(1)学力定着に課題を抱える学校への支援(学びのセーフティネット)
○ 家庭の経済状況の格差が学力に影響しているとの指摘もあり、世代を超えた格差の再生産・固定化を招かないよう、とりわけ義務教育段階では「学びのセーフティネット」を構築することが必要。
→ 低学力層を多く抱える学校の学力定着を図るため、補充学習や習熟度別少人数指導等の取組を行う学校に対して人的支援を充実。
→ とりわけ学習内容が高度化する中学校に対して配慮。
→ 全国学力・学習状況調査「きめ細かい調査」の分析により効果を検証。
(2)特別支援教育への対応
○ 通級による指導を受けている発達障害等障害のある児童生徒が増加傾向にあり、指導体制の充実が必要。
また、地域の小・中・高等学校等における支援を要する児童生徒の教育に関し、特別支援学校からの専門的な助言・指導等の充実が必要。
これらを推進していくことは、障害者基本法に規定された可能な限りの「配慮」の実行にも資する。
→ 特別支援教育支援員の活用も含めた通級による指導等の教職員体制の充実。
→ 特別支援学校における特別支援教育コーディネーターの配置の推進。
○ インクルーシブ教育システム構築に向けた多様な学びの場の整備については、特別支援教育支援員の充実や専門家の活用が必要とされているところであり、それらの今後の状況の推移を踏まえながら、教職員配置も含めた支援体制全体の在り方について引き続き検討が必要。
(3)生徒指導上の特別な配慮や日本語指導が必要な児童生徒に対する指導の充実
○ 深刻な問題行動を起こす児童生徒、不登校児童生徒等に対して、家庭・地域との連携も含め、学校をあげての指導体制の充実が必要。
また、日本語指導が必要な児童生徒の増加傾向を踏まえ、それらの子どもたちへの指導体制の充実が必要。
→ 児童生徒支援加配による学校支援を引き続き推進。
→ 日本語指導を行う必要のある外国人児童生徒等に対し、外国人児童生徒支援員の活用も含めた教職員体制の充実。
(4)東日本大震災により被災した児童生徒のための学習支援等
○ 東日本大震災により被災した心のケアが必要な児童生徒に対する学習支援に引き続き取り組むことが必要。
また、被災を教訓として地域と連携した先導的な防災教育の取組を行っている学校への支援も必要。
→ 震災直後から実施している教職員の加配措置について、子どもたちの実態に応じた学習支援の必要性を踏まえ、引き続き適切に実施。
→ 防災教育について先進的な研究の推進とその成果の周知を行う学校への人的支援を推進。
(1)小学校における専科指導の充実
○ 中学校への円滑な接続、理科・外国語活動等における専門的指導の充実、一人の児童に対し複数の教員がかかわることを促進するなどの観点から、小学校、とりわけ高学年における専科指導の充実が必要。
→ 小学校高学年において、兼務発令された中学校の理科や英語の教員による授業の実施や、専科教員と学級担任など複数の教員による指導に取り組む学校に対して教職員体制の整備を支援。
(2)地域連携による質の高い教育の充実
○ コミュニティ・スクールの取組や外部人材を活用した教育活動など、学校が地域の協力を得て質の高い教育を実現するためには、地域社会と学校教育活動との調整等に係る地域連携のコーディネート機能の強化が必要。
→ コミュニティ・スクールなど地域連携によって質の高い教育に取り組む学校において、先進的な研究の推進とその成果の周知を行うための人的支援を推進。
(3)学校運営の改善、食育等の拠点的取組に対する支援
○ 学校が組織として様々な課題に対応することができるよう、学校運営体制の強化が必要。
また、食生活の乱れなど子どもたちの健康を取り巻く問題を踏まえた食育の充実や、子どもたちの心身両面にわたる問題の多様化を踏まえた支援の充実が必要。
→ 主幹教諭、栄養教諭・学校栄養職員、養護教諭について、拠点的取組を行う学校における教職員体制の整備を推進。
(4)小規模な学校における教育指導上の課題の解消
○ 小規模な学校においては、複数学年での指導(複式学級)や止むを得ず免許外教科担任を配置するなど教育指導上の課題を抱えており、より質の高い指導のために教職員配置の改善が必要。
また、現在は市町村合併を伴う学校統合についてのみ教職員定数の激変緩和措置があるが、今後は市町村合併を伴わない学校統合に対しても措置を講じることを検討することが必要。
→ 小規模学校の個別の実情に即した複式学級の解消等の適切な教職員配置改善を実施。
(5)教員の資質能力向上に対する支援
○ 今後の教員に求められる資質能力を踏まえ、研修等を支援するための加配措置の在り方の検討が必要。
→ 初任者研修の充実・高度化のための体制の整備や大学との連携・協働を含めた研修内容の工夫・改善等を積極的に進める学校に対して支援。
→ 教員の修士レベル化に向けて、特に教職大学院への教員派遣を推進。
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