で取り組んできました。これまでの校内研究の歩みを簡単に図にまとめると次のようになります。上が校内研究のプロセスです。校内研究が継続してきた背景には、こうした下に表しておりますたくさんの取組があります。この一つ一つを先生方と協力し、実のある成果に結びつけてきたということがあります。その原動力となったのは、専任の学校司書の配置、それから、専任の司書教諭の配置など、人の配置があったことが大きな要因です。加えて管理職のリーダーシップ、それに伴って、図書館を取り巻く校内の体制がスピード感をもって充実したこと。そして、資料も充実し、授業との連携が進んだということが挙げられます。
 こうして校内での活用教育への意識が高まったという流れがあります。
 本校では毎週1回、どのクラスも優先的に図書館が使える図書の時間があります。これによって授業での活用が計画的に進められるようになっています。各クラスの国語の時間に合わせて時間割が組んでありますが、担任の裁量で、総合や社会、生活科、図工や音楽など、いろいろな教科で活用されています。毎回の授業では、3者が連携して教科の目標に向かいながら、情報を活用する力を付けています。
 本校の図書館の概要につきましては、このシートの左側にデータをまとめています。お手元に資料をお配りしてありますので、後ほどごらんになってください。資料3というものです。
 研究を始める前の図書館は読書中心の作りでした。授業で活用するとなると、不都合なことが多く出てきました。そこで改良を重ね、現在は大きな表示や各種情報機器も完備して、先生にとっては指導しやすく、子供にとっては分かりやすい、そういう図書館に変わりました。休憩時間には楽しい読み物をゆったりと読んだり、自学をする児童には、新聞、ファイル資料、月刊誌など、多様な情報源を準備して、出会いが広がるようにしています。また、さまざまな情報機器が自由に活用できるようになっていますので、授業の続きでプレゼン練習をしに来る子もいます。
 このように、毎日いろんな目的で図書館にやってくる利用者のため、図書館の整備拡充は必要不可欠です。しかし、図書館整備には大きな予算が必要になりますので、司書教諭とともに、周囲に必要性を説明し、拡充への協力も取り付けるように働きかけも行っています。
 図書館を整備することは、学びの文化を作ることでもあると思っています。本校では上の図のようなコンセプトで改善の目的を明確にしながら取り組み、徐々にレベルアップするようにしています。現在は、図書館に来れば、知りたいことが分かり、使いたいものが使えて、したいことが広がる、そういう意欲を刺激する図書館という段階で頑張っているところです。
 司書教諭も、自主学習コーナーにワークシートやカードを作っておき、主体的な学びを促進する働きかけをしています。
 近年、本校の図書館では、休憩時間に調べ遊びをする子供たちの姿が多く見られるようになり、私は活動を通じて図書館という場が児童の学びに与える影響が大きいものがあると実感しています。
 本校では授業の前の打ち合わせは欠かせないものになっています。この図は一つの授業ができるまでを図にしたものですが、まず担任の授業の略案をもとに、この授業の狙いをみんなで確認します。さらに児童の学習状況や調べ学習にかける時間、資料の読み取りに支援が必要な児童への対応など、授業の中での3者の動きや、授業のゴールのイメージなどを聞きながら、授業の輪郭を明確にしていきます。
 学校司書は打ち合わせの中で、これまでの授業の略案やワークシート、授業の板書や学習プロセスの写真、児童の作品など、そういうものをセットして保存しておりますので、それを出してきて提示します。これによって先生方は授業のイメージがつかみやすく、授業計画が立てやすくなるというよさがあります。新しく本校に赴任された先生も、授業に取り組みやすくなるということで、とても好評です。
 また、授業で使う資料については、内容や特性を説明していきます。時には司書ならではの視点で、教師がモデルを提示する場合、どの資料のどの部分をどう生かせば効果的になるかというような提案をすることもあります。授業後も改善点を話し合い、データを残していきます。こうした打ち合わせを行うことで、より質の高い支援を目指しています。
 実際の授業を例にお話しします。この授業は、6年生が修学旅行に行くのを前に総合的な学習の時間で平和学習に取り組んだときの様子です。原爆や戦争について書かれたたくさんの物語を読み、その中で自分が心を動かされた1冊を選び、友達に紹介するという授業が計画されました。そのとき担任は、ただ本を紹介し合うのではなくて、話の中の出来事について、別の本や資料も示しながら、相手に説得力のある紹介をさせたいと考えていました。ややもすると、単に数字のデータを羅列した安易な意見や感想を述べて終わりということも起こりがちだったからです。
 それを受けて司書教諭は、図に書いておりますような情報活用スキルを育てたいと考えました。学校司書は、資料を準備するのに当たり、図の一番下にありますが、そういうことを視野に入れて資料を準備しました。そこに挙げております中で、特に時間をかけて収集した資料としては、児童にとって遠い出来事である戦争時代のことを自分の身に引き寄せて考えてもらいたいと願いましたので、本に描かれていることを具体的にイメージできる写真や資料を準備しました。そういう実物資料というのを時間をかけて集めました。そういうふうに幅広く資料を準備して、200冊ぐらいそろえました。
 授業の導入部分ではブックトークを行い、たくさんの本を読んでいくよう、意欲の喚起を行いました。
 そして、200冊以上ある関連資料の中から、児童が本を探しやすいようにリストを作り、提供しました。
 授業の中では、課題に応じた情報が取れているのかを確認したり、児童との対話を通じて、要旨が明確になっているか確認したり、内容をまとめる支援を行ったりしました。
 途中でテーマを変更した児童や情報が不足している児童への対応、発表時の本の紹介の仕方、情報活用の場面を中心に児童をサポートしていきました。
 担任、司書教諭と常に授業の学習の進み具合を確認しながら、最終ゴールに到達するまで授業に関わりました。
 この授業の中で、児童はとても意欲的に本を読み進め、1カ月の間に平均10冊は読んでいました。そうするとことで、原爆の被害の場面を説明するときに、ただかわいそうでしたといった紹介の仕方ではなく、数字のデータを織り込んだ説明をしたり、写真資料を示しながら、このことから当時どんなに大変なことであったのかが分かりますといった具体的な説明を交えての発表ができていました。
 ある子供は、「授業の前は戦争の本を読むのはつらいことばかりで嫌だと思っていたけれども、たくさんの本を読んで気持ちが変わってきた。ただ何となくじゃなくて、何が嫌なことなのか、その意味が分かった。平凡な日常が奪われることは怖いことだと思う」と、自分の心の変化に気づき、意見を述べていました。
 このように3者が専門性を生かして授業に関わることで、学習がより豊かに行え、一人一人の学びを高めていくことができると考えています。
 しかし、研究を始めたばかりのころは、6年生といっても、図書館を授業で活用する経験が少なく、調べ学習をしても、資料が探せない、読めない、集中力も続かない、でき上がった作品も評価に値しないといったことが頻発しました。先生にとっても子供にとっても徒労感が強く、調べ学習と聞くと、「超ウザイ」「マジだるい」という子供の声が聞かれるほどでした。丁寧に個別支援を行って、本に向かう姿勢作りから関わって、分かる喜びを実感してもらうようにしました。
 やはり低学年のころから積み上げが大事だということで、現在は、1年生から正確に本を読むこと、資料の探し方やまとめ方、発信の仕方など、情報活用の基礎・基本を授業の中に織り込んで実践しています。
 こういったスキルの指導は、発達段階に応じて体系的に積み上げられてこそ、生きて働く力になります。本校では、松江市の図書館を活用した学び方の指導体系表に沿って、各学年の担任が司書教諭とともに年間指導計画を作成しています。
 図書館では、授業とはまた違った雰囲気の中で楽しみながら進めていける読書活動がたくさん展開しています。「次はこれを読もう」と言って計画的に読み進めていく子もたくさんいます。右上の写真は、図書館にお薦めの本のリストを持ってきて、読んだものから赤く塗りながら、次に読む本を探している子供の様子です。その隣は、みんながどんどん本を読むので、本棚がからっぽになってしまい、「読みたい本がいつ来てもない」と言って地団駄を踏んでいる子供の写真です。
 このように意欲的に読み進めている子がいる一方で、読書への意欲が低い児童もいます。そういう児童は、じっくりと関わりながら、読書を支えていく必要があります。
 支援の具体は、まず担任と相談の上、司書教諭と学校司書が毎朝の朝読書の時間に一緒に本を読んであげることから始めます。そして、本の楽しさから伝えていきます。そして、少しずつ主体的な活動へ進むように運んでいきます。
 左側の表は、3カ月間の読書の傾向を把握するためのデータです。こうしたデータから読書の傾向をつかみ、低学年の早い時期から支援をしていきます。読書離れを防ぐようにしていきます。そういった支援の内容は記録に残しながら、変化の兆しがどういう働きかけによって見えてきたか記録し、情報共有に役立てています。
 毎日子供たちの様子を見ていると、国語の時間には教科書がすらすら読めていても、図書館の本が同じように読めるかというと、必ずしもそうではないなと思うことがあります。授業の中では周囲が同じ本を使うので、理解が進みやすいのですが、いざ1人で読むと、たどたどしくなることがあります。そういうことでは本の中から必要な情報を取り出すことも難しく、学習への意欲も低くなりがちです。また、自分で図書館へ出向き、読む本を決めて、手続をして、読んだら返す、そういった行動自体、強く促されないとできない児童もいます。
 さまざまな個性を持つ子供たちの意欲を引き出しながら読書習慣を定着させていくのは簡単なことではありませんが、一人一人に合う方法を探りながら個別にサポートしています。
 図書館の活用が進んでできる児童には更なるステップアップを支援する一方で、読書意欲の低い児童には次のような働きかけを行っています。毎日一緒に読み、内容を話しながら楽しさを伝える。本を探し、選ぶということを一緒に行ったり、困ったことをどのように聞き、どのように振る舞えばいいのか、行動のモデルを示す。児童に合う本を紹介したり、読書の計画を一緒に立てたりする。予約や取り置きなど、図書館のサービスを教えながら、いつでも本が受け取れるようにする。そういうことを行って、児童の困り感に応じたスモールステップを考えて、苦手意識を軽減するように支援しています。
 この写真のように、学校司書は図書館に関する統計や記録を取っています。このようなデータや記録は図書館活動の状況を物語るものです。司書教諭や担任の先生とともに、取組の状況を振り返り、話し合う材料にしています。
 また、資料のリストも作成しますが、本の種類をただお知らせするだけではなく、資料の内容も分かるようにしたり、テーマに応じて活用度を示し、どの児童に、どの資料を手渡せば有効的か、分かるようにして渡したりしています。データを継続して収集し、取組をよくしていくための判断の材料として活用しています。
 写真でごらんのように、本校ではあらゆる授業で図書館活用が行われています。一つ一つの授業の狙いは異なりますが、私たち図書館担当者は、常に情報活用能力を育む場面で指導や支援を行います。私たちは一つ一つの授業の中で、この授業で子供たちにどんな力を付けるのかということを明確にして臨んでいます。そして、その力を付けることは、豊かな人間性を育むことに結びついていくことだと考えています。
 図書館が授業で活用されることが増え、学校司書も授業との関わりが深くなっています。多くの学校司書の場合、司書の資格を持って業務を行うことが多いので、「学校現場は初めてです」という方もいらっしゃいます。非正規で働く時間が短い。複数校兼務で打ち合わせが十分にできないという声も聞きます。そういう困難な状況の中で働く司書もたくさんいます。
 ここに挙げている図は、一つの授業が行われる背景にある教育的に重要な要素をピックアップしてみたものです。私自身は、不足する知識をこうした事柄について自分なりに理解を深めながら、図書館と教科学習の連携を強めるようにしています。
 この7年間で児童の姿は大きく変わりました。全校全ての児童が本に親しみ、読書量が伸びたのはもちろんのこと、自分で調べて、そこから意見が持てるようになってきました。全校を挙げて取り組み、全ての児童にこうしたスキルを浸透させていることが何よりの成果だと思います。今後は、その質を高め、児童の学びがより豊かになるように支援したいと思っています。
 最後に、学校図書館が育てる力というのは、全ての学習の基盤になる力です。その力は、学校図書館が本当に機能することによって培われていきます。そのためには、図書館の土台をしっかり支える専門性を持った学校司書の存在は欠かせないと思います。本校には専任の司書教諭がいて一緒に働いていますが、多様な授業のニーズに対応しながら、一人一人の読書を豊かに支えるために、2人とも毎日フル回転している状況です。現在教育に求められている言語活動の充実をより豊かに図るためにも、担任、司書教諭、学校司書による協働こそが学校図書館に寄せられている期待を実現していく鍵になるのではないかと考えています。
 以上で報告を終わります。御清聴ありがとうございました。
【堀川座長】
 ありがとうございました。司書教諭が3名いらっしゃるということでした。個々の子供たちのニーズに対応した細かな支援、指導が行われているようです。
 それでは、次に、真鍋委員さんにお願いします。資料の4-1でしょうか。そちらでいいですか。はい、お願いします。
【真鍋委員】
 高松市立前田小学校、香南中学校の学校図書館指導員をしています真鍋と申します。よろしくお願いします。
 高松市は、小学校が48校、中学校が22校の計70校あります。図書館指導員と申しましても、学校の状況に応じて仕事の内容はそれぞれで、研修会に行って、それぞれの学校の事例を交流していますと、例えば4年前から専任になっている学校さんでは、担任の先生とのTTで、授業参観の日には一緒にその様子を見てもらっていますというお話があったり、校内研究で図書について取り組んでいる学校では、中学校でも1人100冊は借りていますよというお話があったり、ああ、すごいなと思うところがたくさんあるのですが、私は兼任ということもあり、これから学校図書館担当職員を置こうとする学校に一番近いのではないかなと思っています。そのようなイメージで聞いていただけたらと思います。
 まず、学校図書館指導員、高松市の学校図書館指導員の職務、与えられている仕事については、参考資料にマニュアルから抜粋で入れておりますので、そちらを御覧になっていただけたらと思います。私は特に自分が勤務している学校で力を入れて行っていることを中心にお話しします。
 まず前田小学校の取組からです。前田小学校は、児童数が227名、支援学級2を含む学校数が10の小規模校です。
 11学級以下ということで司書教諭の先生の発令はありません。いつも図書主任の先生と相談をしながら仕事を進めています。
 学校図書館指導員は、週3日、1日6時間ずつの勤務になりました。私の前任の図書館指導員までは週2日の勤務でした。週2日、1日6時間というと、週に12時間ということになるのですが、学級が10あって12時間ということは、それぞれのクラスが来たら、もう残り2時間しか残らないのですね。その中で、本の購入の計画を立てたり、廃棄に当たる本を抜き出したり、それから、本の修理をしたり、毎日の整備をしたりするのはとても大変だっただろうなと思いました。
 引継ぎをした時に、資料では蔵書数8,272と書いてあるのですが、実際に図書館にある本は7,000冊を切っていますと伺って、びっくりしたのを覚えています。といいますのも、学習センター、読書センターのほかに、玄関に軽読書用の本があったり、保健室にも資料があったり、それから、学級文庫もあり、それがあれこれ、何か整理がつかないというか、点在しているのではないかなと感じて、最初の1年でまず蔵書をきちんと把握して整理するところから始めようと考えました。
 着任の挨拶のときに、子供たちに、「図書館を今日見てびっくりしました。本がきれいに並んでいますね。1冊も落ちていませんね」。そんなふうに声をかけて、本を大事にしてほしいんだよということを子供に伝えました。
 子供たちに本に親しんでほしいし、本を好きになってほしいなという思いから出発した前田小学校での勤務でした。
 まず本を大切にできるためには、自分が触れる本が汚いと大切にできない。図書室の本ももちろん修理するのだけれど、これまで手が回っていなかった学級文庫も、夏休みを利用して少しずつ修理して、子供が手に触れる本をきれいにできる環境の整備も力を入れました。
 もう少し子供たちの実態になるのですが、週3日図書館が開くようになってよかった、子供もいっぱい来てくれるなと思って、開けてみたら、実際は、休み時間も、昼休みも、2、3人の子がぽろぽろと来て本を読んでいるだけなんですね。(おや、こんなはずじゃないな)と思って様子を見ていたら、あるとき来た子供が、「先生、今、使ってもええの?」と聞いたんですね。「使って、今いいの?」と。そのときに、「いいよ、いいよ。どうして?」と聞いたら、「晴れた日は外で遊ばんといかんのやろ」と言ったんですね。晴れた日は元気に外で遊びましょうという約束があったということが分かりました。来てくれた子には、「もちろん図書室開いているんだよ。来ていいんだよ」と言ったのと、最初はちょっと残念に思ったんですけれども、反対に雨の日にはお昼の放送で、「今日は雨が降っていますから、教室や図書館で静かに過ごしましょう」という放送が毎回入るので、これをきっかけにビッグブックの読み聞かせをしたり、それから、紙芝居の読み聞かせをしたりして、図書館が楽しいというアピールをするようにしました。
 それから、もう一つ自分が何とかしたいと思ったのは、「読みたい本を選べない子供」についてです。図書室にだんだん来てくれるようになってきて、「先生、面白い本ない?」「面白い本いっぱいあるよ。何が好き? どんな本が読みたい? 前読んでいたのはどんなかな?」「分からん。知らん」。ブラウジングして、自分の好きな本に出会うというところまで行けない子供たちがすごくたくさんいるのが気になりました。
 その子たちに、まず自分が読みたい本を選んでもらえるようになろうというのも、自分の目当て、目標として今も頑張っています。
 それから、まず小学校だと週1時間の図書の時間に担任の先生が図書室に連れてきてくださる時間が多いので、その時間を生かして何か活動していこうと思いました。まずは、年度初めにオリエンテーションを実施すること。高松市が使っている東京書籍の国語の教科書では、4月、5月に「図書館へ行こう」という教材が全学年あります。それを担任の先生とTTで、学校図書館で行わせてもらいました。
 すると、2年生だと、「図書館の本は仲間ごとに分かれて置いているんだな。」4年生になったら、「本に付いているラベルって何か意味があるんだな。」6年生になると、「この本の分類番号というのは、日本十進分類法というのでできているんだな。」というふうに、だんだんと図書室について分かっていく。学年最初のその1時間だけが今定着しているところですが、そこからまず始めています。
 それから、図書の時間に図書室に来たら、本をたくさん紹介するということで、ブックトークや読み聞かせを実施しているのですが、司書の先生はよくお分かりだと思うんですけれども、1時間図書の時間をとっても、最後の15分ぐらい、本の借りかえに来ましたと来られることがあるんですね。でも、その時も短い3分ぐらいでできる本を1冊用意しておくとか、本のブックトークだけでもさせていただくと、担任の先生にすると、前もってお願いしていないから何か読んでもらうの悪いなとか、ブックトークしてもらうの悪いなというお気持ちがあるみたいなんですけれども、「来たときには、いつでもできますよ」というふうにしていたら、来るたびにそういう時間を取ってくださるということがあるので、いつでも対応できるように、長いブックトーク、短いブックトーク、長い読み聞かせ、短い読み聞かせ、準備しておくように心がけています。
 それから、資料の3番目に、「コミュニケーションのきっかけづくり」とあげたのですが、これは、児童とのコミュニケーションはもちろん、私は、授業で来る図書の時間というのは、先生方とのコミュニケーションをはかるとてもいい時間だと思っています。図書館を学校で活用してもらうためには、まず図書館がきちんと整備されているということ。それから、子供が図書館になじんでいるということ。それからもう一つ、先生方も図書館になじんでいるということが大事なことなのではないかなといつもひしひしと感じます。
 図書室に来てくれた日は、先生に、「○○ちゃん、なかなか本借りれなかったですけど、いつも読書の様子どうですか」とか、「そろそろ国語で『ごんぎつね』入りますけど、新美南吉さんの作品、図書室で読みますか。教室までお持ちしましょうか」というふうに、何かコミュニケーションをというふうに考えています。
 そして図書の時間で、だんだん図書室が楽しいぞと分かってもらえたら、休み時間も来てもらえるようにというふうに心がけています。どの学校でもなさっている読書のイベント、秋の読書週間のイベントももちろんですが、私は年度の初めに図書室が面白いというのをアピールするために、4月23日の子ども読書の日を大事にしています。読書クイズをしたり、今年は『びゅんびゅんごまがまわったら』という校長先生が出てくる本の読み聞かせで、校長先生にゲストに来ていただいて、校長先生クイズを子供たちとするという楽しい時間にしたら、たくさんの子供が来てくれて、面白かったようです。
 あと、これは図書委員の子が考えてくれたイベントで、図書室のキャラクターをみんなで作りましょうということで、最終的には「とんたくん」というタヌキのようなキャラクターができました。本がすごく好きなので、頭に葉っぱの上に本が載っているそうです。今では、図書室に来ると校長先生が作った立体のとんたくんがあったりして、それに会いに来る子がいたり、図書だよりの中にも登場したり、それから、読書目標を達成したときには、このとんたくんのマークが付いた名前札を廊下に貼り出してもらえたりということで、子供たちになじんでいます。
 それから、図書館が子供たちが何か参加をできる場所にしたいと常日頃から思っています。図書室に「お薦めの本の木」という大きな木を作りまして、そこにお薦めの本カードというのを置いています。これは来た子、誰でも書いていいんですが、お薦めの本を書いて、そこに貼る。みんなに見てもらう。自分のお薦めの本が書いてある。書いた子は御褒美でしおりがもらえるというおまけ付きなのですが、そんなふうにお薦め本の木をしたり、それから、毎月出している学校図書館図書館だよりの中に本の説明と、ことしは国語の授業でも取り上げることの多い俳句、「今月の俳句のコーナー」を作りました。季語も紹介して、みんなもこの季語を作って5・7・5うまくできたら、図書館に書いて持ってきてねというふうにしたんです。そうしたら、たくさんの子が持ってきてくれて、それを活字にして貼ってもらえるのがうれしくて、今ではいろんな子が応募してくれています。それは翌月の図書だよりの裏に活字になって載るので、おうちの人にも見せる張り合いができて、たくさん応募してくれています。
 また、まだなかなか字を読むのが難しい1年生は、『ほんとのおおきさ』という絵本の読み聞かせをしたときに、どのぐらいの大きさかなという自分と背比べをするコーナーも図書室に作って、今では図書室を訪れては背の高さを測っている子もいます。
 それから、図書室が何か本をはやらせるという視点で伝えられたらいいなと思っています。ゲームのように子供が好きなものは、ほおっておいてもはやって、友達同士で、「あれ知ってる?」「あれもう読んだ?」「あれ見た?」と言っています。そのような雰囲気が本でできたらすてきだなと思って、いつも何か子供の心に引っかかる本のはやりがないかなというふうに目を光らせて探しています。
 図書館の大事な役割として、先程の委員の先生方の発表を聞きながら、ああ、本当にすごいな。私の学校はこれから頑張るところだなと思ったのですが、先生方をサポートする図書館として役割を果たそうといつも頑張っています。年度の最初に、調べ学習の資料リクエストのカードをお渡ししてはいるのですが、なかなか実際のところ、これを使ってはいただけない。それよりも、私が勤務している日に、直接「先生、あの本ある?」と言われることのほうが圧倒的に多いです。そんなふうに声をかけていただいたときは、すぐその日のうちに返事をする、迅速な対応ということを心がけています。学校になければ、「県立図書館に予約しました。いつ頃借りてきます。市の図書館からこれだけ借りられます」というふうに、すぐお返事できるように気を付けています。
 それから、過去に使った参考資料、「去年の4年生は今ぐらいの時期にこれ使ったんですか、どうですか」というふうにこちらからお声をかけたり、今年は図書主任の先生が、図書利用指導の体系表という月別の計画表を作ってくださいましたので、これを見ながら、「先生、今月の計画はこれになっていますが、この本どうですか」というふうにお伺いするようにしています。
 今後の課題としては、継続的に図書館を整理していくということが大切だろうと思っています。それから、最初に読みたい本を選べないというお話をしたのですが、読みを深めるということがとても難しいなと思っています。例えば6年生になって『かいけつゾロリ』をずっと読んでいるとか、『怪談レストラン』をずっと読んでいるとか、それが好きな本であればもちろん構わないんだけれども、何か読みを深めるということをしてほしいなと思っています。それで今年は、国語の教科書にそれぞれの学年で紹介されている本があるのですが、この本をそろえて一覧にして紹介しています。でも、いきなり全部読むというのは難しいので、5冊読めたら達成賞をもらえますよ。達成賞を使ったら、1冊図書の貸出が増えますよというふうにしています。ただ、数をどんどん読めば、それが実際に読みが深まっているかといったら、すこし違うと感じています。今後もっと工夫のしようがあるかなと思っています。
 それから、情報活用能力の育成という視点を持つということはすごく大事だと思っています。私の学校は、兼任ということもあって、なかなかすぐにというわけにはいかないんだけれども、それが目指すところだという意識を持っていれば、できることがあるように思います。例えば今年、夏休みに来た6年生が、「うどんの作り方を調べたいと思っています。本ありますか」と来ました。そのときに、「うどんの中でもテーマ決まっている?テーマをまず決めてみるんだよ」とか、「何か調べたいときには百科事典の索引巻を使ってみると、その言葉のところに関連する言葉が近くにあって、何か視点が広がるかもしれないよ」とか、「インターネットで調べるときは、注意することもあるんだよ」とか、個別に支援することもできます。ある2年生は今週月曜日に図書室に来て、「先生、亀拾ったんやけど、飼い方が分からない」というので、「亀の飼い方の本あるよ。これも持って帰ったら分かるよ」と本を手渡しました。その子には、(ああ、図書室に来たら、何か知りたいこと分かるんだな)と思ってもらえたかもしれない。そういう個々の対応から積み重ねて、行く行くはいろいろな授業や情報活用の育成の授業などを行えたらいいなと思っております。
 次に香南中学校の取組を発表させてください。香南中学校は、生徒数252名、支援学級2、学校数9の、こちらも小規模の学校です。
 司書教諭の発令はなく、指導員は週2日勤務しています。
 この図書館は、本当にこれから図書館が生まれるぞというぐらい、いろんなことからのスタートで大変だったのですが、これまでは開かずの間という言葉があてはまるような図書館でした。指導員が来る日だけ図書室が昼休み開いている。しかし、何か問題があって、例えば本の持ち出しがあったとか、漫画を持っていった子がいたとかそれはよくないということで、何カ月か図書室の利用が禁止になっていた時期もあったそうです。
 私が勤務になった年、図書主任の先生も新しく赴任されて「週5日開けましょう。先生が2日しか来なくても、あとの日、私が昼休み開けますよ」と言ってくださった。それを聞いて、頑張ってこれからやっていこうという気持ちになりました。
 香南中学校は7年前に高松市に合併した学校でして、実は以前使っていた図書ソフトが1校だけ高松市のほかの学校と違っていました。そのため一昨年、高松市の図書ソフトが新しいものに移行になったときに、1校だけデータの移行が自動でできなかったんです。前任の先生が4,000冊手入力して、私が5,000冊手入力するというような状況だったんですけれども、それでも何とかできることから頑張っていこうと思いました。
 大変基本的なことになりましたが、まず図書室に来たら、子供たちがいつ図書室が開いているか分からない。だから、入り口に「きょうは開いている日です。あいている日は、何曜日の何時から何時です。1人2冊借りられます」という利用案内をはっきり示すということ。
 それから、以前は図書室に館内図というものがありませんでした。ですから、館内図を作って、一番最初のオリエンテーションの資料にも館内図を入れて、いつでも図書館来たらこういう作りだと分かるようにしました。
 日本十進分類法も、一次区分までしか掲示がありませんので、二次区分までの表を作って、カウンターの下に掲示をしました。
 それから、書架横の棚サインが古くなっていたので、棚サインも作りかえて、パッと一目でわかるようにしました。
 図書室に中学生が来るとしても、小学校のように1時間ずっと図書室にいて読んでくれるということはなく、ちょっとのぞいて、読みたい本がなかったら帰る。これが普通なので、来てくれたきっかけにどうやって子供をつかまえるかということをいつも考えています。これは、小学生も一緒なんだけれども、新しい本にはすごく注目してくれる。ですから、新着の本は表紙を出して目立つようにしておく。それから、中学生は、テレビになった本、映画になった本というのはとてもよく知っているので、カウンターに、映画の本はパンフレットと一緒に、この本ありますよというのを宣伝して置くようにしています。
 それからもう一つ、夏休みの前には「読書感想文用の図書でどんな本がある?」と何人か来てくれたのですが読みたい本を見つけるために何冊か本を読んでみようということはなかなかしません。時間も限られた中で、面白くない本を読みたくない。何か面白い本を読みたいという意見がすごく強いなと思って、新潮社さんから出されている『中学生に読んでほしい30冊』という小冊子のがあるのですが、これは、本の内容を上手に表したキャッチコピーと、そのあらすじが入っているので、この小冊子と、この中に照会されている本を図書室にずらっと30冊並べて展示しました。まずあらすじを読んでみて自分が好きそうかどうか見てみる。それで気に入ったら借りていけるというふうにしてみました。
 それから、中学校でも教科書にそれぞれの学年に読書案内で示されている教科書の本がありますので、そういう本は全部そろえて、探しやすいように、教科書に掲載の本として別置をする。分かりやすいところに置くということ。
 また、香川県では、教育委員会が昨年、「香川の子どもたちに読んでほしい100冊」というのを出しましたので、これも今そろえているところです。
 また、ほかの学校さんでもそうでしたが、読みたい本が確実に手に入ると思ってもらえるように、本の予約ができるようにしています。本がなかったら、その場で予約を書いて帰って、本が来たらすぐ連絡するというふうにしています。
 図書室に来てくれる生徒にはそんなふうにアピールできるのですが、来てくれない子供については、図書館からの情報発信として図書だよりをしています。その中で、図書主任の先生の御意見で、今年は家庭との連携をやりたいと言っていただけたので、4月号のときに、親御さんが中学生に薦める本ありませんかというアンケートを一つ作りました。そうすると、何名の親御さんから、この本が中学生にいいんじゃないという返信がきたので、今度はそのお返事として、こういう本を薦めてもらいましたということを図書だよりでお知らせしました。主任の先生が、親子読書をやってみたいんだということで、国語の教科書の中の読書教材を印刷して、、生徒と親御さんに感想を書いてもらうという取組をしたところ、先生の御指導があったおかげで、たくさん書いてきてくれたので、それをまたまとめて、図書だより増刊号として親御さんにお返ししました。中には、音読は声を通してコミュニケーションになってよかったとか、また一緒に読書しようとか、中学生の教科書が、私のときより難しいなとか、親御さんの御意見も聞けてよかったなと思っています。
 最後に、先生方との連携というところをごらんください。中学校では先生方と連携を取るというのがとても難しいです。私は週に2日、火曜日と金曜日、6時間行って、朝から帰りまで1回も会わないという先生が半分以上お出でると思います。先生方の中にも、図書室がいつ開いているかよく知らないし、何冊借りられるかもよく知らないという先生もお出でになります。
 そこで、私は、先生方に、まず図書室を知ってなじんでもらおうと、参考資料に付けたような「学校図書館活用ガイド」というのを作って、年度の最初にお配りしました。図書室の館内図、それから貸出の規定はこうなっています。例えば延滞があったときはこうしています。もし紛失があったら、先生、こんなふうに協力してくださいというのと併せて、図書館でこんなことができます、調べ学習できます、公共図書館から本借りてきます、ブックトークや読み聞かせもいつでもやります、読書タイムに図書館使ってくださいというふうに、いろいろまとめたものを、先生方お忙しいので、いつか見てもらえるようにと思って、お配りしました。
 資料の最後のところに、先生との連携でとてもうれしかったところを一つ付けました。「1学期終業式 式辞」というプリントがあるんですが、これは終業式の日に校長先生が全員の先生に配ってくださったプリントです。香南中学校では、終業式の日にその学期の多読者、一番本を多く借りた生徒、1位、2位、3位と、一番本を多く借りた学級に表彰しています。それは何年もしていたんですが、そのときに校長先生が合わせて、たくさん言葉を知っているってすごいね、本を読むって大事だよね、夏休みみんな本を読もうという話をしてくださった。そして、ただお話をするだけじゃなくて、こんなふうにわざわざ原稿に起こしてくださって、最後に、「あと、担任の先生、お願いします」と書いているんですけれども、担任の先生にもそれを広げるようにというふうに配慮してくださったのは、とてもうれしかったです。その後、図書室が混雑しててんてこ舞いとなったら一番よかったんですが、そこまでではなかったですが、やはりいつもよりはちらほらと何か借りに来てくれたのは大変うれしかったです。
 今後の課題として、小学校と同じですが、継続的な図書館の整備が大事だと思っています。香南中学校は、10年前香南町の時代には、四国地区学校図書館研究大会の会場校となったということがあったということで驚きました。ただ、1回研究会場校になったとしても、その後ずっとほおっておけば図書館は使えなくなる。例えば国語辞典一つをとっていても、昭和に発行された国語辞典で、インターネットという言葉も載っていないような国語辞典40冊を国語の時間に使っていました。それを去年と今年で半分ずつ買いかえを進めているところです。継続的に図書館をきちんと整備していく。そして、今後学習センターという機能を果たしていくためには、使いたいと思ったときに、資料がすぐ用意できるように整備するところから続けていきたいと思っています。
 長くなって失礼しました。以上です。
【堀川座長】
 ありがとうございました。2校分ですので、たくさんお話の内容があったと思います。図書館の経営より、その前のところが、誕生のところが必要かなと思いました。
 それでは、ありがとうございました。では、次の委員さんにお願いします。吉田委員さん、お願いいたします。
【吉田委員】
 お願いします。各務原市緑陽中学校の学校図書館職員の吉田です。
 各務原市の図書館は、情報センターというよりも、読書センターの意味合いが強いです。司書教諭の先生は専任ではなく、授業時数の軽減も十分にはありません。こういう学校図書館も少なからずあるということを念頭に置いて聞いていただけたらなと思います。
 前回お話ししたように、各務原市は、学校図書館職員の勤務時間は1日4時間です。春休みも夏休みも冬休みも勤務することができません。4時間といっても、昼休みと掃除の時間と生徒が借りに来る時間を抜いてしまったら、実際3時間ぐらいしか残らないと思います。その3時間でそのほか全ての業務をやらなければいけないのが現状です。
 ですから、優先順位を付けて、やらなければならない業務と時間内でやれる業務を優先します。そして、それ以外の業務は残念ながら後回し、あるいはできないということになります。
 現状では、やはり事務的な業務が多くなっています。人によっては、やらなければならない業務だけでもきついという場合もあります。特に採用されたばかりの新人で、学校司書の資格もないという方だと、そのようになってしまいがちです。
 そんなわけで、学校司書の業務には終わりはありません。とにかく時間が足りないのです。ですから、最小の労力で最大の効果を、勤務時間は短くても効率を上げてというのが、私の主義です。そのためのコツを四つ挙げてみました。
 一つ目が、教職員の方の協力を得るということです。学校司書は、普通学校にたった1人になります。でも、学校図書館は、学校教育全てに関わってきます。ということは、図書館の業務は、それぞれ担当の教職員の方々の協力を得ることによって、もっとスムーズに行くわけです。
 資料5-2の資料、「学校図書館職員に関わる校務分掌」というプリントをごらんください。これは私が関わった業務を学校の校務分掌と照らし合わせたものです。困ったことがありますと、私は学校の担当の職員の方に「どうしたらいいでしょう」と素直に聞きに行きます。協力もお願いします。うまくいけば、そこから先は先生方が引き継いでくださるので、業務が楽になります。
 二つ目に、業務にも予習が大切だということです。例えば「夏休み前の図書館の本の貸出の方法をどうしたらいいでしょう」ということを、7月に入ってしまってから相談していたのでは、慌ただしくて足並みがそろいません。職員会を通すことを考えて、7月末のことであれば、6月の初め、大体2カ月先のことを考えて、見通しを持って業務にのぞむと、後の対応が楽になります。
 資料、その次の裏のページ、「年間活動予定」という資料をごらんください。この資料は一つの例ですが、こういったスケジュールを分かってやっているのと、「あしたからお願いします」と先生から急に言われるのでは、こちらの仕事の段取りが全然違ってきますので、スケジュールを念頭に置くというのは大切だと思っています。
時間数の軽減のない司書教諭の先生もいろいろお忙しいようなので、うっかり忘れておられたりもして、図書館職員から提案したほうが早いということもあります。実は今の緑陽中学校にはこの4月に異動してまいりました。居心地のいい学校図書館ですけれども、学校司書の目から見ると、改善したほうがいいなと思うところは幾つかありましたので、改善点を具体化しました。また裏のページ、「緑陽中学校の図書館教育」という資料をごらんください。内容は詳しく御説明はいたしませんけれども、これは司書教諭の先生宛てに提案資料として5月に作ったものです。こうやって文章にして先生にお見せすることで、私の考えが先生にも伝わりやすかったようです。わりと簡単に了承が頂けまして、この1年、資料の方向で私も業務を進めていこうと考えています。
 三つ目、再利用できる資料はどんどん使っていきます。使った資料や掲示物など、1回使っただけではもったいないので、次のときの参考にしたり、再利用したりします。4月からやってきたその例を三つ紹介しますが、傍聴席の方には資料がございませんので、失礼します。
 最初に、別にお配りしました、『図書館へようこそ』という本の紹介をごらんください。これは4月、図書館オリエンテーションのときに全校に配布したプリントのうちの1枚です。実はこの紹介文の半分ぐらいは、4年前、別の中学校図書館で配布した「本の紹介」を再利用しています。
 次に、資料5ページ目右上の写真をごらんください。これは、図書委員が黒板ボードに本の紹介を書いてくれているものです。大体2週間に1回のペースで新しいものに変えていきます。書いて消してしまったらそれで終わりになってしまうので、大変もったいないです。ということで7月に、私のほうで、先ほどの読書紹介のようなプリントにまとめまして、印刷して全校に配布しました。
 それだけではなく、短いバージョンにもまとめました。お手元に、カラーではない白黒印刷のプリントが配布してあるかと思います。これを折り畳んでいきますとミニブックができますので、「図書委員の紹介ミニブック」として、館内展示に再利用しています。一つのものを3回使うこともあるわけです。
 また、各務原市では、図書の購入、選書のときに、エクセルデータで業者に発注することになっています。学校図書館職員が作成したデータですけれども、これをブックリストに作りかえました。横長で、本の紹介を付けています。これが大変人気で、新しい本が来たときに「あの新しい山田悠介の本が借りたい」と生徒が何人もやって来ます。このブックリストもよかったら回してください。お願いします。
 では、コツの四つ目です。必要なときには「NO!」と言える、学校での関係を作っていきます。司書教諭の先生と学校司書には共通して、児童・生徒の図書の利用能力を高めるという目的があります。それは共通しているのですけれども、学校教育を基本とする司書教諭の先生と、図書館学を基本にする学校司書では、視点そのものが違っています。ですから、先生方に依頼されたことでも、もっといいと思う方法がある場合はお断りすることがあります。例えば調べ学習で「パスファインダーを作ってください」と言われたとします。パスファインダーというのは、簡単に言いますと、テーマ別の本の一覧表みたいなものですね。でも、今のうちの学校図書館では、正直言って蔵書も足りないし、分類表示も十分ではない状態です。もし私がそう言われたら、「今年度は蔵書をそろえましょう。パスファインダーは来年に回して、そのかわり、分類表示板や棚見出しを今年度は頑張って作っていきます。」そう答えて見本をお見せするようにすると、先生方も多分納得してくださると思います。
 最後に、マニュアルについてお話しします。レジュメの下のほうに四角い枠で「引継ぎ資料 目次」という記述が入っていますが、これがマニュアルの目次になっています。マニュアルは学校図書館職員が平成17年に作ったものを、もう1回平成23年に作り直しました。それが市の教育委員会に承認されていますので、公式のマニュアルにしています。その公式のマニュアルが差しかえとか付け足しができるように、このようにファイルにとじておりまして、ついでに自分の学校独自の資料も入れて、独自マニュアルを作っています。現在各務原市には学校図書館職員が25名います。毎年退職する者がおりまして、大体1人は替わります。多いときには4人替わったこともあります。引継ぎの時間も十分にはありませんので、最低限のことだけ引継ぎして、「こういうふうに前やってきました。お願いします」というように学校のマニュアルを渡すことで、引き継いでいます。
 ですから、各務原市のマニュアルは、先ほどの見本のものと比べると大分分厚くなっています。その業務をする場合に、その項目のところをよく読みながらするという方法で利用することを前提に、作っています。
 以上で、簡単ですが、事例発表を終わらせていただきます。
【堀川座長】
 ありがとうございました。先ほどマニュアルが回ってきましたけれども、こういうマニュアルだったんだなと、随分細かいのを見せていただきました。ありがとうございました。
 それでは、最後、米澤委員さんにお願いいたします。
【米澤委員】
 都立高校で司書をしております米澤です。パワーポイントを、あまり字は少ないのですが、作ってまいりましたので、それをごらんになっていただきながら、簡単に説明をしてまいりたいと思います。
 現在私は都立府中東高校という高校におりますが、前年度までおりました都立大田桜台高校と、現在の都立府中東高校についてお話をしたいと思います。
 まず都立大田桜台高校ですが、平成21年4月に開校されましたビジネスコミュニケーション科をもつ高校です。都立高校はいろいろなタイプの高校がございまして、千早高校の校長先生がいらっしゃいますが、千早高校と同じタイプの進学型専門高校ということになります。
 ですから校舎はこのように、きれいな新しい校舎になっていました。
 こちらの学校は、ビジネスに関する基本的な知識の習得、英語、国語のコミュニケーション能力の活性を図る、資格取得を支援するといったことを特色にしていまして、キャリア教育の支援と、大学への進学を目指した高校です。
 特に英語教育と国語教育に力を入れていまして、東京都の言語能力向上推進校の指定を受けています。
 また、高校では珍しく朝読書を行っていて、毎日10分間、ショートホームルームの時間を使いまして、読書ノートに生徒は読書の記録をしていました。また「大田桜台高校お薦めの100冊」という推薦図書を作っています。あとで、説明しますが「大田桜台の本棚」という、これはネット上のブログを先生たちが始めていまして、そういった取組も盛んな学校でした。
 これは図書館の写真です。上のほうが書架の写真で、下は生徒が授業で使っているときの様子になっています。
 閲覧室と司書室を含め、結構こじんまりとした図書館で、インターネットができる端末が2台、蔵書検索ができる端末が1台あります。都立高校は基本的にこの2年間で全てデータベース化されていまして、同じ図書館管理システムが導入されています。
 こちらの高校の図書館は、多読図書という洋書が1万冊ほど置いてありました。これは、開校時の特別予算と英語科の予算で購入された本ですが、全部図書館で管理をしています。図書館の蔵書冊数は一般書が1万8,000冊、多読用の図書が9,000冊となっていますが、今年の時点では多分1万冊を超えていると思います。
 雑誌、新聞、あとオンラインデータベースを契約していまして、朝日新聞、読売新聞のデータベースの検索が図書館からできるようになっていました。
 これは館内の様子の写真です。
 ブラウジングコーナー。ちょっと漫画もありましたので、雑誌、漫画、新聞が読めるコーナーになります。
 こちらがパソコンで、データベースが使えるパソコンが2台と蔵書検索用のパソコンが1台になっています。
 そしていろいろな展示をする展示ケースが入り口にありました。
 こちらが新着図書のコーナーで、新しい本が入りましたら、まずここに新着図書を展示しています。こちらにはいろいろな企画の展示をしています。
 ここにいる生徒たちは、多読の授業で本を選んでいる女子生徒たちです。こういう感じで自由に本を選ぶ授業の雰囲気ですね。
 こちらが「多読」の「季節の展示」で、ちょうどこれはハロウィンの展示になっています。洋書ですので、こういう明るいきれいな本がたくさんあるような図書館でした。
 あとこちらの高校では言語活動向上の取組も盛んでありまして、小論文対策を図書館でも支援していました。小論文コーナーを設置しまして、第一学習社と学習研究社から出ている小論文に関する冊子で照会されている本を基本的にそろえていました。
 次に、「言語活動向上にむけて」の「取り組み2」としまして、これが先ほどちょっとお話をしました大田桜台ハイスクール、「O.S.High Schoolの本棚」といいまして、ブクログというネットで本棚を作れるというサービスですが、教員のほうで自主的に作成をしていて、生徒にこういうのをやっているから是非見てねと。自分たちでいろいろ書き込みもできますよ公開をしています。
 こちらでの3番目の取組としまして、大田桜台はビジネス関連の授業も多く、その中の文書デザインの授業で「私のイチオシ」という企画を担当の教員と一緒に行いました。これは生徒が実際に自分の一押しの本を選び、それをデザインも全部自分でして、写真も撮って、それでポスターにするというものです。これも生徒が作ったポスターです。モデルも生徒で、ここに、ちょっと細かくて字が見えないんですが、一言、200字ぐらいの本に関する説明の文章を載せています。そして、図書館の中に展示をして、あと、廊下にも、4月上旬までこのポスターを展示していました。あと、教職員の方にも協力をしていただき、先生たちのお薦めの本ということで、同じような形でポスターを作成して展示しました。全部で50校くらいになります。
 図書館では、資料の提供と、レファレンスを行い、ポスターで紹介された本をこのような形で展示して生徒にも大変好評でした。
 あと、図書館を利用した授業の実践では、毎週、1、2年生は、全クラス2時間ずつ、英語多読の授業を図書館で行っていました。これは易しい簡単な絵本をたくさん読むという授業なんですけれども、とても本がたくさん、1万冊ありますから、生徒は自由な感じで本を選ぶことができます。ここで図書館として支援は何をしたかといいますと、本のデータ入力は教員の方がやってくださるので、本の管理は図書館で行います。あと、生徒が「これを読んだんだけど、次は何を読んだらいい?」みたいな形で、英語の本ですけれど聞いてきます。私も生徒と一緒に多読を楽しみながら授業の支援をしているという感じになっていました。
 次に、授業で図書館を使った実践としまして、ブックトークフェスティバルという、これは1学年の国語の授業で、図書館の本を1冊読んで、夏休み明けに自分が読んだ本を、みんなに紹介をしましょうという内容です。
 これは事前に国語科の先生のほうから相談を持ちかけられました。大田桜台は、洋書の貸出が多いのですが、一般的な本の貸出がとても少ないという。後でグラフを見ていただくと分かると思うんですが、読む子は本を読むのですが、どうしても一般的な本の貸出が少ないという状況もありましたので、是非図書館の本を1冊借りて、夏休み課題にしてもらえたらということで、話を進めたということです。
 本当はクラスの中でベストワンを選んで、学年全体に発表しましょうということを学年の先生たちも考えていたのですが、結局そこまではできずに、生徒は本を借り夏休みに読んで、9月の2学期に入った時点で、それをみんなの前で発表するということにとどまっていました。でも、いろんな本を生徒が借り出していき、図書館利用拡大にもつながりました。
 次に3番目の授業の実践としまして、これは3月の期末試験が終わった後に、集中講座といいまして、授業から離れて、いろいろなタイプの講座の授業の実施を昨年から始めました。その中で、司書教諭の先生と相談をして、図書館で新聞と、オンラインデータベースを使って生徒に新聞記事の検索をするという授業が実現しました。
 しかし、2学年の6クラスが1回2時間ずつしか時間がございませんで、1時間は、新聞記事の説明をして、その後にオンラインデータベースの使い方を説明いたしました。その後は、国語の先生が付いて、新聞記事の切り抜きも実際におこないました。あとこちらのパソコンのほうは、私のほうが検索の仕方を説明して、記事のプリントアウトをするというところまでいたしました。
 結構忙しかったので本当はゆっくり時間がとれれば良かったのですが、一応オンラインデータベースというものを生徒にここで理解してもらうと、3年生になりまして、推薦入試等で新聞記事を使った内容の課題や問題が出ることがあります。そういったときに、自分で検索ができるように丁寧に話をいたしました。
 図書委員会の活動では、大田桜台は大田区にございまして、「大田のものづくり」というのは、ちょうど2011年に『下町ロケット』が、今ちょうど別のドラマで人気が出ている池井戸さんが、直木賞をとったときに、この作品に大田区の話が出てきたりしました。そのときのビジネスの先生と一緒に「大田ものづくりの工匠100人」というのがあるという話を聞きまして、大田区の産業振興課まで行って、パネルを実際50枚借りてきました。で、図書館のほうに展示をしまして、ちょっとビデオを流しして、大田のものづくりのことをアピールしました。
 ふだんは文化祭のときには、古本市をおこなっていまして、この周りに少し展示をするのですが、そこに2011年はこの「大田ものづくり」の展示をしました。
 昨年は、馬込文士村について発表しました。馬込文士村とは、昔、大田区あたりに作家がたくさん住んでいたことにちなんでいて、これは司書教諭の先生と企画をしまして、図書委員と一緒に馬込図書館や、文士村散策の道を歩きました。その後、生徒がこんな感じで、簡単だったんですけれども、まとめてくれまして、それを展示しました。
 こういう形で、図書委員会の活動のほうも、小規模ながら行っていました。
 先ほどもお話をしたのですが、このように大田桜台高校の分類別貸出をごらんになっていただくと、この緑色の円形の部分が多読図書の貸出で、60%を超えています。普通の図書館ですと、ここは大抵文学になります。ですから、明らかに多読の貸出が多く、文学が少ないという、ちょっと変わった形の読書傾向になっていました。
 こちらが、現在私がおります府中東高校になります。こちらは創立40周年になる、かなり古い学校になっております。
 運動部や部活が盛んですが、東京都の多摩地域にある普通の都立高校です。平成25年度の学校経営計画の中に、「読書することを奨励し、読書に親しむ生徒を増やす」ということが取組目標と方策の中に掲げられています。
 都立府中東高校は、このような普通の図書館になっています。これは入り口の新着図書を展示したコーナーになっています。インターネットは、使えません。蔵書検索のできるパソコンが1台あります。あと、貸出はパソコンでできます。
 蔵書冊数は3万2,000冊と結構多くなっています。
 こちらが運営計画ということで、図書館の一応流れをここで、見ていただくといいかなと思います。運営方針、計画を策定し、新入生オリエンテーションをスタートする。ここから図書館の1年間が始まります。やはり図書委員会のほうも1年間のこういったスケジュールを立てて活動をいたしております。
 府中東高校では、司書は教務部に所属をしておりまして、今年度司書教諭は、学年所属で、1学年の担任を持っています。
 選書・除籍等に関しましては、選書基準に基づき、教務部内で検討して選書を行っています。除籍は、除籍基準に基づき、除籍・廃棄作業というのを基本的に1年に1回をめどに行うようにしています。
 予算・発注の中で、本の発注ですが、東京都は、教育委員会が設置しています支援センターを経由して本の発注を、年間4月から2月まで10回程度基本的に行っています。あとは、学校契約予算で、急に本が必要なときには本の購入を行っています。
 府中東高校に4月に異動をしまして、前任校の少しまねをしまして「私のイチオシ」という、これは教職員の方にお薦めの本を紹介してもらって、冊子でまとめました。回覧をいたしますので、すいません。この中に現物がありますので、ごらんください。それで、結構好評でしたので、第二弾を秋に発行の予定になっています。
 こちらが図書委員会の広報誌ということで、これは生徒が作った広報誌で、あとは新着案内を月に1回または2回ぐらい発行をしております。
 また7月図書委員会の見学をおこないました。これは、東京ビックサイトで行う東京国際ブックフェアに是非図書委員を連れて見学に来てみませんかというお誘いがあり、ほかの都立高校はちょうど期末試験の真っ盛りの学校が多くて、どうも難しいというお話で、たまたま府中東は7月6日が、試験が終わった次の日でしたので、早速校長のほうに相談をいたしまして、許可が下りましたので、司書教諭にも相談をして話を進めました。
 それで、ちょうど回覧をしていますが、そのときの様子が、8月の学校図書館協議会が出しています速報版の3ページぐらいに載っていますので、もし学校の方で購読されておりましたら見ていただけたらと思います。実際参加生徒は10人でしたが、主催者は丁寧に、案内をしていただいたので、楽しい時間を過ごすことができました。去年は全くそういう予定はなかったんですが、本当にタイミングよくお話が来たので企画をして、実現できたということになっています。
 こちらが読書の傾向になります。府中東高校の4月から7月までの貸出数の変移と、分類別貸出の内容になっています。こういった形で大体文学が多いというのが高校、小中もそうなのかもしれません。残念ながらこの辺のあたりが少し少ないので、あと、3年生の貸出が少ないので、そこはやはりこれからの課題だなと思っています。
 あと、ベストリーディングということで、こちらが、生徒が好きな本で、こちらが予約ベストという形になっています。
 すいません、もう時間がないのですが、まとめだけ簡単にお話をしたいと思います。まとめのページを作っておりませんでしたので、申し訳ありません。学校図書館が果たす役割ということを考えてみました。聞いていただければ幸いです。
まず読書の推進への支援ということです。これは本を選定し収集するということ、事務的なことのみならず、やはり環境を整備することも含まれます。やはり場の提供。場所というのは、本当にそういう場を提供することもありますし、やはり生徒の憩いの場、居場所を求めるのは高校生でも同じです。逆に高校生のほうが居場所を求めるケースもございます。ですから、そういった場を提供するということがやはり読書推進にも、もちろんつながっていくのではないかと思っています。
 そのために、やはり環境の整備ということで、館内を整備する、データベース化をする、本来でしたらネットワークを構築して、公共図書館や東京都内の都立高校とのネットワークの構築等が望ましいのではないかと思っています。都立図書館等の連携等も含まれています。しかし、そういったことは今のところ東京都では、ネットワーク構築は全く進んでおりません。
 あと、広報活動としまして、新着案内、展示も含めまして、そういった広報活動も読書への推進の支援になると考えております。
 次に、2番目としまして、授業への支援ということが、図書館の果たす役割の大きな部分だと思っています。これはやはり図書館で授業を行ってほしいということも含めまして、今、府中東では図書館で授業を行っているということはありませんので、これからは教員といろいろと連携を取っていければと思っています。
 また、パスファインダー等の作成やいろいろな資料を整備し提供するということもそういった授業への支援の一つだと思っています。
 次に3番目としまして、教員への図書館利用の促進というのはとても重要だなと思っています。教員はなかなか忙しいということもあり、図書館に目を向けてくださる教員が少ないという現状もございます。やはりそれを突破しない限りは、授業で使っていただくということも難しいので、是非教員へ向けての利用案内と呼びかけをこれからしていきたいと思っています。
 また、行事、修学旅行や文化祭での図書館資料の活用等も重要な部分だと思います。
 そして、4番目には、生徒への情報リテラシーの育成というのもやはり図書館にとって必要な、とても重要な役割だと思います。今高校生で、トラブルが多く起こるのがどうしてもネット絡みです。SNS、フェイスブック、LINE、ミクシィといったことで、いろいろなトラブルが正直、学校現場では発生をしております。そういったところで、やはり情報を見きわめる力、選び取る力を高校生時代に育成をするというのはとても大事なことだと思います。その一端を担うのが図書館だと私は思っております。
 また5番目に、大学に進学してこれから、生徒たちはレポート等で大学図書館を使うことは間違いないのですが、そこでやはり高校までに是非図書館の利用教育をしっかりしていくことが大事だと思っています。そしてさらに生涯教育の部分でも、また学校図書館が果たす役割は大きいと感じています。そこで働く図書館員、学校司書にとって大事なことではないかなと思います。
 すいません、ちょっと駆け足になりましたが、長くなってすいません。ありがとうございました。
【堀川座長】
 ありがとうございました。高校の事例はお1人だけだと思っていましたけれども、2校分を紹介していただきました。ありがとうございました。5人の委員さん方には、お忙しい中、こうした資料を作成していただきまして、本当にありがとうございました。私たちも拝見させていただいて、発表をお聞きして、大変よく分かりました。5つの発表が終わってから御質問をというようにお願いしておきましたが、どうでしょうか、委員さん方、今、この方に、この委員さんにこれだけは聞いておきたいということはいかがでしょうか。
【槇川委員】
 5人の方の御発表を聞いて、同じようで違うなと。それぞれ職名も違うし、ただ、本当に創意工夫しながら進めておられることに非常に感銘を受けました。ありがとうございました。
 それで、ちょっと5人の方に、次の5点を順番に伺えればと思うんです。ちょっとどこかにメモしていただいてよろしいでしょうか。1点目が、教員との関わりという話がありました。職員会議への参加について。2番目なんですが、これも研修のお話を出された方もおいでになりましたが、御自身の学校司書としての、あるいは学校図書館担当者としての研修の有無。これは市町村単位でも、都道府県単位で構いません。それから、3番目が、これは公共とのやりとりの中で、公共からの図書の貸借なんていうことがあると思うんですが、行き帰り、当然交通費が生じるわけなんですが、雇用形態によっても違うんでしょうけれども、旅費の支給の有無で、これが三つ目。それから、四つ目ですが、清掃指導がありますよね、小中高とも。この清掃指導への関わり。最後、5点目なんですが、これは小中学校の全国学力・学習状況調査の中で、学校図書館を活用した授業をどのぐらいの頻度で行っていますかという質問があります。ちょっとこれにも絡むんですが、利用指導とか、オリエンテーションを除いて、さらに、読書指導も除いて、読書センターではなくて学習・情報センターとしての機能を活用した授業への関わりがどのぐらいあるかということです。1クラス当たり学期にどの程度学校図書館を活用して、しかも皆さん方が入られる授業があるかどうか。
 もう1回、一つ目から繰り返します。1番目は職員会議への参加の有無。2番目が御自身の研修の有無。3番目が例えば図書の貸借なんかの旅費。4番目が清掃指導への関わり。5番目が学校図書館を活用した授業、1クラス、学期にどの程度あるかということを、すいません、順番に加藤委員から。
【堀川座長】
 すいません。ちょっと待っていただいていいですか。2時から始まりまして2時間たちました。あと1時間なんですけれども、この間にちょっと休憩を入れようか、どうしようかと今迷っております。どうしましょうか。それぞれの方々に今の5点を考えていただくことも含めて、5分ほど、4時15分から再開という、本当に5分ちょっと、5、6分なんですけれども、休憩ということにさせていただいてよろしいでしょうか。
 そして、その前に、今の槇川委員さんのように、5人の方々にこの点をやっぱりお聞きしたいというような御質問がもしおありでしたら、先に伺っておきたいと思いますが。堀部委員さん。
【堀部委員】
 御提案ありがとうございました。5つ目まで出されましたけれども、6つ目として、今回の会議の中で、司書教諭と学校司書の役割をどういうふうに捉えていくかというところで、根幹にあるのは、こちらの表には図書館年間利用計画というふうに文言としてありますけれども、この学校図書館教育の全体像を誰が作っているかというところはすごく大事なところだと思うんですね。これはちょっと捉え方が本当にまちまちかと思いますけれども、例えば活動レベルで、委員会活動のこと、あるいは学校図書館の運営をもって年間利用計画というふうに捉えられている方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。私が今お話をしているのは、学校図書館教育という総体を考えたときの基盤となる計画は、どのように、誰が中心になって作られているか、そんなスタンスでお願いしたいんですけど、いかがでしょうか。
【堀川座長】
 今のが6点目。村山委員さん。
【村山委員】
 私も同じことを聞きたかったのです。図書館教育計画というのがありますが、経営という視点、大きな理念としての考え方など教育の計画は司書教諭が作るものかと思っていました。経営ではなく、運営のレベルもあると思いますが、これをどのようにお考えかというのを聞きたいです。同じことです。
【堀川座長】
 ありがとうございます。ほかの委員さんはいかがでしょうか。大串委員さん。
【大串委員】
 一つだけ。それぞれの方が、図書館に着任されたときに、こういう仕事をしてくださいということで、仕事の範囲を明示されて着任されているのか。それとも、非常に漠然としたところで着任されているのか。その点が、今お話をお伺いして、どうもあったんじゃないかなと。
【堀川座長】
 ありがとうございます。今のが7点目。繰り返しませんが、いいでしょうか。
 ほかの委員さん、いいでしょうか。
 それでは、14分。では、20分から。あの時計で20分、再開ということにしたいと思います。ちょっと休憩を入れましょう。
(休憩)
【堀川座長】
 皆さんお集まりでしょうか。そろそろ再開したいと思います。
 それでは、先ほどの7点について、加藤委員さんから、発表順でいいでしょうか。加藤委員さんから簡単に。
【加藤委員】
 1点目の職員会議への参加はしています。毎朝の職員朝礼にも参加しています。
 2点目の研修は、津山市学校図書館協議会の司書会を、月に1度行っています。同じく津山市学校図書館協議会の研修で、司書教諭と学校司書を対象としたものが年に2回あります。津山市教育委員会から市外出張旅費が出るものとして、岡山県図書館協議会が開催する年に一度の研究会があります。学校司書の仕事に研修は不可欠ですが、由々しきことに研修費は削減されつつあります。研修費が出ないものとして、自主サークルを司書の仲間で月1回行っています。それから、学校内での研究には参加しています。
 3点目の、公共図書館に本の貸借に行くときの旅費は出ていません。ただ、本を借りに行くことは仕事として認知されているので、勤務時間内に行くことが認められています。
 4点目の清掃指導への関わりは、中学3年生が清掃分担なので、その生徒と一緒に掃除をするし、生徒がしていなかったらするように促すという、当たり前の関わりをもっています。5点目の利用指導を除いての図書館を活用した授業ですが、利用指導とそれ以外の区別は難しいです。調べ学習の前には、参考図書の使い方などの利用指導を行うからです。年間計画に位置付けて、授業時間も十分使っての調べ学習は、学期に1クラスあたり国語、社会で3単元程度です。1年間には全学年で、200時間くらいの調べる学習に関わっています。年間の計画に位置づいていない、突発的な調べ学習も多くあります。生徒の関心の示し方で、調べ学習は増えてきます。
 6点目の図書館教育の計画は誰が作るかということですが、現在は学校司書が中心になって作成し、職員会議で提案しています。それは、全学年の図書館を活用した学習に関わっているのは学校司書だけであるということと、図書館のはたらきを意識して図書館運営を担っているのが学校司書だからです。図書館教育についての話し合いは、司書教諭と各学年の代表者、各学年から1人と学校司書とで話し合い、案を練ります。その際、司書教諭を含め教職員は、どんな授業をつくるかを中心に考えます。そして、その授業を実現させるためには、学校図書館は何ができるかを考え、教育計画をつくりあげていきます。
 7点目の、採用時に仕事の範囲を明示されているかということですが、具体的にはありません。辞令に「従事する業務内容」は学校司書とあります。学校司書はこれまで、利用者の要求や教育の求めに応じて、それに応えるべく仕事をつくってきました。ですから、あまり具体的に仕事内容を明示する必要はないと思います。学校司書は、資料提供をもって、児童・生徒と教職員の知的自由を保障するくらいの大きな任務があればよいと思います。
【堀川座長】
 ありがとうございました。すいません、4人の方にお伺いすると、これで17時になりそうなので、簡単に、すいません、お願いします。
【門脇委員】
 では、職員会の参加の有無です。職員会には参加をしております。
 それと、研修の有無です。研修は、県が行っている学校司書の研修が年間5回あります。それは県立図書館と、県教委の方が中心になって企画をしてくださっているものが年間5回あります。
 それと、初任者向けのマニュアルを県立図書館の方が丁寧な冊子を作ってくださっているのがあります。それが平成21年に作られたもの、きょう委員の方々に回覧していただくものを持ってきておりますので、またごらんください。
 それから、松江市も研修がありますけれども、松江市の研修は、司書教諭と学校司書が一緒になって聞く講演のような形のものです。それが年に1回か2回、すいません、回数を忘れましたが、あります。
 それから、公共図書館の貸借の交通費が出るか、出ないか。これは支給されます。それと併せて、県立図書館が、寄託図書というものを、島根県内5カ所でしたっけ。
【槇川委員】
 19カ所、全ての町村。
【門脇委員】
 19カ所に、全ての町村に2,000冊、学校図書館支援として2,000冊公共図書館に置いてくださっているものがあります。ですから、学校の身近にそうした2,000冊の図書がバーンと入ってきておりますので、そこで大体賄えるというようなバックアップがあります。さらにそこで足りない場合は、県立図書館まで出かけますが、それは支給があります。
 清掃指導への関わり。それはあります。小学校は縦割り班で、小学校1年生から6年生までの子供が各学年2人ずつぐらい、10人ぐらいやってきます。それの評価をします。それは図書館の掃除です。
 活用授業をどれぐらいやっているかということですが、先ほどお配りしました資料3の2ページに時間割表を載せております。本校では図書の時間がありまして、ここで授業を行いますので、年間35週としましても、1クラス必ず35週は授業をします。ですが、空いているところにどんどん入って使いますので、35時間以上の利用があります。ですから、年間延べ630時間ぐらいの利用になりますが、それを1学期間で割ってもらいますと、大体学期に200時間はやっています。それというのは、本当に毎週1回以上は必ずどこのクラスも利用しているというような数字になります。それは全部授業です。
 それから、年間利用計画ですけれども、これは資料の5ページに載せております指導体系表というのが松江市で作ってあります。これは松江市内、どの学校も、この指導体系表を使っているわけですけれども、小学校1年生から中学校3年生まで9年間を見通した指導体系表があります。ここに盛り込まれている情報スキルを本校の学校の授業の中でどう実現していくかというものが年間計画表になってくるわけですが、これは各学年の担任が作ります。大体各学年2クラスありますけれども、その学年部プラス司書教諭で作っていきます。そして1年間授業をしましたら、必ず見直しをします。そういうふうにして作ってあります。もちろん学校司書も関わります。
 それから、着任時に仕事の範囲を明示されたのかどうかというのは、こういう仕事をしてくださいという一応の、紙媒体で、松江市の学校司書への運営上の報告義務を挙げたものとか、事務上の手続はこのようにしましょうといったような一覧の中に書かれているものがあります。本当に基本的なものです。ですので、ほとんどこういうふうな縛りで、学校司書はこのような仕事をしてくださいというかちっとした縛りではないと理解しています。
 以上です。
【堀川座長】
 ありがとうございました。それでは、真鍋委員さん、お願いします。
【真鍋委員】
 まず1番の職員会議の参加については、小学校も中学校もしていません。
 研修について、高松市の教育委員会の図書担当の先生が企画してくださった指導員対象の研修が9回と、図書主任、学校司書が一緒に行う研修が1回あります。
 公共図書館の貸借に、旅費はありません。研修の旅費については、額が決まっていて全回分の交通費は出ない状況です。
 4番目、清掃指導。小学校は、指導員が行っています。中学校は、図書担当の先生と一緒に行っています。
 5番目、活用した授業。とっても曖昧になるんですけれども、といいますのも、私がいる日といない日があるものですから、国語の授業で使ったりしたいときは、私がいるときに使って、いない日も担任の先生がしているということでいえば、1学期に1回ということはないと思うんですが、私も関わっているとすれば、1クラス1学期に1回程度と思います。中学校については、資料の提供が今のところ中心で、まだ活用した授業というのはほぼありません。
 6番です。計画の立案は、図書主任の先生が立ててくださっている状態です。
 7番目、仕事の範囲というと、大まかな範囲で採用のときにはお話があったように思います。採用になってからは、指導員のマニュアル、先ほどお配りしたようなのも頂きますが、実際にはそれぞれの学校でというところが大きかったかなと思います。
 以上です。
【堀川座長】
 ありがとうございます。それでは、吉田委員さん、お願いいたします。
【吉田委員】
 職員会議の参加はありません。ただ、資料は頂いています。
 学校司書としての研修は、年4回ありますが、1回は司書教諭の先生と合同になります。あとは、県図書などの研修案内は来ますが、旅費は出ないし、研修費も出ない、自由参加してくださいというものです。
 公共図書館への旅費は出ません。ただ、物流システムができていますので、借りるときは物流で来ます。返すときは、持っていかないといけないので、そういう場合は、利用された先生に運搬をお願いしますと言われています。
 清掃指導はしております。
 利用指導は、本当に4月に異動したばかりなので、これから先どうなるか分かりませんけれども、4月から1クラスだけ利用がありました。
 6番の学校図書館教育の計画を誰が作っているかというと、司書教諭の先生が作っていらっしゃいますが、提案はさせていただいています。
着任の際は、16年も前ですので、そのときは何にもありませんでした。それ以降、自分たちでマニュアルは作りましたが、新任の方に聞くと、そういうマニュアルの話も何もなく採用されているような感じです。
 以上です。
【堀川座長】
 ありがとうございます。それでは、米澤委員さん、お願いします。
【米澤委員】
 1番目の職員会議の出席ですが、これは参加をしております。
 2番目の司書としての研修の有無ですが、教育委員会主催の司書専門研修というのが、年に1~2回程度ございます。それ以外に、東京都教育委員会が認定している研修団体の学校司書会の研修、東京都高等学校図書館研究会での研修が。それ以外でも希望すれば、出張で出れる研修もございます。
 次に3番目、公共図書館からの貸出等での旅費ということなんですが、あまり高校の場合は特にそういった貸出のケースで公共図書館に向かうということが都立の場合はあまりないのですが、例えば絵本を団体貸出で国語の読み聞かせで使うといったケースで公共図書館に本を借りに行ったことがございます。その際は、徒歩で行ける距離でしたが、もしそれが公務として認められれば、旅費は出してもらえると思います。
 4番目、清掃指導は、クラスが割り当たっている場合には、指導はいたします。
 5番目の授業での利用に関しては、現任校に関しましては、利用がない状況です。前任校はありましたが、司書が授業に定期的に直接携わっているわけではございませんので、今回の質問の場合入らないと思います。
 6番目の図書館運営計画は、これは基本的には司書教諭が作ることになると思います。ただ、現場ではなかなか、学校によってもちょっと違う事情もございまして、私の場合は、私が作りまして、担当分掌・司書教諭に確認を取って、企画調整会議・職員会議にかけたというのが現状です。
 7番目の着任の際にどのような指示、仕事の分担はというのは、正規の司書の職員ですので、司書としての任務ということで着任しております。異動の時に、前任者との引継ぎや、管理職との面接で学校に応じた勤務内容や仕事の説明、確認事項はございますが、特にそういった意味で司書はこういう仕事をしてくださいといったことを言われることはありません。
 以上です。
【堀川座長】
 ありがとうございました。御協力いただきまして、皆さん、てきぱきと回答していただきました。
 それでは、ほかの委員さん方、せっかくきょう来ていただいて、まだ御発言の機会がなかったものですから、どなたからでも。いいですか、杉本委員さん。
【杉本委員】
 貴重な実践ありがとうございました。私は司書教諭の立場で参加しておりますので、司書教諭の視点からお話をさせていただきたいと思います。
 まずこの会議の目的が、報告書を作ると。で、報告書は今後司書の活動の指針になるべきものだということで考えると、文言だけでなく、やはり内容も分かりやすくしていかなければならない。そのとき一番混乱を来しているのが、司書と司書教諭。先ほど堀部先生からもありましたけれども、その部分。そのとき頭の中に入れておかなければいけないと思うのが、今、読書センター、学習センター、情報センターという言葉を聞きますけれども、それはあくまで読書センターから学習・情報センターに目的の中心が移るということを言っているのではなくて、読書センターの機能は一層の充実を図るし、そこに新たに学習・情報センターという使命が課せられているのだというところ。そこのところが一つ、司書と司書教諭のすみ分けを考えるポイントなのではないかと僕はとらえています。
 その際に、あくまで司書教諭の立場から誤解を恐れずに言いますけれども、司書の先生方の活動が学習活動にあまりにも関わってくると、それが1つ分かりづらくなってくる要因となっている。そこには、現在教育職ではないという問題がやはり依然として大きくあるんだと思います。その部分が全国的に理解を得られるのかというところで、これが学校司書の法制化に向けてその中身を今議論しましょうというのであれば、そこまで踏み込んだ議論なんでしょうけれども、現行の枠組みの中で学校司書をということになってくると、やはりそこのところを意識していかなければならないと思います。情報活用能力の育成とか情報活用教育ということになってくると、疑問を持たれる方も多分たくさんいるんだろうと。
 現行、週30時間というふうな形で入ってきた場合に、じゃあ、そこまでできるのかという物理的な問題もありますし、今、学校司書というか、学校図書館に非常に追い風が吹いていると思います。で、こういう会議が持たれたりだとか、お金が出たりという中で進んでいるわけですけれども、この先どうなるか分からないときに、同じ仕事をしているんだったら、司書教諭は既に教諭で充て職ですから、お金は特にかからない。じゃあ、司書教諭がいるからいいじゃないかという議論に必ずなるはずなんです。
 ですから、そこのところで、学校司書と司書教諭ということを言うときには、やはりそこの教諭であるか、司書であるかというところを、情に流されずにはっきりさせておかないと、後々同じことの繰り返し。今まで職務分担を含めて、都道府県単位で研修なりガイダンスが行われていたものが、今回文科省の名前のもとに指針が出されるというところに意味があるのであって、そこは非常に重要なことで、今の実践発表の中でも、情報活用能力を中心とした発表と学校図書館の読書センター的な機能というところの実践とありましたけれども、あくまでこの会議での報告書は、読書センター的な機能を中心に据えていったほうが分かりやすいはずであると僕は思っています。もちろん情報活用能力の育成について、既に下地があって研究されている学校、研究されている司書の先生方がいらっしゃることは承知しています。でもそれはあくまで先行事例であり、今後の有効性、司書の法制化というふうなところを探っていく上でのヒントとして広く公開されていくべきものだと思いますけれども、あくまでこの会議で方向性を示すということで、それを言ってしまうと、情報活用能力の育成を学校司書に求めるとするならば、現職、既に山梨県でも何百名という方が勤務されていますけれども、じゃあ、情報活用能力を育成するためのスキルをどのようにして身につけていくかということ。また、既に司書教諭の方が中心になって情報活用能力の育成を進めている学校もあります。で、そういった学校に学校司書が入ったときに、どう関わっていくのか。先ほどもちょっとお話がありましたけれども、司書教諭の指示を待って学校司書が活動するというのはやっぱりおかしいはずであって、学校司書は学校司書の専門性。先ほども図書館学というお話ありましたけれども、そのあたりでお互い目指すところは同じなんだけれども、それぞれ違った専門性でというところをはっきりさせていかないと、とにかく子供たちのためだからとか、情報活用能力が必要だからというところに議論が向いてしまうと、結局今までと同じ玉虫色の結論になってしまう。だから、これから御勤務されようとする学校司書、また、現在校内でどのような仕事をしたらよいのかというところでお悩みを持っている学校司書の方が、文科省がこう言っているんだから、こういう仕事をしていけば、最低限と言ったら語弊があるかもしれませんけれども、まずはそこからだということが分かるような報告書が是非できればいいなと。
 そのためには、情報活用能力の育成というものを持ってくると、じゃあ、司書教諭の仕事はどうなるんだということになってしまいますし、私はあくまで司書教諭ですから、その立場で言わせてもらえると、かえって混乱すると。で、現職の先生方も、えっ、こんなことまでということになってしまいかねないということで、その辺を少し整理して、実践を検討しながら、今後議論が進めていけたらと思います。
 以上です。
【堀川座長】
 ありがとうございます。大串委員さん。
【大串委員】
 今の御発言、大変貴重だと思うんですけれども、ちょっと僕、今のお話で具体的なイメージが湧かないんですけれども、例えば前回堀川先生にお示しいただいた論文といいますかね、文章がございまして、そこの何ページですかね、4の図書館の活用というところで、図がございますよね。それで今のお話ですと、その図のこの学び方のスキルを知るというところは、これはやっぱり司書教諭の分野の仕事であって、それで、学校司書は、そうすると読書するというところの一番上の、読書を楽しむ、あと、疑似体験をする、この部分が司書のお仕事だという、今お話を聞いて、僕としてはそういうようなイメージ持ったんですけれども、その辺はどうでしょうかね。
【堀川座長】
 ごめんなさい。杉本先生に?
【大串委員】
 ええ、そうです、質問。
【杉本委員】
 その部分、ですから、図書館の使い方、本の借り方というところからの情報活用能力だと僕は思っていますので、情報活用能力の窓口であり、まずはスタートは図書館からだと思っています。ですから、ここは司書の先生方の図書館の使い方ということですから、それはもちろん専門性というところなんですが、その後は、この前も言いましたけれども、分担ができないというのは、学校によって実情が大きく違って、司書の先生方のスキルも違うし。ですから、その後のどこまでで線を引くかというのはそれぞれだと思います。ただ、授業ということに関わってくると、その面からの指導計画を立ててとか、その授業のワークシートを作ったりだとか、体系表を用意したりだとかというふうなものについては、1時間の授業、主はやはり司書教諭であり、担任であると。ですから、そこが職務分担ができないという、線は引けないと思います。ただ、入り口は司書の先生方の専門性であるというところですから、ここでというわけではないですけど。
 ですから、最終的に目指す情報活用能力の育成という目標は同一に持ちながら、それぞれの専門性に基づく活動を進めていくというところだと思います。
【大串委員】
 ありがとうございました。
【堀川座長】
 ありがとうございます。今回は申し訳ありませんが、あまり議論を深める時間がありませんので、いろいろな観点の御意見を伺いたいと思います。どうでしょうか。
【村山委員】
 私も司書教諭ですけれども、今のことでちょっとだけ言わせてください。司書さんは情報活用の専門家です。プロだと私は思っております。ただ、情報活用の育成計画を考えるのは教諭だと思うのです、司書教諭です。ですから、そこで役割分担ははっきりしていると思います。読書も同じように、読書教育の計画を考えるのは教諭だと思います。微妙なところはもちろんありますが、司書と司書教諭は、読書教育・情報教育どちらにも十分関わっているし、仕事の内容の方向性も違う。仕事の区別はちゃんと分かりやすくなっていると私は思っております。
【堀川座長】
 ありがとうございます。この辺はもう少し深めなくてはいけないと思いますが、牛山委員さん。
【牛山委員】
 先ほど資料発表してくださった方々のお話を聞かせていただいて、一番思いましたことは、今もおっしゃられましたけれども、司書教諭であろうと、司書であろうと、目指すところは重なっている部分が非常に多いということを1点強く感じさせてもらいました。
 そして、さらにそのことをもう少し言いますと、学校図書館をどのように経営したらいいか、経営に関する考え方の違いと関連してくると思いました。
 それからその経営も、いかに上手にとか、機能的にとか、有効的にとか、そういう視点で工夫し、考えて司書の方も司書教諭の方もお仕事をなさっておられます。それらの工夫は、先程の先生の発表にありましたように、いかに子供たちに来てもらうか、図書館のよさを子供たちに自覚させるという意味合いでの奉仕的な努力もされているんですね。さらに一番きょう問題になっていました教育的な内容としての仕事でも司書の方々が努力されていることを改めて感じました。
 こういうふうにいろいろあるということを強く感じさせていただきましたので、この会議では、どういう内容のことは司書教諭がやったほうがいいのか、あるいは司書がやったほうがいいのかという、比重のかけ方やバランスみたいなものを仕分けするという作業もこの会議でやったらどうかと、そういうふうに思ったしだいであります。
 それからもう一つは、校長先生を学校図書館長に私どものところでは任命しています。それは先ほどの資料発表してくださった方々の中にも、管理職のリーダーシップということが非常に関与してくるとか、それから、校長先生がこういうふうに終業式でやってくださったことが非常に有効的だったとか、やはり今日管理職の学校図書館、あるいは読書教育に対する認識の深い、浅いということが非常に私は重要な影響を及ぼすと。そういうことを思ったものですから、私たちのところでは学校長を図書館長に任命させていただいているんですけれども、任命させていただいた理由の一番の根拠は、学校教育法等で教育課程編成権が学校長に与えられていること。それと同様に学校図書館法の中でも、第2条に、学校の教育課程の展開に寄与するとともにと、ここのところに学校の教育課程という言葉が学校図書館法の中にも出てくることを私は考えれば、やはり学校図書館に関与する学校長の権限を相当重くするという意味合いのことが司書教諭とか司書の皆様方のお仕事の中に表れるように、感じられる方向へ検討することを期待します。
【堀川座長】
 ありがとうございました。清水委員さん。
【清水委員】
 まずお話ししたいこととしては、情報活用能力なんていう話がありました。前回も申し上げましたが、少し違う立ち位置からお話をさせていただくと、私は全ての教科において情報活用能力の育成が必要だと思います。それから、タブレットを全セット配付してのインターネットを使った情報活用能力云々もあると思います。私はそういった視点、取組の中で図書館の果たす役割というのが非常に大きいのではないかなと思うんですね。ですから、図書館だけで情報活用能力育成ではなくて、たくさんの取組の中の一つとしてどう機能することが最も有効なのかというあたりを考えていかなきゃいけないのかなというのが一つ考えていることです。
 それから、きょうの御発表を聞いていて、それぞれやはり進行状況によって違うと思うんですね。週2日しか来れないとかというケースとか、いろいろとケースによって違うと思うんですね。
 私の勤務している荒川区の話を少しすると、導入期もあり、それから、週5日の配置が全校完了してからもうかなりたつわけです。やはり学校図書館支援センターというものの働きが随分大きくて、毎月年間12回の研修、新任は2カ月に1回ですから、計18回の研修を行う。いわゆる学校司書業務マニュアルみたいな冊子も作成しているわけです。だからといって何もかもがんじがらめにしていくということではなくて、やっぱり共有する部分と、それぞれの学校に応じた働きというものを構築していく。そして、今お話あったような学校長のリーダーシップのもとでやっていくということの両方をやっぱり考えていく必要があるのかなと思います。
 最後に、私もそういう意味でいうと情報活用能力育成のために学校図書館を機能させなければいけないと強く感じている校長ですので、もちろん経営方針の中心にも据えておりますし、学校図書館の活用の数値目標も掲げて、区民に公表して、学校全体で動いていかなければいけないというような考えのもとでやっているところではあります。現在進行形です。全てがうまくいっているわけではないんですが、今の先生のお話はとてもよく理解できるところだと思います。
【堀川座長】
 ありがとうございます。林委員さん、いかがでしょうか。
【林委員】
 簡単に一言だけ申し上げます。きょう御発表を聞いて、学校司書の方のお仕事が非常に多岐にわたっているんだなと、改めて理解したところです。また、学校によって重点の置かれている業務が異なっているというのもよく分かりました。
 それで、学校司書と司書教諭の役割分担ということを考えたときに、やはり配置というのがとても大きく関わってくると思います。両者がいれば、当然そういった業務の役割が明確にすみ分けられることも可能だとは思うのですが、場合によってはそういった配置の学校もないわけで、すると、先ほどバランスといったお話もありましたが、その比重のかけ方というか、行政が場合によっては支援を行うような業務も当然出てくるということも踏まえて、今後この会議が進められていけばいいなと感じたところです。
【堀川座長】
 ありがとうございます。堀部委員さんは先ほど御質問なさいましたが、どうでしょうか。
【堀部委員】
 じゃあ、ちょっと一言だけ、すみません。本当に多岐にわたる実践で、気づかされたことたくさんあるんですけれども、やはり先ほど管理職、校長としての指揮権が非常に大きいというところは身をもって感じるところなんですけれども、そういう意味から、これは私の意見、踏み込んじゃいけないきょうの時間なんでしょうけれども、やっぱり学校図書館教育指導計画というのは、基本的には教育課程とどうリンクしていくのかというのがやっぱり生命線だと思うんですね。そこに学校司書の方の専門性がどういうふうに生かされるかという点を、やっぱりぶれてはいけないし、外してはいけないところなのかなというのがきょうの一番強く思いを持ったところです。
 時間がないか。ごめんなさい、もう一つ。もう一つだけ考えたときに、学校司書の本当に御実践多岐にわたって、興味深く、横浜市もこれから導入されるに当たって楽しみがすごく増えました。そのときに、やはり読書指導、読書活動の指導というのは何か、どんな力を付けるかというね、そこが学校司書の方はどう捉えられているか、また、司書教諭が捉えていくかが実は学校図書館教育年間指導計画に織り込まれているわけですよね。その部分を司書の方も共有すべき部分も多々あるのかなと。つまり、活動ありきではなくて、その活動を通してどんな力が付けられるか、その辺の分析というのは、こちらの会議での本務ではないのかもしれませんけど、実はすごくすみ分けにね、あるいは乗り入れに大きな視点になってくるんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】
 ありがとうございます。
【大串委員】
 一言だけいいですか。先ほどの指導というお話なんですけれども、僕は「これからの学校図書館の活用の在り方等について」の18ページに、ここで新しい考え方が示されていると思うんです。学校司書が非常に重要だということの中に、具体的な仕事の中に、ガイダンスという概念をここで初めて公式の場で入れてきたわけですよ。それ以前の司書や何かの職務内容のところではこういう言葉がなくて、全て指導になっていたんですよ。だけども、やっぱり学校図書館を考えたときは、ここで提案されている、例えば図書館利用のガイダンスという書き方をされているんですけれども、指導とガイダンスというのはやっぱり違うと思うんですね、教育指導と。やっぱり養成課程の関係で、もし専門職ということを考えるんでしたら、やっぱり司書のほうは、教育の具体的なところは教職課程のようにやっていませんので、やっぱり教育の指導というのと、それからガイダンスという、この概念を私は丁寧に使って今後考えていったほうが生産的な議論になるんだろうなと思うんですね。
 それからもうあと一つだけあれなんですけれども、この前堀川先生に示していただいた、先ほど私か触れた図なんですけれども、やっぱりここで一つ非常に重要なのは、読書というのと、それから学習情報センターと二つあるんですけれども、その真ん中にあります知識を得るとか、理解を深めるという、この知識というのは教育の現場ですごく大切な概念だと思います。やっぱりその辺も、学校図書館のこれからを考えるときに入れて考えたほうが僕はいいなと。
 実はもう御存じだと思うんですけれども、アメリカの学校図書館員協会という、AASLが21世紀の学習者のための基準というのを作っていますよね。ここで四つの基準を立てていますね。一つは、情報を求め、批判的に考え、知識を獲得する。二つ目が、結論を導き出して、情報に基づき意思決定を終え、知識を新しい場面に適用して、新しい知識を生み出すという。これやっぱり私どもがこれから学校図書館を考えていくときに、ここで先生が示された知識という言葉はやっぱり非常に重要な言葉として大切にしていきたいなと僕は思います。
【堀川座長】
 ありがとうございます。表現の問題。
 じゃあ、最後でいいでしょうか。発表してくださった方々の御意見は伺っていないんですが、槇川さん。
【槇川委員】
 今後、司書教諭と、それから司書の役割というのは、次ぐらいから論議が始まると思うんですが、そのときに学校司書がどういう授業への関わりをするのか、しないのかという部分については、教員がつかさどるものを規定している学校教育法がありますので、それをやっぱり根拠にして話をしないと、これ、関われるんじゃない、いや、違うんじゃないというところを法律と離れたところで論議はやっぱりできないと思うんですね。事務局のほうには、大変申し訳ないんですが、その部分の規定がありますので、そこのコピーをしていただいて、資料としてお出しいただければと思います。
【堀川座長】
 ありがとうございます。発表してくださった方々には御意見を伺ってないんですが、申し訳ありません、時間的にきょうはここで打ち切りをさせていただきたいと思います。しかし、きょうせっかく来ていただいていろいろな情報を提供していただいて、でも、まだ思いというか、意見がある、御質問があると思うんです。それで、メールで事務局のほうにお出しするということは可能ですか。
【春山課長補佐】
 可能です。
【堀川座長】
 いつごろまでに頂ければ、次回のここの中に反映できるということがありますか。
【春山課長補佐】
 1週間以内ぐらいで一度お送りいただいて、そしてまたそれを座長にごらんいただいてというようなことになるかと思いますので、できましたら1週間程度ということでお願いできればと思います。
【堀川座長】
 1週間以内というといつまでということですか。
【春山課長補佐】
 来週の9月3日、火曜日あたりで一度タイミングを作っていただいて。
【堀川座長】
 いいでしょうか、委員さん方、まだまだお話し足りないと思うんです。9月3日、17時まででいいですか。
【春山課長補佐】
 はい。3日中ぐらいで頂ければ。
【堀川座長】
 御意見を、もしおありになれば、送っていただければありがたいです。またそれを次回の会議に反映させていきたいと思います。
 以上で、すみません、ちょっと時間がオーバーしました。そして、次回の会議にまたそれを反映した骨子案という形で出したいと思っています。
 それでは、最後ですが、事務局のほうから何かおありでしょうか。
【春山課長補佐】
 はい、では、事務的な御連絡ですが、まずお手元のほうに前回、第1回の議事録の案がございます。こちらにつきまして、それぞれの御発言、御確認いただきまして、何か訂正がございましたら、同じく9月3日までに事務局のほうに御連絡を頂ければと思います。これは、今日か明日ぐらいに電子媒体をメール配信させていただきますので、それでごらんいただいて、メールで返信を頂ければそれで結構でございます。よろしくお願い申し上げます。
 あと、それから、次回以降の日程案でございますけれども、今、先生方から頂いて、全部の回に全員御出席いただけるということじゃないんですが、今考えておりますのが、第3回、次回ですが、9月28日の土曜日の14時から17時ということで、時間帯はきょうと同じでございます。場所は文部科学省の中の3階の2特別会議室というところを御用意しますが、またこれも改めて御連絡させていただきたいと思います。
 それから、第4回は、10月27日、これは日曜日になります。時間帯はまたこれも、時間帯、全て14時から17時ということで以降も取っておりますが、です。場所も同じく文部科学省の中の3F2の特別会議室というところです。
 それから、5回と6回まで、とりあえず見通しをということですので、5回につきましては、11月4日、ちょっと4回と5回の間が1週間の間だけなんですが、5回が11月4日、これ、月曜日、振替休日の日ですけれども、3連休の一番最終日なんですが、先生方、お集まりいただける日があまりなく、大変恐縮なんですが、よろしければこのあたりでと思っております。それから、第6回が12月1日、日曜日でございますが、これも同じく時間が14時から17時ということで、5回、6回は場所が未定でございます。
 先生方、皆さんに御出席いただけるということではなく恐れ入りますが、最大の御出席いただける日にちを勘案しますと、このような日程になりますので、よろしければこの日程で御承知おきいただければと思います。
 以上でございます。
【堀川座長】
 ありがとうございます。日曜日とか祝日とか大変ですけれども、是非御協力お願いいたします。
 それでは、本日はこれで閉会としたいと思います。では、きょうは本当にどうもありがとうございました。

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