全国的な学力調査に関する専門家会議(平成25年7月9日~)(第1回) 議事要旨

1.日時

平成25年7月9日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

航空会館 B101会議室

3.出席者

委員

梶田座長、耳塚座長代理、安藤委員、大澤委員、大津委員、小川委員、加藤委員、小泉委員、清水(康)委員、清水(静)委員、垂見委員、土屋委員、長塚委員、中野委員、山崎委員

4.議事要旨

(1)本専門家会議の座長として梶田叡一委員が、座長代理に耳塚寛明委員が選出された。
(2)事務局より議事運営について説明があり、承認された。
(3)事務局よりワーキンググループについての説明があり、承認された。
(4)ワーキンググループの主査に耳塚寛明委員が選出された。
(5)事務局より、本会議における検討事項(案)、当面のスケジュール及び平成25年度全国学力・学習状況調査の実施状況等について説明があり、その後、これらに関する意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。

(委員)結果の公表をどうするか、改善にどうつなげるのか、しっかり状況を見ていきたい。特に結果公表のアンケートについては、注意深く見ていきたいと考えている。

(委員)県がどのような立場で学力調査に関わっていくことが大事なのか、どういう役割を担っていくと良いのか、子供たちのためという視点から考えていきたい。

(委員)一つの調査に様々な役割を課すのは難しいので、教育施策の検証にターゲットを絞って進めていっていただきたい。

(委員)この調査は現場の指導に役立つことが大事である。今以上に細かいレベルで指導に生かしていくことが必要である。

(委員)教育委員会として、抽出調査時も、業者委託をして悉皆(しっかい)調査を実施しており、分析して施策を打ってきている。そういった立場でも発言していきたい。

(委員)全国学力・学習状況調査が悉皆(しっかい)調査になって良かったと思う。調査結果については、学校では2学期以降の学校の学習指導に役立っていくと思う。また、結果の公表に関しては、全面的な公開については消極的な声もある。

少人数学級の推進について、今回の調査の結果をもとに財務との関係で議論があると聞いているので、注目したい。

(委員)全国学力・学習状況調査を活用したPDCAサイクルが根付いてきたと感じている。悉皆(しっかい)調査だと、各学校が我がこととして結果を受け止め、改善につなげていけるということで、非常に意味がある制度だと思っている。

またB問題は、解答状況について様々な見方ができるので、この制度を大事にしていただきたい。

(委員)調査開始当初から見ると、調査の仕組みや内容は少しずつ変化してきている。委員の任期であるこれからの2年間でも、また新たな一石を投じられればと考えている。特に今回行われている無解答の分析には期待している。また、数学B問題の誤答分析等も面白いのではないかと考えている。数値、データだけの処理の問題ではなく、現場で工夫をして一定の成果を上げているところを個別に分析できないかなと期待している。

(委員)全国学力・学習状況調査は、指導改善に資するという目的のほかに、学力の規定要因や学力格差の現状把握というもう一つの目的がある。自分は後者の目的から、追加調査である経年変化分析調査や保護者に対する調査によって、より深い分析・研究ができるかを考えていきたい。

(委員)3点、意見を述べたい。一つ目は過去からの調査結果をデータベース化し、結果をより見やすい形で公開する方法を検討していただきたいということ。二つ目は調査データについて、匿名化または利用制限をつけて2次利用できる体制作りが必要なのではないかということ。三つ目は、学力調査のデータを子供自身が活用して、自分たちの学力を向上させていくという新たな視点を導入することも検討課題として考えられるのではないかということである。

(委員)B問題に対する関心は、私立学校でも高まってきており、入試問題だけでなく入学してからも育てるべき学力に対して高まっていると思う。それについても検討していきたい。

(委員)3点述べたい。一つ目は調査の実施と公表時期についてである。調査の実施時期と結果公表の時期について、何とかならないだろうかと思っている。1学期開始3週間では学力調査を実施するには早すぎであり、結果公表時期が8月だと、2学期半ばからは高校受験体制にシフトしてしまっているので、結果を指導に生かしづらい。二つ目であるが、理科の調査の実施については、3年に1回の実施であれば、前回の6年生が中3で再度、理科を受験することになり、小6から中3の変化の検証ができるのではないかと思っている。三つ目は、地方の独自の学力調査とどう兼ね合いをつけるかである。

(委員)全国学力・学習状況調査の結果の活用について意見を述べたい。優れた指導や取組をした学校を発掘し、表彰するようなことはできないか。また、各都道府県の分析と活用に関する指導助言のノウハウを交換することも大切であると考えている。全国学力・学習状況調査の開始初年度には各都道府県教育委員会と大学等が組んで、検証改善委員会を組織し、各県の調査結果について検証を行った。このような取組を再度行うことも検討していただきたい。

(委員)この調査については、指導改善と学力の状況の把握の二つの目的があり、どちらかを重視するというのではなく、複数の調査を実施し、目的をカバーすることが必要であると思う。この委員会に関しては、目前の課題だけではなく、たとえばインターネットを利用したテスト形式への移行や、テスト理論の導入等、中長期的な課題にも対応する必要があると考えている。また、これは従前から議論になっているが、調査データの公開の枠組み作りについても進めていく必要がある。 

お問合せ先

初等中等教育局学力調査室