道徳教育の充実に関する懇談会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成25年4月24日(水曜日)10時00分~12時15分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 「心のノート」の改訂方針について
  2. 「心のノート」改訂作業部会の設置について
  3. 諸外国における道徳教育の状況について
  4. その他

4.出席者

委員

今田委員,押谷委員,貝塚委員,坂元委員,白木委員,鈴木委員,銭谷委員,高橋委員,土井委員,鳥居委員,中村委員,西村委員,長谷委員,細川委員,山縣委員,(無藤委員,山田委員は欠席)

文部科学省

義家大臣政務官,森口事務次官,大槻政策評価審議官,山下大臣官房審議官,布村初等中等教育局長,関大臣官房審議官,その他関係官

5.議事要旨

(1)事務局から配布資料1~8の説明。
(2)議事に関する主な発言は,以下のとおり。

(道徳教育の改善の方向について)

○ 学習指導要領に示された道徳の内容項目を見ると,例えば国と国との交流に関わることなど,もう少し補うべきところがあると思う。

○ 従来,道徳の時間では道徳的価値に関して思考させ,道徳性を高めるという目に見えないものを目標としてきた。一方,教科等では,スキルを高める,ある行為ができるようにすることを重視しており,両者はかい離していたが,本来目指すべきところは一つのはずである。今の子供たちにどういったアプローチの仕方が適しているのかも含め,検討していく必要がある。

○  情報モラル教育のうち,(1)人に迷惑をかけない,傷付けないという側面,(2)生活習慣や健康に関することは,道徳教育とも重なるが,(3)被害者にならない,危険を回避するという部分は,道徳教育の枠組みに入りにくいかもしれない。

○  相手に尊敬や感謝を伝える礼や挨拶にも様々なものがあり,これもあり,あれもありだということを子供たちに伝えるべき。

○  医学教育でも,詰め込みはやめて,ある症例について自分で調べ,検討するような方法を重視するようになっており,道徳教育についてもこうした在り方が大事。

○  道徳教育の充実のためには,校長の姿勢や指導力のほか,教材の充実が必要。

○ ある新聞で,道徳の教科化に賛成する人の割合が80%を超えているという記事があったが,多くの人が道徳の教科化を求めているということに加え,現状の道徳教育が余り有効に機能していないことへの不満の裏返しの回答ではないかと思う。

○ 道徳教育に関して,家庭や地域との連携を考えていく上では,いろいろな人たちが多様な価値観に基づいて様々なことを言っても子供たちは混乱してしまうので,学校で教わっていることを大人たちが共有しておくことが重要である。

○  障害のある子供,家庭事情もいろいろな子供など多様性がある中で,子供たちにとって教科書がどういうものであるかという視点を押さえておくことが必要。

○ 道徳の教科書について,民間の会社から出されたものの中から教育委員会が選んでいくというやり方は余りなじまないのではないか。教科化するならば,国で教科書を作って無償配布すべき。

○  教科書の検定基準をどうするかについてはかなり長い議論が必要。当面は,文部科学省が著作の名義を有する教材を作って全ての子供たちに配布し学校で活用することでよい。

○ 検定教科書の問題は少し深い大きな問題になり過ぎるため,「心のノート」の充実を最初の目的においてやっていくのが,比較的分かりやすい方法ではないか。

○  道徳で「教材を教える」のはよくない。教材で何かを教える,何かを考えさせることが大事。その意味で,通常の教科とは異なり,教材の扱いをじっくり考える必要がある。現段階ですぐに検定教科書を考えるよりは,その点は慎重に考えた上で,「心のノート」を使って考えさせる方向を基本的に維持していくのがよい。

○ 教科書の問題は,もう少し幅広くやらなければ,方向性は決められないのではないか。同時に,中教審等の議論を踏まえてやる必要があるかと思う。

○ 学習指導要領の趣旨に添っているか,憲法や法律の趣旨に添っているかなどの大きな基準,枠の中で多様な教材を開発することを考えれば,検定も難しくはないのではないか。

 

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