資料9 教員の資質能力向上に係る当面の改善方策の実施に向けた協力者会議(第1回)の主な意見

検討事項1 修士レベルの教員養成・体制の充実・改善に関すること

(1) 教職大学院の教育課程の見直しについて

  • 共通5領域と、学校における実習、コース別・分野別の選択科目という3層構造になっているが、その構造は変わるのか。中学校・高等学校の教科に関する分野を加えるのであれば、柔軟にすべき。
     
  • それぞれが学校や教育委員会からの要望・課題をもって入学してくる現職派遣教員の場合も共通5領域の部分は必要か。
     
  • 教科専門の科目を加える場合に、共通5領域の科目、選択科目、実習科目と総単位数45単位の見直しについても検討すべき。
     
  • 全ての教科の専門を教職大学院に入れることは困難ではないか。既存の教育学研究科の修士課程にある科目と教職大学院の科目を共通に履修できる制度にできないか。
     
  • 教職大学院のカリキュラムについては、ストレートマスターと現職派遣教員では様子が異なるのではないか。
     
  • 修士レベルと言わないで、修士論文を書いて修士とするべき。教職大学院では論文を書かなくてよいというのは、よろしくないのではないか。
     
  • 社会人やポスドクといったところに対して、教職大学院を上手く活用することができないか。
     
  • 非常に切実な問題として、校長のマネジメント能力をどう身に付けるかが大きな問題。その土台をつけるために現職教員の教職大学院というのは非常に有効。30代の優秀な教員は、教科指導に意欲を持っている。その教員をミドルリーダーとして育て上げて、教職大学院の2年間の間にマネジメントについて考えさせたい。教科指導をやりたいのに、教職大学院に行って、学校経営、マネジメントについてやるということについて教職大学院がはっきりと意義付けることが重要。
     
  • 修士レベル化となったときに、具体的にどういう能力として修士といえるのかが今回のポイントになる。
     
  • 今、研修センターでどちらかというと授業が苦手な先生を対象にしてやっていた研修で、一番端的に先生方の中で共通項を見つけると、授業の指導案という授業の計画をつくっている中で、生徒、子供の反応を予想できないということ。こういう発問をしたら、こういうふうに子供は反応するだろうということが予想できない。また、予想するとしても、ワンパターン。教職大学院の中でも生徒指導とか学級経営のところがあるので、こういった中でも、子供の反応、子供の思考というようなものを何とか入れられないか。
     
  • 教職大学院のニーズについて、小学校、中学校、高等学校の校種がある。また、学校の中で教科指導を頑張りたいという教員や将来、管理職として学校のマネジメントをしたいという教員もいる。そのあたり、どのあたりに焦点を絞っていくのか、またどのようにすみ分けていくのかということも、一つ課題になる。

 

(2) 教職大学院の組織の見直しについて

  • 実務家教員の割合(4割)の見直しについて、実務家教員が研究者教員と連携する体制ということは非常に意味がある。これまでの教職大学院について、どのような課題が出てきているか。

 

(3) 教員養成系修士課程の改善について

  • 修士課程のイメージについて、既存の修士課程と教職大学院の両方から歩み寄って、現場のマネジメント、教科など、高度な教育ができるようにするというイメージでよいか。
     
  • 教員養成系修士課程の必要専任教員数の大くくり化について、多様な形で専攻を編成する場合にある意味足かせになっているが、教員養成系の学部大学にとっては大きな課題である。

 

検討事項2 教職課程の質の保証等に関すること

(1) 教職課程に関する情報公開の在り方について

  • 情報の公開については、質の保証というところ結びつくか慎重に考える必要がある。

 

(2) 専修免許状の取得における実践的科目の必修化について

  • 専修免許状の見直しについては、理学研究科や文学研究科などで専修免許状を出しているような大学院の問題と思う。
     
  • 高校でも、専修免許状を取得しているの教員は2割程度。大学院で教員免許を取得することのメリットを検討すべき。
     
  • 教員に求められているものは、専門性の高さ、教科に対する深い指導力というだけでなく、異なった文化や異なったセクターの人、地域の人と対応したりできることではないか。そういったことができる実践力とか、現場実習という視点が必要。

 

(3) 教員養成課程のグローバル化対応について

○ その他の意見

  • ワーキンググループを2つに分けてやるというが、内容によって連携をとりながらやる必要があるのではないか。
     
  • 若い先生に関して非常に危機感をもっている。教科指導は好きだけれども、肝心の子どもと接することができない。全てがいいわけではないが、社会人経験というのは大切な要素
     
  • 何をもって修士レベルとするか。先ほどのやめていく教員の中で決定的に欠けているのは、指導法と教材研究ということできないということ。修士レベルというのであれば、教材研究にかかわる教科の内容などについても議論いただきたい。
     
  • 学校・教育委員会と教職大学院との連携という中に、各地区で行っている教科研究科についても含めていただきたい。
     
  • 大学と協力し、学生の時の成績、採用時、その後の評価について調査を行った。大学で特定の学修をすることと、採用、その後の教員としての評価との関連性は全くなかった。ただ、教育実習で評価の良い学生は、その後の評価も高い。また、部活動やボランティア活動に取り組んだ学生の評価も高いが、免許状をたくさん取った学生ほど成績は悪かった。また、高度な教育を受けた学生は、最初の評価は高いが、6年後の評価は、6年前と関係がない。どこの大学で学んだということではなく、最初の6年間でどれだけ吸収したかということ。学び続ける教員がやはり優秀。
     
  • 大学の学部の教育の中で、早い段階でどういう学生に育てていくのかというのが、修士課程まで現に延ばすとしても、あるいは修士課程でなくて何らかの形で修士レベル化を図るにしても、もとになるものというのをきちっと作る必要がある。
     
  • 教育を対象とした国民的な議論が起きるような、さまざまな意見が出てくるような、そういうことにこの取り組みがなっていくような広報が必要。
     
  • 教職課程を取っている学生が、修士レベル化という話を聞いて、やや不安に思っている。修士レベル化と修士とを混同している人が多数おり、魅力ある教員ということをアピールすると同時に、その概念をしっかり説明する必要がある。

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