学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議(第1回) 議事録

1.日時

平成25年8月9日(金曜日) 14時~16時30分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎5階 「文化庁特別会議室」

3.議題

  1. 座長の選任について
  2. 学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上について
  3. その他

4.議事録

【春山課長補佐】  それでは、失礼いたします。定刻になりました。定刻ということですので、よろしければ開始ということにさせていただきたいと思います。
 それでは、これより学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議を開催させていただきます。
 座長が選任されるまでの間、事務局が議事進行させていただきます。私、事務局の文部科学省初等中等教育局児童生徒課課長補佐の春山と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 また、この会議の公開の取扱いでございますが、後ほど座長を選任していただいた後にお諮りしたいと思いますが、とりあえず暫定的に公開ということで、もう既に傍聴の方には部屋にお入りいただいていますことを御了承いただければと思います。
 それでは、開会に当たりまして、義本博司審議官より一言御挨拶を申し上げます。
【義本審議官】  文部科学省初等中等教育局を担当しています大臣官房審議官の義本でございます。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、しかもお盆に入る前、この暑い中、御参加いただきまして、また委員をお引き受けいただきまして誠にありがとうございます。
 申すまでもなく、今年度から高校の学習指導要領が実施されまして、小中高、新しい学習指導要領が本格実施ということになったわけでございます。今回の指導要領におきましては、言語活動の充実ということと、探究的な学習ということを大きな柱に位置づけておりますが、学校図書館はその展開に寄与する重要な役割を果たしているところでございます。すなわち、自由な読書活動や読書指導の場でございます「読書センター」としての機能と、児童生徒の主体的あるいは自発的な学習を支援し、情報の収集あるいは選択・活用能力を育成するという「学習・情報センター」としての機能を期待されておりまして、そういうふうな大きな役割が指導要領の中においても学校図書館において期待されているところでございます。
 その中でも、その業務を担う学校図書館担当職員の方々については、司書教諭や学級担任の教員と連携しながら各教科の授業展開に貢献していただいたりとか、あるいは多様な読書活動を企画実施するなど、学校図書館の活性化に寄与していただいているところでございます。学校図書館の担当職員につきましては、ここ数年、各自治体におきましてその配置が進められてきているところでございますが、文科省が今年の春にまとめました平成24年度の現状に関する調べの結果におきましても、学校図書館担当職員を輩出する公立小学校におきましては47.9%と、公立中学校では47.6%という形でここ数年増加しておりまして、厳しい地方の財政状況の中におきましてもその必要性が強く認識されているところでございます。
 児童生徒が学校図書館の資料あるいは情報を利活用し、それを学校図書館担当職員が支援するということが重要でございますが、その意義や役割、あるいはその質の確保について国・行政としてどう支援するかということについてが今後の課題になっているところでございます。そのような考え方に基づきまして、今後、地方財政措置を活用して学校図書館の担当職員の配置の拡充を促進するに当たりまして、担当職員の役割、あるいはその支出の向上策について取りまとめいただきまして、各地域、あるいは学校の参考になる資料を作成するということが今日的に非常に重要だと思っております。本会議におきましてその議論に取り組んでいただきまして、その推進に役立てていきたいと思っているところでございます。
 財政措置については、平成24年度から単年度で150億の地方財政措置が講じられているところでございますが、その措置とともに、それをどう活用し、役立てていくのかというソフト面の取組が重要でございまして、その議論を本会議で是非お願いしたいと思っているところでございます。様々な形で学校図書館に携わってこられた委員の皆様方の御見識、あるいは御所見をおかりしまして、きたんのない御議論をいただきまして、実りある成果を上げていきたいと思っているところでございます。月に1回程度、かなり詰めた会合になるかと思いますけれども、皆様方におきましては年度末までになりますけれども、審議に参加いただきまして活発な御議論、あるいは御審議を期待したいところでございます。
 少し長くなりましたけれども、この趣旨と兼ねまして御挨拶とさせていただきます。本日から、この会議、先生方、よろしくお願いいたしたいと思います。
【春山課長補佐】  それでは、本日御出席の委員の先生方を御紹介させていただきたいと思います。お手元の方に資料が配付させていただいていると思いますが、資料1の2枚目に先生方の名簿を付けておりますので、こちらを御確認いただければと思います。
 では、五十音順で紹介させていただきます。まず長野県茅野市教育委員会教育長、牛山英彦委員でございます。
【牛山委員】  牛山です。よろしくお願いします。
【春山課長補佐】  茨城県立第一高等学校係長(図書館担当)、海野早苗委員でございます。
【海野委員】  海野です。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  昭和女子大学人間社会学部特任教授、大串夏身委員でございます。
【大串委員】  大串でございます。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  岡山県津山市立北陵中学校学校司書、加藤容子委員でございます。
【加藤委員】  今回まな板に上がっている、学校図書館担当職員をしております加藤です。よろしくお願いします。
【春山課長補佐】  島根県松江市立揖屋小学校学校司書、門脇久美子委員でございます。
【門脇委員】  よろしくお願いします。
【春山課長補佐】  東京都荒川区立諏訪台中学校長、清水隆彦委員でございます。
【清水委員】  清水です。よろしくお願いします。
【春山課長補佐】  山梨県甲府市立甲運小学校教諭、杉本洋委員でございます。
【杉本委員】  杉本と申します。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  東京都立千早高等学校長、林修委員でございます。
【林委員】  林でございます。よろしくお願いします。
【春山課長補佐】  筑波大学大学院図書館情報メディア研究科教授、平久江祐司委員でございます。
【平久江委員】  平久江と申します。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  青山学院女子短期大学教授、堀川照代委員でございます。
【堀川委員】  堀川と申します。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  横浜市立並木中央小学校長、堀部尚久委員でございます。
【堀部委員】  堀部と申します。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  島根県教育庁義務教育課指導主事、槇川亨委員でございます。
【槇川委員】  槇川と申します。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  香川県高松市立前田小学校、同立香南中学校学校図書館指導員、真鍋雅子委員でございます。
【真鍋委員】  真鍋です。よろしくお願いします。
【春山課長補佐】  相模原市立鵜野森中学校教諭、村山正子委員でございます。
【村山委員】  村山と申します。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  岐阜県各務原市立緑陽中学校学校図書館職員、吉田小百合委員でございます。
【吉田委員】  よろしくお願いします。
【春山課長補佐】  東京都立府中東高等学校係長(学校図書館担当)、米澤久美子委員でございます。
【米澤委員】  よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  なお、本日は國學院大學久我山中学高等学校教諭の高橋知尚委員は御欠席ということで御連絡を承っていることを御報告させていただきます。
 引き続きまして、事務局の方を紹介させていただきます。ただいま御挨拶を申し上げました義本博司審議官でございます。
【義本審議官】  義本でございます。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  白間初等中等教育局児童生徒課長でございます。
【白間課長】  白間でございます。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  竹中児童生徒課企画係長でございます。
【竹中係長】  竹中でございます。よろしくお願いいたします。
【春山課長補佐】  児童生徒課課長補佐の春山と申します。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、次に、まず本会議の座長の選任ということに移らせていただきたいと思います。大変せんえつでございますが、事務局の方から御提案させていただければと思っております。差し支えなければ、学校図書館を主な専門分野として研究されております堀川照代委員に座長をお願いしたいと考えてございますが、いかがでございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【春山課長補佐】  それでは、異議がないということでございますので、堀川先生、座長の方、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、座長席の方にお移りをいただけたらと思います。
 それでは、今後の議事進行は座長の堀川先生にお願いしたいと思います。まず、堀川先生、座長として一言御挨拶を頂戴してもよろしいでしょうか。
【堀川座長】  済みません、それではせんえつながら今回の座長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回のこの協力者会議が開かれるということで、ちょっと振り返ってみたんですけれども、1993年(平成5年)から学校図書館が本格的に動き出したというように思っております。そうすると、今年ちょうど20年目というか、成人式を迎えたというか、そんな節目だなというように思います。1993年、何かと申しますと、学校図書館図書標準が設定されました。そして、学校図書館の図書整備5か年計画が始まりました。それから、20年なんですよね。
 そして、1995年(平成7年)の協力者会議で、学校図書館の機能が「読書センター」と「学習・情報センター」という2つの、そうした学校図書館を読書センターにしよう、学校図書館を学校情報センターにしようという提案がなされたのが1995年で、そして御存じのように1997年(平成9年)に学校図書館法の改正があって、2003年(平成15年)から12学級以上の学校に司書教諭が配置ということになりました。そして、2009年(平成21年)3月に出された「子どもの読書サポーターズ会議」の報告書に学校司書という名前がきちんと明記されたという、振り返ってみるとそういう段階があって、そしてこの協力者会議があるということを強く感じます。だから、それぞれの協力者会議、それぞれの段階で、私たちの先輩の方々が一つ一つ固めてくださった段階が、今回は「学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議」という名称でここで開催されることになり、とてもうれしく思っています。
 来年の3月までのところで皆様の御協力を得ながら一つのものをまとめるということですので、タイトなスケジュールではありますけれども、先ほど審議官がおっしゃってくださったように、学校のそれぞれの現場の参考となる資料を作るということを目標にやっていきたいと思います。微力ですけれどやらせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本会議の公開の取扱いについてお諮りしたいと思います。事務局より説明をお願いいたします。
【春山課長補佐】  失礼いたします。それでは、資料2が会議の公開の取扱いについてという資料になってございます。こちらをお手元の方に御用意いただければと思います。基本的には全て公開ということでございます。1.でございますが、会議の公開について、原則として公開するということで、特に座長が非公開が適当と認める場合には非公開にすることはできますが、基本的には原則公開ということでございます。
 それから、2.の資料につきましても、これも1.と同じ取扱いということでございます。
 それから、3.会議の傍聴ということで、もう本日は既に傍聴席の方にいていただいていますが、あらかじめ登録をいただいて、席の数が限りがございますが、その範囲で傍聴は可能とするということ。それから、4.のところでございますけれども、報道の取材も基本的に取材は可能ということです。それから、最後、5.ですけれども、この審議を御議論いただいた議事録については、原案を事務局で作りまして、先生方に確認をいただいた後でホームページ上に公開をしていくというような取扱いにしてはどうかというふうに思っています。
 以上、会議の公開の取扱いについてということで御提案させていただきました。以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。ただいま説明がありましたこの資料2についてですが、何か御意見、御質問おありでしょうか。いいでしょうか。ないようでございますから、了解していただいたということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【堀川座長】  ありがとうございます。それでは、本会議の公開の取扱いについてはこの資料2のとおりとさせていただきます。
 では、これを踏まえまして、本日は非公開で審議をしていただく理由はありませんので、ただいま決定しましたこの資料2に基づいて公開により議事を進行していきたいと思います。
 それでは、きょうは第1回目の会議ですので、まずは事務局からこの本会議の趣旨と目的、そして学校図書館担当職員の概要について説明をお願いいたします。
【春山課長補佐】  それでは、失礼いたします。まずはこの会議の趣旨、目的ということで、ただいま審議官の義本の方から、また堀川先生の方からも既に御発言がございましたけれども、一応おさらいということで、資料1に会議の設置の趣旨等をまとめた資料がございますので、これをお手元に御用意いただければと思います。
 趣旨ということでございますが、学校図書館担当職員、いわゆる学校司書ということでございますけれども、ここにおられる先生方は御案内のとおりでございますが、近年その配置をするという学校が非常に増えてきてございます。そうしたことを踏まえて、平成24年度から地方財政措置ということも措置されたところでございますが、今後も各自治体、学校においてその配置というものが増加していくだろうということが見込まれているところでございます。
 そうした中、もちろん先進的な自治体もございますけれども、やはりこれから初めて学校司書を置くというような自治体や学校が中にはあるのではないかと思います。また、そうした学校司書を配置される場合、学校に一人というケースが多いということがございますので、例えば学校司書ということで実際にどういうことをしたらいいのか、どういうことをほかの学校でやっているのかという、既存の例が必ずしも承知されていないケースもこれから多くなるのではないかということを踏まえて、各学校司書をこれから置くというところを中心に、もちろん、今までもう既に置いている学校も含めまして、一定の参考になるような資料というものが作成できればという趣旨でこの会議が設置をされたということでございます。
 調査研究事項ということで、2の方にございますが、一つは学校図書館担当職員の担うべき役割・業務ということと、もう一つは、学校図書館担当職員の質の確保を図るための方策ということです。(1)につきましては、今現在学校司書として御勤務いただいている方の持っておられる資格や経緯とか、あるいは学校の中での司書教諭さんとの分担とか、いろいろなことで各学校により本当に様々であると思います。その中でもベーシックな部分で期待される標準的な部分と、それから学校司書さんの持っておられるものとかいうことで、発展的にこういうこともできるんじゃないかという選択的な部分、そうしたものにどういうことがあるのかということを整理していただくということが一つ目です。
 また、(2)の質の確保ということでは、そうした学校司書の質の確保について行政や学校の方で組織的にどんな取組ができるのかということを調査研究事項として設定をさせていただいているところでございます。
 会議の趣旨については以上でございます。
 それから、学校図書館担当職員に関する基礎資料というのを資料3として御用意させていただいております。資料3の方をお開きいただければと思います。ここにおられる方はもう御存じのことと思いますが、司書教諭との比較で、学校図書館に置かれる人材についてということで書かれております。設置根拠、業務内容、位置づけ、資格等、司書教諭は学校図書館法ということで法律に基づいて設置されたものとなっていますが、そうした制度上の根拠は学校司書と言われるものにはないということですので、こうした会議でその役割というもの一定の共通理解のベースを形成したいという趣旨でございます。
 1枚おめくりいただきまして、カラーの表でございます。これは、平成21年3月の「子どもの読書サポーターズ会議」の報告書の中の参考資料でございますけれども、これも同じく司書教諭と学校司書ということで、それぞれの業務――これは、もちろん例ということでございますので、こうでなければならないという性格のものでは当然ございません。飽くまでも例ということでございますけれども、管理運営業務、日常的な業務、調べ学習等、読書活動ということで、大まかな分担というものがこの司書教諭と学校司書の中でイメージとしてこのような形で、一度、平成21年のときには示されているということがございます。
 また1枚おめくりいただきまして、具体的な配置状況ということでございます。小学校、中学校、高校、それぞれでございます。高等学校におきましては67.7%ということで、これは歴史的にもこのぐらいの配置率で来ているというところでございます。小・中学校におきましては、その下の緑色のところをごらんいただきますと、平成17年以降、近年、配置率というのが、厳しい財政状況であると思いますが、その中でもこれだけ伸びてきているというのは、需要といったものが自治体の方でも認識が進んでいるのではないかということがこれから見てとれるのではないかと思っています。
 それから、この表では常勤・非常勤の内訳を示してございます。高等学校におきましては常勤率が77.1%ということですが、小・中学校におきましては小学校で16.8%、それから中学校では24.8%というデータ。それから、このうち有資格者と書いてあります。ここで申します資格というのは、司書又は司書補のことを指していますけれども、小・中学校は非常勤の方で見ていただいた方がいいかもしれませんが、おおむね6割程度。それから、高等学校につきましては、常勤の方で見ていただいた方がいいかもしれませんが、8割弱というような数字ということになってございます。上が配置状況の概況でございます。
 1枚おめくりいただきまして、その次の黄色と緑のこのグラフは、文部科学省で実施しております全国学力・学習状況調査がございますけれども、これの平成22年度の結果で、この枠囲いをした教員以外の職員で、学校図書館に関する業務を担当する職員(いわゆる「学校司書」など)を置かれていますかということで、置かれているところと置かれていない学校での正答率の違いを見たものになっています。小・中学校いずれにおきましても、特に中学校ではその傾向が強いですが、学校司書が置かれている学校の方が正答率が高いというような、このようなデータもあるということです。
 その下半分に書いてありますのは、これまでも御紹介しましたが、平成24年度より、財政規模が150億ということで、おおむね1週当たり30時間の職員を2校に1名程度配置することが可能な規模の財政措置がなされているというような状況でございます。
 最後1枚は関係の法令ということですので、これは説明は省略させていただきます。以上、駆け足でございますが、この会議の趣旨と、学校図書館担当職員(いわゆる学校司書)の概要の説明ということで説明をさせていただきました。以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。きょうは初回ですので、この後、委員さん方からお一人5分ぐらいずつ、御所属と、これまで学校図書館に関わってこられた御経験などを順番に話をしていただきたいと思っております。
 その前に、今御説明がありました資料1、3について何か御意見、御質問はございませんか。
 大串委員さん。
【大串委員】  よろしいですか。学力調査の結果から見た学力ということで、小学校、中学校、それぞれ教科の名前ですね、これ挙がっているのは。これ以外の教科については特に。
【春山課長補佐】  実施をした教科がこれ全てでございます。
【大串委員】  ああ、実施をした教科がこれで全て、ありがとうございます。
【堀川座長】  ほかの委員さんはいかがでしょうか。いいでしょうか。どうぞ。
【吉田委員】  ささいなことだと思うんですが、学校司書という言い方は全国学校図書館協議会でずっと長いこと前から利用されているのですけれども、今回、文部科学省からこのように学校図書館担当職員というように設定された理由がおありであれば、お伺いしたいと思います。
【春山課長補佐】  通常は学校図書館担当職員ということで、従来よりずっとそういう呼び方をしておりまして、それが先ほど堀川先生から伺いましたけれども、平成21年のサポーターズ会議のところで実態として呼び習わされている学校司書という名称について言及があったと。実際各学校ではいろいろな呼び方があるかと思うんですが、いわゆるということで学校司書という言い方が通称どこへ行っても通じるということで、今まで使わせていただいておりました学校図書館担当職員という用語に加えて、いわゆるということでございますけれども学校司書という名称を付けさせていただいたという経緯でございます。
【吉田委員】  ありがとうございました。
【堀川座長】  いいでしょうか。ほかの方、いいですか。学校司書は通称とよく言われていて、法律上には言葉がなかったものですからずっと学校図書館担当職員で来ていますね。それでも、先ほども申しましたようにサポーターズ会議のカラーのところですね、学校司書と書いてありますね。
 確認をさせていただきたいんですが、この資料1の趣旨の下から2行目に、関係者が共有できる一定の方針を得るため、ここで調査研究を行うということ。先ほども審議官がおっしゃったように、参考になる資料を作るということで、実際に学校司書の制度とか、資格とか、養成とかいうところまでは踏み込む話ではないということでいいでしょうか。
【春山課長補佐】  はい、事務局といたしましてはそのように考えてございます。これをもって、こうあらねばならないというようなことを示す会議ではなくて、いろいろなあり方があるんだと思いますけれども、そうしたところに参考となるような資料というものをここで御議論いただければと思っております。
【堀川座長】  一番最初のところの3行ですね。専ら学校図書館に関する業務を担当する職員を配置することが有効であるということで、それを広げるためにそうした資料を作っていきましょうということでいいでしょうか。
【春山課長補佐】  はい。
【堀川座長】  委員さん方はそれでいいでしょうか。
 ということで、それを目的に趣旨としてやっていきたいと思います。
 それでは、先ほどもちょっと申しましたけれども、済みません、牛山委員さんからでいいでしょうか。5分ぐらいで結構ですが、御所属と、これまで学校図書館に関わってこられた御経験など、何でも結構です。今回は顔合わせですので、どういう経歴の方がいらっしゃるか、どういうお考えをお持ちかという、少しでも人となりがお互いに分かればいいなと。お願いいたします。
【牛山委員】  座ったままで失礼いたします。私、長野県茅野市という八ヶ岳山麓の麓にあります、そこの教育委員会の教育長を務めております牛山英彦といいます。どうかよろしくお願いいたします。
 何をお話ししていいかちょっと分かりませんけれども、冒頭、義本審議官さんがおっしゃられましたように、本当に今日、学校図書館が学校教育において果たさなければいけない役目は非常に大きい、深いものがあると感じています。私の市には小学校が9校、中学校が4校、それから高等学校が2校、幼稚園・保育園が私立を合わせますと全部で19のいわゆる図書館といいますか、読書といいますか、そういうことに直接関係する部署がございます。その中でも、特に小学校、中学校での学校図書館の果たす役割は、本当に真剣に考えなくてはいけないと、そういうことをずっと思ったり、感じたりしてきております。
 それに関わることを、多少私どもの市でも子供たちにやってはきておりますけれども、正直言いまして学校現場は、その先頭に立つ校長先生の学校経営のリーダーとしての考え方が非常に大きく影響するということを、これまでもずっと一点、思ってきておりました。
 それから2点目といたしましては、私どもの学校では全て学校司書という方は配置させていただいておりますけれども、フルに、1日8時間勤務というようなことには、まだ完全には至っておりません。7割くらいの勤務時間にはなっております。ここまで行き着くのにもかなりの年数が掛かっております。勤務していただく時間に比例してやはり教育に大きな影響を現実与えているということも2点目、感じております。
 それから、このいわゆる学校司書になっていただいている方、全部で13人中10人の方々はいわゆる図書館司書の資格は持っておられます。残り3名の方のうち2人の方は持っておりませんけれども、1人の方は教員免許を持っております。ということで、この資格を持っているか、持っていないかということも私は非常に重要だなと思っております。ですけれども、いわゆる一般的な図書館司書の資格だけで学校図書館司書を網羅することができるかどうかという、ここのところは考えなくてはいけないなと。普通の司書資格プラス、教育ということに関わっての認識、見識というものがかなり大きく学校図書館には関与してくると思っております。
 いずれにいたしましても、冒頭審議官さんがおっしゃられましたように、直に学校教育の成果に私は図書館の果たす役割は結びついていくと。私は、そこのところを是非ともそれぞれの学校の先頭に立つ校長先生自身が深く認識するか、しないかということを非常に思っております。そういう意味で、今回この委員にさせていただいて一番申し上げたいことは、やはりいかにしてこのそれぞれの学校責任者への自覚を高めるというような意味合いでの学校図書館担当職員はどうあるべきかということを、皆さんからいろいろ御意見を頂き、私も勉強させていただきたいと思っている次第であります。ちょっと長くなりました。済みませんでした。
【堀川座長】  ありがとうございました。是非その方策について考えたいところですね。
 それでは、海野委員さん、お願いいたします。
【海野委員】  本当にとても緊張しておりまして、今何がお話しできるかという状態なんですが。県の行政職採用で、高校の方に採用になりました。たまたま職務上図書館を担当してくださいと言われただけで、職員として採用なので正規採用ということはクリアしておりますが、業務内容も何も分からずにいきなり図書館というような状態で始まりました。そこから勤務する学校のうち5校を学校図書館で仕事をさせていただいております。それも恵まれているといいますか、上司の方の御配慮のおかげで、専任で、兼務は一度も経験せずに学校図書館に携わってまいりました。
 茨城県の状況で申しますと、年々行政職員が専任で図書館を担当するということが難しくなりまして、県立の高等学校に関してはほとんど兼務の方々が学校図書館の職員ということで携わっているというのが今の茨城県の状況です。
 私自身も資格は持っておりませんで採用でしたし、専任で後に続く方がいらっしゃらないので、いろいろな場面で研修会の講師などを最近頼まれるようになりました。図書館学とか、司書とかいう系統立った勉強を全然してこなかったので、お恥ずかしいんですが、司書補の講習にただいま通わせていただいて、図書館についてとか、学校図書館ということについて遅ればせながら今学んでいるという状況です。
 専任で図書館を担当しています年数は長いのですが、ほとんど勉強を始めたばかりという状態ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
【堀川座長】  ありがとうございます。全国のいろいろな事例を私たちが共有できるといいと思っています。
 大串委員さん、お願いします。
【大串委員】  私はもう何十年も前ですけれども、図書館の司書として東京都の職員に採用されまして、ずっと20年間図書館の司書という職務で仕事をしました。ただ、その間7年半ぐらいは図書館から出まして、いわゆる一般行政職という中でいわゆる一人司書というのをやったわけです。そういったところの経験でしみじみと身にしみて分かったことは、一つは、図書館のことというのはなかなか分かりにくいなと、ほかの人たちに説明することはとても難しいなということです。
 やっぱり住民だとか国民の方々、あるいは同僚の方々、先生方、いろいろいらっしゃると思います。議員さんもいらっしゃると思います。そこで、正確に仕事の中身を理解していただいて、仕事の意義であるとか、内容だとか、意味づけであるとか、そういったことを御理解いただくのがとても難しいなと。今回もここに座っているわけですけれども、多分その辺で私も、皆さん方、そういったこともお感じになられていると思います。例えば用語の問題とか、ちょっとした仕事の中身の話ですね。
 いろいろなところで私も学校図書館に関わることがあって講演したり、あるいはお話をさせていただいたりするわけですけれども、例えば学校司書というのは学校図書館の事務職員の方は、お話の時間とか、読み聞かせとか、ブックトークなんかをやりますよというふうなことを住民の方にお話をすると、そういうのは自分もやっていると。私もやっているんだと。だから、特にそういったことは特別な人は必要ないんじゃないかというお話をされる方もいます。
 そこでは、やっぱりそのときにどういうような学校図書館の中で仕事をしているのか、学校図書館の中でそういったことがどういう意義があるのかというところから始まって、その中身の問題ですね。例えば1年間、非常に様々なプランでおやりになっている。それから、学年だとか年齢に合わせて非常にきめ細かな内容でおやりになっている。例えば牛山さんの茅野市の読書計画を見ますと、非常にきめ細かな年齢設定をされて、それぞれでこういうことをやっていますよということが書かれているわけです。そういったことを、やはり分かりやすく、できるだけ一目で分かるような形で住民の方にお示しをする、あるいは保護者の方にお示しをするということがとても大切だなと、私は思っているんです。
 やっぱりそういったことから考えると、今回ここでこういう会議が設定されて、これからいろいろと皆様方も御議論されていかれると思いますけれども、その中で特に住民の方とか、保護者の方とか、一般の方が、ああ、そうだなと、図書館の仕事、あるいは学校図書館の事務職員の仕事というのはとても大切だなと思っていただけるような、そういった取りまとめができたらとてもいいんじゃないかなと思っています。一つ一つの仕事の意義であるとか、目的であるとか、それから教育上の重要性であるとかいうことを外部の方に十分分かるような形で、私どもが資料を作成して、提示していくことが、中の方々、それから先生方、そういった方にも分かっていただけることにつながるのではないかなと思っています。
【堀川座長】  はい、ありがとうございます。伝え方を工夫しないといけないですね。
 それでは、加藤委員さん、お願いいたします。
【加藤委員】  岡山県津山市立北陵中学校で学校司書をしております加藤です。先ほど吉田さんから、なぜ学校司書ではなく学校図書館担当職員なのかという質問がありましたが、それはとても重要だと思います。学校司書という職名で働くのと、図書整理員あるいは学校図書館事務職員という職名で働くのとでは、職に対するイメージも、行う仕事も違ってくると思います。
 やはり職名は仕事を表すという気がします。私は自分が学校司書という職名で仕事ができてよかったと思います。なぜなら、学校司書の仕事を考えるときに、図書館そのものの持つ働きから考えることができたからからです。つまり、利用者と利用者が必要とする資料を確実に結び付ける、そこに司書の根本の役割があると考えて、仕事を展開してきました。学校に勤務する司書ですから、学校で展開される教育の中で、利用者、つまり子どもたち、教職員と、図書館の資料、情報を確実に結んでいく仕事ってどういうことだろうというところから、仕事を考えました。そうすると、それをやっていこうと思ったら、資料のこと、本のことを知らないといけない。これは本当に読んでも読んでも膨大な資料があることにぶつかって、専門性と言いながら専門性を究めることはできないと痛感しました。
 それから、確実に結びつけるためには、その資料をちゃんと子どもたちや先生方に紹介をしていかないといけない。その伝え方を身に付ける必要性も感じるようになりました。そして、子どもたちの潜在的な要求、その中には知りたいとか、学びたいということがあるわけですから、そういうところへ働きかけることへの大切さを実感するようになりました。資料を提供することで子どもたちが、ああ、面白い、そのことをもっと知りたいと関心を示してくれたなら、子どもたちは意欲を持って授業に参加することができるのではないかと考えるようになりました。そんなことを考えて仕事をしていたら、私は行政職の学校司書で、教育職ではありませんけれども、いつの間にか授業の中に関わっていくことが多くなりました。
 先ほどブックトークの話が出ましたけれども、このブックトークも子どもの学びに本を手渡していくのに大変有効なものでした。それから、子どもたちが調べる学習をするときに、どんな資料を使って調べたらいいのか分からなかったら、その時点で調べ学習への気持ちが萎えてきますから、ああ、この資料を使ったら調べられるんだという見通しができるように、参考資料を紹介したり、あるいは百科事典の使い方なども伝えたりするようになりました。中学生でも、今までに一度も百科事典を使ったことがないという子どもが、現実の問題としているのです。押しつけではなくて、子どもたちの要求を実現する手段として、本を紹介したり利用の仕方を伝えたりすることが学校司書の仕事かなと思っています。
 堀川先生から、読書センター、学習・情報センターという用語が出ました。図書館の働きを追求していたら、そういう言葉を使うことはありませんでしたが、図書館にはそういう働きがあると、就職した30年ぐらい前から気づきはありました。今回の仕事の内容を考える中で、やっぱり職の名前というのは重要だなというふうに感じました。以上です。
【堀川座長】  ありがとうございました。いろいろと考えなくてはいけない問題がありますね。
 門脇委員さん、お願いします。
【門脇委員】  島根県松江市立揖屋小学校から来ました門脇久美子と申します。よろしくお願いします。本校があります東出雲町というのは、古代出雲神話のイザナミとイザナギが登場しますけれども、黄泉の国で対峙するというお話があります。その黄泉の国の入り口があるとされているのが本校の近くにありまして、そのあたりをイフヤと昔呼ばれていたそうなんです。その地名を今に残した揖屋小学校という、そういう歴史のある名前の学校に勤務しております。
 その学校に勤務して、今7年目になります。学校就歴は10年目なんですけれども、私は本校、2校目の勤務となります。身分は嘱託で、週に29時間の勤務です。本校は平成19年から校内研究に学校図書館活用を進めておりまして、7年間継続してその研究が続いているという学校です。その研究の参考にさせていただきましたのは、山形県に鶴岡市立朝暘第一小学校という学校があります。全国でもとても先進的な取組をしていらっしゃる学校で、元東京学芸大学の高鷲忠美先生、現在八洲学園大学の教授をしていらっしゃいますが、その先生の紹介で朝暘第一小学校の取組を知りまして、本校の先生たちはこぞってそこへ視察に行くと。そして、そのすばらしいことに感動して、本校でも是非取り組もうということで始まりました。
 校長先生は3人替わり、教頭先生も3人替わり、それから司書教諭も3人替わりという、どんどん異動で世代交代していますが、研究はすたれずにずっと着実に積み重ねている、更に進化させながら進んでいるというような学校の状況です。本校では、その活動の柱となるものとして指導体系表を活用しています。東出雲町では、平成23年度に松江市と合併いたしまして大松江市になったんですけれども、それまでは東出雲町という小さな町で取組をしていました。
 その頃町の教育長であられた鞍嶋教育長は、島根県でも屈指の進学校の校長先生を務められたような方でした。ですから、本を読む子は伸びるということを自分がしっかり体験していらっしゃったような方でした。自分がその町政をとり始めたら、絶対学校図書館活用教育には力を入れるという信念を持っていらっしゃいました。そこで、平成19年に東出雲町が国の支援センター事業というのを受けたことをきっかけに、町内にある小学校3校と、その進学先となる中学校1校の、全4校に学校司書を配置するということをまず最初に取り組まれました。
 そして、その支援センター事業の中に学校司書部会というものを立ち上げてもらいましたので、そこで小学校3校、中学校1校の学校司書が集まって常に情報交換をしながら進めてきたという経緯があります。そこで、学校の現状は全国的に見ても、まだなかなか取組が進んでいるとは言えないから、私たちは私たちの手で、何とか学校の中に本当に形だけではなく、子どもの力になるような学校図書館活用を進めていきたいというふうに夢を持ちました。
 まず一番最初に取り組んだことは、指導体系表のたたき台を作ることでした。全国学校図書館協議会の体系表を参考にしまして、私たち学校司書で一生懸命取り組みました。先生たちはお忙しいから、とりあえず学校司書がたたき台を作ろう。そして、先生たちに見てもらって、手直しをしていただき、完全版を作っていただこうという形で進めました。司書教諭の先生たちに見ていただいて完成度を高めた体系表ができました。それは現在、52校ある松江市においても中一貫した体系表として引き継がれ活用がずっと続いているという状況です。
 また、大体こうした計画を苦労して作っても形だけで終わるということが多いんですけれども、本校をはじめ旧東出雲町では学校教育の骨となり血となり肉となって児童生徒の力を付けるという成果が上がっています。本校の例で申し上げますと、やっぱり専任の学校司書の配置をしていただいたということをきっかけに、物も充実してきました。例えば新教育システム開発プログラムという文科省の事業がありました。達成率は100%に整備するので活用を通じて、どのような成果が上がるかというのを研究してください、それに協力してくださいという事業でした。本校をはじめ、東出雲町内の学校図書館は貧しい状態でした。気持ちはあるんですけれども、本がない。それから、ホワイトボードもない状況でしたので、何とか現状を打開する活路というのをそういう国の事業にかけました。
 そして、応募して、指定を受けることができ、蔵書が一気に7,000冊から1万冊ぐらいまで、3,000冊ぐらいばーんと増やしていただくことができました。また、県も元気チャレンジ事業というのを実施してくださって、支えてくださいましたので、そういうお金も50万円ぐらい頂きました。専任の学校司書と司書教諭がいるということで、社会資源を活用していく、拡充していく、整備を広げていくという原動力になりました。そういうものを大いに使わせていただいて、その上更に総務省から住民に光をそそぐ交付金というので、それも資料費に充てさせてもらいました。
 ですので、一気に資料資源というものを増やすことができました。専任の学校司書と司書教諭、それと資料があったので、そして、先生たちも、子どもたちもものすごく意欲を燃やしたわけです。図書館使っていくぞ、うれしいなということで、ものすごく生き生きしました。そして、研究も進みました。初代の専任の司書教諭の先生は図書館を活用するということがどういうことなのかまだよく分からない中で、手探りで一生懸命授業を開発してくださいました。それを土台にして、2代目の司書教諭、現在3代目の司書教諭になっていますけれども、本当に研究を全校体制で深めています。
 島根県は溝口知事が学校図書館活用に力を入れますと言ってくださったおかげもありまして、きょう槇川先生も来ていらっしゃいますが、財政的な支援はもちろんのことですけれども、現場が動く確実な研修とか、そういうサポートがすごく充実しているんです。それがあって、島根県内の教職員の方々が図書館活用に対する意欲も、意識も、ものすごく高まっています。全てのことがそういう趣旨どおりの活用ができて、本校ではそれもうまくかみ合っております。自称なんですけれども、活用日本一だなと思うような学校図書館活用教育が展開されています。
 校内研究がスタートする前の子どもたちというのは、やっぱり本が読めない、探せない、勉強も続かない、積み上がらないというような状況でした。それは6年生でもそうでした。それに、子どもたちの言葉でいうと調べ学習は超ウザイと言われていました。図書館活用というのは面倒くさい、本を読むのがつらい、そういうような状況でした。本の記述を丸写しでノートを埋めるのが調べ学習ということであって、それから新しい考えを引き出すとか、自分で意味を見出すということがなかなかできない状況でした。でも、今は全校で取り組むこと、それから1年生から中学3年生までの一貫を見据えて着実に積み上げていくということをやっておりますので、今では子どもたちの姿が全く変わりました。
 多様な意見を言います。子どもたち一人一人が意見を持っています。こうじゃないという子がいれば、それだったらあれもあるよと言うし、だったら、こういうのもどう、そうだ、それにこういうこともあるよねみたいな、そういう多様な意見が出るようになっていますし、お互いに認め合うこともできるようになりました。そして、お互いの意見を聞き、高め合うこともできるようになっています。それは、やっぱり多様な資料を使い、スキルをちゃんと計画的に押さえていこうという先生たちの緻密な指導もありますし、豊富な資料がある。そして、そこに人がいる、それに責任を持つ人がいるということが大きな力になっていると思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
【門脇委員】  済みません、長くなりました。以上です。
【堀川座長】  まだまだお話を伺いたいところなんですが、済みません、きょうは初回なので、揖屋小学校の事例についてはまた説明をしていただく機会を設けたいと思います。
【門脇委員】  ありがとうございました。
【堀川座長】  ありがとうございました。学校全体で動いているということでした。
 済みません、清水委員さん、お願いいたします。
【清水委員】  5分間ですよね。
【堀川座長】  目安にということで。
【清水委員】  分かりました。御紹介いただきました清水でございます。元数学教員の、今現在校長をやっている清水でございます。牛山先生の最初のお言葉に学校長のリーダーシップが重要であるというお話がありました。校長は必ずしも国語出身の校長ばかりではありませんので、全ての校長に活用しやすい資料作成ができたらいいなと考えています。
 私は、きのうの今頃、大阪で教育委員会の指導主事の先生方を集めた国の研修の講師をやっておりました。学校経営の理念としてキャリア教育という視点を入れて進めています。その研修だったわけです。私は、そのキャリア教育を進める上で学校図書館の活用というのが非常に大きな柱となっています。途中いろいろ省略してお話しさせていただきますが、学習センター化、情報センター化をして、学校図書館を活用できないようでは、これからの学校全体を通じたキャリア教育という視点で言うと、なかなか進まないのではないかということを考え、今進めているところであります。
 荒川区に今所属しておりますけれども、平成18年度からその導入が始まって、平成21年度には全小・中学校に学校司書の配置と、教育委員会に図書館センターができて、学校司書の研修等も含めて、活用の仕方も含めて進めてきたこともありますので、この5年間の実績も踏まえながら現場の様子をお話しできればいいかなと考えています。
 これまでキャリアの視点で学校図書館をという話の中で、やはり社会人として必要な力、能力という意味でいうと、情報収集力や分析力を養う学校図書館の活用ということは非常に重要だと考えております。それからクリティカルリーディングというか、そういった読みもできる子どもたちを育成して、社会に送り出していく必要があるだろうというふうにも強く感じております。これまで学校司書と協働した、これは私が勝手に作った言葉ですが、コラボ授業、コラボレーションしながら行う授業の実践等も積み重ねて、平成22年度に学校図書館賞もいただきました。本当に数学出身の校長が学校図書館を活用して大きな賞を頂けたということは本当によかったなと思っているんですが、まだまだ十分ではありませんし、これから皆様方のお話をお聞きしながら進めていければなと感じています。
 そういったことが御挨拶ということでよろしいでしょうか、後の時間もありますので。よろしくお願いいたします。
【堀川座長】  ありがとうございます。校長先生がいてくださると有り難いですね。いろいろな立場の方がいてくださると有り難いです。
 済みません、杉本委員さんにお願いいたします。
【杉本委員】  よろしくお願いいたします。山梨県甲府市から参りました杉本と申します。私が勤務しております山梨県は、御承知の方がいらっしゃるかどうか分かりませんけれども、昭和20年代から学校司書の配置が始まりまして、現在山間部のごく小さい学校を除いて、ほぼ100%専任の司書がいます。高校については全員県費の職員が配置をされています。私自身、司書教諭が先ほど経過の中でもありましたけれども、山梨県は先取りで司書教諭の配置を始めましたので、1997年に県では第1番目の発令を受けて、そこからかれこれということになるわけです。
 私自身は何で司書教諭を目指したかというと、司書教諭について当時の文部省がパンフレット等で出していたのはメディア専門職であると。校内の情報化の旗振り役、推進役が司書教諭であるというところに私自身、非常に魅力を感じまして、司書教諭の資格を取ったわけです。ところが、いざふたが開いてみると、なかなか各校にいる司書教諭が情報教育に堪能であったわけではなくて、自然に校内のパソコンに詳しい先生が情報教育の推進役を担っていった。いつの間にか情報教育主任という分掌ができる中で、司書教諭の役割がメディア専門職という位置づけでは非常に薄くなってしまったと。
 じゃ、どうするかというところで、私自身もせっかくお金も出して、時間も掛けて資格を取ったのに悔しいという思いもありましたし、半分意地もありましたので、何とか司書教諭の活動を進展させていくことはできないかということを考えて、研究会、研修会等に参加したわけです。その当時全国から出てくる司書教諭の実践というのは、今まで鍵が掛かっていた図書館を、私が司書教諭の発令を受けたので、ふだん開けておくようしましたとか、古い本を思い切って捨てましたとか、せいぜいブックトークをやっていますとか、読み聞かせをやってますとか、親子読書を進めていますというような実践が司書教諭の実践として出てきていました。
 翻って、本県、山梨県のことを考えてみると、それらはもう既に司書の先生方が非常に積極的にやっている実践であって、それを私が司書教諭という立場でやったところで何を今さらという感は否めなかった。何よりも、非常に司書の先生方の、今だからこそ言えますけれども反発が強かった。要は仕事を取られるという思いが司書の先生方の中に非常に強くて、私もその県の図書館の研究会などで司書教諭というのはという話をするんですけれども、本当に厳しい意見を言われました。
 そんな中で考えたのが、同じ仕事をするのではないのだと。司書と司書教諭はおのずと専門性が違って、2人がいることによって学校図書館の充実が初めて目指せるんだということをアピールしていこうと。じゃ、私自身司書教諭ですからどこに専門性を見出すかというと、やはり教諭です。直接的な学習指導ができるというところが一つ大きなポイントであるということを考えました。それを足がかりにして、私自身は学習活動の中に学校図書館をどう位置づけるかというところに重点を置いた実践、また拙い研究ですけれども、それ以来続けているという状況になります。
 そんな中で司書の先生方にも司書の先生方の専門性があるんだということを司書教諭の立場からですけれども、お話をさせていただいています。じゃ、それは何かというと、一つは子どもの本の専門家であると。レファレンスであったり、収集であったりというところはやはり司書の先生の専門性であって、そこのところを追求していく。教育に関わる部分はやはり司書教諭が責任を負うべきだし、リーダーシップもとるべきだし。そこのところを、お互い、いや、そんなことは私たちもやっていますと、私たちも研究会でこんなことをやっています、パソコンの指導法を私たち司書のグループでも進めていますという御意見も頂くこともあるんですけれども、それを言っていると、うちの学校は小さいから、同じ仕事をするんであれば2人も要らないよというところが必ず出てくるでしょうし、お金の掛かることですから、国の方でそちらが出るんだったら、じゃ、地方公共団体のこちらの方は要らないですねという話になりかねませんので、専門性が違うんだと。お互いの仕事を補完するのではなくて、専門性が違う仕事をしているんだということを、やはりアピールしていかなければならない。
 今回この会議が非常に重要なのは、これから全国的には山梨県と反対のことが起こると僕は思っています。要するに司書教諭がいるところに司書が入ってくると。そうすると、司書教諭の先生方は、僕も、実際に積極的な司書教諭の活動をされている先生ほどそういう発言があるんですけれども、今までは私が一人で本の整理をしていたけれども、今度司書の先生が来るらしいから、本の整理をしてくれる人が入ってくれてうれしい。私の机の後ろにはいつも新しい本が積まれているんだけど、今度司書の先生が来てくれたら、それを整理してくれるから有り難いということを平気で司書教諭の先生方が発言されている場面に何回か出くわしています。
 実際、そういう理解が広まってしまっていると。ですから、今御活躍されている司書の先生方はいいですけれども、これから新しく入ってくる司書の先生方は、司書教諭の先生にあれしてください、これしてくださいということになりかねないと思うんです。ですから、今回この会議で話し合われたことが、先ほどもありましたとおり、広くアピールされることで正しい理解につながるんだろうなと。
 今思っているのは、私が司書教諭の発令を受けたのが97年で、ようやくここに来て学校図書館の学習・情報センター的な機能というところと併せて、意欲的な学習の場としての学校図書館というもの。もとはといえば読解力低下というところから、司書教諭の存在が再クローズアップされてきたわけです。そこまでに十数年掛かっているという中で、足りなかったのは、一つは専門性の違いのアピール。司書と司書教諭の専門性の違いをはっきりさせなかったので、司書教諭又は司書、現場の先生方でもまだ混同されている方はたくさんいらっしゃいます。
 それから、もう一つは、国とか県のリーダーシップを伴った形での研修会が司書教諭においてもなかった。私が承知している限り、悉皆で司書教諭を集めて、これが司書教諭の活動ですということを学ぶ機会はなかった。やはり今回は同じ轍を踏まないためにも、その2つの専門性の違いをはっきりさせるということと、何か実効性のある研修会がこの話し合いの中で出された意見をもとに設けられていくような形がとれると、非常にこれからの学校図書館の充実につながっていくんだろうなと思います。以上です。ありがとうございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。これからの論点を幾つか出していただきました。
 林委員さん、お願いいたします。
【林委員】  失礼いたします。東京都立千早高等学校長の林と申します。私は教科は商業で、校長としては今年で2年目を迎えました。本校、千早高校は英語とビジネス教育に重点を置いて今年で開校10年目を迎えましたが、以前は文部科学省の方から、SELHi、スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールの指定を受けていたこともあり、英語教育の充実に日々努めている学校でございます。そういった中で、私は東京都教育委員会の方から研究団体として認定を受けております、東京都高等学校学校図書館研究会の会長ということもありまして、今回この会議にお声を掛けていただいたということもございます。
 そこで、本校の学校図書館についてですが、実は、私は昨年着任したと同時に、本校の学校図書館の業務が委託ということで、去年、今年と民間委託になっております。おととしまでは、学校司書の方がいましたが、その方が定年退職を迎えたことに伴い、現在、欠員の状態が続いているところです。
 また、本校ということではないのですが、都立高校において12学級以上の学校には当然、司書教諭が1名配置をされておりますが、場合によってはその1名の司書教諭が新規採用教員で、なおかつその学校に学校司書がいないという状況もあります。そのような状況で、その学校の図書館を運営するというのは非常に厳しいというお話も校長の間では伺うこともございます。
 日々学校を預かる校長として、学校運営上、理想をいえば学校司書がいて、司書教諭がいて、その2人を中心に全教職員が連携を図りながら図書館運営ができていければ一番いいのかなと思います。それを実現することによって、読書活動も充実していきますし、言語活動の充実ということも実現していけるのかなという思いでいます。そこで、この会議において、先ほど冒頭にありましたけれども、学校司書の方の担うべき役割・業務を明確にしながら、教育上の重要性というものをこの会議の中で訴えて、できれば今後、私が勤務している都立高校においても学校司書の方が全校配置という方向になるような、何か調査研究ができればいいなと感じているところでございます。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。本当に、そうなっていただきたいですね。
 それでは、平久江委員さん、お願いします。
【平久江委員】  筑波大学図書館情報メディア研の平久江と申します。ちょっと名簿の方の肩書が違っているので御訂正をいただければと思います。筑波大学は結構機構が、組織改組などをやりまして変わったのです。前はこうだったものですが。
【春山課長補佐】  失礼しました。
【平久江委員】  私は1996年に大学の教員になりました。ですから、17年研究を続けてきております。入った当初は図書館情報大学という、まさに司書、研究、その養成のメッカのようなところへ入りました。当初は教員養成と、それから図書館員の養成、両方に関わってきました。現在、筑波大学と合併しまして、筑波大学の教員として、特に教授になってからは学校図書館を専門にして、養成、調査、研究という3つの柱で活動を続けてきております。
 私がこうした学校図書館の研究に入ったのは、大学教員になる前に11年ほど高校の社会科の教員をやっておりました。そのときに図書館なんか、社会科ですから様々な形で活用していくということで、図書館の可能性を見出して大変興味を持ったということがそもそもの出発点になっております。
 今このプロパーとして研究に携わっております。そういったことで、様々なところのグッドモデル、大変すばらしい活動をしている学校の方へお邪魔しまして、学校図書館をいろいろ見させていただいております。そういう中で、やはり学校司書さんが非常にしっかりと活動しているところは、大変すばらしい図書館活動をやっているなというのを実感として感じております。また、学校図書館が非常にしっかりと機能している学校というのは、非常に活発な教育活動を展開していると。そういう意味では、学校図書館というのは学校教育を改革する力があるのではないかと思って、その充実のために微力ですけれども、いろいろやっている次第であります。
 そういった中で私がやっていることを一言で言うならば、つまり学校図書館がどうあるべきか。また、それに伴って司書教諭がどうあるべきか、また学校司書はどうあるべきかという、そういったことではないかなと思っております。これは研究のレベルといったら、専門性ということで調査研究をしているわけであります。そういった観点から、きょういろいろお話を聞いておりまして、やっぱり冒頭あったのですけれども、名称ですね、これは非常に重要だなということを加藤さんがおっしゃられましたけれども、私も非常に感じております。
 冒頭説明いただいたわけでありますけれども、学校司書の名称というのは、一つは専門的知識を有したという側面と、それから、それに学校図書館に関する経験を有したという、多分2つの側面から捉えられているのが現状じゃないかなと思うんですね。しかし、そこで、じゃ、どちらに軸足を置くかということで、それぞれ微妙に違ってくるのかなと思います。司書というのは非常に専門性を背景とした文言でもあるんですね。職務でもあります。したがって、学校司書という名称を使った場合は、どちらかというと専門的知識というものを重視した形で捉えている捉え方ではないかなと思います。
 そうしますと、そこに伴ういろいろなものがありまして、例えば養成とか、資格とかというようなことが出てくることになるかなと思います。それに異なりまして、学校図書館担当職員という名称を用いる場合は、どちらかというと学校図書館に関する経験を重視した見方かなと思っております。そういう意味では、やはりせっかくこうした会議でいろいろ議論されるところもありますので、早々と問題提起ということではありませんけれども、この辺について検討していただけたら有り難いかなと思っております。
 また、そういった点で少しでも専門的知識が生かせたなと考えております。以上です。
【堀川座長】  お願いします。平久江先生には調査研究の成果、あるいはアメリカの事例などもまた教えていただきながらしていきたいと思います。
 済みません、堀部委員さん、お願いします。
【堀部委員】  横浜市立並木中央小学校から参りました校長の堀部と申します。先ほどまでのお話の中で校長のリーダーシップというのがいかに大事であるかというところを伺いながら、私もそれを肌身で感じているところです。3月までは、横浜市教育委員会に7年間おりました。最初の3年間は本市としては初めての学校図書館専任の指導主事ということでおりまして、第1次横浜市子ども読書活動推進計画の具現化、また第2次計画の改定というところで学校図書館教育に携わることができました。また、大学を出てから三十数年になりますが、学校図書館と国語科の教育にずっと関わることができまして、直接的にこの読書指導の充実というところは目の当たりにしてきました。実践についても微々たるものではありますが、いろいろな機会を通して積ませていただきました。
 先ほどのお話の中にも、やはり読書活動を推進するに当たっての基盤となる指導計画、そういったものがしっかりしていないと、読書活動はあれど、どんな力が身に付いたか、あるいは子どもが自ら本を引き寄せていく力、習慣、そういったものにどうつながるのかということになりかねません。このことは、ずっと言われ続けてきた大切なところですね。そんな中で、今回いわゆる学校司書の導入によって授業がどう変わり、子どもたちの学力にどう生かされてくるかというのが非常にキーになってくるかなと思っております。
 幸いにも、本校は再編統合8年目の学校ですけれども、これまでも今年度も、国語科の重点研究をずっと進めておりまして、単元開発、教材開発も含めて、本当に、学力と共に、本に親しむ態度や環境をどう作っていくかというところに今おります。今回、本市は学校司書をいよいよ導入することになったわけですけれども、その導入の学校にも選ばれておりますので、この会議の中で私自身も司書教諭と学校司書の仕事のすみ分けや連携を考えていきたいと思います。また、先生方お一人お一人の授業をどう支える学校図書館にしていくか、学校司書にどう関わりをもっていただくかというところでの学校司書の業務の内容、あるいはその学校司書のスキルアップをどう進めていくかということについては事務局時代の悉皆の研修を進めさせていただいたという経験も活かしていきたいと思います。ですから、両者の立場から今回の資料作成を実効性のあるものにしていくことができればなと思っております。
 ともすると、先ほど山梨の杉本先生が話されたように、学校司書の仕事が司書教諭の仕事の下請け的な部分も懸念されるところでありますし、逆に横浜は小中高入れますと約500校ありますが、その500校の中には、やはり学校司書が入ったから、司書教諭ではあるけれど、もう私はいいというふうに引いてしまうような可能性も非常に懸念されるところです。実際10月から本当に動き出すわけで、一気に500校ではないのですが、本年度は125校に学校司書が入ります。その125校から、500校の配置に向けてそれぞれお一人お一人の力量をどう高めていくかということは非常に大事な課題でもあります。最終的には学校司書の配置によって子どもが変わらなくてはいけないというところで、それをどういう姿で具現化していくかということでは、非常に楽しみではありますけれども、逆に言えば、この大所帯の横浜の中でというところでは、そういう様々なスタンスからの懸念もあるのかなと思っています。
 横浜では、本当に平成17年度までは図書館教育や国語科教育には大きな予算もついていなかったのですが、学校司書を今回導入していくというところでは、本当に億という予算が動くわけで、重点的な取組が今進められているところですので、その中で施策の推進に寄与できるような学校でありたいなと思っております。ですから、この会議での皆さんの御意見、非常に楽しみにしておりますし、私も微力ではありますが、、行政としての横浜の考えと横浜の市立学校の立場ということでお話ができればなと思っております。よろしくお願いいたします。
【堀川座長】  ありがとうございます。横浜に学校司書が配置されるようになったのは心強い限りですね。
 それでは、槇川委員さん、お願いいたします。
【槇川委員】  大都会横浜の後で人口がとうとう71万人を切ってしまった島根県のことを若干お話をさせていただきます。島根県では、平成21年から子ども読書県島根というキャッチフレーズを掲げて、学校図書館の活用教育を県の重点施策にして展開を始めているんです。この非常に重要な施策の視点というのは、人のいる図書館を実現するということで、まず一つは、11学級以下の学校にも司書教諭を置くと。もう一つは、人を置く市町村に対して財政支援をしていくというところです。
 この人というのは市町村にも財政的な事情がありますので、3タイプのメニューを用意して、選んでいただいているんです。まず最初は1日1時間、週5日、年間35週いていただく、いわゆる有償ボランティア、これは年間20万円。それから、1日5時間、週5日、35週、こういうタイプの学校司書。もう一つのタイプの学校司書は、1日6時間、週5日、年間52週。この3つのメニューのうちから市町村に選んでいただいて、有償ボランティアについては県が100%補助をすると。学校司書については、比較的財政基盤のしっかりしている市については2分の1を補助する、町村については3分の2を補助するという事業を始めたんです。21年から私も指導主事としてここに入っているんですが、実は21年当初でもう既に配置は一気に98%になったんですが、それまでの全県の配置27%から比べると雲泥の差であった。
 しかし、当初はボランティアの配置が全体の57%、あとが学校司書だったわけです。それは当然のことで、市町村にとってボランティアを配置している限りにおいては、財政的な負担は全くなしです、県が全部補助するわけですから。ですから、そのぐらいの配置でいくのかなと思っていたんですが、平成25年にかけてこの配置は完全に逆転しました。今年は全県の小・中学校313校のうちの有償ボランティアが149校、それからいわゆる学校司書が164校というふうに変わってきた。これは、市町村がボランティアでは限界があると。学校司書の有用性をかなり認識してくださって、お金を付けても学校司書だというふうなお考えを持ってくださったということであると思っております。
 しかし、今まで学校図書館、さっきの門脇委員の揖屋小学校等を除いて、島根県の学校図書館活用教育というのは本当に悲惨なものだったんです。ですから、人を置いても、例えていうと荒れ野に命の種をまくようなもので、これは耕していない土地に種をまいても芽が出ない。そこで研修というのが本当に喫緊の課題であったわけです。県立図書館との協力の下で学校司書の研修は21年から始めたんですが、肝心のもう一つの職である司書教諭の研修がなかったんです。22年から悉皆の研修、全学校から必ず出てくださいという研修を始めて今年で4年目、つい先週、県内5カ所での悉皆研修が終わったところなんですが、この成果も上がっています。これからおいおいお話はしていきたいと思うのですが、全国学力・学習状況調査の児童生徒の質問紙とか県調査の質問紙の中で、読書傾向、あるいは読書行動には大きな変化が出てきています。
 県は初年度で1億5,000万円、以降、大体1億5,000万円前後で今年までで大体7億5,000万円使っているんですね。島根県の財政規模は非常に小さくて、乱暴にいうと全体の予算が5,000億円ぐらいなんです。その中で学校図書館というものに特化した事業にかなりのお金を注いでいるということは、やっぱりこれから読書にとどまらず、子どもたちの確かな学力につなげていかなければいけない。それは、やはりさっき司書教諭と学校司書のコラボという話がありましたが、協働授業が非常に重要な部分になっていくと思っています。
 とりあえず以上の県の状況でございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。県全体で取り組んでいるというお話で、またいろいろお話を伺わせていただきたいと思います。
 それでは、真鍋委員さん、お願いいたします。
【真鍋委員】  高松市で学校図書館指導員をしています真鍋と申します。私は、高松市の学校図書館指導員で4年目、それ以前は香川県坂出市の小学校に2年間、東京八王子市の小学校で5年間教諭をしておりました。今言語活動や探究的な学習ということで学校図書館の役割がどんどん大きくなってきているところ、自分が教員時代に図書館を使った学習はどうだったかなと思い出すと、先ほど加藤先生が中学生になっても百科事典の引き方を知らないとおっしゃっていましたが、本当に恥ずかしい。図書館に調べに行くと言っても、「先生このことが載っている本がありません、家でインターネットで引いてきていいですか」というと、「どうぞ調べてきて」とか、この資料の数が足りないとなると、コピーしてみんなに渡したらいい…というような、本当に情けない使い方をしていて、今振り返って本当に反省しています。
 でも、そのときの反省をもとに考えたことは、学校図書館を活用していくためには、教員をサポートする人間が絶対に必要だなと感じました。先ほど門脇先生は同じ学校で7年研究を続けていらしたという話で、すばらしいな、素敵だなと感じたんです。私が今勤務している学校は先進校ということではありませんで、これから初めて司書を置く一般的な学校にほぼ近いだろうと思っています。高松市は小・中学校が70校あるうちに、私のように市の嘱託職員で1日6時間、週30時間勤務する職員が54名おります。今年初めて専任の学校が過半数を超えて、38校が専任、32校が兼任で、私の職名も前田小学校、香南中学校とあるのですが隣同士の学校かといえばそうではなく、学校規模で決まってしまうので、20kmも離れた学校に勤務しているような状態です。ただ、市としては年間5人ずつ指導員を増やしてくださっているのでとても有り難いと思うのですが、その関係で勤続というのができない。年々新しい学校に配属する指導員が多いのが実際です。
 それから、資格というお話が先ほど出ましたが、高松市では司書、司書教諭、教員という資格の者がおります。そして、研修は年間、今年でしたら10回あるのですが、その中で島根では研修に力を入れてどんどん深めるようにというお話でうらやましいなと思ったんですが、54人の指導員のうち今年新しく指導員になった方が16名おります。とても多いです。というのも、市の嘱託期間が、市なら本当なら4年勤続で1回お休みのところを、専門性があるので指導員は8年間勤められるんですが、8年間勤めたら1回お休みしないといけない。ということで、経験やキャリアを積んできた先生が学校で勤めて、また離れなくてはいけないので、積み上げてきたものが損なわれてしまうなというのを大変惜しいなと考えています。
 この会議で新しく学校司書を置く学校、どういうことをしたらいいか、ほかの学校はどうしているかという参考の資料を作成するということで、高松市でもとても役に立つだろうなと思って楽しみにしていますし、私も先生方のお話を聞いてしっかり勉強したいと思っています。以上です。
【堀川座長】  ありがとうございました。担当職員のいろいろな課題を出していただきました。
 村山委員さん、お願いいたします。
【村山委員】  相模原市立鵜野森中学校の司書教諭の村山と申します。学校図書館というのはメディア活用とか、調べるとか、授業で使って当たり前のものだろうと思って、教育活動のインフラであると思ってやってきています。例えば研究指定校だとか、予算がいっぱいついているとかではない、全く普通の東京近郊の公立中学校で授業軽減もなく、司書教諭であるというだけ、私は学校では国語の先生だと思われていますので、そういう中でどういうことができるかというのを一生懸命模索してきたようなものです。
 司書教諭の資格を取ってしばらく勤めていたら、これではいけない、図書館というものが分からないと、司書のことを勉強しないとだめだぞと思いまして、もう一回司書資格も勉強して取りました。そこで司書というのはすごく専門性が高い仕事で、こういう人たちがいなきゃ学校図書館はだめだと気づいたんですが、それと同時に、司書教諭というものがどんなに専門性があるかというのに逆に気づかされたんですね。学習指導要領とか、教育課程だとか、各教科の年間指導計画だとか、そういうことが分かるのは教諭であって、教諭として授業している中で他教科のことも分かっていくということもありますので、司書教諭としての図書館経営というものが非常に大事です。そういうことを分かっていて初めて、司書さんも活躍の場が保障されるといいますか、分担もきちんとできて、変に余計な仕事をさせられたり、逆に、させられなかったりということがなくなっていくんじゃないでしょうか。私は司書教諭としての研修というのが非常に司書さんにとっても大事なことではないかと思っております。
 現在も司書資格のある図書館整理員という名前の学校司書さんと2人で、二人三脚でやっておりますが、何でもないと言ったら学校に失礼ですけれども、そういう何でもない公立中学校の中でこれだけのことができるというのが、一つのモデルとして見本になるのではないかということで、今年の学校図書館協議会で学校図書館賞というのも頂きましたので、今また学校司書さんと授業者である教員と、司書教諭の三者で授業を作っていくというスタンスでやっております。
 何度か他の委員さんからもお話に出ていますけれども、司書の研修も今後必要だけれども、司書教諭の研修も非常に重要です。それがなければ、私は双方の活躍ができないだろうと思います。さらに、それが司書と司書教諭だけの研修ではなく、管理職とか、教育委員会レベルの方の研修というのも必要で、働きやすくなるためには、もうちょっと認識を高めていっていただくことが必要じゃないかなと思っております。よろしくお願いします。
【堀川座長】  ありがとうございます。そうですね、学校司書だけではなく、周辺の研修のことも私たちは方策の中で考えていかなければいけないと思います。
 済みません、吉田委員さん、お願いいたします。
【吉田委員】  岐阜県の各務原市立緑陽中学校の学校図書館職員の吉田と申します。関東圏から遠く離れた、ある意味田舎の各務原市から参りました。各務原市は25校、小・中学校がございまして、全部の学校に図書館担当職員がおります。
 私はこれで16年目、中学校を12年、小学校を3年勤めてまいりまして、今4校目になります。その前は7年ほど育児のため家庭におりまして、その前は6年ほど教員をしておりまして、1年は図書主任をしておりました。各務原市ですが、本当に30年以上前から学校図書館職員を1校に1人ずつ配置しておりまして、その点はよかったのですが、ただ残念なのは随分以前の採用制度なので、学校司書という雇用ではなく、市の臨時職員というくくりであって、専門職ではないのです。そのため抑えられた時給で1日4時間勤務しております。正直な話、あまりやる気が出ないなということで悩んでいたある日、校長先生からお言葉を頂きました。
 あなたね、教育現場で手抜きをしていたら、それは学校の子どもたちに対する裏切りだよと。それを聞いて、私もちょっと目からうろこが落ちた思いがしまして、ちょっとたるんでいたところがあったのですけれども、それから気持ちを入れ換えまして頑張りました。現場で一番困ったのは、異動がありまして、ほかの学校へ新しく行くことになったことです。そうすると、ほかの図書館職を引き継ぐと、その方の仕事が随分おかしいわけです。マニュアルも昔はあったのかもしれませんが、当時はなくなっておりまして、大変困りました。
 そこで、教育委員会の方からの御指導もあり、平成16年に25校の代表として役員を務めまして、その年から3年くらいかけまして学校図書館職員のマニュアルを作りました。悩んでいることがいろいろありまして、例えば忙しい司書教諭の先生とどうやって連絡したらいいのとか、廃棄なんてやったことない、どうやってやるの、あるいは蔵書点検て何というような、専門職の方からすれば、あれっと思うような疑問ばかりかと思います。そういうことに関するマニュアルを作るのに、どのような手順かと申しますと、まず、私で原案を作って、同僚に見せて、それから教育委員会に持っていって、OKをもらって、研修会で配付して、みんなで共通理解を図るという形でした。それが平成16年のことで、平成22年になりまして、パソコンの蔵書のデータベース化が進みましたので、また新しく作りました。結局2回作りましたが、私が頑張ってやるようになりましたら、教育委員会の方にも本当に協力していただけました。前は研修がほとんどなかったのを、今司書教諭は年3回、学校図書館職員は4回と増えてきました。
 実は学校図書館職員というのはある意味孤独な職場です。普通の公共図書館であれば、一緒に働いている方から、次、あれやりなさい、これやりなさい、これはこうやってやるんだよと教えてもらえるものが、教えてもらえる相手がいつもそばにいないのです。司書教諭の先生に教えていただこうと思っても、業務が重ならない部分に関してはどうやってお尋ねしたらいいか、また、答えていただけるのかということが分からないわけです。今後はそういうことが解決できたらなということを願っています。
 今現在、新規採用者には前任の者からの引き継ぎのほかに、教育委員会から指導を入れていただけるように変わってきました。それから、3年ぐらい前から、教育委員会主体で講師の方も、研修に入っていただけるようになりました。ただ、一番の悩みは、私たち学校図書館職員が現場で困っている悩みに関することを教えていただける講師がいないわけです。公共図書館ですと、やっぱり学校図書館とはいろいろ細かい点でも、大きい点でも違っていまして、公共図書館の常識を教えていただいても現場で使えないということが多々あります。そういうことがこれから変わらないかなというのが一番現実的な望みです。
【堀川座長】  ありがとうございました。やはり学校は一人職場ってよく言われますけれども、その辺、こちらで作る資料がどこまで細かく作れるかというところですね。ありがとうございました。
 米澤委員さん、お願いいたします。
【米澤委員】  東京の都立高校で司書をしております米澤と申します。皆様のお話を伺っていて、全国の小学校、中学校、高校で本当に状況が違っていることを強く感じました。私は学生時代に図書館情報学を学びました。それで司書という仕事を目指して、ちょっと民間企業にもおりましたが、東京都の司書として都立高校に採用され、その後定時制高校2校と全日制の都立高校で司書として勤務してまいりました。
 都立高校の現状はとても厳しい面を抱えております。また、いろいろなタイプの特色ある学校がありまして、それに応じた図書館からの授業への支援、読書支援、生徒の進路への対応といった、司書の立場から現場のお話を皆様にできるのではないかと思っております。
 また、司書教諭と司書の役割分担という面をきっちり分けるということは難しい部分もあります。都立高校の司書は現在、行政職という身分なので、教育的な指導ができないということで、現場では難しいことも多く起こっております。そういった中で、もちろん指導はできなくても支援はできるという立場で、私はずっと生徒への対応をして参りましたが、是非役割分担を考える際には、そういった部分をなるべく解決できないかと思っております。高校の立場からもお話ができると思うのですが、東京の小学校、中学校等の現状も結構存じ上げておりますので、東京の小・中学校も市や区によって学校図書館の現状は違っております。そういった話も是非一緒にしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【堀川座長】  ありがとうございます。学校によって様々な状況があると思います。
 今、いろいろお話を伺っていて、様々なそうしたレベルの、様々な立場の委員さんが出てきてくださっているのをとても心強く思っています。こうしたメンバーでこれから議論ができることをうれしく思っています。
 これからの議論に当たり、その前提として学校図書館の機能というもの、役割について共通に理解というか、認識を持っていくことが必要かなと思います。その共通の認識というのもすぐに到達できるところではないかもしれませんけれども、今回、もしよろしければ15分ほどお時間を頂いて堀川の方から話をさせていただきたいと思いますけれども、いいでしょうか。了解していただけましたら、済みません、これから15分ほど、前提としての学校図書館の機能をどう考えるかと。そのたたき台ということで、今配っていただいているのは堀川が以前書いたもので、拙いものですけれども、ちょっとそれを参考に話をさせていただきたいと思っています。
 1枚ものの方を先に見ていただきたいんですけれども、学校図書館というのはこんなふうに段階的に進んでいるかなと。これは、繰り返し申し上げますけれども、堀川の私見ということでたたき台として見てください。先ほども申しましたけれども、1995年に児童生徒の読書に関する調査研究協力者会議の報告書の中で、子どもの読書とその豊かな成長のために3つの視点、10の提言というのがありました。その10の提言の中の2つの項目で、5番目に学校図書館は子どものオアシス、学校の読書センターにしようというのと、6番目に学校図書館を学校の学習情報センターにしようと、こうした2項目がありました。
 以前から学校図書館というのは、こういう読書センターであり、教材センターとか、いろいろな名前が出ていましたけれども、ここで読書センターと学習情報センターという、ここから大きく2つの機能と説明されるようになりました。この1枚ものの最初のところ、この5段階を見ていただきますと、まずは学校図書館というのはまだ鍵が掛かっていたり、あるいは倉庫になっていたり、会議室に使われていたりというところも、もうほとんどなくなったと思いますが、まだ最初はこんな段階でした。そして、学校図書館イコール読書と思われるような読書センターとしての機能、それから次に教科と連携して、授業の中でも使われるようになってくる学習・情報センター。それも、こちらから学校司書とか、司書教諭が働き掛けて関心を持ってくださる先生と連携をするという段階から、その次の(2)の学習・情報センターというと、学校全体で組織的にこうした取組をしていくという段階。そして、最後の段階、この辺はまだ自分でも本当にたたき台と思っていますけれども、校内の情報拠点としての役割、学校経営に関する情報なども提供するような、そうした情報拠点になるのかなと思っています。
 こんな学習・情報センターや読書センターというのは、文科省の今の学習指導要領の理念になっている、その前の学習指導要領からですけれども、生きる力ということがよく言われています。それに対応させると、読書センターというのは豊かな人間性を培うところでしょうし、学習・情報センターというのは課題解決の力を育成するということになってきます。私の方では、情報リテラシーの育成というような言葉を使いたいと思っていますけれども、そうしたものを育成するのと、読書センターとして豊かな人間性を育成すると。そうした大きな2つの機能が段階的に今進んでいるのかなというように思います。
 情報リテラシーという言葉を使いましたけれども、情報というと、それは情報教育の方の話ではないのかということになってきますが、次のところの利用指導から情報リテラシーの教育へと書いたところ、これはアメリカでこんなふうに進んできたという整理をされているものです。学校図書館の利用指導として1960年代から70年代、ソース・アプローチと書いておいたのは、情報源の利用について子どもたちに指導する、支援をするということが行われてきています。図書館の貸し出しの手続がこうですよ、図書館では分類とか目録はこういうふうになっていますよと、子どもたちが図書館をうまく使えるように。そして、学校図書館の中には地図があります、百科事典があります、こんな使い方をしますよという情報源、ソースについて指導する。そうした時代から、それをやっていても、でも、実際の学校図書館を使う場面になったら、その力が、指導したことが転移しない、使えない。
 だから、もっと子どもたちの情報ニーズに合わせたような指導をしていかなくてはいけないだろうというので開発されたのが、パスファインダーと言われるものです。これもまた、先ほど大串先生から指摘がありました。パスファインダーと言っても分からないんですけれども、一つのテーマについてこういう資料がありますよ、キーワードはこうですよ、図書資料ではこういうのがあります、雑誌の記事ではこういうのがあります、インターネットのサイトにはこんなものがありますというように、一つのあるテーマについて調べるための手助けとなるもの、パス、道筋をファインド、見つけるものというパスファインダーというものが開発されてきて、今でもたくさんのテーマについてのパスファインダーが作られています。これは小学校から大学まで、公共図書館までいろいろこういうのが作られています。
 しかし、これをやってみたけれども、そのテーマについてならば、子どもたちはパスファインダーのとおりに道筋に従って調べていけば何とかできるけれど、じゃ、テーマが変わったときに、新しいパスファインダーが作られていないテーマになったときにどうするか。やっぱり転移する力がない。だから、子どもたちには探索のプロセスを学ばせることが必要だろうというように言われてきて、それが記事の方の6ページに、今の図書館利用指導から情報リテラシーの育成へというのがあります。7ページの左側の方の上に1から6まであります。こうしたプロセスを、課題を明確にする、情報探索の手順を考える、情報源の所在を確認し収集する、情報を利用する、統合する、評価する、こうしたようなプロセスを経験させることで、これを何回も経験させることで、子どもたちはこのプロセスを推論できるようになる。
 こうした力を育成することが大切だというように言われてきました。それで、1枚ものの下のところですが、文科省のこれは学習指導要領の解説の小中高どれにも出ている図ですけれども、探究型の学びとしてこんなふうに、文科省では4段階、ちょっと文字が小さくて恐縮ですが、1、課題の設定、2、情報の収集、3、整理・分析、4、まとめ・表現という4つの段階がらせん的にどんどん繰り返し行われる。これが探究型の学びだというように説明をしています。これが欧米で言われる情報リテラシーというものですね。
 このリテラシーの概念というのは、この1枚もののちょうど真ん中辺に1974年にツルコウスキーというアメリカの情報産業協会の会長さんなんですけれども、この人が情報産業に携わる人たちには情報を使う力を身に付けておかないと仕事ができないというように提言したものなんです。でも、今の時代に、もうこの高度情報通信社会の時代に、情報産業の人だけでなく、全ての人がこうした情報を使う力を持っていないと社会的に生活できない。
 1989年にアメリカの図書館協会ではこんなふうに説明をしています。情報リテラシーのある人とは、情報が必要であるときを認識でき、必要な情報の所在を知る能力を持ち、必要とした情報を理解し、効果的に利用できる能力を持った人である。つまり、情報リテラシーのある人とは、学び方を知っている人である。学び方を知っているというのは、知識を通して学習することができるように、知識がどのように整理されていて、どのように見つけ出せばよいか、どのように情報を利用したらよいかを知っていることであると。この情報リテラシーの育成がもともとの利用指導の延長線上にあるものだということを、是非お伝えしたいと思いまして時間をとっていただきました。
 学校図書館というのは印刷資料だけがあったところが、だんだんに視聴覚資料、そして電子資料も扱う、学校図書館でこの情報リテラシー、情報を使うということは、様々な種類の情報を使うということ。そして、皆さんのとじた方の8ページを見ていただきたいんですが、学校図書館を活用するというのはどういうことかというのを8ページの下のところに図で描いておきました。読書センター、学習・情報センターの機能なんですが、それを簡単に言うと、読書するという使い方と、それから情報や資料を利用するという、つまり教科と連携をして、読書材であったり、並行読書であったり、発展読書であったり、それから調べるために使ったり、あるいは単元についての背景的な知識を得たりというように、先生方はこれを情報や資料を利用して授業が深まったとか、豊かになったという言葉をよく使われるようですけれども、こうした情報や資料を利用するということ。
 そして、もう一つ、3つ目に情報リテラシー、あるいは読書の力を向上させるということ、それの旗振り役が学校図書館の担当者。担当者といったときには、今いろいろなレベルがあるんですけれども、担当者とこちらで意図しているのは司書教諭であったり、学校司書の人であったりということです。向上させるためには、計画的に学校全体で組織的に、学習・情報センターの図で描いた2段階目のところで、こうした全体計画を立てて、教科間の調整をして、共通のワークシートを作ったり、先生方に研修を行ったりというような学校全体で組織的にこうした力を育成させることが学校図書館に関わる担当者の役割なのではないかと、学校図書館の役割なのではないかと思っています。
 先ほどの皆さんのお話の中にあった、司書教諭と学校司書がまたどういうような連携をしていくか、役割分担をしていくかということについては、今後議論を深めていきたいと思っています。
 というところで、簡単ですが、これについてもいろいろな、いやいや、そうじゃないだろうというような御意見もおありだと思います。たたき台として出させて、話をさせていただきました。お聞きくださいましてありがとうございました。
 それでは、まずは今後のスケジュールについて事務局の方から説明をいただいて、そして、その後、まだ時間はあると思いますので、皆様の御意見をまた伺いたいと思います。そんなに時間はありませんけれども、その時間をとりたいと思っています。
 それでは、今後のスケジュールについてお願いいたします。
【春山課長補佐】  はい。それでは資料4、今後の進め方についてというのがございますので、こちらをお手元に御用意いただきますようにお願いいたします。第2回は、8月27日の午後を予定してございます。具体的な時間はまた改めてお知らせをさせていただきます。年間通しまして全8回ということで考えておりまして、おおむね月1回の開催ということです。第3回以降は、9月になって学校が始まると思いますので、基本的に土曜日、日曜日の開催ということで考えておりますので、御容赦をいただければと思います。
 先ほど資料1、この会議の趣旨というところで御確認いただきました調査研究事項ということで2つございました。ここに書いておりますが、学校図書館担当職員が担うべき役割・業務についてということと、それから、学校図書館担当職員の質の確保を図るための方策についてということでございますけれども、まず第2回、3回のところで、担うべき役割・業務についてということでの具体的な議論をいただきまして、中間的な取りまとめを第4回の10月の会議のところでできればと。
 そして、担当職員の質の確保を図るための方策についてということで、自由討議、論点整理ということで、実質2回の議論を10月、11月ということでしていただいて。12月のところで、その質の確保のための審議をしていただくと同時に、全体についてまた更に議論を深めていただいて、年明け1月には本当の全体の取りまとめということをしていただいて。基本的には、こちらの1月のところで、おおむねできましたらこの会議での取りまとめをしていただいて、3月には最終的に本当の取りまとめをするというような形での進め方ということで、事務局としては考えているところでございます。
 また、本日は5分間ということで、いろいろ御意見、今までの学校図書館とのお関わりについて御発言を皆様からいただきましたけれども、第2回においてはその自由討議のもととなるような事例を、学校司書に今お勤めになっておられる委員の先生方から、できれば御発表をいただきたいなと考えているところでございます。これにつきましては、また別途この会議を終了して以降、学校司書の先生方に御相談させていただきたいと思っております。進め方ということで、以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。2回、3回目、9月までで学校図書館担当職員の担うべき役割・業務について、一応のまとめというか。
【春山課長補佐】  はい。大変時間が短い中でございますけれども。できれば8月の下旬、それから9月につきましても、時間ができれば3時間程度、普通のこういった会議より長めにとらせていただいて、集中的な御議論をお願いできればと思っております。
【堀川座長】  そうですね。そうすると8月、9月にそれぞれの学校の御事情、事前にお願いするというんですけれども、どのくらい。
【春山課長補佐】  できましたら、これは勝手な考えでございますけれども、学校司書ということで御参加いただいている委員の方から、15分程度の御発表をいただければと思っております。ですので、27日は、たしか全員の6名学校司書の方が御出席できなかったかと思いますが、御出席いただける学校司書の先生にお願いできればと思っております。
【堀川座長】  ありがとうございます。今後の進め方について、まず何か御意見をお願いいたします。
【吉田委員】  言われたように大変短い時間ですので、そのときに資料に目を通して聞くというよりも、もっとある程度大まかなテーマを事前に設定されてはと思います。例えば先ほどいろいろ言われたように、司書教諭の先生と学校司書の役割分担をどうするかとか、学校司書は大まかに言ってこういうことをメーンにする、年間に行うとか、月1回はこういうことをやりましょうとか、そういうような大まかなことを設定していただいた方が現場の者としても準備がしやすいし、当日また集中して自由討議ができると思うのですが、いかがでしょうか。
【堀川座長】  お話しいただく前に、こういう観点でということを出した方がいいということですね。それでは、実際の学校司書さんをしてくださっている方々に御意見を伺えればと思いますが、吉田委員さんは、例えば役割分担をどうするか、それから、年間、月1回こういうことをやりましょうということですか。それは運営について、こういうことが必要ですよということで何かお考えがありますか。
【吉田委員】  学校の図書館のスケジュールというか、年間計画というのか、各学校では違いはあるでしょうが、大体どこの学校も共通して行うものというのはあると思うのです。例えば年度始めのオリエンテーションとか、年度末の蔵書点検とか、そういうのがあると、次に何月になったら何をやらなきゃいけないかとかいうことが分かるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
【堀川座長】  そうですね。学校司書が担うべき役割ということで、具体的なものを出していきたいと思っています。それが多分、実際にどういうことをやっていらっしゃるかというのをそれぞれ具体的に出していただく中で、多分いろいろなレベルというか。例えばさっき申しました読書センターだったらばこういうことをやっている、それから、学習・情報センターのこういうことをやりたいんだったらば、もっと先生方と関わっていかなくちゃいけない、働き掛けていくとかいうような、いろいろな仕事があると思いますが。どういうようにお願いすればいいんでしょうかね。
【春山課長補佐】  先生、例えば次回に学校司書の委員さんに発表というか、簡単に事例報告をお願いするときに、必ずこういう観点を盛り込んでほしいというようなことで、どんな観点があるかということで御議論いただいてもいいのかなと思いますけれども。そうすると、お願いさせていただくときに、必ず共通してこんなところは押さえていただいて御報告していただくと。勝手にお願い申し上げていますけれども。
【堀川座長】  きょうのお話の中でいろいろ出てきましたので、それをもう一度整理して御相談させていただいていいでしょうか。
【春山課長補佐】  分かりました。
【堀川座長】  どうぞ。
【平久江委員】  各発表の最後のところに、きちんと問題提起をしてもらえばいいんじゃないですか。済みません、それだけです。
【堀川座長】  そうですね。きょうの中でもそういうのもありましたけれども、それも含めてで結構です。
 ほかに御意見は。どうぞ。
【門脇委員】  これからの学校図書館を考えていくときに、やはり学びの力を高めるとか、子どもたちの読書力はもちろんですけれども、情報リテラシーを育成していこうという方向性で進んでいかなくちゃいけないと思っています。その中では、やっぱり担任、それから司書教諭、学校司書の連携をどのように学校図書館の中でとっていくのかということが一番の課題になっていくと思っています。そういうことが今現状の学校図書館でできているのか。あるいは、学校司書はその中でどのような専門性を発揮していけばいいのかなということを考えていく方向での話し合いにしたらどうかなと思っています。
 本校では特に、専任の学校司書と専任の司書教諭でやっています。そういうふうに学校図書館の中に専門性のある人がいて、担任とコラボレーションしてどんなことができるのかということが、やっぱりこれからは求められていくんじゃないかなと思っています。
【堀川座長】  ありがとうございます。どうぞ。
【平久江委員】  先ほど、次回、各学校司書の委員の方に発表していただいてと、それで少し限定した方がという話なんですけれども、最後に問題提起をしてもらえばいいんじゃないかという発言をしたんですが、ちょっと補足したいんです。やはりまだ会議の当初ですので、やっぱり方向性というのはあまり決めない方がいいような気がするんです。現場の実践の中でいろいろな角度からいろいろ発表していただいて、それぞれの問題提起が出たところで、逆にそこから絞っていかないと、冒頭から枠をあてがってしまいますと、やっぱり偏った方向性というか、どういう方向へ進むか、やっぱりちょっと限界も出てきてしまうと思いますので。それで、最初は手探りの状態かもしれないですけれども、そこから進めていった方がいいのではないかなというふうに思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。それでもこれ(配布資料3のなかの役割分担例の図)ですね。これを基本において、図書館経営、図書館奉仕、読書指導、教科等指導という、こうした中でどうやっているかという具体的なお話を伺えれば有り難いと思います。正直なところ、もしかしたら教科と指導のもう一つ下のところに何か出てくるのかもしれないし、ここに入るもの、入らないものがあるかもしれません。その辺は具体的に実践をしていらっしゃる方のお話を伺いたいと思います。その辺でしょうか。大串先生。
【大串委員】  やっぱりこれを一つ、きょうたたき台として出されたわけで、やっぱりこれは具体的にそれぞれの仕事を考えるときの一つの考える目安になりますね。それで、僕が思うには、それぞれのお仕事というのは、ものすごく細かく見ていくとたくさんあるわけですね。多分僕が思うには、学校の仕事というのはいろいろなことで細かく見て、例えば1年に1度しかやらないとか、中にはおやりになっているところと、おやりになっていないところと、いろいろあると思うんですけれども、いろいろ合わせていくと多分350ぐらいになると思うんです、ずっとやっていくとね。
 そういったものの中で、例えばここに書かれている学校司書がやるべき仕事、主にやるべき仕事、それから司書教諭がやるべき仕事と、それから両方でやる仕事という、そういうようなことを考えていくと、やっぱり司書の方に書かれている仕事でも、これだけしか書いてありませんけれども、もっと細かくいろいろ見ていくと、多分200ぐらいになると思います。例えば、それがどういうのかというと、地域によって全然ないんですけれども、例えば、この前の、文科省が言った学校図書館活動データベースという、東京学芸大学が取りまとめたこれを見ていくと、例えばこの中で、生徒たちを連れて、実際にTOHANとか日販とかへ行って、それでこの生徒たちに本を選択させて、それを先生方は御判断されて、図書館に受け入れる、受け入れない、そういったことまでありますね。それは、もう本当にTOHANの倉庫がないと行けないという、こういうレベルの話ですね。
 だから、地方に行くと大型書店さんに行っておやりになっているところも中にはあるんですけれども。だから、そういったことまで入れると、かなりの数が入ると思うんです。ただ、それがやっぱり事実としてそういうのがあるということは、我々も知っておいた方がいいということがかなりあると思うんです。
 それから、これはもう一つ、ここにも書かれているんですけれども、ある学校で、学校司書さんは授業に入って、例えば特定の教科で先生がお話しになって、そこで学校司書さんはそのテーマについての学校の図書館の利用方法や何かも授業の中でお話しになられているということもここに書いていますね。だから、皆さん方の御経験でいくと、そういったものが幾つもございます。そういうのを取りまとめていって、またもう一度これを考え直さなきゃいけないようなものが出来上がっていくのかなというふうに私は思うんです。
 だから、次回お話しいただくときも、そういったものも附属属資料みたいな形で、うちはこういうこともやっているんですよみたいなこともお示しいただくと、皆さん、御理解いただく場合に、御判断いただく場合にいいんじゃないかなと、個人的にちょっと思ったんですけれども。失礼しました。
【堀川座長】  ありがとうございます。実際にどういう仕事をやっているかというのは、何かちょっとワークショップみたいな形で、ただ発言だけではなくて、付箋か何かを付けながらやっていけると、作業していけるといいなと、今ちょっと思ったんですけれども。
【杉本委員】  済みません。司書と司書教諭の職務をどうしていくかということになってくると、これ結論は出ないです。僕も山梨県でさんざんやりましたけれども、要するに司書の先生方の立ち位置、勤務形態から始まって、経験、司書の資格の有無というところになってくると、この仕事……。結局は学校の実情、司書と司書教諭の先生の関係性というふうなところで、一般化はできないと思います。ですから、飽くまで軸足をどうするか。主に学習活動に関わりますとか、主に読書活動を中心に進めますという程度しか、最終的には出てこないんじゃないかなと。
 ですから、細かい仕事で、きっとここにいらっしゃっている司書の先生方は先進的な取組をされている司書の先生方ですけれども、それを司書の活動の例として持ってきてしまうと、今40何%、残り60%近くの司書の先生方が、これから新しく入ってくる先生方に対してそれを求めていくのはどうかというところもあります。ですから、先ほど平久江先生もおっしゃったように、飽くまで今こんな活動を司書としてされていると、特に学習活動に絞ってしまうと、司書の先生方は学習活動を、いや、私は子どもに本を勧める、子どもたちを本の世界に導くことが好きで司書をやっているのに、学習活動に関してはという方も中にはいらっしゃるでしょうし。
 ですから、それが実際に司書教諭が入ったときもそうで、司書教諭をメディア専門職、メディア専門職と、それが大々的に出たら、それまで司書教諭の資格を持っていた方々は、私はパソコンは苦手だから司書教諭の資格は経歴に書かないという方々が実際にいたと。ですから、あまり建前といいますか、観念的なところで仕事ということを言ってしまうと、かえって首を絞めてしまうことになりかねないので、飽くまで今実情として、司書と先生方がどんなお仕事をされていて、その中でこんな課題があると、司書教諭の先生方とこんな点を今を興味を行っているところであるというところから問題提起になって、議論が深められればというふうなことは感じます。
 職務一つ一つを突き詰めていくと、それはもう最終的には学校の実情、又は司書の先生方のお立場でいろいろ一般化はできないということはもう身にしみて感じておりますので、あまり有意義な話にならないのではないかというふうには思います。以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。確かに一般化はできないと思っています。そして、これはねばならないというものではないので、参考資料ですから。
 まとめるところで、ちょっと提案をさせていただこうと思っていたんですけれども、いろいろな学校の事情がありますので、レベル的にこういうこともできる。これについては、この段階のこういう実践もあります、こういう実践もここまでできます、もっと進んだところはここまでできますのような、そうしたレベルとして示すことができればいいのではないかな、どうかなというように自分では今考えています。その辺はまた、委員さんに、皆さんにお諮りいただいて、どういう形でまとめるかということは、また次の論議にしたいと思います。
【加藤委員】  済みません、レポートをまとめる側として大変混乱しているんですけれども。とりあえず、学校図書館が学校の中にある意味と、その中で学校司書として何をしているか、最近力を入れて行ったことの具体的な実践を柱としたレポートでもいいですか。
【堀川座長】  はい、お願いします。
【加藤委員】  それと、もう一つは質問です。最終的にこの会で全国へ発信するものをまとめていくということですけれども、全国には本当に多種多様な雇われ方をしている人がいます。それを考えると、発信はとても難しくて。だから、どういう勤務形態の在り方が求められるかというところまで、幾らかは出てくるんですかね。それを抜きにしたら、学校図書館職員の「役割」を明らかにすることはできないと思います。
【堀川座長】  そうですね、その辺は書き方にもよるんでしょうかね。皆さんで工夫して。だから、大体週に何時間ぐらいだったらこういうことができますよ、みたいなことになるんですかね。どうなんでしょうか。
【春山課長補佐】  よろしいでしょうか。事務局といたしましては、勤務形態はいろいろお考えがあることは承知しておりますけれども、これはやっぱり自治体のいろいろな事情の中で勤務形態が決まっているところですので、それがこうあるべきだとかというのはなかなか言えることではないだろうと思っています。今の勤務形態、常勤の方、非常勤の方、時間もいろいろあると思いますが、それを前提とした上で、こういうことであればできること、できないことというのは当然あろうかと思いますけれども、そこについては前提とした上で御議論いただくということだと思っております。
【大串委員】  でも、先ほど堀川先生の言われたあのアイデアはとてもいいと思うんです。だから、その辺をうまく。それは確かに全てやるということではなくて、やっぱりレベルというのもあるし。だから、私どもも、堀川先生が言われたように幾つかレベルを設定して、ここでできること、それから、この上でできることという、そういうことで、やっぱり発信したらいいんじゃないかなと僕は思いました。
【堀川座長】  だから、いろいろな実践がある中で、一つ一つを否定するのではなく、そして低い高いと言ったら、とても差別の用語になるかもしれませんけれども、今ここまでしかできていないところもあるけれども、それが最低限だとしたら、ここだけは皆さんできるのではないかとか。高いレベルでやっているところに、ちょうど中間辺のところだけこれだけやりましょうというようなことだと、今やっているすばらしい実践をやっているところが、じゃ、そんなのしなくてもいいんじゃないのという話になると困るので。だから、少し段階的に。それから、先ほどの制度までは踏み込めませんけれども、でも、これだったら、こういう形でできますよみたいな、書き方の工夫を、皆さんのお知恵を拝借して何かいいものがまとまればいいなというように。済みません、ちょっと曖昧な言い方ですが、工夫していきませんか。お願いします、御協力を。
 まだ、まとめ方とか、これからのことについて、どうぞ御意見をお願いします。
【平久江委員】  今のお話ですけれども、一般化をしたらとても難しくてできないという御意見があったんですけれども、確かにそうかもしれないんですけれども、ただ、そんなに悲観的にならなくてもいいのかなというところがあります。一般化はできなくても、類型化というのはできるので、例えば小学校モデルなり、中学校モデルなり、高校モデルなり、ある程度の形で幾つかのモデルが複数出るというようなまとめ方もあるかなという感じではおります。今まで一般化をしようとしてかなり無理をしてきたというところもあるので、モデルが出たら、きっと実用的になるんじゃないかなという期待は持っています。
【堀川座長】  ありがとうございます。ほかの委員さん、いかがでしょうか。何でもおっしゃってください。どうぞ。
【海野委員】  今、事例発表ということで、多分発表する司書の立場に私はなるんだと思うんです。例えば頂いた資料3の関係施策等というところで、財政措置の中に、これは多分学校司書のことで、1週当たり30時間の職員をおおむね2校に1名程度配置することが可能な規模を措置していただきましたということですが、もし自分が話した事例で、この学校司書の雇用時間がこの程度で済むようなことでいいのではないかというようなことに関わってくるような発表になってしまうおそれはないかというのが、ちょっと心配で。
 今回の会議では、そういう身分のことに関してのお話はせず、仕事の内容が一般化できるようなことを打ち合わせましょうということだったんですが、その内容の程度によって雇用にまで関係してしまうような事例になってしまうのではないかなと。
 それを心配している理由は、専任で正規の雇用ではありますが、司書研修を今まで受けていない司書の事例発表をしてしまっていいのかなと。そういうことがちょっと不安で、事例発表が怖いなという感じがしています。
【堀川座長】  ありがとうございます。とにかく現状を皆さんで把握をするための事例発表ですので、それがすぐそのまとめに直結するわけではないということを皆さんで合意していただけたら有り難いですね。どうぞ、その辺はいろいろ心配なこともおありだと思いますけれども、まずそれは大丈夫ということでいいでしょうか。
 それから、いかがでしょうか。お願いします、清水委員さん。
【清水委員】  先ほど少しお話ししたことにも関連するんですけれども、学校司書と協働した授業というのを積極的に取り入れていったときに、いわゆる教育センターの方で、そこまでやらせることがいいのかどうかという議論と、それはすごくいい取組だと、いろいろな意見がありました。やっぱり一歩前に出るためには、まずいろいろな事例を出していって、この範囲の中では十分そういう仕事としての範囲は可能であるとかというようなことを、ある程度枠を設けて示していくということはとても重要なのかなというふうに思うのが一つと。
 それから、またそれぞれの県でやっていらっしゃるかと思いますが、学校司書教諭の研修のあり方みたいなもので仕事の範囲というものがおのずとまた広がっていったり、限られたりということがあると思いますので、その辺も何か情報収集ができるといいのかなというのは、ちょっと今感じました。
【堀川座長】  ありがとうございます。その辺については、また研修の内容についていろいろな事例を集めるということについては、いかがでしょうか。
【春山課長補佐】  多分、調査研究事項2の方に掛かってくる問題だと思いますので、それに向けて少し座長とも御相談させていただきながら、どんな事例があるのかというのは事務局でちょっと考えてみたいと思います。
【堀川座長】  清水委員さんのお話ですと、そういうふうに分けるのではなく、先にそういう研修の内容があれば、最初の方の。そうではないですか。
【清水委員】  いや、そうではなくて、今の話の流れとして、まず出し合ってみるのが大事じゃないかという話が、そのとおりではないかなということがまず第一なんです。
【堀川座長】  じゃ、研修の内容はもうちょっと後でもいいですか、方策の方の話し合いの中でも。
【清水委員】  はい。
【堀川座長】  ありがとうございます。
【槇川委員】  島根県でも、人のいる図書館になって、その勤務時間はそれこそ1日1時間から7時間まで、本当に実に様々なんです。学校司書ということの職の定義がどこにもないので、多分ここにおいでになる6人の方の職務・業務は皆さんで発表し合うと、ものすごく違うと思うんです。その違いをやっぱり認識していくというのはすごく大事なことだと思うので、とりあえず皆さん方の業務を、次、先生、15分ずつというふうなことをおっしゃったんですが、まず聞いてみて、ああ、そうなのかと。そこからスタートでもいいのかなというふうな気がして、伺っていました。
【堀川座長】  ありがとうございます。正直なところ、私たちもその実態はきちんと把握しているわけではありませんので。まず皆さんのお話を十分に伺わせていただきたいというふうに思っています。今、槇川委員さんがおっしゃったので思いついたんですけれども、参考の事例として、島根県ではこうですよというのが出せるのかもしれない思いました。
 それでは、どうでしょうか。きょうのところ、これだけは発言して帰りたいということ、大丈夫ですか。ここへ来るまでに、この会議の時間より来る時間、往復の時間の方が長い方がいらっしゃいますので、せっかく来ていただいて。
【村山委員】  内容ではないのですが、9月の日程ですけれども、中学校などは、部活動があったり、授業参観があったり、土日だからといって空いているわけではないので、早めに伝えていただければ、その日を空けて予定を組むこともできるし、何とかやりくりできるので、1か月前には知りたいなというのが本音なんです。よろしくお願いします。
【堀川座長】  今回ちょっと急でしたものね。
【春山課長補佐】  大変失礼いたしました。9月以降の日程については本日の会議が終わりましたら、すぐに日程調整の連絡をさせていただきまして、少なくとも12月までは見通した形での日程設定というのができればというふうに思っています。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 それでは、こちらの議論。
【吉田委員】  済みません。
【堀川座長】  どうぞ、吉田委員さんですね。
【吉田委員】  学校司書が次回の発表ということですが、何か資料が必要な場合は事前にお送りすればいいでしょうか。
【堀川座長】  そうですね、多分資料は出していただいた方が分かりやすいですものね。その辺、また事前に御相談させていただきたいと思います。
 それでは、こちらでは終わりですけれども、事務局の方では何かありますでしょうか。
【春山課長補佐】  事務的な連絡だけになりますが、次回、申し上げました27日、火曜日、午後ということで、場所はここではございませんで、竹橋です。東西線の竹橋という駅が最寄りなんですけれども、旧学術総合センターというところの一橋大学、一橋講堂というのがございますが、そこの中の会議室で開催をすることといたしております。詳細な開催時刻につきましてはまた別途メールで御連絡させていただきますので、そこを御確認いただければというふうに思っております。以上でございます。
【堀川座長】  午後ですね。
【春山課長補佐】  午後です。
【堀川座長】  27日、午後。いいでしょうか、これで閉会にさせていただいても。それでは、どうぞ。
【平久江委員】  時間のことなんですけれども、2時から5時になっているので、1時から4時とかで若干延びても大丈夫なような形で設定していただいたらうれしいなとは思うんですけれども。ただ、ほかの方の都合もありますので。
【堀川座長】  おいでになる方が1時では厳しい。大丈夫ですか。ちょっと厳しいみたい。1時半はいかがですか。ちょっと厳しいかな。
【槇川委員】  大丈夫です。
【堀川座長】  大丈夫ですか。1時でも大丈夫ですか。
【槇川委員】  いや、ちょっと遠いので、JRで来ると、もうきょうぎりぎりだったんです。もし、きょうの時間設定でいくと飛行機がだめでもJRということができるので、1便で来てもこの時間になるので。
【堀川座長】  ああ、そうですか。やっぱり14時でいいですか。これでぎりぎりですものね。お帰りの時間もありますので延長もできないですね、日帰りで帰られるので。ということで、申し訳ありません。では、午後14時から17時。
【春山課長補佐】  おそらくそういうことになるだろうかと思います。改めて正式に連絡します。
【堀川座長】  分かりました。それでは、お帰りの時間もおありでしょうから、これで本日は閉会としたいと思います。きょうは本当に委員の皆様、ありがとうございました。

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