全国的な学力調査に関する専門家会議(平成25年7月9日~)(第4回) 議事要旨

1.日時

平成25年11月15日(金曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省 第二講堂(旧庁舎6階)

3.議題

  1. 平成26年度全国学力・学習状況調査における質問紙調査項目について(非公開)
  2. 平成26年度以降における全国学力・学習状況調査の結果の取扱い
  3. 理科の学習指導の改善・充実に向けた調査分析
  4. その他

4.出席者

委員

梶田座長、耳塚座長代理、安藤委員、大澤委員、大津委員、小川委員、加藤委員、小泉委員、柴山委員、清水(康)委員、清水(美)委員、田中委員、垂見委員、土屋委員、長塚委員、中野委員、福田委員

5.議事要旨

議事1 平成26年度全国学力・学習状況調査における質問紙調査項目について(非公開)

・「児童生徒質問紙調査、学校質問紙調査」の具体的質問事項等について意見交換を行った。(具体的な質問事項等に係る審議のため非公開)

議事2 平成26年度以降における全国学力・学習状況調査の結果の取扱い
・事務局より第3回会議における意見の整理(資料2)の説明を行った。委員からの主な意見は以下のとおり。

(委員)
賛否両論あるからこそ、地域が選んだ行政の長、又は関係機関に判断を委ねて、その地域で責任を持つことにしてはどうか。地域一帯で改善に向けて取り組んでいく積極的意義もあろうかと思う。また、指導、助言、援助する立場にあるということで、ある程度公表に向けて都道府県教育委員会の声も可能にした方がよいのではないかと思う。
(委員)
市町村の教育委員会は域内の教育について責任を有しているわけだから、その各管轄下の学校の公表についても、責任を持って判断すべきだ。
学力の向上は、当事者である保護者や地域の方の行動が必要不可欠。そうなると、信頼関係の基礎である、事実の共有が重要だ。各学校がどのように公表するかが最も大切であって、それを支援するのは教育委員会というのを基本にして、公表については考えていくべきだ。公表を前提にすると、教育委員会はいろいろと分析をするし、改善策も研ぎ澄まされていくと思う。
(委員)
従来のように学校の判断に委ねるべきだ。市町村教育委員会は、説明責任を持っていると思うが、併せて教育施策を実施する責任も持っている。学校の正答率を公表して、学校のみに努力を強いたり、責任を負わせたりするようなやり方は、市町村教育委員会としては無責任だ。競争をするのは学校自らの意思で、上から設置者が学校にやらせるようなものではないと思っている。学校名を明らかにした公表によって、序列化や過度の競争につながるということを懸念している。一市町村、教育委員会の判断で非公開、公開を決定するのは非常に難しい状況にある。したがって、実施要領には、序列化につながるような学校の正答率等の公表はできないということを明記してほしい。
(委員)
学校名を一覧にして、単に平均正答率を公表するのはあり得ない。それは、教育委員会の責任の放棄だと思う。公表と言ってもいろいろなレベルがあるので、要領の中にそういったことも盛り込まれればいいと思う。
(委員)  
現行どおりでという考えだが、仮に何らかの形での公表をしていくのだとすれば、かなりの配慮が必要だと思う。国の方でも今まで以上に県が市町村の方に加配ができる人数を増やすというような努力目標も前提にあってのことかという思いがある。教育委員会や学校が以前と比べてどのように変わったかというか、努力したのかというようなことが出せるのであれば、とてもいいのではないかと思っている。
(委員)
学力調査は、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るために行っている調査だ。また、学校現場では教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てていくための調査である。小学校も中学校も、現在約7割が、校長の判断で独自に公表している。学校独自でやっていると、切り口、視点が学校によって違ってくるので、調査結果の分析に役立つツールの開発をお願いしたい。
(委員)
現行の実施要領に沿った結果公表を引き続きお願いしたい。ただ、調査結果を伝えることは学校としての責務であると捉えている。公表に当たっては、自校の課題や今までの成果を明確にし、課題解決のための具体的な取組、あるいは授業改善の基本的な方針等を示していくべきだ。ただ、数値を出すとか、出さないとか、そこは一番学校の状況を分かっているのは校長なので、校長の判断に任せていただきたい。
市町村教委の役割は、自地区の児童生徒の学力・学習状況を把握し、その向上のための教育施策を展開することだ。また、その施策のPDCAを検証し、自地区における子供たちの学力向上について責任を持つべきだ。仮に結果公表をするのであれば、自地区としての経年の様子などを具体的に公表していくことも可能ではないか。
実施要領を変えることは、自地区の学校管理規則を変えて学校に結果公表を行わせるということについて追認するということになるのではないか。実施要領の変更はちょっと受け入れ難い。
(委員)
単純な平均正答率を公表することは、その点数がまるで学校の価値であるという誤解を招くし、学校のせいであるという行政の放棄になるという点は非常に同感だ。平均正答率ではなくて分布を公表することによって、行政がどのグループをより手厚く支援する必要があるのか、ないのかという思想の下での公表や、例えば家庭背景や、学校の置かれた社会経済状況、あるいは生徒の以前のスコアなどを統制した上でのスコアを公表するという方法、学校という単位を全く使わず、市内の学力低位層が増えているのか減っているのかという、そういった分布の分析が必要ではないか。
(委員)
課題がある学校や地域に、人事や予算、学級定員といったことの重点的な整備、配備を市区町村に判断を任せて、数値、データも含め公表するということを可とするという実施要領に書き替えることもあり得ると思っている。議会に対する何かの説得材料という点で、公表や透明性は、少しワンランク、レベルアップしたようなものが求められることを考えると、公表のレベルを上げていくことについては、基本的には賛成だ。学校名を明らかにした市区町村での教科テストの平均正答率を含めたデータの公表は、可とするということがぎりぎりで、もしそれにも反対意見が強いようであれば、私は1年十分に検討して、じっくりと話し合ってからやるべきだと思っている。
学校選択性との関わりが、非常に強いと思う。何らかの人事や教材費や学級定数とか、そういった行政からの支援がない場合に、本当に保護者は学校から離れていってしまうのではないか。保護者の判断が間違った形にならないように、十分な配慮が必要だ。
(委員)
現状で、単に公表ということだけを推し進めていくことになると、序列化とか、あるいは競争ということが絶対ないとは言い切れないし、避けなければいけないということは、確かなことだ。ただ一方で、平成19年から蓄積されてきたこの財産をみんなで共有して、最大限活用していくことを考えなければいけないということも、やはり事実であって、そのためにせっかく得られたデータを共有し、そしてみんなで使っていく方向性というのも、これは避けて通れないことだ。そういう意味で、いかにしてこれを使うかということを考えていく必要がある。
(委員)  
市町村教育委員会が、学校だけの責任であるというふうに調査結果を位置付けるのではなく、教育施策の検証、それから今後の改善策を説明できるようにするということは重要な点であろう。
平均正答率だけを公表するような形での公表は行わないという縛りを設ける。これは配慮事項に明記するという形であろうというふうに思うが、それを設けた上で市町村教育委員会が学校の結果を公表できるようにすることが適当であろう。ただ、その内容や方法は、市町村教育委員会の場合には各学校の、それから都道府県教育委員会の場合には各市町村教委の判断、意見というのを尊重し、十分に相談しながらする。その際に、公表するからには様々な人的な資源や、経済的な資源、そういうものをどのように配分するのか、ある場合には傾斜的に配分する、重点的に配分することが有効だという場合も当然あると思う。そのような施策の在り方についても、必ず同時に示すということは不可欠であると思う。
なお、必ずしも学校名とか市町村名を公表するということが適切でないような状況に置かれた地域もあるし、また、この会議でも発表があったように、名前を公表しなくても、市町村教委や県教委が説明責任を果たすことができるような公表方法というのはあることは確かだ。恐らく名前まで示す形での公表とは、学校とか、あるいは市町村の行政的な施策の面でグッドプラクティスと言えるような例を積極的に示していくような場合がいいのではないかと思っている。

議事3 理科の学習指導の改善・充実に向けた調査分析

・事務局より理科の学習指導の改善・充実に向けた調査分析について(資料3)の説明を行った。

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(初等中等教育局参事官付学力調査室)