公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議(第11回) 議事録

1.日時

平成24年4月10日(火曜日) 10時~12時

2.場所

三田共用会議所 第3特別会議室

3.議事録

【木村主査】  公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議(第11回)でございます。本日はお忙しい中足をお運びいただきまして、ありがとうございました。

 本日は、まず国立教育政策研究所及び三重県教育委員会からヒアリングをいただき、質疑を行い、その後、事務局から、若干の論点の整理についてのポイントを御説明いただいて、自由討議をしたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 それでは、まず、事務局から、本日の資料についての確認及び説明をお願いいたします。

【谷合企画官】  それでは、資料の確認をさせていただきます。

 議事次第の下に資料1がございまして、これが委員の名簿です。

 資料2が、本日のヒアリングにお越しいただいた方の名簿でございます。

 資料3は、国立教育政策研究所からの御発表の資料でございますが、メインテーブル席のみには、別途、冊子を2冊お配りしてございます。ただ、この冊子については、部数に限りがありますことと、写真の肖像権の関係がございまして、メインテーブルのみの配付となってございます。傍聴席には概要資料のみを配らせていただいておりますので、御了承をお願いいたします。

 資料4が、三重県教育委員会からの御発表資料でございます。

 資料5、6、7につきましては、本日後半で討議いただく際の資料でございますので、後ほど改めて御説明いたします。資料については以上でございます。

【木村主査】  ありがとうございました。 それでは、早速でございますが、ヒアリングを始めたいと存じます。

 まず最初は、国立教育政策研究所から工藤部長と山森主任研究官にお見えいただいております。それでは、工藤部長、よろしくお願いします。

【工藤氏】  おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。

 私、国立教育政策研究所初等中等教育研究部におります工藤と申します。よろしくお願いいたします。

【山森氏】  山森です。よろしくお願いします。

【工藤氏】  お手元の資料3に基づきまして、私どもの研究所で実施しております、プロジェクト研究と称しておりますけれども、学級規模の及ぼす教育効果に関する研究の概要につきましては私から簡単に御説明させていただきます。その後、この研究の、23年度分の研究成果がまとまっておりますので、この分につきましては山森主任研究官から御報告させていただきます。

 まず、資料3の1枚目をごらんいただければと思います。このプロジェクト研究の概要を簡単に御説明させていただきます。3をごらんいただければと思いますけれども、本研究は二つのテーマ、ねらいを持っております。一つは、学級規模と学力の一時転換の関係についてはさまざまな研究が行われてまいりましたけれども、本研究の特色は、学級規模が、例えば、子供たちが3年、4年、5年と進級していく期間、その期間にどういうような少人数指導の形態が行われたかとか、あるいは学級規模がどういうふうに経過していったか、そういうことと学力との関係を見ようというのがマル1番のねらいでございます。

 マル2番でございますけれども、学級規模が教師の授業構成や指導方法等に与える影響について検討することを通じて、学級規模の及ぼす教育効果を見るものです。これは、例えば学級規模が、新しい年度で先生方が担当する学級が前年度に比べて小さくなった場合においても、必ずしも先生方の指導方法に変化はないという話もあるわけでございます。ですから、マル2につきましては、例えば、学級規模が少人数学級になった場合、その少人数学級を効果的に生かした指導方法や学習活動の工夫というものを開発していくというのがマル2番のねらいでございます。

 背景につきましては、3の2段落目のところに書いております。改正義務標準法において附則という形で、この会も同様ですけれども、そういう背景を受けて検討するということでございます。

 その下、「これまでの」というところにつきましては、発達的変化についての影響に関する研究は必ずしも多くないということがありまして、学年をまたいだ枠組みを設けて研究するということでございます。この部分につきまして、後ほど、山森研究官から御報告を申し上げたいと思います。

 2番目の「また」というところは、二つ目の研究で、この部分につきましては、今日、準備をしておりません。新学習指導要領で求める基礎的・基本的な知識、技能の確実な習得や、思考力、判断力、表現力、こういうものをバランスよく身につける、言語活動ということも言われております。そういう新学習指導要領が求める学力を、より一層効果的に身につけさせるためには、どういう授業構成や指導があるのかということが2番目のねらいに含まれているということでございます。達成目標はそこに書いているとおりでございます。

 研究方法のところですけれども、研究課題を二つ設けまして、研究課題の1のほうですが、自治体が実施している一斉学力調査の結果の複数学年分データをお借りしまして、質問紙調査等と組み合わせながら統計的な分析を行うという方法をとっております。

 それから、研究課題2につきましては、先行的に少人数学級を展開している自治体もございますので、そういう自治体に対して先生方に聞き取りをしまして、例えば、学級規模を縮小した場合に、先生方のどういう着眼点、学習指導の工夫、子供たちの把握、授業の準備、評価、いわゆる、ゆとりと言われているもの、そういうところに変化はあらわれるだろうかということを、今、カテゴリー化をしておりまして、そのカテゴリーに基づいて、幾つかの単元を仮に設けて、授業の指導案をつくっていただいたり、あるいは授業を展開していただいたりするというようなことを今計画しているということでございます。

 研究体制は、そこにあります、所内9名、所外18名の方に御協力をいただいて検討しているということでございます。

 以上が全体像でございます。24年度で終了する研究でございます。

 それでは、続きまして、この研究の研究課題マル1というところにつきまして、昨年度の研究成果がまとまりましたので、以下、山森主任研究官より報告をいたします。よろしくお願いいたします。

【山森氏】  山森でございます。お手元に、委員の皆様には二つの冊子が置いてあるかと思います。緑のものと薄い紫色のものという2冊がございます。そのうち、まず、緑のほうは、学級規模による教室の様子が一目でわかる資料です。2年生、4年生、6年生、それぞれ20人、30人、40人程度の学級を横にずっと半日、朝の会から4時間目の終わりまで、ビデオをずっと撮りまして、そこから象徴的な部分というのを19こま、1校時、2校時という授業時間、または休み時間といった区切りで切り出して張ってあるというものでございます。、ぱっと見ていただくと、20人程度、30人程度、40人程度で、半日間、どんな違いがあるのかといったことが一目でわかっていただけるかなと思います。これについては、子供の顔が載っているという関係で、傍聴の皆様には配布しておりません。

 もう一つの紫色の冊子が、今回、私がお話しする内容です。皆様の席上には、資料3にくっついている「結果概要」という3枚ものの紙がございます。以下、これに沿ってお話をしていきたいと考えております。

 この研究の目的は、学級編制と少人数指導形態が国語、算数それぞれの教科の小学校第4学年時と第6学年時の学力との関係に与える影響を明らかにするということです。ですので、この下の軸に4年生の学力をとって、6年生の学力を縦軸にとります。そうすると、例えば、4年生の学力と6年生の学力、大体こういった関係に一般的に見られると思います。どういった関係かというと、以前、成績がよかった子はその後も成績がよい、以前、成績が悪かった子はその後も成績が悪いといった関係が一般的には見られると思います。4年生と6年生の間の学力は、大体相関係数が0.8から0.9なのだそうです。なので、かなり強い関係があると思うのですが、この関係が、学級規模の縮小であるとか、または少人数指導することによって変化していくかどうかということを見ています。

 例えば、こういった赤い線のような関係が見られると、青い線と比べて、低学力層にとっては、ある指導法、ないしは、ある教育条件がよいということになります。また、こういった線だと、青い線の方が4年生の学力が6年生の学力に与える影響は小さいけれども、全体としての学力は低いといったようなことがわかるということでございます。

 これについて、学級規模であるとか、または少人数指導形態で、この回帰直線の、一つは、切片が上下するかどうかということです。もう一つは、傾きが変化するかどうかといったことを見ているということです。今回の調査対象というのは、京都府の小学校です。円グラフでわかりやすくかいてみましたけれども、第6学年単式2学級以上の学校がほとんど参加しています。つまり、単式1学級の場合だと、学級規模の範囲というのは1から40をとってしまって、とても幅が大きくなってしまうのですけれども、単式2学級以上になると、一番小さい学級規模で20程度。そこから40までという幅をとるので、あえてこういった対象に絞っているということであります。

 調査方法については、ここには調査用紙のサンプルを持ってきましたけれども、京都府の場合には、4年生と6年生の4月、ちょうど今ぐらいの時期なんですけれども、一斉の学力診断テストをやります。去年の6年生について、6年生の4月に受けた学力テストと4年生の学力テストの得点を個別に書いてもらう。そして、黄色い部分だけを回収すると、それぞれの個別につながった2回分の学力調査のデータがとれるというような仕組みになっています。

 どういうふうに分析をしたのかということなのですけれども、少人数指導の形態と少人数学級編制の仕方、規模というものが、小4から小6にかけての学力の関係に何らかの影響を与えるかを検討するために、それら二つについて、まず、それぞれの調査対象校を大まかに分類していきます。学校質問紙調査をやって、そして、自由記述をもとにしながら分類するということを試みましたけれども、少人数指導の形態としては四つの分類にした。それから、学級編制についても四つの分類にしてあるということであります。この分類結果を使いながら、先ほどお話ししたように、学級規模の分類、少人数指導の形態というものが、4年生から6年生にかけての学力にどういった影響を与えるかというようなことを見ているということであります。

 早速、その結果を見ていきます。まず国語ですが、回帰直線をかくと大体こういう感じであります。一つ目、点線の部分というのは、3年間、現行の基準による学級編制を実施し、一度以上、平均学級規模が30人を超えた学校ということで、3年生、4年生、5年生のときのそれぞれ平均の学級規模を見てみると、大体33人前後です。

 一方、上のほうの黒い実線の回帰直線ですが、これは3年間、または4から5年生の間の2年間、現行を下回る基準による学級編制を実施した学校で、40人基準ではない、少ない基準によって学級編制を実施した学校です。

 まず、実線のほうを見ると、大体こういうことになります。4年生で平均的な学力の子たちというのは、6年生のときには大体あの位置に来ます。ところが、破線の部分、つまり学級規模が大きい学校は、関係としてはこういうふうになります。ですので、これを二つまとめると、継続的に少人数学級を実施した学校と、学級規模が3年間、ずっと大きかった学校ということで比べると、継続的に少人数学級を実施した学校にいる子供のほうが、4年生の学力テストで平均的な得点をとった子について見ると、6年生での学力が高いといったことがわかります。

 これについては、少しわかりやすくするために、棒グラフで取り出して見てみるということもやっています。つまり、4年生で下位、中位、上位という子たちが、6年生で下位、中位、上位のどこに入るのかといったことを、先ほどお示しした少人数学級の四つの分類の中で違いがあるかどうかということです。

 ここで示しているのは、先ほどの回帰直線で出てきたものだけを取り出していますけれども、4年生で下位、4年生で中位、4年生で上位の生徒、いずれの場合でも、こういった関係があるように、上のほうが少人数学級を継続的に実施した学校の子たち、2番目のグラフというのは、学級規模が大きくて3年間推移した子たちということになるのですけれども、例えば、4年生で下位の子たちで見ると、6年生で下位に入る割合というのは、学級規模が大きいほうが多い。4年生で中位であっても、6年生で下位に入る割合というのは高い。4年生で上位であった子たちを取り出してみても、6年生で下位に入ってしまう子たちの割合が高いということで、先ほどの回帰直線の結果と大体同じ傾向を示しているということになります。

 それから、これについて、4年生で下位、4年生で中位、4年生で上位という子たちをもう一回見てみたときに、上位層に入る割合はどうなのかということで見ると、継続的に少人数学級を実施した学校にいるほうが上位に入る割合は高くなります。全体的に学力が高いのは、継続的に少人数学級を実施した学校ということになります。

 次に、もう1個の国語の結果なのですけれども、今度は少し、回帰直線の傾きに違いが出てきています。どこで違いが出てきたのかというと、先ほどから申し上げている、3年間、または4から5年の2年間にわたって現行を下回る基準による学級編制を実施した学校と、3年間、現行による学級編制を実施したけれども、平均学級規模が30人以下の学校。つまり、学級規模としては同じぐらいですけれども、現行を下回る基準によって出てきた少人数なのか、それとも、今の基準で出てきた少人数学級なのかといったことの違いであります。

 ここを見てみますと、まず破線の部分ですが、4年生の学力と6年生の学力の関係を見ると、大体こういうことになります。ところが、実線の部分、継続的に少人数学級を実施している学校というのは、こういう形になります。これをまとめていうと、特に4年生で学力が下位だった子で見ると、単に少人数学級の子たちよりは、現行を下回る基準によって学級編制を実施された学校にいる子たちのほうが、6年生の学力が少し高い傾向にあるということであります。

 棒グラフでも大体似たような傾向が出てきます。第4学年で下位だった場合に第6学年でも下位層のままである確率というのは、後者のほうが高い。つまり、3年間現行の基準による学級編制を実施して、平均学級規模は30人以下の学校のほうが割合が高い。

 次に上位ですけれども、4年生のときに上位だった場合に、第6学年でも上位層のままである割合というものも、現行の基準によって編制された学級規模が30人以下の学校ということになっています。

 次に、算数の結果では、4年生と6年生との学力の関係を見ると、実線が現行を下回る基準による学級編制を実施した学校、破線が現行の基準であっても少人数学級だった学校というものを比較しています。

 破線のところを見ると、4年生で平均的な学力をとった子たちの6年生の学力テストの得点というのは大体この位置に来るわけですけれども、これが継続的に少人数学級を、現行を下回る基準による少人数学級を編制した学校の子たちというのはこういうことになるということで、どちらのほうがいいかというと、現行を下回る基準によって学級編制を実施された学校にいる子たちのほうが、全体的に学力が高いだろうということであります。

 棒グラフで見てみても、大体同じ結果というのが出てきていまして、4年生下位、4年生中位、4年生上位、いずれの学力層においても、第6学年で下位層に入る割合というのは、単なる少人数学級のほうが高いということになります。

 それから、第4学年、下位、中位、上位、いずれの学力層においても第6学年で上位層に入る割合というのは後者のほうが低い。単なる少人数学級と、学級編制基準、引き下げをやることによって出てきた少人数学級の子たちを比べると、単なる少人数学級の学校にいる子たちのほうが上位層に入る割合が低いということになります。

 なお、この調査結果では、少人数指導実施形態については、特に影響を与えるということは出てきませんでした。4年生から6年生の間の学力との関係を見ると、その関係に何らかの影響を与えているのは学級編制のほうだったというのが今回の結果です。

 国語について見ると、現行を下回る基準による学級編制を継続的に実施した学校の児童のほうが、その後の学力が高い。どこと比べてかというと、大きな学級の学校と比べてということであります。また、現行を下回る基準による学級編制を継続的に実施した学校に在籍することが、従前の学力が低い児童に対して補償的に働いているというのは国語の結果であります。つまり、学力が低い子たちにとっては、現行の基準よりも低い基準で編制された学級にいることのほうがいいのではないかということであります。

 次に、算数ですけれども、算数については、現行の基準によって編制された30人以下の学級規模の学校の生徒よりも、現行を下回る基準による学級編制を継続的に実施した学校の児童のほうが、その後の学力が高いということになります。まとめて言うならば、現行を下回る基準による少人数学級編制を継続的に実施した学校がよかったということであります。今回の研究では、あえて、今の基準でもできてくる30人以下の学級と、それから、制度を変えることによって出てくる30人以下の学級、少人数学級を比較しているということと、もう一つは、この場合は、学校は選択できる仕組みですので、1年間だけやったのか、または2、3年間継続してやったのかということも見ていますが、1年間だけやるといったことについては特に何も結果は出てきていません、2年間ないしは3年間継続的にやるということに、いい点があるのではないかというのが、この研究結果が示唆するところです。

 以上です。

【木村主査】  ありがとうございました。

 いかがでございましょうか。何か御質問、御意見ございましたら。どうぞ。

【小川副主査】  最初、ちょっと質問させてほしいのですけれども、学級編制のところは四つのパターンをやっていますよね。その中でも、どう解釈していいのかわからないのは、1ページの学級編制の四つのパターンで、(1)のところは、現行を下回る基準による学級編制を実施した学校ということで、これは制度的というか、政策的に、意図的に少人数学級をつくった。それに対して、(3)は、そういうことではなくて、現行制度で、自然にできた少人数学級だという理解ですよね。形はどちらも同じような少人数だけれども、政策的につくられた少人数学級と、自然な状態でつくられた少人数学級との間で、差異が生じるというのは、どういうふうに理解していいのか。つまり、法制度で少人数を導入した際に、先生方とか学校全体が少人数学級に対する意識的な授業づくりとか何かを追求するのか、自然にできた少人数学級というのは、そういう学級づくりとか教員の意識にあまりインセンティブがないから、こういう差が出るのか。この辺をどう解釈していいのかというのがまず一つ、お願いします。

【山森氏】  今いただいた質問ですけれども、私たちのチームでも同じような議論になりました。なぜなのだろうかということです。この調査を行った京都府の先生方に聞いたときに、単に自然にできてしまった少人数だから頑張らないとか、逆に、意図的に少人数学級をつくったから頑張るといったようなことはないだろう。どんな条件であっても、きちんと頑張っていると思うので、先生方の動きとして何か劇的に違うとか、または学校の取り組みとして何か全く違うことをやっているということはどうも考えにくいということでした。

 ここで、もう一つは、現行を下回る基準によって学級編制を実施するということは、学年の学級数は増えるということになりますよね。なので、もしかしたら、学年の学級数が増えるというところの良さが効いているのかなというのが私たちの現時点での解釈です。昨年度のこの席で、私、クラスがえについての話をしたと思うのですけれども、それは、学級規模を小さくして学年の学級数が多いと、安定的な学級づくりに寄与するのではないかという話をしましたが、そういったことももしかしたら働いて、このような結果になっているのではないかということと、それから、現行を下回る基準によって少人数学級ができたというのと、そうではないのを比べたら、下回る基準のほうがよかったということは、仮に今回、自然に出てきてしまった少人数学級に対しても、もしかしたら、さらに基準を引き下げて、小さい学級ができて学級数も増えるというようなことになれば、少しまた結果は違ってくるのかなという印象は持っています。

 ただし、こういったことについての先行研究も乏しい状態にあるので、積極的に、これが理由ですといった理論的な根拠をつけることは現時点では難しいということはお断りしておきます。

【木村主査】  小川委員、よろしいですか。

【小川副主査】  はい。

【木村主査】  よくわかりませんね。何かサイコロジカルなことがあるのではないかという気がしてしようがありません。

【小川副主査】  ええ。でも、おもしろいですね。

【木村主査】  聞き取り調査では、あまりそういうことは出ていないというお話でしたが、先生の方に、よし、やってやるぞとか、そういうことがあるのではないかという気もします。どうぞ、清原委員。

【清原委員】  ありがとうございます。私も、小川先生の質問に継続して、この差が相対的には有意に出たということを大変興味深く伺いました。そこで、意識的に学級を解体して少人数学級にした例と、そうではなくて、児童数が少ないので、意識しなくても少人数になった場合だと、先ほど示唆されましたように、その学校のそれぞれの学年の学級数には違いがあるということは一つ言えると思います。

 それから、調査方法のところで、1ページに、過去の少人数の指導形態については、「少人数指導の実施形態について自由記述で回答していただいた」とあるのですが、その指導形態なのですが、学級の児童数だけではなくて、意識的に学級を解体して少人数学級をして国語や算数の指導をする場合、指導形態として、いわゆる教員が一人で講座型の授業を展開したのか、さらに班別にしたのかとか、教材を独自につくったであるとか、学力を測定する際のテストの形式についても、一般的なものを利用したのか、あるいは少人数学級の効果を探るために独自の学力テストをつくったのか、そのあたりまで自由記述で把握されているかどうか。つまり、この相対的に有意な差を検討する際の何らかの副次的な情報というんでしょうか、それを得ていらしたかどうか。私は、主査がおっしゃったように、心理的なものも大変影響していると思うのですけれども、あわせて、授業の手法とかテストの手法とか、そういうところに何か教員が独自の取り組みを付加してやっている場合と、どちらかといえば、人数が少ないけれども、それまでの手法とあまり変わることなく、3年生も4年生も5年生も6年生もやっているのかどうか。その辺、調査のプロセスで、今後、この差の要因を検討する際に示唆されるようなものが、現時点で見出していらっしゃるとしたら、それを御紹介いただければありがたいと思います。

 以上です。ありがとうございます。

【木村主査】  何かありますか。

【山森氏】  この調査については、去年、6年生について、3年生から5年生の間で、少人数指導だったら、どんな少人数指導をしましたかという聞き方で自由記述をとっています。ただし、年をさかのぼって聞かなければいけないので、人も当然入れかわっていますから、具体的に、こういうテストをやって少人数指導のグループを分けましたとか、こういうグループ活動を多目にやりますとかということまでさかのぼって聞くというのは非常に難しいのですね。ですので、少人数指導の実施の形態については、どういう形でやったのか。それだと、学校に資料がきちんと残っているので、例えば、2学級3展開だったとか習熟度だったとか、そういったことは残っているので、さかのぼれる範囲でのデータしかとれていません。ですので、具体的に教室で何が起こっているのかについては、今回は見ていないということになります。

 ただし、一つの県の、単式学級以上ある学校は、大体、すべてカバーしている調査です。そこで見たときに、全県という条件でならしてみたときには、少人数指導ではなくて少人数学級、しかも継続的にやるということが、全県で見たときにはよかっただろうということであります。

【木村主査】  なかなか難しいですね。どうぞ、小澤委員。

【小澤委員】  全国連合小学校長会の小澤です。

 小学校の状況からすると、この調査単体としては、私、現場の状況から見て、こういうことも言えるなと思いますけれども、教員の仕事を大きく見ていく必要があるのではないかと思います。文部科学省の調査で、いわゆる指導時間以外の子供の指導に要する時間、平均2.3時間、これ、データとして出ているかと思います。この指導時間というのは、例えば、1時間目、2時間目、教科領域指導の時間で指導した結果、レポートとか作文とか作品とか、そういうものの採点をして、そのことについてコメントして、評価して返す、そのための準備の時間も相当多くあります。それが1点目。

 それと、もう1点は、いわゆる単体の学校で見ると、そこに勤めている教員の数が多いほうが、校務分掌、授業以外の事務的な仕事をしていますから、この校務分掌上の仕事の負担率というのは当然減少すると思います。そうすると、その時間を指導に向けられる。分掌事務じゃなくて、指導に向けられる。先ほど言った2.3時間の部分でフォローできる。やっぱりそういう効果があると思います。ですから、自然発生的な少人数学級規模というよりも、制度的にやったほうが、人的な配置は当然そこに効きますから、そこにあらわれる効果は大きい。したがって、単体に指導時間での教師の営みだけではなくて、トータルとして、勤務時間として、あるいは学校に在勤している間にどういう業務をしているか、トータルで見る必要があると思います。それが制度的な少人数学級とどう響いてくるかということが重要じゃないかと、私、今の資料を見て思いました。どうもありがとうございました。

【木村主査】  どうでしょう、今の点。非常に大事な点だと思いますが。

【山森氏】  今、コメントをいただいた、具体的に先生方の働き方というのについても、去年の今ごろに実施した、去年の6年生のテストの結果と、その子たちについての過去のテストの結果、それは、過去どういうことをやってきましたかという、さかのぼる形でのデータしかないので、具体的に、ある担任の先生が指導時間としてどれだけ向けられたのか、または、校務分掌がどうだったのかというところまでは、本当にわかりません。わからないのですが、先ほど少し申し上げましたように、単なる少人数学級の学年よりも、制度的に少人数学級を実施した学年のほうが、学年づきの先生が増えるということはあると思いますし、そういったことが、おそらく効いているのではないかなと思います。こちらも一生懸命、この結果を解釈しようと、先行研究を洗いざらい、少人数学級研究以外のものまで見てはいるのですけれども、それを理論的に、こうですよということを積極的に、教育心理学者として言うことはなかなか難しい。ただ、データとしてはこういうことになっているというふうにとどめさせていただきたいです。

【木村主査】  確かに、小澤先生が言われたようなことがあるのでしょうね、きっと。

 どうぞ、土居委員。

【土居委員】  調査結果を大変興味深く拝聴させていただきました。

 一つ質問ですけれども、この調査結果及び標本をごらんになっておられての周辺情報も含めてお答えいただければと思うのですが、確かに、自然発生的という部分も含めて、学級編制で差異がある標本を扱って、より少人数の学級とそうでない学級との間に差があるという話は、その分析としてはわかりました。

 ただ、これをもし、例えば、全国的に少人数学級にした場合に、この分析結果と今後の変えた場合の見通しの整合性を考えたときに、確かに標本に差があったときにこういう差があって、この分析というのは相対的な成績の評価なので、上位、中位、下位ということになっていますから、当然、学級編制上、差異があった場合に、その差異が成績に出るというのはわかるのですが、皆が少人数学級になった場合に、これはどういうことになるのかということになります。少人数でなかった人たちを少人数にすれば、成績は上がるという話かというと、この分析、今御発表になった部分だけだと、相対的な成績の評価なので、これだけだと、全員を少人数の学級にしたらどうなるかというのが見通せないというようなところがあって、もちろん、御発表になったのは短い時間で部分的な御報告だったと思うので、周辺情報を含めて、何か今の話に関連して、もし教えていただけることがあれば、いただきたいと思うのですけれども。

【木村主査】  お願いします。

【山森氏】  まず、この調査ですけれども、ある一つの県に限定していますよね。なので、ほかの県でやって同じ結果が出るかというと、それはわからないです。私たちも少人数学級の研究をずっとやっていますけれども、全国で調査をやってしまうと、いろんな要因が、もっと混ざってしまって、少人数学級とか少人数指導の効果というのが全然見えてこなくなります。なので、ここ何年かは、私たちはいつも、ある県だけをやるというふうにして、少し条件をそろえた上で、どういった違いが出てくるんだろうかといったような枠組みで調査をするようにしています。要は、観測できない変数の影響をできるだけ取り除くということです。

 問題は、今回が相対評価であるということで、それはまさにそうで、今回とっているのも、回帰直線についても標準得点ですから、早い話は偏差値をとっているということになります。これを仮に、全部が全部少人数学級をやったときに、どういった効果が出るのかといったことについては、それはやってみないとわからないとは思うのですが、ただ、ここで言えているのは、現行の基準で小さい学級になっている学校と、現行を下回る基準で学級を編制した学校と比べると、例えば国語では、下位群、学力が低い子たちにとっては補償的に働くだろうということは言えているのと、算数の結果で見ると、全体的に学力は上がっていくだろうということは言えているので、おそらく、この結果をそのまま適用するとすれば、全国的に少人数学級をやったときに、少なくとも今まではすくい切れなかった子たちを引き上げることができるだろうということは予測がつくし、全体的にも学力は上がるのではないかといったことは言えると思いますが、この上がる程度の差というものが、土居先生の御専門はむしろ経済だと思うので、費用対効果としてどうなのかといったことまでもほんとうは考えなきゃいけないと思うのですけれども、そこは、心理学者の仕事を超えてしまうということになります。

【木村主査】  ありがとうございました。

【土居委員】  御回答ありがとうございました。費用対効果の話はちょっと棚に上げるとして、今ここで議論するつもりはあまりないですが、絶対評価ではかった成績が、もちろん回帰分析とかする場合には非常に扱いにくくなるので、分析の俎上に乗せられるのか、なかなか悩ましいところでありますが、今御回答にあったように、少人数学級にしたことで相対評価で見たときにどうなるかというのは、これははかりにくくなるわけだけれども、絶対評価で見たときの成績、学力が上がるということが、ざっと、目の子でもいいのですけれども、標本を見ているときに、どうもそういう少人数の学級だと、4年で下位だった子が6年でも下位かもしれないけれども、点数がより上がっているところに位置しているとか、そういうようなことがあるとすれば、確かにすべての、例えば、京都府なら京都府でいいのですけれども、仮に京都府がすべて少人数学級にした場合に、今まで少人数じゃなかった学校の子たちの成績に、絶対評価で見たところの影響というのがあらわれてくるというような示唆というのがあり得るのかなと、そう思ったものですから、今、質問させていただいたということです。

【木村主査】  ありがとうございました。

 よろしゅうございますか。この辺で質疑を終わりにさせて頂きます。非科学的な考え方かもしれませんが、リセットした場合とリセットしなかった場合というのは、人間の取り組みというのは微妙に違ってくるのではないでしょうかね。その辺のところは、データではなかなか出てこないでしょうね。工藤先生、今後、この研究はお続けになりますか。

【工藤氏】  はい。もう1年、24年度まで。

【木村主査】  結果を期待しておりますので、よろしくお願いします。

 それでは、ひとまず、ここでこの議論は打ち切らせていただきまして、次に、三重県からプレゼンテーションをいただきたいと存じます。本日は、三重県教育委員会から、教職員課長の木平芳定様にお越しいただいております。恐れ入りますが、20分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

【木平氏】  三重県の教職員課長の木平といいます。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、貴重な時間、こういう機会をいただきまして、ありがとうございます。早速ですけれども、資料4をごらんいただきたいと思います。

 三重県の少人数教育の状況ということで、前段の部分は、本県の少人数教育の考え方なり概要を御説明申し上げて、後段の部分で、学校の受けとめ方なり効果的な部分について御紹介させていただきたいと思います。

 1ページの一番上の1ですけれども、子供たち、児童・生徒一人一人の実態と各学校の課題に応じたきめ細かい教育を推進するということで、最終的な目標としては、基本的生活習慣、学力の定着・向上を図っていきたいというものでございます。

 基本的な考え方ですけれども、1点目が、少人数学級と特定の教科における少人数指導の両面で推進をしているということと、生活や学習環境が大きく変わる学校種間、小学校低学年や中学校1年生ですけれども、そうしたところの円滑な接続に留意をしているということに加えまして、市町教育委員会、各学校の実情に即して、それに柔軟に対応できる仕組みを整えたいというところでございます。

 3番の「取組の概要」ですけれども、小学校1年生、2年生と低学年の部分につきまして、30人学級なのですけれども、下限25人という枠組みを設けてございます。これについては後ほど説明させていただきます。

 それから、その下の点線ですけれども、3年生から6年生、1、2年の30人学級、下限25人の対象にならなかった一部分も含めてですけれども、市町教育委員会あるいは各学校へ配置させていただいている定数を活用いただいて、それぞれの実情に応じて少人数学級を編制していただくことも可能としております。

 右のほうは少人数指導ということですけれども、小学校でしたら31人以上の学級で、国語、算数の少人数授業ができるように、教員なり非常勤講師を配置させていただきまして、これも各市町教委、学校でそれぞれの配置数の中で実施をしていただくということで、左の少人数学級なり少人数指導なりということで、そこを選択いただく部分があるということです。

 ただ、小学校1、2年生の30人学級、下限25人につきましては、現在、県全体として、基本的にトータルで、少人数学級を推進させていただいているというところです。

 次に、中学校について、1年生の35人学級、これも下限25人ということですけれども、当初はここを固定的に出発したわけですが、いろいろ実情を聞く中で、ここを基準にしながら、中2、中3へその部分を転用いただくことも可ということにしております。それから、点線の部分と右の少人数指導の部分につきましては、先ほど申し上げた小学校と同じような枠組みでさせていただいているところです。

 具体的な配置につきましては、4の(1)ですけれども、小学校については定数1のみですが、中学校につきましては、教科担任の部分もございますので、定数1に加えて非常勤、0.5人分を措置させていただいているところです。

 次の2ページをごらんください。下限25人と先ほど申しましたけれども、一定の集団生活の中で社会性を身につけていくという部分と、切磋琢磨という部分もあり、教育効果を高めるという意味でも、一定規模の学級集団であるということが適当ではないかということに加えまして、この下限人数というのを設けない場合は相当数の教員が必要となるといった2点の大きな理由で、本県の少人数学級については、25人以上の学級が少なくとも1学級できる学校を対象にしているというところです。

 例を見ていただきますと、マル1は、1学年の児童が31人の場合、標準学級は当然1学級ですけれども、2学級に編制しますと、15、16人となるということで、こういった部分は対象外となります。

 それから、マル2の72人の場合は、3学級編制にしますと、24人が3クラスできるということで、ここの部分も対象外ということですけれども、本年度から、小学校2年生については、国で36人以上学級の解消の加配措置もしていただいたということで、それを活用させていただいて、本年度からは3学級編制とすることにしております。

 マル3について、73人でしたら、24人、24人、25人ということで、こういった部分について、本県独自の30人学級ということで対象としております。

 次の(3)で、昨年度の数字になりますけれども、学級編制の状況ということで、先ほども学級編制標準の自然体のままでも少人数学級があるというお話もありましたけれども、左のほうが、本県の場合の標準法どおりで学級編制を組んだ場合の学級の状況です。仮定の話ですけれども。小学校1年生につきましては、全学級数が641になって、そのうち472が30人以下の学級ということで73.6%。それを本県独自の少人数学級編制にすると、全体の88.3%が30人以下の学級になる。同じく小学校2年生については、標準法どおりですと53.1%ということですけれども、それが86.9%になります。小学校1年生について73.6%ですけれども、ここにつきましては、昨年度から35人が標準ということになりましたので、ここの数値の差は、そこの効果が出ているということでございます。中学校の場合は35人以下ということで数値をとっておりますけれども、中学校1年生も、同様に56.5%が独自の少人数学級を実施することで、92.5%が35人以下の学級になるということでございます。

 3ページはこれまでの状況ですけれども、15年度に初めて小学校1年生の30人学級というのを実施させていただきまして、低学年で継続する必要があるということで2年生まで拡大して、平成17年から中1の35人学級、18年にはそれを2、3年生への振りかえも可とさせていただきつつ、あと、3列目ですけれども、少人数授業等を実施するための教員の配置ということで、県単独措置、わずかずつですけれども、拡充をしつつ現状に至っているという状況でございます。

 以上が本県の少人数教育の取り組みの概要ですけれども、4ページをごらんください。「少人数学級実施校における効果と課題」ということで、定量的にとらえるということはなかなか難しい部分がございます。先ほどお話もありましたけれども、その効果に与える、少人数教育の効果、例えば、もし学力の向上の面でとらえるとしたときに、大きな影響を与える要因が幾つもある。それは、児童・生徒の実態ということで、例えば、不登校の状況であったり、日本語指導を必要とする外国人児童生徒や特別支援を要する子供たちの状況であったり、あるいは教員の経験の部分であったり、家庭環境、教育力、そういった部分をすべて同様に条件を整えて比べるというのは、なかなか難しい状況はあるということですけれども、本県の場合の現時点でのとらまえ方を御説明させていただきたいと思います。

 毎年度、各学校から、その効果、課題等についての報告を受けており、定性的な部分ですけれども、4ページの(1)の「効果」ということで、一般的に授業中の発表回数が増えるとか、一人一人に目が行き届くとか、多面的にとらえることが可能になるとか、習熟度別の編制を実施することで、発展的な部分にも対応できるということがあります。課題のところですけれども、少人数授業を成果が上がるような形で実施するためには、教員間の打ち合わせとか、研究のための時間が必要になるわけですけれども、どうしてもそういった部分の時間確保が難しくなったり、校務分掌であるとか会議の効率化といったことによって、その時間を確保していく必要がある。三重県の場合は、非常勤講師という形でチーム・ティーチング等をやっている部分はございますので、とりわけ、そういった非常勤講師との情報共有の部分が難しいといった課題がございます。

 それから、少人数学級に代表されるように、教員一人当たりの持ち時間数がやっぱり増えます。そうなると、緊急的な事案なり臨機な対応というのが、学校の中でできにくい状況というのも生じております。それから、少人数学級にした上でも、特別な支援を必要とする児童・生徒への対応については、さらに一定、個別の対応が必要になるという状況がございます。

 5ページ以降で、もう少し数字的な部分も含めて御説明させていただきたいと思います。5ページの参考1は、「授業内容を理解している小中学校児童生徒の割合」ということで、本県では、高校もありますが、小学校5年生と中学校2年生を対象に、全児童生徒数の一、二割程度に毎年度、全県的にアンケート調査を、6項目でしております。そのうち、「授業内容がよくわかりますか」という項目を経年的にとっているわけですけれども、下のグラフに示させていただいたのが、授業内容が「よくわかる」「だいたいわかる」と答えた児童・生徒数の割合でございます。平成15年度が8割だったのが、22年度ですけれども、87.5%といった状況でございます。

 6ページをごらんいただきたいと思います。6ページは、少人数学級実施校でのそれぞれの学校で、いろんな形で効果検証について取り組んでいただいているものの3点を御案内させていただきたいと思います。

 A小学校というのは、これは児童を対象としたアンケートということで、平成21年度4年生の児童、このときは2学級だったわけですけれども、そのときに、「授業はわかりやすい」というのが82%あったわけですけれども、同じ児童に対して、1年後の5年生のときは3学級編制にしたということで、授業の内容はもちろん変わるわけですけれども、「授業はわかりやすい」が93%になったり、全般的な項目の数値としては上がっているという状況がございます。

 次のB小学校は、これは1年生の保護者を対象としたアンケートです。21年度は、66人で2学級ということでございます。22年度は、これは別の保護者になりますけれども、80人で3学級というところで、こちらについては、すべての保護者が、「子どもたちは楽しく学校に行っている」等の結果を得ているということです。

 次のC小学校は、全保護者を対象としたアンケートで、1年、3年、4年生は少人数学級にはなっておりません。一方で、2年、5年、6年生は少人数学級を実施しているということで、学校に行くのが楽しいとか、学校の子供への理解度とか、学校の努力の度合い等を保護者の観点で見たときの数字をそこに示させていただいております。

 それから、次の7ページ以降の参考3ですけれども、平成23年度に、少人数学級あるいはチーム・ティーチングなりの少人数授業等を実施した学校すべてに対してアンケート調査をしたものです。5択ということで、1が「とてもそう思う」、棒グラフでは青で示させていただいています。2は「そう思う」、これは赤いところになっております。左のほうのAの「児童生徒の変容について」というところで、「総じて児童生徒の学力が向上した」、これは定性的な部分ですけれども、それが右の小学校のマル1のところにグラフとして反映をさせていただいております。その隣が中学校です。授業につまずく児童生徒が減ったとか、発言や発表の機会が増えたといった部分については、赤い部分まで含めると相当程度に上っていると。ただ、マル4の「発展的な学習に取り組める児童生徒が増えた」といった部分は、「とてもそう思う」という部分もほかに比べると低いですし、「そう思う」という部分を含めると、6割超えて7割強に至っているわけですけれども、ほかの設問とは少し違った状況があるのかなと思います。その下の生活面というのが、「不登校やいじめなどの問題行動が減少した」等についての生活面での設問でございます。

 8ページですけれども、8ページにつきましては、指導上の効果という観点で、主に教員の受けとめ方ということで聞いた部分でございます。学習面で、進みぐあいの把握とか、それに合わせた指導がいかがかというのがマル1です。マル2が、ノート指導とか作品へのコメントが丁寧にできるとか、マル3は個別の指導がしやすい、マル4は一人一人の発言を大事にできる、こういった部分についても、相当程度、「とてもそう思う」という部分が高いという状況がございます。

 それから、一番下は、「その他」ということで、「校務分掌、学校運営の充実につながった」といった部分は、6割を超える部分で評価いただいているところですけれども、ほかの項目に比べては、やはりこのところで、「あまりそう思わない」といった部分もありますので、課題があるところかなと思います。

 9ページは、参考4ということで、本県の「暴力行為、いじめ、不登校の推移」ということで、少人数学級と完全に関連づけて分析等はなかなかし得てないですけれども、全体的な発生件数等をグラフとしてお示しさせていただきました。

 真ん中の図が小学校で、緑の部分が不登校、いじめについては赤いラインですけれども、平成18年度に定義づけが少し変わっているという部分がありましたので、そこで件数は増えたようになっておりますけれども、それ以降は中学校等も減っているという状況でございます。

 それから、最後のページですけれども、最後のページは、数字的に、40人学級編制と、国において計画的に取り組もうとされている35人学級編制、それから、本県で小学校において取り組んでいる30人編制ですけれども、下限25人の場合にそれぞれの児童数ごとに何学級になるかというものを割り振らせていただいたものです。

 一番左のところで、36から40人という単学級の場合は、当然ながら35人学級で効果があるということで、小1の部分につきましては、この部分で、本県で取り組めてない部分について対応できたということで非常にありがたいというところでございます。

 本県の30人、下限25人というのは、例えば、97人から105人とか、121人から140人等といったところで、35人編制に比べて学級がコンパクトになるということで、一定、規模の大きいところで、教員を一人配置することによって、4学級を5学級にするということで、最大でしたら35人の規模が28人程度まで縮小できるといったところに着眼して対応しているというところでございます。

 本県の少人数教育ですけれども、県単独の教員や非常勤というのも配置をさせていただいているところですけれども、相当数は国の加配の部分を活用させていただいている実態がございます。先ほども申し上げましたけれども、小学校1年生の35人学級編制でありますとか、本年度からの小2の36人以上の解消といった部分は、非常にありがたいというところではあるのですけれども、ただ、一方で、こうした措置がどうしても毎年度の予算議論の中で、年度末になって確定していくという状況がございますので、定数を配置させていただいたとしても、すぐさま正規職員の採用計画には載っておりませんので、どうしても臨時的任用になるということがございます。ですので、そうしたことを回避する意味でも、ぜひとも35人学級編制の年次計画というのを成案としていただいて、年次計画的に進んでいくという安心感、安定感と、教職員の採用の中期的な部分をにらんだ採用計画というのも可能になりますので、ぜひとも一定の期間が見通せる形での計画的な実施をお願いできればと思っております。

 私からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【木村主査】  ありがとうございました。

 いかがでございましょうか。ただいまの三重県からの発表につきまして、何か御質問ございましたら、お願いします。

【長南委員】  それでは、まず、1番の趣旨のところに、「課題に応じたきめ細かな教育を推進し」ということが書いてありますけれども、少人数教育に関するデータには、ほとんどの都道府県でも、「きめ細かな教育」というものが入ってきますよね。この「きめ細かな教育」というのはどういう教育なのか、三重県の教育委員会が考えるものはどんなものなのでしょうか。

【木平氏】  御指摘の部分は、おっしゃるように、例えば、議論をするときにも、きめ細かな教育というのはどういうのを目指すのかというところは、いろんなところからも指摘もあるところですし、一方で、地域なり学校の状況によって、その課題が違うと認識しています。ですので、それぞれの学校が、地域や、保護者等の状況も含めて課題にしっかりと対応していくことが必要だと思いますし、一方で、県全体としては、学力面につきましては、基本的・基礎的な部分をそれぞれの学年段階において、しっかりと子供たちが習得して次の学年に行く、あるいは、仲間づくりなどもしっかりとできるといった部分に、それぞれ対応できるようなきめ細かな教育を進める必要があると認識しております。

【長南委員】  ありがとうございました。

 もう一つ、4ページの効果の一番下の・の下から2行目のところです。「保護者からも少人数指導を歓迎する声が届けられ」と、こういうまとめになっていますね。ここで「少人数指導を歓迎する声が届けられ」というのは、少人数学級も少人数教育もすべて含めての少人数指導なのか、用語の使い方ですね。

【木平氏】  小学校1、2年生につきましては、少人数学級中心ということでさせていただいているのですけれども、高学年になればなるほど、少人数学級というところまで対応できないということで、算数などを中心としたティーム・ティーチングなり、二つに割った指導なりということになりますので、すべてまとめたような形で書かせていただいています。少人数の学級編制までは至らない部分でも、やっぱりつまずきやすい算数なりの部分での少人数指導というものも、保護者からしてみると、一人一人に発言なり質問できる機会が確保され、つまずきをきちんと指摘していただけるということで御意見をいただいております。

【木村主査】  ありがとうございました。 ほかにございませんか。どうぞ、中川委員。

【中川委員】  一つ教えてください。下限25人ということで、例えば、小学校2年生で36人の学年というのは、1学級で行っておられるのですか。

【木平氏】  1学年が36人ということになりますと、18人、18人ということになりますので、1学級という形です。

【中川委員】  今年から変わった2年生の35人学級の加配というのは、どうなるんですか。

【木平氏】  そこの部分は今年度から活用させていただいて、本年度からは、36人の場合は2学級編制という形でさせていただいています。

【中川委員】  2学級になっているわけですか。

【木平氏】  はい。本年度からなっております。

【中川委員】  わかりました。

【木村主査】  どうぞ、小澤委員。

【小澤委員】  まず、三重県が県独自でこういう御対応なさったこと、三重県校長会もほんとうに感謝しておりました。そのことだけお伝えして、何点か御質問させていただきます。

 実は、本会でも、文科省から第1回目の会議のときに提示されました公立小中学校の教員定数の標準に占める正規教員の割合、平成22年度のデータが出ています。このデータの中で、三重県の場合、全体の教員の配置というのは、いわゆる標準法を超えて、103%を超えています。しかしながら、正規教員の配置割合というのは91.5%です。あと、臨時的任用教員、今日のお話の中でも最後にございましたけれども、臨時的任用教員と非常勤講師、こういう構成の枠、ほとんどの都道府県、大体こういう構成枠をしていますけれども、そこでちょっと質問させていただきたいんですが、臨時的、非常勤の教員の勤務形態、要するに、正規教員と同じようにフルタイムで仕事をしていらっしゃるのか、つまり、授業時間以外も正規教員と同じように、勤務時間終了、16時45分ないし17時、終了時点まで勤務していらっしゃるのかということと、2点目は、いわゆる教員の質にかかわる問題で、正規教員は採用時から研修の年次計画を組んでいると思います。非常勤教員と臨時教員の場合、研修によって教員の質を高める、指導力を高めるための研修システムというのは組んでいらっしゃるのか、この辺についてお聞きしたいと思います。

【木平氏】  御指摘いただきましたように、臨時的任用、非常勤講師を配置しておるわけですけれども、臨時的任用の場合は、勤務形態につきましては、正規の教員と同じ形態でございます。

 それから、三重県が配置しております非常勤講師につきましては、少人数の場合については、一人が週に16時間という形で配置をしております。ですので、臨時的任用の場合は、当然ながら、授業だけではなくて、いろんな打ち合わせ等についても、正規の教員と一体となってできる時間は確保できるわけですけれども、非常勤講師の場合はそういった部分が難しいところがあります。16時間のうち教材研究等にも何時間か充てることできるという枠組みもあり、すべて授業を持つということではないんですけれども、さらにもう少しきめ細かに、主担任の教員の方と打ち合わせをするという部分を確保するのがなかなか難しいという状況がございます。

 2点目の教員の質という部分ですけれども、どこの県も悩ましいところではあると思います。本県の場合も同様で、当然ながら正規の初任者の研修と同程度にはいかないという部分がございますけれども、基本的な部分については、県の総合教育センターがございまして、毎年という形ではないですけれども、複数年、臨時的任用をされるという方もございますので、数年に一度はそれを受けていただくとか、各学校なり市町教育委員会で研修いただけるような形で、県でマニュアル等をつくらせていただいて、それを活用いただいて、少しでも資質向上ということで努めている、そういった状況でございます。

【小澤委員】  県独自で財政的に逼迫している中で、それぞれの県が困難な中での状況に取り組まれているということは、私どもとしても非常に高く評価させていただいているのですが、では、三重県では少人数学級を具体的に実現させるために、臨時的任用教員をやっているのか、非常勤教員をやっているのか、正規教員だけでそういう運用をしているのか、お伺いしてよろしいですか。

【木平氏】  臨時的任用職員をもって少人数教育に推進するという考えはございません。結果として、教職員全体の中で、定数内に座られる臨時的任用の方が若干増えているという状況はあるのですけれども、先ほど申し上げましたように、少人数教育を臨時的任用の方で推進するということではありません。ただ、一方で、ほかの要因もあって、少し臨時的任用教員が増えているのですけれども、毎年度毎年度の採用計画の中で、そこも少し解消したいというところがございます。

 加えて、国のほうで定数を、標準法を拡充していただくのは非常にありがたいところはあるのですけれども、そこの部分も、1年前の採用計画を立てるときに、なかなか見通せないまま、あらかじめの採用数を確保するというのは難しい状況です。もし確保できないと、県単独での持ち出しというのも厳しい状況がございますので、そのあたりが、定数を拡充する段階のときには、三重県の場合、臨時的任用教員が増える状況がございますので、そこが一定期間、3年でも4年でも見通すことができれば、さらに計画的に正規教員を当初から張りつけていけるかなと思っております。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかに。どうぞ、貞広委員。

【貞広委員】  貴重な御報告をいただきまして、ありがとうございます。

 1点お伺いしたいのですが、資料4の2、「基本的な考え方」のマル3に関連しまして、三重県さんでは、学校の実情に即した柔軟な対応をされているということです。この点、前回の堀内先生の御報告に関連してお伺いしたいのですけれども、柔軟な対応の活用の実態と、また、こういうふうに柔軟に学校の現場でプラスアルファの人材をどのように活用するかということを決められるという、この制度について、現場の方々はどのように評価をしておられるのかということ。今日の資料にはないのですけれども、おそらく何らかの声をお聞きになっているかと思いますので、御参考までにお聞かせいただければと存じます。よろしくお願いいたします。

【木平氏】  例えば中学校でしたら、中学校1年生を基準に、中学校1年生に入ると、かなり環境が変わるということで、そこを少しでも少人数にということで、35人学級、下限25人ですけれども、そこを基準にさせていただいているのですけれども、大体毎年度、三重県全体で、45学級、50学級弱ぐらいが増学級になるわけですけれども、そうした中でも、2年生、3年生の転用とか、あるいは、学級を2つに割るんじゃなくて、学級はそのままにしながら、チーム・ティーチングをするのがいいとかというのが、中1の場合でしたら10程度ぐらい、毎年度生じております。それが少し増えつつあるのかなということがございます。

 それから、小学校につきましては、小1、小2を固定的にはしておりますけれども、それ以外のところは配置させていただいた加配定数の中で少人数学級を選ぶのか、少人数指導を選ばれるのかというのは柔軟にさせていただいているということで、学校の実状に合わせた選択をしていただいているという実態がございます。

 それから、現場の声とか市町教委の声というのは、やっぱり県全体として、任命権者なりそういった部分で決める部分が必要な部分もあるということと、ただ、地域事情とか、三重県の中でも地域によってかなり事情が違いますので、その地域事情を、ある程度反映できるような形での制度にすべきだという声は、こういった少人数教育に取り組み始めた当初からございました。その一つの声としては、下限25人というのは、いつまでも必要なのかとかいう声もありますけれども、柔軟にという現場の声は、少人数教育を始めた当初からございました。

【木村主査】  よろしゅうございますか。

 ありがとうございました。前半の国研のプレゼンテーションについてもよろしゅうございますか。

 それでは、次の議題に進ませていただきます。本日は、国立教育政策研究所の工藤部長、山森主任研究官と、三重県からは木平教職員課長にわざわざお越しいただきました。ありがとうございました。御礼申し上げます。

 引き続きまして、前回と今回のヒアリングを踏まえまして、今後の教職員定数改善の進め方等について自由討議をしたいと存じます。

 事務局のほうで論点メモを準備していただいておりますので、これについて伯井課長から御説明いただいた後、少しの時間、御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【伯井課長】  それでは、資料5と資料6と資料7につきまして御説明をさせていただきます。

 本会議再開後、今日も含めまして3回の御議論をいただいております。その中で、再開後の検討事項のうち、主要なテーマにつきまして自由討議をしていただきたく資料5として論点をまとめてみました。

 御説明させていただきますと、まず、効果の面で、少人数学級など教職員配置改善の効果について、四角で囲ってあるような指摘に対してどのように考え、反論を企てていくかということでございまして、代表的な指摘を挙げております。全国規模で見ると少人数学級の導入と学力水準との相関関係は見出せないのではないか。これは全国学力調査の順位と、それぞれの各県の平均学級規模などで相関関係がないのではないかというようなデータでよく指摘されるわけですけれども、そういう指摘に対してどう答えていくのか。

 あるいは、前回、堀内先生の御報告の中での指摘にもございましたけれども、費用対効果の面を考えても、教員の増員よりも優先すべき政策というのがあるのではないかということでございます。これに対しては、学力等についてのマクロ面での分析ももちろん重要でございますけれども、それではなく、本日、三重県のデータにもございましたが、教職員の実感とか保護者の納得性、満足度、あるいは児童・生徒の学習意欲の向上といった、そういう点での検証が重要ではないか。このことは、少人数学級、少人数指導、チーム・ティーチングにも当てはまるのではないか。

 それから、後ほど資料6で説明いたしますが、各地での、地方での取組が進展している中で、そうした事実が少人数学級の政策的プライオリティーを実証できるのではないかという見方ができるのではないかというポイントを挙げさせていただいております。

 2点目、そもそも教職員の増員に対して、今以上の配置基準を増やすということに対する御指摘でございますけれども、子供の数で言うと昭和57年、先生の数で言うと昭和58年のピーク時と現在を比較いたしまして、子供の数は42%減少、それに対して教職員は13%しか減っていないという意味において、教育環境はかなり改善しているはずであるにもかかわらず、それなりの成果は出ているのかという指摘でございます。

 それに対しては、中期トレンドで見た教育環境が向上してきた結果、我が国では、都会と僻地の学力格差というのがほとんどなくなっているというデータもございます。また、PISA等の国際学力調査でも、若干変動はございますけれども、依然、高位をキープしている。また、回復基調にもあるというようなことでございます。

 また、保護者の学校満足度なんかを見ましても、80%という形のデータがありますように、比較的高い数値が出ているわけでございますので、そうしたことと教育環境の改善の効果をどう分析、評価していくかという討議のポイントでございます。

 それから、次のページの、とりわけ3年間、平成22、23、24年で、それぞれ4,200、2,300、3,800の、3年間で1万300人の定数改善、3年間で1万人を超える定数改善を行ってきているわけでございますけれども、この間、中学校の習熟度別指導の割合や、あるいは小学校の専科指導の、理科の割合など、一時、学習指導要領の授業時数増加で停滞ぎみであるという危惧がありましたが、結果、指導方法の工夫改善が、また回復基調にあるということもございます。

 また、子供の学習時間の増などから見る学習意欲も改善基調にありますので、こうした状況をストップさせずに維持向上させていくという視点が必要ではないかということでございます。また、ほかに、教職員の増員、定数改善を図る上で、指標として何が考えられるのかという論点でございます。

 二つ目の大きな論点といたしまして、これは政府の今年の予算案を決定するときの御指摘、政府全体の会議の指摘事項ですけれども、地方での取組の進展や公務員人件費改革を十分踏まえ、地方での自主的な取り組みを支援するという視点が必要ではないかということに対してどう考えるのかというので、これも後ほど説明させていただきますが、少人数学級、あるいは少人数指導、これは複数担任、チーム・ティーチングということも含めまして、そうした進展状況であるとか、あるいは少人数学級の対象学年、学級規模の設定の仕方というのは、各県でまちまちな状況でございます。そのことを踏まえて、どのような教職員配置改善を国として推進していくことが必要であるか。

 それから、本日のヒアリングにもございましたように、少人数学級、少人数指導、選択制という形で、設置者、学校の判断を認めているという事例もあるわけでございますけれども、より現場に近いところの裁量で教職員配置ができるような仕組みを促進していくという点でどう考えていくのか。

 一方で、公務員人件費抑制、あるいは財政再建というのが強く求められておるわけでございます。そういう財政状況下で教職員配置改善を、現実どのように進めていくべきかという論点もございます。

 さらには、地方での進展ということを踏まえながらも、教育機会の均等、あるいは教育水準の維持向上という点での国の責任の定数改善の必要性というところをどうとらえていくのかという討議のポイントでございます。

 大きな3番目、先ほど、三重県さんの報告でもございましたが、国として定数改善を計画的に行っていくことの必要性、あり方をどう整理していくかということで、計画の必要性については、文部科学省としても対外的にも答弁等しておりますが、丸の1つ目で「任命権者である教育委員会に、教職員定数についての将来にわたる予見可能性を持ってもらい、計画的な採用・人事配置を行いやすくするためには、国による計画的な定数改善が必要。このことは、ひいては学校現場での見通しを持った教育活動を展開しやすくなることにつながる」。また、「一定の計画期間があることにより、後年度に及ぼす財政負担を十分考慮しつつ、教職員定数の自然減や年齢構成の変化による給与減などの財源を活用して、計画的に定数改善を行うことが可能となる」というような理由、こういったとらえ方でよろしいのかどうかということでございます。

 さらに、計画改善というのを具体的に進めるあり方として、先ほど来出ております地方での取組状況の進展や、地域主権、現場主義という観点をどのように反映していくのか。また、以下のような点について具体的にどう考えていくか。基礎定数の充実というのをどうするのか。それとともに、加配の充実というのも本会議でも指摘されておりますけれども、現在の加配定数のあり方、具体的には、地方の予見可能性をより強めるような加配定数のあり方ということで、どうした改善ができるのか。それから、人事政策全体としては、特にマクロで見ますと、団塊の世代の大量退職ということで、退職した分の新規採用者の増加が進む中で、教員の質確保という点からどう考えるか。特に臨時的任用職員等の任用のあり方も含めまして、人事政策をどう考えていくのかということでございます。

 以上のような論点につきまして、本日、または、場合によっては次回以降も含めまして、御議論いただきたいと思っております。

 関連して、資料6と資料7について御説明をさせていただきます。資料6は、本会議でも御報告いたしましたが、各県に対してアンケート調査を、47都道府県に対して行っております。現在、集計中でございますが、一部まとまってきたものがありますので、御報告をさせていただきます。

 少人数学級を実施する県の推移ということで、13年度から法制度的にこれが可能となったわけですけれども、当初から、下記の秋田県をはじめとした10県で国の標準を下回る少人数学級を実施しております。以降、16年度には、少人数学級実施のための指導方法工夫改善定数等の加配の活用を振りかえという形で認めるという方針の転換がございまして、それ以降、図のように増えてまいりまして、22年度以降は、すべての県で何らかの形で少人数学級を実施しているということでございます。

 具体的な実施の方法は、その次のページでございますが、23年度の状況、国の標準を下回る少人数学級を実施する都道府県の状況でございますので、小2の今年の部分はまだ反映されておりませんが、そういう意味で、実施学年で言いますと、小2が43県、中1が42県と多くなっておりますし、学級の規模で言いますと、35人以下の学級のところが34件というので多くなっているというデータでございます。

 ただ、先ほど来少し議論が出ておりますが、学級編制の下限を設定しているというところがございます。さらに、いろいろ分析が必要なわけでございますが、その次のページですけれども、23年度において学級編制の下限を設定している県が22県ございます。下限の設定の仕方はさまざまですけれども、中には、35人を原則としつつも、学年単学級の場合は36人以上ということで、36から40までを許容しているというケースであるとか、例えば、前回の静岡県、今回の三重県さんの御報告にもありましたように、25人という形で下限を設定しているケースなど、さまざまでございまして、そうした形で下限設定している県がトータル22県あるというデータでございます。

 その次のページが、これも本日御報告いただいた三重県さんもこうしたやり方をしておりますし、また、先ほど、国研からデータを提供していただきました京都府の例も、実はこのやり方ですけれども、少人数学級、少人数指導、この少人数指導にはチーム・ティーチングとか複数担任のようなやり方も含めまして、市町村教委、あるいは学校の選択にゆだねているとしている県が20県ございます。○をつけているところがそうした県でございまして、ただ、やり方も、ある学年は選択制を認めずに、ある学年については、例えば岩手県なんか、中1については選択制を実施しているとか、何らかの形で選択をとっているのが20県でございます。△の9県は、県の方針は少人数学級ということで掲げているのですけれども、必要に応じては、それを少人数指導のための加配定数申請という形で、場合によっては少人数指導を認めるというやり方。完全に自由な選択制ではないですけれども、弾力的にそういうやり方を認めているというのが、この△の9県でございます。そうした傾向がございます。

 ちなみに、先ほど、国研から紹介がありました京都府は、次のページですけれども、これは京都方式ということで、小1から中3まで30人程度学級、30人以下学級じゃなくて30人程度学級というところですけれども、定数を市町村教育委員会に配当しまして、その配当の範囲で選択をさせるというやり方をとっております。

 それから、次のページが、学級編制に関する市町村教育委員会との事前協議制の廃止の評価ということで、昨年の義務標準法等の改正の際に、従来はクラスを編制する場合、都道府県教委に対して事前協議、同意という行政行為が必要だったわけですけれども、それを廃止いたしまして、市町村教委からの事後届出で済むという仕組みに法律改正をしたわけでございます。その施行がこの4月からということで、この4月の学級編制からそうした制度になっているということで、都道府県に対し、意識がどうやって変わってきたか意向を聞いてみたという資料でございます。あくまで都道府県回答であるということをお断りしておりますが、まだ制度的に実施して間がないということで、市町村からの要望、申請内容について、基本的に変化がないという県が多いものの、市町村において、地域や学校の実態に応じた学級編制を行っていこうとする意識の浸透が見られるという回答例が多かったというものでございます。

 具体に、都道府県の方針と異なる学級編制上の工夫を市町村教委がやっているという例も、例えば、既存の教職員定数の活用や、あるいは市町村費での教員任用ということで、県が定めた学級編制基準よりも少ない人数で学級編制を実施する市町村が出てきているというのが14県ございます。また、県の配当基準内の定数を活用することによって、複式学級の解消ということで、小規模校に配慮する市町村も出てきているということでございます。

 また、下から三つ目の○ですけれども、平成24年度から市町村が少人数学級や少人数指導を選択して実施できる選択制を新たに実施したケースです。この制度改正を機として茨城、愛知ということで出てきておりまして、教職員の配当権限、あるいは県費負担教職員制度というところは変わっていないわけですけれども、学級編制権限をできるだけ市町村教委の責任と権限でという制度改正の意図を踏まえた取組みが進みつつあろうかというデータでございます。

 それから、最後に資料7でございます。これは、前回の会議の御指摘を踏まえまして用意をさせていただいたものでございますが、24年度の加配定数の配分の考え方でございます。現在、予算の成立を受けまして、各県に正式な配当をすべく最終的な手続をしているところでございますが、考え方としては、小学校2年生の36人以上学級解消のための予算措置というのが900人、やっていないところに対する措置が900人ございました。実際には、大体1,000人近くの申請がございまして、これに対して、24県に対して申請どおり措置をしようということでございます。

 そうすると、24県の既存の加配の3万2,000人というのは、これは基本的に削らずにキープした上で1,000人を上乗せするというので、24県に対する増加率というのは大体3%になります。いわゆる先行実施県でありますその他の県、23県に増加率3%と同等の措置を講じるとすると、大体800人を23県に対して措置すれば、先行実施県とそうでない県との均衡を失することなく、その他加配等でバランスがとれるということでございますので、この23県には、まず800人を優先措置すべく考えたところでございます。

 さらに今回は、震災対応を除いて、全体的に加配定数増が2,800人の改善増でございましたので、1,000人と800人を除いても、なお1,000人ございますので、1、2の措置を講じて、さらに1,000人の措置が可能ということで、それも含めて、各県からの申請に応じて、可能な限り均等が図れるように配分をしますと、全体の23年の加配総数に対する2,800人増の増加割合というのは4.7%でございますので、全県ともに4.7%の増をできるだけ保障できるようになりました。ただ、これは加配ですので、県が手を挙げてこないと措置できないというものでございますので、一部申請が少なかった県を除いて保障していこうという考え方で、先行実施県とそうでない県のバランスを失することなく加配が配分できるように努めてきたというものでございました。以上でございます。

【木村主査】  ありがとうございました。資料5、ポイントをまとめた資料をお配りしてありますが、これは次回の会議で御議論いただく内容をまとめたものでございます。この中には今日出ました論点も幾つか含まれております。次回以降、これについて議論をすることになりますが、ただいまの伯井課長の御説明に対しまして、何か御質問ございますか。いかがでしょう。

 それでは、資料5に戻っていただいて、ここにまとめてあります討議のポイントについて、特に何か御発言がありましたら、お願いします。どうぞ、米田委員。

【米田委員】  資料5の最初のところに関してですが、そこにあるような、箱の中の意見に対して、討議のポイントのマル1に出ております。このことに関して、私もやっぱりこのとおりだと思うという観点からお話しします。今日の三重県さんの発表の中にも、いろいろな効果があるということを出されておりますが、秋田県でも、前からずっとやってきた中で、結局、少人数学級、あるいは少人数の指導、それから指導方法の工夫改善等を通しまして、教科の点数としてあらわれる学力以外での効果が見られるということを、ずっと実践してきて感じておるところであります。

 例えば、日常的に授業は行われるわけですので、その授業の中で一人一人が発言する機会が多くなっている、それから、自己表現する場面が多い。また先生と生徒とのインタラクションの機会、あるいは生徒同士のかかわり合いの機会が多くなっているということ、そういう部分というのは、いわば学力以外のものと見られるわけですが、生きる力の養成ということを考えると、長い目で見た場合、大事なことであると私は考えております。

 学力をはかるというのは、ある日のある場面での一時的な力をはかるということですが、日常的に行われる少人数学級あるいは少人数指導での日々の実践による効果というものを、生きる力を育む上でもプラスになるという点からももっとアピールしていくべきであると思います。討議のポイントのマル1の観点から、もっとアピールしていく必要があるのではないかということです。以上でございます。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。

【藤崎委員】  今の米田委員の意見に類するものですが、4月中旬、まだ中旬ですが、私のところには、せっかく高校に合格した子供から、もう学校に行けない、あるいは大学に進学した子も、非常に優秀な子なのですが、オリエンテーションで自信を失ったというような相談が入っています。そういった子供たちを見ていますと、学力は高くても、将来、働いていくことができる大人に育てることがいかに大事か。その子たちの話を聞いていますと、やっぱり先生とのかかわりも希薄で、学校に毎日行ったとしても、同級生、仲間とのつき合いの経験が非常に少ない。今日、三重県の発表の中にも、学校が楽しいというアンケート項目がありましたが、この背景にも、先生からよく声をかけてもらうということが非常に多いのではないかと思うわけです。

 ですから、簡単に、研究結果で費用対効果というのを発表するのは難しいかもしれませんが、ここの事例をもう少し掘り下げて、少人数学級をすることによって、子供たちが教師の指導のもとにコミュニケーション能力を育てていき、将来、ちゃんと税金を納められる大人になるという、そういう研究というか、提示できるものがあればいいなと感じました。以上です。

【木村主査】  ありがとうございました。そのとおりだと思います。小川委員。

【小川副主査】  定数改善の話は、少人数なんかの学力とか教育効果の話から詰めるのは当然必要だと思うのですが、もう一つは、やはり最近の教育をめぐる、学校の教育活動自体が非常に高度化、複合化していく中で、そうした新たな課題に対応できる教師の教育活動の質的向上とそれを可能にする教師の多忙な勤務の改善という視点からでも、教職員配置の見直しが必要だということを改めて強調しておくということが必要なのではないかなと思っています。

 この資料5の1ページの下のほうに、子供の数が減る一方で、教職員数はそれほど減ってないということで、教師の数と児童・生徒数の比率が下がり、その点だけ見て教育環境は改善しているのではないかと主張する向きもあるようですが、ただ、欧米のように、日本の教師は個別指導をベースとした、授業だけやっていればいいという仕事ではなくて、基本的には、学級をベースとした、さまざまな教育活動、指導をやっていますので、たとえ教師対児童・生徒数の比率が、かつてに比べて、かなり改善されてきたと言っていても、それが直、教師の学級をベースとしたさまざまな教育活動においても条件が改善したとは言えない状況があると思うので、その点はきちっと押さえておいたほうがいいのではないかなと思っています。

 かつて私たちも文科省から委嘱を受けてやった、2006年、平成18年の勤務実態調査以降、国においても、また都道府県においても超過勤務が非常に多いので、そういう負担軽減の取組をやりましょうということで、一時期、いろんな取組が試みられたのですけれども、ただ、この間、その取組をフォローしていろいろ見てきたのですが、負担軽減の取組においてはあまり効果が上がってないんですよね。むしろ逆に、新教育課程がスタートしたとか、また、新しい取組として、小・中連携の取組が求められているとか、特別支援教育の新しい取組もあるということで、逆に先生方の多忙ないしは多忙感というのは、勤務実態調査以降、変わらないというか、むしろ増えているという報告も受けています。学校の教育活動の高度化、複合化の課題に取り組むという要請がある一方で、そうした教員の多忙化という事態も進行しているので、改めて勤務実態調査を実施するなど現状・実態を再把握し問題を再整理し直して、新しい教職員配置のあり方とか教員の専門支援スタッフの充実とかという新しい視点での改善計画を打ち出すということも、もう一度確認していいのではないかなと思っています。

 確かに、教員の数を増やすということは、子供の学習効果という点でアピール度はあるんですけれども、そして、教員の負担軽減を進めるということで教職員定数の改善を主張するのは、国民へのアピール度という点では非常に難しいかもしれないのですけれども、ただ、単純に教師の負担を軽減するということではなくて、今言ったように、学校の教育活動の高度化、複合化という課題に対応した新しい教職員の働き方と専門支援スタッフの充実とかという、そういう新しい視点で教職員定数の配置のあり方をもう一度強調して考えてみることも必要なのかなと思っていますので、次回以降、その辺のところは、さらに意見交換していただければと思います。

【木村主査】  ありがとうございました。ほかにございませんか。

【中川委員】  今、小川先生の意見と全く同感でございます。前回、堀内先生の発表を聞いて、何か非常に暗い気持ちになったのですが、今日、国研の山森先生の話を聞いて、まさにそうだということで非常に力づけられましたし、そう思います。

 それから、今、昭和57年、58年と比較した数字が書いてあるわけですけれども、このころと今の学校の子供たちの様子、保護者の様子、教育を取り囲む環境というのは、全然比較にならないと思います。いろんな子供たちの出現、いろんな保護者の出現、あるいは、インクルーシブ教育の発展とかいって、このような状況に対応しなければならない教職員の多忙、そういう観点からも、ぜひ入れたい。それから、いろいろな報告でされていますけれども、不登校の出現に対して非常に効果があるという、こういう観点からもぜひ入れたい。

 いまだに、教員が楽をするための少人数学級かなんていうことが出てくるのですけれども、非常に残念に思います。国研の研究のねらいの2の中の、学級規模が教師の授業構成や指導方法等に与える影響についての調査を研究していただいて、こういう効果があるということを出していただけると、非常に客観的な資料になると思いました。

 以上でございます。

【木村主査】  ありがとうございました。井上委員。

【井上委員】  今日のいろいろな御報告は、大変貴重な報告で参考になりました。論点メモの、1ページの2で、昭和58年度と現在の状況を比較する場合に、その前提として、やはり社会の変化というのは非常に大きくて、例えば、少子化が非常に進行して、家庭における子供の教育上の課題、あるいは、地域社会において子供たちが友達と遊ぶ環境がほとんどなくなってきたとか、変化してきた状況というのが、すべて学校にしわ寄せが来て、それが学校の職務の複雑、高度化になっているのではないか。したがって、学校をめぐる環境を分析して、いかにそれが学校の負担になり、そして、教職員の勤務実態調査でも明らかなように、教員の超過勤務時間数も増えている、そういう実態分析をもう少しして、前提条件が違っているのだと言わないと、単に子供の数が減っているのに教育環境がよくなったのかと言われても、全然状況が違うということも分析して、明確にしていかない限りは、単に数の上で、比較考量しても、それはなかなか説得力が出てこないと思います。

 ですから、今、学校の置かれた状況というのを、もう少し国民にわかりやすく、従前とは違うということを説明する。また、保護者も、学校に対する、いろいろな注文や意見というのも従来とはかなり違ってきて、そういうものが学校運営にも非常に負担増になってきているという実態、そういうものをよく分析していくべきじゃないかと思います。

 そして、学級規模を、少人数学級にしていくというのは、この定数改善計画の最初、中教審でも議論したように、学級は学習集団だけではなくて、生活集団としての意味も、かなり強くなってきて、子供同士がお互いにコミュニケーション能力をどれだけ高めるかとか、あるいは、子供が学習意欲をどれだけ高められるとか、そういう点の分析もやはり必要なので、少人数学級にすれば、大規模学級よりは先生方の目が行き届いて、子供たちの発表する時間も増え、授業に参加することで学習意欲が高まってくるという期待ができるわけです。そういう点も踏まえて、なお学級規模を小さくする、あるいは少人数教育を行うという、そちらの両面についての比較考量ももちろん必要になってくると思いますが、やはり不登校とかいじめの減少とか、そういう点を見ると、少人数学級のほうが、今の学校の実態から言うと、政策として選択すべきだという方向で議論を展開していくべきじゃないかと思っています。

【木村主査】  ありがとうございました。貞広委員。

【貞広委員】  ありがとうございます。効果検証の面で、質的なデータを丁寧にとっていくということに、私も同じ意見を持っております。それに追加して、効果検証に関しては、地域主権の観点、現場に近いところの裁量を認めていくという制度改革の観点をどの様に位置づけるかということを考える必要があると思います。なぜならば、だれに裁量を与えるかということは、評価の際の検証データをいかなる調査対象区分で誰がとり、評価を行うのか、つまり検証対象と検証主体に連動してくると考えるからです。

 例えば、今回、山森先生から御提案いただいたのは、京都という、都道府県単位の調査区分であり、御説明によれば、ある程度、量的なデータでも何らかの説明力があるデータが得られる区分であったとのことでした。ただ、その一方で、三重県さんの今日の御報告では、それは県単位でも難しいというお話でした。しかし、通常は、何らかの裁量をもった主体が、その結果を評価し、且つその結果に責任を持つことになります。従って与えられる裁量と評価、データ区分の関係をぜひ連動させて考えて頂きたいと思います。

 以上です。

【木村主査】  ありがとうございました。

 小川委員がおっしゃったことと井上委員がおっしゃったことには、かなり共通の部分があります。私、一度驚いた経験があります。学術会議は、今は3部制ですが昔は7部制でした。5部は工学関係で、委員同士非常に仲がよくて、OB会をつくりました。このOB会は毎年、2泊3日の旅行をしているのですが、その機会に勉強会をやっています。一度初中教育についての勉強会をやりました。この会は奥様方も御一緒の会で、その時は、20人ぐらいの奥様方がお出になっていました。皆さん、大変なインテリばかりで、中に3人、AFSで高校時代にアメリカへ行かれた方もいらっしゃいました。その方たちのほとんどが、学校の先生方が非常に忙しいという事を御存じないんですね。ほとんどの方が「先生は良いですね。長い夏休みがあるから」と、おっしゃっていました。そういう状況ですから、実態調査の結果を、もっともっと世の中に発信していかないといけないと思いました。世の中の人は先生は楽をしていると思っている。その辺のことについてもっともっと啓蒙活動をやっていく必要があるのではないでしょうか。

 それでは、事務局、今後の予定を、よろしくお願いします。

【谷合企画官】  ありがとうございました。

 次回会議につきましては、改めて日程調整を行った上で御連絡を差し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

【木村主査】  ありがとうございました。本日はこれで終了したいと思います。次回、よろしくお願いいたします。

 

―― 了 ――

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