外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定に関する検討会議(第7回)主な意見

CAN-DOリストの作成時期を、年度の開始前までとすることについて、例えば2、3人しか教員がおらず、入れ替えが激しい場合などには、4月になってから作成するということもある。授業開始前までに作成するとした方が現実的ではないか。
入学時に、生徒の実態を踏まえるために、例えば入学前の小学校や中学校での学習状況等を可能な範囲で把握するというメッセージを打ち出してもよいのではないか。
授業をやってみないと分からない部分もあると思うので、柔軟に調整することがあってもいいのではないか。
(高等学校の場合)出身中学校によって、学力に大きな差がある。その差を埋めながら、どうやって1年間で、高1の終わりまでに均質な状態になるように指導して伸ばしていけるのか、担当者同士の共通理解は非常に重要。そのためにも、入学時の生徒を把握し、その実態を踏まえた上でCAN-DOリストを作ることは、非常に大事。
他校のCAN-DOリストをそのまま借りてきて、十分に吟味しないで使っていることがある。地区単位で学習到達目標を設定する場合も、トップダウンでやってしまうと、趣旨に適わず、あまりよくないのではないか。
本県では、作ったはいいけれども、どうやって使っていいかわからない、形だけはきれいにできたけれども、評価方法まで考え切れないなど、困っていることが出てきており、それを今、研修につなげながら取り組んでいる状況。
この取組は全校で実施しているので、それが授業改善につながっていくという効果があることは感じている。拠点校は、すでに多くの実績を持っているので、具体的な問題点に関する助言等を行う窓口になってもいいのではないか。
本県では、研修会において県内の全ての高校のCAN-DOリストを全ての学校に配付した。そうすると、互いのCAN-DOリストを見ることができるので、例えば進路実績をあげている学校のCAN-DOリストを参照したり、あるいは商業高校同士が互いのものを見合ったりするなど、いい刺激になっている。このようにすることで、安易にお互いの学校のCAN-DOリストをコピーできないというメリットもある。現在は、作るのが当たり前だという空気にはなっている。
CAN-DOリストの形で学習到達目標を設定した際の効果を示さないと教員は取り組もうと思わない。効果として、教科書の扱い方が変わることを盛り込んではどうか。つまり、教科書をリソースとして使うことができるようになるということである。教科書に書かれてあることを、全て軽重をつけずに順番どおりにやるのではなく、目標を達成するために教科書にある題材内容なり言語活動なりに軽重をつける、あるいは場合によっては順番を変えるということも必要である。同時に、教科書だけではなく、教科書以外からも生の英語をインプットするという工夫をして、目標を達成していく。そういう形で教科書の扱いが変わるということを効果として示してもいいのではないか。
CAN-DOリストの形で学習到達目標を設定した際の実際の効果としては、指導に当たって協力したり、教材を共有したりすることで、個人ではなく、学校としての教科指導力があがるということが大きい。
先生方がCAN-DOリストをつくるときに、教科書の本文とか入試というものが出てきてしまう。それはこのCAN-DOリストというものが、教室で学習したその先にある現実の言語使用場面で何ができるかということを考慮して作成するという点についての理解が十分ではないからではないか。

 

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