全国的な学力調査に関する専門家会議(第2回) 議事要旨

1.日時

平成23年10月19日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館3階 講堂

3.出席者

委員

梶田座長、荒井座長代理、相川委員、大津委員、小川委員、久保田委員、柴山委員、清水(静)委員、清水(美)委員、髙木委員、田中委員、土屋委員、福田委員、山崎委員

オブザーバー

志水 宏吉 大阪大学大学院人間科学研究科教授

4.議事要旨

(1)平成22年度追加分析の結果について、東北大学(資料1)と大阪大学(資料2)から報告を行った。
(2)事務局より、平成23年度の問題冊子等の配布(資料3-1、3-2)について報告を行った。
(3)事務局より、平成24年度概算要求(資料4-1)について報告を行った。また、平成24年度調査の理科追加(資料4-2)について報告を行った。
(4)平成24年度調査における質問紙調査の項目の見直し(資料5)について意見交換を行った。委員からの主な意見は以下のとおり。

○理科が加わることについて、中学校までの理科に対する関心の高さと、高校に入ってからの理科に対する関心というのは、非常にギャップがあるような印象を持っている。全国学力・学習状況調査の質問項目で把握できる範囲というのは限定されているが、高等学校入学後の理科離れの状況と対応させてみることができるような質問項目を中に含めておくと、義務教育段階までの教育と後期中等教育との間で何が起こるかというところが把握、分析できるのではないか。

○児童生徒質問調査の質問項目に十分に入っていないのが、学級経営、集団づくりといった、子どもの人間関係のルールに関するものである。これらが今、非常に乱れてきているところがあり、これが学力の向上のネガティブな要因になっているのではないかということが少しずつわかってきている。24年度若しくは25年度のきめ細かい調査の中で、クラスの集団、ルール、協調性といった項目を児童生徒質問紙に盛り込み、どのような状況になっているかを把握し、学力との関係を分析する必要があると考える。ただし、質問紙の項目数が多くなり過ぎないように、質問紙を分冊化することも考えられるのではないか。

(5)平成25年度きめ細かい調査の検討(資料6)について、意見交換を行った。委員からの主な意見は以下のとおり。

○数年のうちに大きく状況が変わることもあるため、数年に1回きめの細かい調査をするのであれば、子どもたちの生活のリアリティーというのが変化して、質問項目が陳腐になっていないかどうかといったことを確認した上で次の年度にいけるような工夫があってもいいかと思う。

○学力の経年変化については、全国学力・学習状況調査が始まってから、いろいろな意見が出る中で、方法論的に、あるいは予算の関係、枠組みの関係で、できないままで来たが、これ以上データをとらずに放置していいかどうかということは、大変に大きな問題として横たわっている。25年度の調査で、どんな形であれ、経年変化のためのきっかけをつくっておかなければならない。

○実際問題としては、25年度単年度ですべてが解決するわけではない。少し長期的なスパンで、この調査をどのように設計していくかという、ある種のグランドデザインとかロードマップのようなものをつくって整理していくことも必要ではないか。

○19年度以来のこの調査は、教育現場に非常に大きなインパクトがあり、こういう力を身につけてほしいということを問題の形で象徴的に示すことはできていると思う。しかし一方で、調査実施時期の関係で、調査対象になっている小学校6年生と中学校3年生が、その学年で学習した内容が十分に測られていないということがある。そのため、全国学力・学習状況調査と学習指導要領の実施状況、それからキー・コンピテンシーという生きる力にかかわるようなものをどう総合的に評価していくかという視点で見直していくことが必要かと思う。

○次回の会議で、できれば事務局から、きめ細かい調査のもう少し具体的な内容と,グランドデザインをどういう形で検討したらいいのか、あるいは検討可能なのかということについて、提案または問題提起をお願いしたい。

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初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)