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全国的な学力調査に関する専門家会議(平成25年7月9日~)(第3回) 議事要旨

1.日時

平成25年10月21日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成26年度以降における全国学力・学習状況調査の結果の取扱い
  2. 平成24年度「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の報告(東北大学大学院教育学研究科 柴山教授からの報告)
  3. その他

4.出席者

委員

梶田座長、耳塚座長代理、大澤委員、大津委員、小川委員、加藤委員、小泉委員、柴山委員、清水(康)委員、清水(美)委員、田中委員、垂見委員、土屋委員、寺井委員、長塚委員、中野委員、福田委員、山崎委員

5.議事要旨

議事1 平成26年度以降における全国学力・学習状況調査の結果の取扱い

・事務局より、平成26年度以降における全国学力・学習状況調査の結果の取扱いについての説明があり、その後これらに関する意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。

 

(委員)
各学校の結果の公表については校長の判断で行うという現行の実施要領を重視しており、実際に7割近くの学校が公表している。教育委員会が公表することによって公立の義務教育学校に明確な序列化が出てくることを懸念している。また、教員の指導による要素だけではなく、社会環境等による要素も大きな影響がある。このような点を考えて、結果の公表に関しては、現行の実施要領を尊重していきたい。

(委員)
現在でも、都道府県別の平均正答率はマスコミによって順位付けがなされ、序列化が行われている。全国平均自体が上がれば、各都道府県や各学校の努力がなかなか結果に反映されない。成績に対して一喜一憂するところがあり、本来の調査の目的である子供たちの状況を把握し、学校としてどのように学力向上策を進めていくかということが二番手になっている。また、学力向上に関しては学校の努力以外にも多くの要素があるため、校長の判断で公表するという現行の形をとってほしい。

(委員)
基本的には、保護者や市民への説明責任を果たすという意味では、何らかの結果は公表すべきだが、正答率を中心とした公表は子供への影響が大きく、弊害が多い。
一方、何も公表しなくていいかというと、そうではなく、現在小中学校で導入している目標準拠型評価のような、学習指導要領の到達すべき基準に達成したか否かといった視点のデータを国等から提供してもらえれば、各学校、各自治体の伸びや課題が分かりやすいと思う。
公表する場合も、他との比較ではなく、各学校や市町村が以前と比べてどうであったかというデータを公表するのであれば、学校の取組や市町村の取組が分かるので、そのような序列化につながらないデータの公表をしてほしい。

(委員)
各学校の調査結果については、設置管理者である市町村が、公表するのか否かやどのような内容を公表するかについて、総合的に判断すべき。調査に参加する目的には、学校は学校現場における教育活動の改善、市町村は市町村の教育施策の改善がある。その中で公表をどれだけ効果のあるものとして位置付けるかについては、域内の教育に責任を有する立場として市町村教育委員会が判断すべき。ただ、都道府県が市町村の結果を公表することについては、市町村の結果公表の仕方に支障が出る可能性があるので、市町村の結果は市町村だけが公表できるというのが適当。公表に際しては、課題や改善策を市民等と共有することが大切なので、改善策や経年変化を示すような公表の仕方をしなれけばいけない。

(委員)
県は実施主体や基本的な参加主体ではないので、市町村の主体的な判断は極めて大事だと思う。実施要領については、現在においても多くの学校が何らかの形で公表をしているという実態があるので、学校がそれぞれの判断で公表する現行どおりがよいと思う。海外では過去に学校別の結果の公表をして失敗したという事例もある。子供の学力が学校の努力だけでなく様々な状況があってのものだということを国民が十分理解するに至っていないのではないか。

(委員)
私立学校は外からの評価がもたらす影響が学校の運営や経営にも大きな影響を与えるため、新たな学校評価につながるような、特に学力そのものだけを物差しにすることについては慎重にならざるを得ない。到達度的な物差しになっていないため、まだ公表する段階ではないのではないか。単純な学力という部分だけをとらえての序列化は危険である。

(委員)
本来、どの学校に行ってもきちんと力を付けてもらえるという信頼感で公教育は成り立っており、これを阻害することがあってはいけない。一方で、今の民主的仕組みで教育を運用していくためには、できるだけ情報は全ての人に開示していくことも必要である。これらのちょうどいいところを見付けるということになるだろう。

(委員)
情報提供の問題と同時に、どう活用するかということも併せて考える必要がある。学校がデータをどう読み取り、活用して保護者や児童生徒に提供するかというノウハウの部分が出来ていない状況で最終的に学校に任せるという形になると、都合のいいところだけ取り出して提供してしまうような形になる。そこをもう少し議論し、共通理解をする必要がある。全体としては現行でよく、中身の問題をもっと議論すべきであると思う。

(委員)
結果の公表も大事であるが、結果を基にして、都道府県・市町村・学校が子供たちの学力向上のためにそれぞれの立場で様々な工夫をしていくことが一番大事である。

(委員)
子供たちに学力を付けようと思うと学校だけでは難しく、保護者や地域住民に課題を示し、改善に向かって当事者として行動してもらうということが必要である。それゆえ、各学校が保護者、地域住民に対してどう公表するかが大事である。その場合、市町村は、各学校が市町村の全体の教育施策との整合性の中でしっかりと公表できているかどうかを把握し、指導・支援しなければならない。そういう意味で、市町村に一定の権限があった方が、よりやりやすいと考えている。

(委員)
行政の透明性を高めて説明責任を果たすべきであり、原則非公表ではなく原則公表ということが大事である。この意味で、実施要領は、市町村教委が各学校の結果を公表「できる」ものとすると改めた方がいい。また、都道府県教委の場合は、設置者に比べて制約は設けるべきであるが、市町村を指導する立場と考えると、ある程度公表が可能なようにしておいた方がいい。公表によって学校教育本来の目標達成に資することが重要であり、児童生徒を傷つけたり教職員の意欲をそぐような公表の仕方は絶対にあってはならない。公表の仕方にはきちんと配慮事項を書き込んでおくべきである。教育委員会にも行政としてのPDCAが必要であり、調査結果を公表するということは、現状や施策の適否を世に問うという積極的な意義がある。具体的な公表の仕方については、施策の成否が分かるような公表の仕方、あるいは学校単位での努力が反映されたような公表の仕方が重要である。

(委員)
学校別の結果の公表については現行どおりでいいのではないか。市町村教育委員会の結果の公表状況については、現状は非常に低く、もう少し何らかの施策が必要ではないか。また、都道府県の教育委員会は文科省から豊富なデータを提供されており、これを分析すれば各県なりの、各学校の指導助言に資する分析ができると思うし、伸びた学校を評価することも各県でできることだと思う。PDCAについても、都道府県教育委員会のリーダーシップのもとでやるような施策が必要ではないかと思う。

(委員)
調査結果は学力の特定の一部分であるという認識が、保護者には弱いのが気になった。教育の改善に資するデータをということで出発しているので、基本的に公表を視野に入れた動きには賛成だが、公表の中身についてもう一度見直す必要があると思う。統計的には代表値の一つにすぎない平均値が独り歩きしてしまっている。例えばオーストラリアで始まった新しい学力調査は、層化抽出された学校規模や地域の予算規模等で学校をくくったデータを示すような形で公表されており、自分の学校の現状を把握する物差しが単純な平均値ではないという工夫がされている。学校現場の改善に資するような物差しを提供できるよう工夫する必要がある。

(委員)
来年度急に、学校の名前を付して公表するのは時期尚早。競争によって学校を叱咤激励するのではなく、人、物、金といった、教育行政からの支援がなければならない。そういったバックアップ体制や条件整備がない中で名前を公表するのには問題がある。分散を示すなど、学校名を付さなくても各学校の実態を多面的に分析して公表する手法はあると思うので、そういう研究から始めた方がいい。また、教科別の平均正答率よりも、児童生徒質問紙調査の結果の公表をもっと推進すべきである。学校は教科の指導の中で、教科書を使って指導することに限界があり、学級経営や生活習慣などにも目を向けることが大事である。質問紙調査の結果だけなら公表することもあると思う。それから、例えば教育支援特区という形で指定し、C層D層に属する学校に教育委員会や国が特別な予算を講じるなど支援をし、そういう支援を受ければ上がるという実績が伴えば、学校名を付してもいいのではないか。様々な条件を付した上で、数年後ならよいが、来年度では少し早いと感じている。

(委員)
測定できるのが学力の特定の一部分だということや、学校における教育活動の一側面にすぎないということの理解が、国民に理解してもらえるまでになっていないと思うので、現行のままでよいのではないか。また、市町村の結果を都道府県が公表することになった場合、参加しない市町村が出るかもしれないということを考えると、悉皆で実施するという狙いそのものが崩れる可能性があるのではないか。

(委員)
できるだけ情報は透明にした方がいいと考えているが、その副作用が思いがけないところへ行ってはいけない。

議事2 平成24年度「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の報告

(東北大学大学院教育学研究科 柴山教授からの報告)

・柴山委員より、平成24年度「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の報告があった。

議事3 その他

 

・事務局より、国際成人力調査(PIAAC)の結果報告があった。

お問合せ先

初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)

-- 登録:平成25年12月 --