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資料4 修士レベルの教員養成課程の改善に関するワーキンググループ(第2回)主な意見

修士レベルの教員養成課程の改善に関するワーキンググループ(第2回)主な意見

 

 議論の冒頭、座長より以下の3点について中心的に議論を進めてはどうかとの提案があり、議論が行われた。

 * 教職大学院の目的・機能について

 * 共通科目の在り方等、教職大学院のカリキュラムについて

 * 教職大学院のコース設定について

  

【教職大学院の目的・機能について】

○ 教職大学院については、実は平成18年の時点では、モデル機能ではなく一般的な養成機能を持たせたいと思っていたが、結局モデル機能に終わってしまったと理解している。結果として成果も出たからモデルにもなり得たのだが、量的には非常に少ない。今回、一般的な養成機能へということで、質を維持しながら量的にも拡充するのだという宣言だと理解し、非常に歓迎したい。従来の2つの目的・機能をより幅広くするというのはよいが、トップリーダーとして必要なマネジメント能力を身につけるというところが入っていないので追加してほしい。

○ 目的・機能に関して、教職大学院の発展・拡充を考えると、「モデル機能から一般的な養成機能への転換」ということはよくわかるが、「一般的な養成機能へ」という表現であると、教職大学院が、教員養成系大学・一般大学の修士課程と全く同じようになり目立たず、埋没してしまわないかという危惧を抱く。特に、ストレートマスターについては、授業料等の関係もあり、他の研究科との競争になっているときに、教職大学院での養成を少し強調しなければならず、一般的な養成機能という表現は気になる。

○ 教職大学院の目的・機能については、目的を変えるというのと、機能を充実させるというのは随分違うと思う。 一般的な養成機能の充実という意味でのカリキュラムの工夫は内容的にぜひお願いしたいが、これを仮に教職大学院の目的として提示すると、既存の専門職大学院に対するメッセージになる。

その際、一番の問題は、一般的な養成機能の充実のための量的拡大を求められたときに、ストレートマスターをどれだけ確保できるかである。教職大学院に行ったから、どうだということは何もないため、学生のモチベーションが高まらないだろう。免許法が改正されるまで当面どういうメッセージを既存の教職大学院に対して発するかというときに、いきなり一般的な養成を目的として、現職教員を中心とする中身から変えたとしても、肝心の学生がいなければ絵に描いたもちになってしまう。ストレートマスターが行きやすくなる条件が必要である。内容の改善だけでなく、教職大学院の量的な拡大につながるような外的条件を加えないと、内容・機能の充実だけでは、目的の実現につながらない危険性がある。

○ 教職大学院のハードルが、質的に低くなったという言い方は決してしないが、ある意味、柔軟化しアプローチしやすくなることは大変ありがたいことだと理解している。とりわけ、教科内容、教科専門をどうするかというような既設の修士との関係の中で、そういう部分を取り込めるような形での教職大学院、新しい大学のあり方ということで理解した。

○ 修士レベルで教員養成を行うことについては、教職大学院、教員養成系修士課程、一般の修士課程のどれであっても、基本的に子どもの前に立つ教員を送り出すということについては、同じ立場に立つわけであり、例えば教科指導に関しては近づいてくる部分がどうしてもあるのではないか。そういう中で、マネジメントのような特徴的な部分を特異化、個性化していく形が想定されるのかと思われる。

○ 教職大学院は、専門職大学院の一制度として学位は教職修士であり、学位としての一般性、共通性は維持しなければならない。よって、非常に違った目的なり機能を持ったコースがばらばらにあるという制度設計では、学位としての質の通用性というものが落ちていくという難しさもあり、そこをきちんと踏まえなければいけない 。

○ 教職大学院の中に教科を取り込んだ場合、管理職の養成機能のような当初期待されていた部分が薄まってくるのではないか。また、教科教育を教職大学院に取り込むと、在来の大学院はスクラップするのかという話になる。大学全体で見ていると、教職大学院を拡大するのは結構だが、人やリソースはどこから持ってくるのかという話に必ずなる。どこかをスクラップできないなら、教職大学院は、指導的な人を養成するということに特化して、在来の大学院の方を教育学ではなく、例えばほんとうに教職を目指す大学院に変えていくというオプションもあるのではないか。

○ 教育委員会は多様であり、管理職養成を明確な目的として教員を指名して送ってくる教育委員会がある一方で、教員の希望を尊重するというところもある。一般的にニーズが多いのは学校心理や生徒指導、いじめへの対応という印象である。毎年いろいろな教育委員会を回るが、教職大学院に対する期待や信頼度には大きな差がある。

○ 教育委員会あるいは現場が教職大学院に求めるもの、あるいは修士課程の教員養成に求めるものは地域によって随分違うのではないかと感じた。多分、東京は教員採用の需要が高く、確保しなければいけない一方、教員の年齢構成が随分変わっていて、それで学校の運営に困っているようなところとか、地域毎に考える必要がある。

○ 教育委員会のニーズは、卵と鶏の関係でもあり、今回、教職大学院の目的・機能をどう設定するかによって、各県教委の対応も変わってくるという面もある。やはり学校、教育委員会サイドのニーズをきちんと押さえてやらなければ意味がない。最近、幾つかの県では教職大学院にしか派遣をしないということもある。つまり、既存の研究科については教育委員会サイドからの評価はかなり低く、一方、教職大学院については一定の評価が広がってきた。

○ 県教委のバックアップがないと、教職大学院の維持・発展は難しい。研修等定数のこともあり、県教委は、地元の教職大学院に対しては思い入れもあるし、運命共同体と考えている。教職大学院での学修がキャリアになることを県教委が保証していかないと発展はないと思う。教科を教職大学院に取り入れることは現場のニーズであり結構だが、従前と同じようにキャリアパスとして保証し続けなければならない。

○  現職教員が現場に戻ったのちにどういう効果があらわれているのかが教育委員会としては問われるわけあり、その個人が授業名人になっただけでは仕方がない。教科指導、教科教育を入れる際に、ただ教科の専門性を高めるだけでなく、校内研修のリーダーになれるような授業科目を入れるなどの工夫が必要。

 

【共通科目の在り方等、教職大学院のカリキュラムについて】

○ これまで共通科目と選択科目と実習という3群構成だったのが、教育実践研究報告書(仮称)が4単位ついたことは、4群というとらえ方をしていいと思うが、その意味合いは非常に大きい。どこの教職大学院も、修士論文に代わるものとして、ほぼ例外なく成果報告書みたいなのを学生に書かせているが、単位化されていないところも多いので、それを単位化することは非常に意味がある。

○ 共通科目は、それぞれのニーズに応じて幅広く設定し、選択共通科目に特別支援教育やICTなどを加えるかどうかは、各大学の資源や考え方に応じて判断するべきであると思う。

○ 教科の専門性を高めるためのカリキュラムを取り入れていくときに、特にストレートマスターに対して共通科目の単位数をどの程度設定するのかというのが大きくかかわってくるのではないか。

○ 教職大学院のカリキュラムについては、教育委員会との関係が非常に大きいので、共通科目の5領域等を柔軟化していく際に教職大学院側と教育委員会側の考えのすり合わせが必要である。

○ ICTに関する授業科目を入れることは非常に賛成で、スウェーデン、フィンランドはICTを活用した授業をしているが、日本は少ないようである。

 

【教職大学院のコース設定について】

○ 履修モデルについては、教科、生徒指導、特別支援、学校経営で全体的なイメージとして基本的によいと思うが、1.学部卒ですぐ教職大学院に入学する者、2.採用後直後に初任者研修と融合・連携して入学する者、3.一定の教職経験を得てから入学する者という答申が挙げる3つの対象者それぞれに分けた形でつくらなければいけないと思う。特に、将来的に修士レベル化するのであれば、多くの教職大学院は、学部卒業後すぐに入学してくる大学院生を受け入れ、新人教員を養成することになると考えられるので、ストレート院生の履修モデルを出していただきたい。そこでは特に共通科目のウエイトが重くなると思う。

初任者として入る場合は、大学だけの単位だけでなく、初任者研修も融合・連携すると言われており、それがこの段階で可能なのか、もしくは免許法改正を待たなければいけないのか。また、現職教員については、年代によってニーズが違うということなので、それにあわせたモデルをつくっていただけるとよりよい。よって、もう少し多く例を示してもらえばいろいろ対応できるのではないかと思う。

○ 特別支援教育、学校経営、教科指導については、特に現職教員が入ってくる場合、専門免許状との関係がどうなってくるのか将来的なことも考えたほうがよい。

○ コースについては、ストレートマスター、現職教員、管理職向きと、それからその他、特別支援教育や生徒指導など特殊なもの、それら4つぐらいに分けてはどうか。すべてを一緒にしてしまうと埋没する。エリート意識のようなものが絶対必要であり、量的拡大するといってもすべてにできるわけではないので、リーダーを育てていくというのは絶対に必要であろうと思う。

○ 小中高の関係については、中学、高校の場合は特定の教科の教科指導力が重視され、一般的な授業力ではない一方、小学校は今のところ8教科全部やらなければならず、ここの違いをどういうふうに処理するかが悩ましいところ。

  ヨーロッパの修士レベルの教員養成の例を調べてみると、オランダやフィンランドなどヨーロッパでは小学校と中高を非常にはっきり分けている。もともと小学校教員養成は専門学校レベルであったが、中・高校教員養成はかなり高いレベルで行われてきた。小学校教員養成の場合、実習は多く、 3教科ぐらいを集中的に選択させている。2,3教科を深く掘り下げることで8教科全部できるようにするというようなことを多くのところでやっている。それを踏まえて、例えば、中高校教員養成の場合は1教科専攻になるだろうが、小学校教員養成の場合は国語と理科など2科目をピークとして専攻させてはどうだろうか。

○ 教科指導を選択する人が増え、それが教職大学院のメインになっていくと思うが、その際に、各専門化・個別化された教科をメジャーにするというのだけでは不十分であり、カリキュラムデザイン(教育課程の編成)を副専攻にすべき。教育課程の編成全体、あるいは授業時間割の編成とかいうところまで実際の学校では大事な問題となるため、自分の教室で自分の得意とする教科のみを一生懸命やればいいというわけにはいかない。

○  教員は管理職に教科の指導力・助言力を求めている。特に若手教員は、例えば小学校の校長先生が国語を研究していた先生であれば、国語のことを聞きに行くものであり、それが学校経営につながっていく。よって、教科の専門性がない管理職よりは教科の専門性がある管理職のほうが学校経営はうまくいくと思うので、教職大学院できちんと教科の専門性を学ぶことは、学校経営に影響すると考える。

○ 小学校教員には、国語、算数、社会、理科、体育、音楽、図工のようなほぼ全学年で時数が多いものと、道徳や学級活動、外国語活動、総合的な学習の時間、生活のように、学年が限られ、週1時間程度のものの両方を知ってほしい。  

以上

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高等教育局教員養成企画室

-- 登録:平成24年12月 --