資料2-1 道徳教育充実のための改善策について-新たな枠組みによる教科化を中心に-

<これまでの主な意見(抜粋)>

  ◇ 道徳の時間が形骸化しているのは、教科でないからである。戦後、道徳教育に関する改善の方針は出尽くしており、それでも活性化させるためには枠組みを変えるしかない。

 ◇ 道徳を教科化という場合には、算数・数学や国語とは違って、もう少し緩やかな意味で使われているのではないか。緩やかな形にしながらも、各学校において指導が確実に行われるようにすることとの兼ね合いを検討すべき。

 ◇ 道徳という領域が持っている特質をもう一度確認して、その必要性を前面に出しながら、新しい枠組みの道徳教育を、どういう形でカリキュラムの中に編成していくのかという議論が必要。

 ◇  「新しい枠組み」による教科化に当たっても、その教科を「道徳教育の要」にしつつ、基本的には学校教育全体で道徳を行うという方針で良い。その意味で、他の教科と横並びでない「特別教科」としての枠組みになるのではないか。

 ◇  道徳は教科でないために、大学においても専門家が育たず、理論が構築されていない。教科になれば、目的と内容と方法を体系化しなくてはならなくなる。

 ◇  道徳を教科した場合に私学の「宗教」をどう扱うかについても検討が必要。

<検討の視点(案)>

 ○  道徳の特性に照らし、その充実を図るためには、教育課程にどのように位置付けることが適当か。

・道徳教育の特性(学習指導要領において指導すべき道徳教育の内容が体系的に示されていること、道徳的価値に関する知識・理解だけでなく、道徳的心情、判断力、実践意欲と態度など全人格にかかわる道徳性の育成が求められていること、道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うこととされていることなど)に照らし、教育課程にどのように位置付けることが適当か。

 ○ 道徳教育の充実に向け、これまで本懇談会で検討してきた以下のような改善の方向を実現する上で、道徳を教育課程にどのように位置付けることが適当か。

(改善の方向の例)
・目標・内容をより明確化・具体化する。
・指導方法については、児童生徒の発達段階をより重視するとともに、実践を伴う技法的な指導も積極的に取り入れる。「道徳の時間」と他の教科等との連携を強化する。
・一般の教科のような数値による評価はしない。
・指導要録において、児童生徒の意欲や可能性を引き出すような記述による評価を行ったり、指導要録の「行動の記録」の評価を活用したりする方向で検討する。
・「道徳の時間」の指導は、引き続き学級担任の教師が行うことを原則とする。
・大学の教員養成課程について、履修内容の充実に加え、制度的に履修単位数の見直しをする方向で検討する。 
(・教科書の取扱いについては、資料1-1参照。)

 ○ 道徳を「新たな枠組みによる教科化」する場合、その具体的な在り方についてどのように考えるか。「道徳の時間」を「教科」とするか、あるいは新たに「特別の教科 道徳(仮)」を創設し、「特別の教科 道徳(仮)」とするか。 

 ○ 私立の小中学校については、引き続き「宗教」をもって道徳に代えることができるとする方向で良いか。

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