道徳教育の充実に関する懇談会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成25年5月31日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

都市センターホテル「オリオン」(5階)

3.議題

  1. 「『心のノート』全面改訂の基本的考え方」について(報告)
  2. 「心のノート」改訂作業部会の発足について(報告)
  3. 小学校及び中学校における道徳教育の現状と課題等について

4.出席者

委員

今田委員,押谷委員,貝塚委員,坂元委員,白木委員,鈴木委員,銭谷委員,高橋委員,土井委員,鳥居委員,中村委員,西村委員,長谷委員,細川委員,山縣委員,山田委員(無藤委員は欠席)

文部科学省

布村初等中等教育局長,関大臣官房審議官,その他関係官

5.議事要旨

(1)事務局から配布資料1~6の説明。
(2)議事に関する主な発言は,以下のとおり。

(道徳教育の改善の方向について)

○  道徳教育については,地域間,学校間,教師間の差が大きい。様々な指導法が提示されており,実態も多様なものになっている。例えば,道徳的価値を教え込むべきと考える教員もいれば,一つの道徳的価値について多様な考えを出させ,話し合う時間と考える教員,あるスキルについて行為としてできるようになることを重視する教員もいるなど様々である。道徳教育に関する理解の違いを修正していくことが必要。

○  中学生は,進路やどうやって生きていくかなどについて話し合いたいという希望が強い。友達関係や異性のことなどについても同様。

○  道徳教育において原理追求は大事だが,どの発達段階で何が必要なのかを踏まえ,様々な方法論を整理した上で臨むことが必要。

○ 個々人の道徳心が高まったということも重要だが,それが現に今ある生徒の具体的な人間関係にどう役立ったか,皆が生きやすくなったかどうかということも重要。

○  評価に当たっては長期的な視点での見とりが重要であり,数値的な評価や個々の言動を評価するようなやり方は不適切。意欲や可能性を引き出すような記述による評価は可能ではないか。

○  数値による評価は行わない方がよい。指導の記録や「心のノート」と連動した生徒の変容の記録などの形での評価については開発可能かもしれない。

○  教員の姿勢や指導力等によって授業に極端な温度差や充実度の差が出ないような教材が必要。

○ 「心のノート」にも非常によい言葉が書かれているが,実際に友達や親からかけてもらいたい言葉であり,文字で読むだけではなく,実際に言葉として出てくることが大事だと思う。

○  民間や自治体の読み物資料について,道徳の時間で活用するのに適切か不適切かといった基準を明確にすることは,価値観に関わる問題となり,困難ではないか。

○  きちんと道徳を教えられる教員を真剣に育てる必要がある。

○  道徳という専門の免許は必要ないが,研修の充実が必要。

○  教員免許については,基本的に専門免許の発行は必要ないが,教員の普通免許に道徳教育関連科目の単位数を増やすことが必要。その際,道徳教育の理論面を強化するため,理論研究に関する科目を設けるべき。大学院レベルでは「道徳」の専修免許を出すことは考えられる。道徳教育関連の講座・専攻を設置することは積極的に考えるべき。

○  各学校の道徳教育を指導する立場にある者,各学校の道徳教育推進教師,道徳主任等に対する研修の充実が必要。学校を挙げての校内研修が重要。

○  教員養成課程の2単位だけでは難しいので,校内研修を充実する必要がある。

○  小・中学校の連携により道徳教育に取り組むことは教員の指導力向上に有効。

○  管理職になる前の段階から,道徳教育の指導方法などについてしっかりと研修をしないと,校長になってからでは対応できない。

○  道徳の時間の取組は,校長の取組方針や各教諭の姿勢によって温度差,充実度の差がある。校長が取組方針を明確にして,全教員の共通理解を図り,道徳の授業の改善・工夫に取り組むことが必要。

○  校長のリーダーシップで道徳教育を学校経営の柱に据えて取り組むことが必要。

○  指定校などへの財政的な支援や,道徳に余り目を向けていない学校への啓発も必要。

○  道徳教育のための加配教員があるとよい。

○  保護者を巻き込むため,公開授業や学校便りも活用しながら,保護者に道徳教育を理解してもらい,一緒に考えてもらうことが必要。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課