資料4 外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定のための手引き(案)に対する意見募集(結果概要)

1.意見募集の概要

平成24年12月28日~平成25年1月25日にかけて実施
対象は都道府県・指定都市の教育委員会及び私立学校事務主管部署
都道府県教育委員会より管内の市区町村教育委員会については必要に応じて意見照会 

2.主な意見・質問概要

 QアンドAに反映させた方がいいと考えられるもの 上記以外のもの

(1)趣旨・目的に関するもの

求められている「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定は,教室内における教科書等に即した言語活動に関するものとなるのか,あるいは,実生活における英語使用場面に即したものになるのか。
全ての中・高等学校に作成を求めるものか。小学校においても,今後,作成を求めるものか。学習到達目標の作成が目的化してしまうのではなく,その活用方法や指導改善の具体策についての周知が必要である。このことに関する教員研修も必要ではないか。

(2)設定手順に関するもの

外国語担当教員が1,2名程度しかいない学校の場合,学校間で検討する体制を構築することは可能か。
学年ごとの学習到達目標における能力記述文の具体性は,学習指導要領の言語活動や指導上の留意事項程度にしておくと,年間指導計画や単元計画と適切に関連付けることが可能になると考えられるとあるが,具体的でないと教員による解釈に幅が生じ,評価軸が定まらないのではないか。
能力記述文に,話したり書いたりする文の数や語数,要する時間などの数値的な目安を含めてもいいのか。
生徒間の学力差の大きい学校についてはどのように学習到達目標を設定すればいいのか。中間層の生徒の英語力を想定するのか。
「全ての生徒に求められるのは,10項目のうち,1~6の6項目を達成することである。習熟に時間がかかる生徒にとっては,少しでも1~6の6項目に近づくよう学習意欲を維持させ,目標を超えた伸長がみられる生徒には,さらに7,8,9,10項目までの達成を目指す」といった目標設定は可能か。
卒業時の学習到達目標は,第3学年(最終学年)の目標と同じものとなるのか。
「簡単な文」や「やや難しい文」といった表現を用いる場合,共通の定義等はあるのか。 学校教育において,CEFRや外部検定試験実施団体のCAN-DOリストを参照することは適当か。

(3)「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標の公表や共有に関するもの

学習到達目標は,どのように公表したり生徒や保護者等と共有したりすればいいのか。

(4)評価に関するもの

「CAN-DOリスト」の形で設定する目標と観点別学習状況の評価における評価規準とはどう違うのか。
「CAN-DOリスト」の形での目標設定に適しているのは,「外国語表現の能力」及び「外国語理解の能力」とあるが,「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」や「言語や文化についての知識・理解」の観点も「言語を用いて何ができるか」ということと関連が大きいのではないか。これらも含めて総合的に評価する際の留意点は何か。
「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標を評価に有機的に結びつけるということは,生徒の学年末における達成状況を重視して,学年末において評価・評定の総括を行うべきと捉えてよいか。学年の学習到達目標に,学年末までに到達しているかどうかを重視して評価することが重要であるとすれば,一つの観点において,1学期:A,2学期:B,3学期:A,であれば,学年末においてAと総括することが適当であるのか。
国立教育政策研究所「評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料(中学校 外国語)」(平成23年7月)においては,単元における観点ごとの評価の総括の方法として,例えば,3回評価を行った結果が,「ABB」ならばBと総括する(第3章4(1)3  1)ア)とあるが,どうか。
「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標は,観点別学習状況の評価のうち,「外国語表現の能力」と「外国語理解の能力」の観点からの評価に活用するのが適しているとあるが,このことは,4つの観点のうち,これら2つの観点を重視して評価する(評定の総括をする)べきであると捉えてよいか。
 学校では,「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標の設定・活用・見直しの過程において,これら2観点からの評価が,これまで以上に充実し,評価機会の増加,評価の信頼性・妥当性の向上が予想される。そのため,これら2観点に重み付けをした評定への総括を希望する学校が増えるものと考えられる。
 「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標の評価を,学期末の成績(評定)に落とし込むにあたって,パフォーマンス パーセント筆記テスト パーセント,ジャーナル パーセント,平常点 %といった形でいいのか。
  評価に当たって,外部検定試験を補足的に目安とするのは妥当な在り方か。

(5)達成状況の把握に関するもの

生徒の達成状況の把握は,達成者数の総員数に対する割合を用いて行うのか,それとも,生徒の到達技能レベルの設定目標に対する到達段階によるものとなるのか。

(6)学習到達目標の見直しの時期に関するもの

見直しの時期は学年末が望ましいとあるが,途中で見直す場合は,生徒や保護者に周知することを条件にして,生徒の発達段階,教員のセルフフィードバックに併せて,「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標を柔軟に設定する方が良いのではないか。 

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