資料5:本日、自由討議していただく際の論点メモ

1. 少人数学級など教職員配置改善の効果に関する以下のような指摘についてどのように考えるべきか。

全国規模で見ると少人数学級の導入と学力水準との相関関係は見出せないのではないか。費用対効果の面で考えても、少人数学級による教員の増員よりも優先すべき政策があるのではないか。

(討議のポイント)

  1. 少人数学級の効果は、学力等についてのマクロ面での分析のみではなく教職員の実感、保護者等の納得性(満足度)の面からの検証が重要ではないか。(このことは少人数指導、チームティーチングにもあてはまる。)
  2. 各地方での取り組みが進展している事実が、少人数学級のプライオリティの高さを実証しているという見方ができないか。

ピーク時と比べ、子どもの数は42%減少しているのに教職員は13%しか減っておらず、教育環境はかなり改善しているはずなのに、子どもの学力、意欲、生活習慣がよくなっているのか。(子どもは昭和57年、教職員は昭和58年と比較した平成23年の数の割合)

(討議のポイント)

  1. 教育環境が向上した結果、学力面では都会とへき地の格差がほとんどなく、国際学力調査でも高位をキープ。学校に対する保護者の満足度も約80%(Benesse 教育研究開発センター 第4回子育て生活基本調査)で、非常に高い。これをどのように評価・分析するか。
  2. この3年間の定数改善によって、指導方法工夫改善(習熟度別指導、小学校における専科指導等)の浸透や子どもの学習時間の増など状況は改善しつつあるが、このような状況を維持・向上させることが必要ではないか。

※習熟度別少人数指導実施率
 中学校:70.5%(H21)→78.0%(H23)

※小学校専科指導実施状況(理科)
 小5:26.4%(H21)→31.8%(H23)
 小6:29.4%(H21)→34.2%(H23)

※ほとんど毎日勉強する子どもの割合 
 小学生:40.2%(H19)→42.9%(H23) 
 中学生:22.1%(H19)→26.3%(H23)

(Benesse 教育研究開発センター 第4回子育て生活基本調査)

  1. また、他に改善を示す指標として何が考えられるか。

2. 「地方での取り組みの進展や公務員人件費改革を十分踏まえ、地方での自主的な取組みを支援するという視点が必要ではないか。」という指摘についてどのように考えるべきか。

(討議のポイント)

  1. 少人数学級・少人数指導等の進展状況や対象学年、学級規模の設定の仕方は、地方の取組みにより区々である。このことを踏まえ、どのような教職員配置改善を推進していくことが必要か。
  2. 地方においては、学校の実情に応じて少人数学級か少人数指導等かの選択を認めている事例もあるが、より教育現場に近いところの裁量で教職員配置できるような仕組みの促進についてどう考えるか。
  3. 公務員人件費抑制が求められる財政状況下で、教職員配置改善をどのように進めるべきか。
  4. 一方、教育の機会均等の観点からの国の責任による定数改善の必要性をどう考えるか。

3. 国として教職員定数改善を計画的に行うことの必要性・在り方についてどのように考えるか。

(討議のポイント)

  1. 計画の必要性についての理由は以下のような考え方でよいか。
  • 任命権者である教育委員会に、教職員定数についての将来にわたる予見可能性を持ってもらい、計画的な採用・人事配置を行いやすくするためには、国による計画的な定数改善が必要。このことは、ひいては学校現場での見通しを持った教育活動を展開しやすくなることにつながる。
  • 一定の計画期間があることにより、後年度に及ぼす財政負担を十分考慮しつつ、教職員定数の自然減や年齢構成の変化による給与減などの財源を活用して、計画的に定数改善を行うことが可能となる。
  1. 計画改善を進めるにあたって、地方での取組状況の進展や地域主権、現場主義の観点をどのように反映するか。
  2. また、計画改善を進めるに当たり、以下についてどう考えるか。
  • 基礎定数充実の進め方をどうするか。
  • 現在の加配定数の在り方に(地方の予見可能性の観点等から)改善の余地がないか。
  • 団塊の世代の大量退職により、新規採用者の増加が進む中で、教員の質確保の観点から、臨時的任用職員等の任用の在り方も含め、人事施策をどう考えるか。

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