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キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議(第7回) 議事要旨

1.日時

平成23年9月29日(木曜日)15時30分~17時30分

2.場所

経済産業省別館11階1111会議室

3.出席者

委員

鹿嶋委員、生重委員、岩田委員、清川委員、清水委員、下村委員、竹花委員、西山委員、野上委員、廣田委員、星野委員、渡辺委員

文部科学省

山中初等中等教育局長、德久大臣官房審議官、白間児童生徒課長、春山児童生徒課課長補佐、藤田生徒指導調査官、堀江指導調査係長、酒井指導調査係専門職

オブザーバー

厚生労働省・浅野室長、経済産業省・林企画官

4.議事要旨

 (座長の御発言-□ 委員の御発言-○ 事務局(オブザーバー)の発言-●)

 

(1) 本会議の今後の議事について事務局より説明

資料1,2をもとに,調査研究協力者会議ヒアリング(学校・教育委員会・産業界)の実施と学校におけるキャリア教育の実践に関する経験者ヒアリングのまとめについて事務局の春山課長補佐が説明した。

 

(2)最終取りまとめに向けた議論

○特にはないのですが、ちょっとほかで、学校とのかかわり方、質を高めるというところ、4ページのところで、だんだんやっている回数は増えてきているのですが、質を高めるという意味で、今年もうちの会社で夏休み、40日のうち30日、数えたら対応していたと。もうほとんど毎日やっていたという経験だったのですが、それで、質を高めていくといいながらも、なかなか量をこなしていくというだけで、何で質が、学校の中で高まらないのかなというところをいろいろ見ると、先生からお礼文というのが来るのですが、先生からの感想とか、授業に対するどうだったか、ああだったかというのはほとんど来ないんです。生徒からの感想文というのは来るのですが、先生から来ないというのがありまして、やはり先生方の感想と我々企業とのマッチングしていなかったところ、していたところというのが、なかなかやらないまま、次から次へとこなしていってしまうという、非常に反省点がありまして、先生方に、今まで余り要求したこともなかったのですが、これからは先生方にも、やったからには先生方のねらいと合っていたかどうか、生徒も、全部フィードバックを、全生徒に返してもらう場合もあるのですが、気を遣っていいものしか返ってこないというものもありまして、それも全部返してもらった方が、フィードバックとしては非常に質の高い、こちらも対応ができるかなと。大体、100%みんな満足したなんていう授業は大失敗だと思っていますので。1割2割、「何かちょっと違うんじゃないの」というぐらいの意見が出てきた授業ができた方が、授業としてはよかったんじゃないかなと。そこにまた次の改善点とか、いろいろ出てくるかと思いますので。フィードバックというところのやりとりというのがちょっと見られなかったので、そこは入れていただくと。

 企業側も学校側も、やるので精いっぱいで、その後のフォローというのがなかなかできずに進んでいるのかなというのを実感しましたので、この辺のところをまたつけ加えていただけると有り難いなと思います。

 

○今のフィードバックということで言えば、やはりやりっぱなしではなくて、どうそれを活用していくかということが重要だと思います。

 例えば、本校で行ってきた職場体験先からの、その生徒の評価を、例えば三者面談、二者面談に生かしていって、その成果をまたお返しするというようなこともいろいろ試行錯誤していったのですが、お返しするということで言えば、成果を共有していくという意味でとても重要だなと、今、清川委員のお話を聞いていて思いました。

 私は、この会に参加させていただいて、出てきてちょっと気になることをお話ししようかと思うのですが。やはりコーディネーターは校内に必要だというようなお話が、よくこの委員会で出てきたのですが、教務にしても生活指導にしても進路指導にしても、校内には当然コーディネーター的な役割の者はいるわけですし、育成もしているわけです。

 今、本会議の「外部人材活用」という文言を中心に考えていかなければいけないとなると、例えば外部のコーディネーターさんと、内部のコーディネーター的な役割をしている者がどう接点を持っていくかとか協働していくかということが大きなポイントになっていくのかなと思うんです。学校がやった方がいいよ、外部の人がやった方がいいよ、という話ではないのかなというふうに感じたのが一点。

 それからもう一点は、これも、資料2になっている方の委員会の方で感じるのは、大概、いわゆるキャリア教育というのは職場体験だけじゃないよねという話に、当然なっていくわけです。学校生活の中にもキャリア教育の視点があり、教科指導の中にもあるよという話になるのですが、教科指導の中にもキャリア教育があるとすると、そこで「外部人材」という言葉を意識しなければいけないと思うんですが、外部人材を活用した教科指導ってどうなのだろうかとか、そういう視点で見ていかないと、何かいつも話が繰り返しで終わってしまっていたなという感じがしますので、その辺が、ちょっと感想めいた意見で申し訳ないのですが、そう思いました。

 

○お二人のお話と重なる部分が多いですが、その他に「継続性」という点が課題だと考えています。どういう形で継続していくかを考えた場合、事例としてお出ししたのですが、その学校の教育資源として残るような形を考えていく必要があると思います。

簡単な例としては、学校と企業が連携して作成したプログラムを、教員用の指導書や生徒用のワークシートとして整理し、もちろん改善を加えながらですが、校内でそれを代々継承していく。既にやっておられる学校もあると思うのですが、キャリア教育プログラムを外部と連携して実施しても、一過性のものとしてその学年団で途切れてしまって継承できていないケースがたくさんあります。作成したプログラムを自校のキャリア教育のテキストとして継承していけば、その学校全体としてのキャリア教育の継続性を担保できると思います。

 それからこのまとめにはなかったのですが、資金面も大きな課題です。外部人材を活用するのにどれだけ資金が必要なのか、ボランティアベースで考えるのか、どこが予算化するのか。そのあたりも一度この場で検討できたら有り難いです。

 

□ヒアリングに御参加いただいた委員の方からの御意見も頂きました。それではこれ以降、この事務局が作成した資料に基づいて、あるいはこれまで議論してきたことも踏まえて、自由に議論してまいりたいと思いますが、先ほど春山課長補佐からありましたように、この資料2、内容的には大きく分けて三つありますということで、一つは教育関係機関とその地域・社会が協働してキャリア教育に取り組む上での課題とかその解決方法。一つは、学校教育委員会がキャリア教育に取り組む際に抱えている、学校とか教育委員会が内部的に抱えている課題とその解決方法。それから、地域とか産業界がキャリア教育に取り組む上での課題とかその解決方法について。大体大きく分けて三つあるということであります。

 できれば全体にわたって議論を進めてまいりたいと思いますが、どこからとかここからということだと議論が限られてしまうかと思いますので、自由に気がついたところをまず御発言いただければと思います。また、今、お三方からつけ加えていただいた点も、もちろん議論の対象にしていただいて、議論を進めてまいりたいと思います。

 また、もし御質問等あれば、まずはその点から伺っていきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○夏じゅう地方教育委員会を回っていて、残念ながらせっかくお声をかけていただいたのに、お二方と日にちが合わなくて出られなかったのですが、拝見いたしまして、やはりそのとおりだということが書かれているなというのが、きのうの夜に受け取って読みました感想なんです。

 ただ、私がこれを読んで感じた率直な感想は、学校という公教育を否定するものではないんだと。ただ、先生たちが追い込まれている今の状態、子供たちが置かれている今の課題、その中で、私は学校現場にものすごく第三者、PTAとして長くかかわっていて、先生たちのしんどさみたいなものを長く見てきていて、保護者との関係とか、どうしても、すごく責任感がお強くて自分たちで抱え込もうとなさるところ、それでどんどん精神を病んでおやめになっていく先生などにも随分お目にかかってもきているので。それで私がコーディネーターを始めたということではないのですが、ただ、これからの21世紀型の公教育に求められているのは、ここに何度も出てきている、協働とかチーム力とか、他者とのコラボレーション能力というところに尽きるのではないかと思うんです。

 信頼に足る外部支援の人材にならなければいけないから、私はコーディネーターという人間も、自分がこれができるあれができるという、学校に対する押しつけでは絶対にいけなくて、常に前向きに努力をして積み重ねて、先生と共通の言語を持っていかなければいけないのだと思って、そういう人材の育成に努めているわけなのですが、学校支援地域本部という地域のエリアネットワークで、地域にしかできないというところも、そこもまだまだいっぱい課題があって、そこの中にいる地域コーディネーターという存在と、ここで議論されている、もっと大きくグローバルな社会をとらえたときに、小学校には小学校の、中学校には中学校の、高等学校には高等学校の、高等教育機関には高等教育機関の、先生の思いをつなげる外部ということなんだと。

 そうすると、清水先生がおっしゃったように、学校にはちゃんと専門の訓練を積んで学んでいる先生たちがいて、その人たちにちゃんと話ができる、外からやってくる人間がいて、欲しい・欲しくないという選べる目を担当側の先生が身につけていてくださればいいことであって、地域のエリアというものを持つ小・中とはまた違った意味で、これからは高校とか大学に向けては外からの様々なアイディアとかプログラムとか、それを学校が自分のやりたいところにアレンジしていくというようなこととしてとらえるという見方が、余りここにされていなくて。

 それぞれに違うんですよ。小学校、中学校――何度も言います、高校、大学と。でも、これから求められていて、それぞれの児童・生徒、学生に求められているのも、チーム力とか協働とかそういうところ、個人プレーではないものも求められているこの時代背景において、まず受け取るがわもそういうものを身につけていくというか、そういう外とのつながりを持って、先生としてのプロフェッショナルな専門性が生かされ、そして外からのアイディアに自分なりのアレンジが加わるみたいな、そういう外側からのかかわりというものも、せっかく外部支援人材の活用というところで全国的な大きな――勝手に私が言っているのですが、できれば、大きなつながりのネットワーク、情報発信のものができてくるのだとしたならば、エリアにおいて学校支援地域本部という、あそこはまた違う、背負っていかなければいけない役割がこれからいっぱい出てくるんです。安心・安全、それから防災のことも含めて。それと、地域にいて、もともとそこから子供たちを応援していこうという人たちをつなげていく。そこには――これ、キャリアって、何度も、職場体験とか職業にかかわることのみではないと言われてきているわけですから、規範意識とかあいさつとかルール・マナーということも含めて、伝統文化、それから地域にある様々なものを生かしながら、人とのかかわりをうんと持たせていきながら、商店街との連携とか、そういうことをやっていく小学校時代と、中学校はもうちょっとエリアを広げてという、お互いにもっとどうあればいいかということを、これからまだ3年5年と勉強し合っていかなくてはいけないんだと思うのですが、ここの視点の中で、もっとちゃんと、両方が勉強しなさいよという話ばかりになっているのですが、人とつながることを教えることがまず重要なんだよということの目線を入れていただけるといいなと。そうすることで、継続性とか、お互いに生み出していくワークシートみたいなものとか教材みたいなものにつながっていくのではないかなと。

 それと、私がやっていることが外側からなので、資金面、ずっと学校に長く近くにいて、資金面の苦しさみたいなものもすごく感じているので、学校が特色を出してやりたいことに対して、資金面も含めて一緒に考えてくれるような外部アドバイスをしてくれる人もたまに入ってくるというのは大事なのではないかというような気がいたします。

□全般にわたって質問やら議論と申し上げましたが、やはり取りまとめに向けて具体的に議論を進めていきたいと思いますので、少し、全般に、きょう一日で終わるかどうかわかりませんが、全般にわたっての議論というよりは、先ほど春山課長補佐から説明していただいた、2ページ目から、それぞれ1、2と課題が設定してありますので、これについて具体的に意見を頂くという方向で進めていきたいかなと思います。そうでないと、やはりどうも議論が拡散し過ぎになりそうですので。

 もしよろしければそういう形で、最初に問題が設定されているのが、学校におけるキャリア教育を協働で行う際の役割分担についてということで、学校においてキャリア教育を推進していくに当たり、学校と地域社会や産業界とがどのような役割分担をすべきなのかという課題について幾つかの解決方策が示されていますが、この課題設定はこれでいいとして、解決方策として、もしつけ加えるべき意見があればこれにつけ加えてきたという形で、少し議論を進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか、

 

○おっしゃることはよくわかるのですが、これ、一つ一つやるとえらく時間がかかるということとともに、解決方法にしても、書いてあること自体は間違っているというわけではないだろうと思いますし、提起された課題もそうだと思いますが、要は、既に中間報告が出されているわけで、この中間報告をベースにして、これから最終的にキャリア教育をどう進めていくのかということで当会の考え方を示していくわけですが、前提として、ぼちぼちキャリア教育としてこの場が議論するものは何なのかということを進めていかないと、こういう課題だとか解決方法も明確になってこないのではないかと思います。

 もしこのキャリア教育が交通安全まで含まれるとすると……。

 

○いや、それが学校支援本部がやることと言ったんです。

 

○そうですか。この、尋ねられた方たちも非常に困っていると思うのですが、例えば理科の学科を補足するものとして、外部の人材が理科の授業に加勢をするというのは、これはキャリア教育ですか。僕はそれは違うんじゃないかと思いますよ。

 理科だって社会だって、どの科目もそうですけれども、それは学校でのいろいろな教育って、みんな社会的、職業的な自立に向けて、それなりに役に立つものを今やっていると思います。そこで足らないものを、何か外部の人材を使って、何がしかの足らざるを補おうということが、多分発想なのだろうと思うんです。

 そうすると、早い話、外部人材の活用ということだけが問題であれば、今言ったように外部からどんな、理科であろうが社会であろうがその他の教科だろうが、やっていくことになるでしょうけれども、例えば職業的自立に向けてというものが中心だとすると、それは理科とか社会とかではないんだろうと思うんです。それはやはり別の教科で生き方論とか、あるいは社会的自立ということで、これはみんなもちろん学校の教育は社会的自立に向けたものなのだろうけれど、特に社会的自立として、道徳といったようなものとか生き方論とか、そんなことを言いたいのであれば、そのために必要な外部人材が学校の先生以外に必要だということで、多分行われていくのだろうと思うんです。

 どうも、キャリア教育というものを、ここで言っているキャリア教育というものをもう少し絞っていただかないと、何ともやりようが、言いようがないのではないか。これだと、全般として外部人材を、どう人を集めてくるのかということ、あるいはどういうふうに助けてもらうのかということが中心の議論になるのか。

 そうしませんと、例えば小学校でどれぐらいの生徒にどういうことを、中学校ではどういうことをキャリア教育として外部人材が行うことが期待されるのかというような結論に至らないと思うんです。

 

□いや、そこまで議論をさかのぼっていくとすると、今、学校教育で求められている、初等・中等教育で求められているキャリア教育の方向性としては、大きく分けて二つあると思うんです。一つは、今年の1月に出た中教審の特別部会の報告の中で言われているように、児童・生徒の――学生も含めてなのですが、社会的・職業的自立に向けて必要な基礎的・汎用的能力をどう育てていくのか、養っていくのかという課題が、一つ学校教育に投げかけられているということはあると思います。この基礎的・汎用的能力については4つの能力が挙げられておりますが、この四つの能力の育成が、主としてキャリア教育に課せられた課題ではないだろうか。

 もちろん、今、竹花委員がおっしゃったように、すべての教科・科目が社会的・職業的自立に必要な知識であり技能であるという意味で、学校教育すべてが社会的・職業的自立にかかわっているのだけれども、特にキャリア教育で担うべきものは、基礎的・汎用的能力の育成ですよということで、四つの能力育成が提案されている。これが一つだと思います。これがキャリア教育で今求められている課題ということで、その基礎的・汎用的能力の育成の中に、職場体験等の体験活動も必要ですよねということにはなっているかと思います。

 それからもう一つは、これは今回の学習指導要領の改訂の流れの中でいわれたことなのですが、この児童・生徒の教科等の学習意欲を高めるためにも、キャリア教育教育って必要ですよねという、これは学習指導要領の改訂にかかわる中央教育審議会の指摘があって、先ほど清水委員が言われた、教科の中で、教科の学習の中でどう外部人材を活用するんですかという問題は、実はこっちの部分に含まれているわけです。

 だから、教科の学習の中でも、例えば数学を勉強することが、やはり私たちの将来にとって、社会的・職業的自立のためにも必要ですよねということを強く児童や生徒に意識させる、そのことでやはり算数・数学の勉強は大事だよねと思わせるような学習が可能な部分もあるだろうと。数学とか理科の、教科の勉強の中でも。その意味でもキャリア教育に期待しますということが、学習指導要領の改訂の中にいわれて、社会的・職業的自立のために必要な基礎的・汎用的能力を育成することプラス、教科の学習の中でも、キャリア教育って役立ち得るのではないかということはいわれているわけです。

 

○そうすると、体育の授業にプロのサッカー競技者、あるいはプロの運動家を持ってくるというのもキャリア教育なわけですか。

 

□ですからそこで、体育の実技的な能力を高めることが、それがストレートにキャリア教育かというと必ずしもそうではないかもしれません。

 

○それは、例えば理科の電気について、だれかが電気の技術を教えるのはどうですか。理科に対する。

それは、プロが教えると、体育に対して子供たちは意欲を持ちますよ。あるいは、理科の大専門家が教えれば、ひょっとすると面白い話があって、理科に興味を持つかもしれない。そういうのもキャリア教育というふうに考えるわけですか。

 

□ですから、それは日常的に理科の先生や体育の先生がやってほしい理科教育、体育教育なんです。そこで外部人材がどうかかわり合うかは、今おっしゃった電気の学習の中で、外部人材の方にこの部分についてお話しいただければ、より理科に対する学習の興味が高まる、あるいはより理解が深まる、だから、この場面で外部の方にこの部分を更にプラスして教えていただくとか、学習にかかわって理解を深めるために教えていただくのが適当だと学校の先生が判断すれば、それは活用する部分はあり得るというようには理解をしております。

 何もかにも外部の方に頼ると言っているわけではなくて、ある部分の学習について、理科の勉強等をより深く社会とのかかわりを理解したり、自分の生活とのかかわりをより深く理解したりすることができるような場面で、先生の指導プラス外部の方に一部お話を頂くことがより適当であるということであれば、それは……。

 

○それはしかし、理科教育をよくするための話で、キャリア教育とは少し違うのではないですか。そういうのもキャリア教育と言うんですか。

■その点については事務局から改めて、復習になりますが資料を使いながらちょっと御説明をさせていただければと思うのですが、よろしいでしょうか。

皆様方のお手元に、資料の後ろの方ですが、こういった薄い冊子がございます。この横しまの方でございますと、表紙を開いていただいてすぐのページでございます。こういったデータのページがございます。また、黒いキャラクターのついているものですと、ページでいきますと10ページになりますが、お開きいただけたらと思います。

 このキャラクターのついている、中学校向けの方から御説明させていただきたいのですが、まず10ページの一番上のデータでございます。

 特に注目していただきたいのが、「将来自分が望む仕事につくためによい成績をとる必要がある」、つまり言い方を変えますと、今の学習を将来との関係の中でとらえて、今の学習と将来との接点を見いだしていく子供たちというのは、非常に日本の場合少ない。そういうところから、子供たちの興味・関心もそこに絡んでくるだろう。そういう目で見ると、子供たちの興味・関心の希薄さということが中学生で浮き立ってくるということが、この10ページの上のデータでございます。

 また、横しまの方でございます、こちらは高校ですが、表紙をめくっていただいた最初のページですが、ページとしては2ページと書いてございますが、やはり一番上のデータですが、例えば数学や理科の学習と自らの将来との関係把握指標、両方とも赤い三角で示しております指標でございます。その赤い三角の折れ線グラフを見ていただきたいのですが、将来との関係把握指標、具体的には「数学や理科の科目を勉強することは、将来の仕事の可能性を広げてくれるので私にとってやりがいがある」、そういった設問に対して、「大変そうだ」「そうだ」というふうに肯定的に答えている子供たちの割合、高校生を見ますと世界的には最も低い数値でございます。

 このように、自分たちが現在していることを、時間軸を広くして将来との関係の中でとらえる、そういうことの必要性ということが、今、キャリア教育の一つとしても言われております。

 ですので、日常的な教科学習の中で、例えばモデルとなるような社会人の方々にお手伝いいただいて、今学んでいることと職業的な応用であったり、職業的な発展の可能性であったり、そういったことも是非お伝えいただけることもキャリア教育の一環になるのではないか。私どもとしましてはそういうふうに考えているところでございます。

 

○それは数学の教科じゃないんじゃないの。それは数学の学習指導要領の中のどの部分に入るの。

 

■例えば、一番わかりやすい典型例でございますので、ほかの教科にどれだけ転用できるかわからないのですが、例えば理科で、小学校の5年生かと思いますが、磁石の勉強をいたします。その磁石の勉強をするときに、磁石は汎用性が高いものですので、例えばスピーカーですとかモーターですとか、いろいろなところに使われていきます。

 子供たちは磁石を勉強して、砂鉄をこうやって、方位磁石などもやるわけですが、そういったものと実社会との応用が途切れた中で、砂鉄が集まるんだよ、N軸は北を示すんだよ、ということのみを学習して終わってしまう。そうではなくて、N軸ということがこういうふうな応用性を持つのだという発見が、なかなか学校の教員では伝え切れていない。

 そういったところで、社会人の方が知見を提供してくださったり、学習の機会を提供してくださったりすることも、それは今学んでいることを将来につなげるという点においては発展可能性があるのではないか。そういうふうに考えております。

 

○それはよくわかるのだけれど、それは理科の授業なの。それは理科の授業じゃないんじゃないの。それはむしろ生き方論というか、そういうものなんじゃないの。理科の授業というのは、今あなたがおっしゃったように、磁石はこうですよ、こういう性質を持つんですよということを教えることが理科の授業なんじゃないの。

 

■そのとおりです。

 

○理科のその授業を外部の人にやってもらうわけではないと思いますよ。その授業は先生がやればいいだけのことなので。

 そういう、理科がどういうふうに社会の役に立つのかということを説明するのは、理科の授業じゃないんじゃないの。

 

■確かにおっしゃるとおりで、理科には理科の学習目標がございまして、教育目標の中でやっているわけですが、例えば今般の、平成20年の学習指導要領の改訂で、中学校理科でございますが、理科で学習したことが職業にも応用することを教えるべきである、というような指導要領の改訂がございました。

 そういった意味では、今のようなものも理科としても位置づくし、あるいは御指摘のように、生き方を考えさせる総合的な学習の時間の一環としても位置づくだろうと。どちらかといえば境界領域だと思いますが、それをどちらに入れても、領域として理科の時間で扱うのか総合として扱うのかは学校の裁量かと思いますが、そういった、今の学びと将来を、時間軸を大きくしてとらえていく、そういうことの働きかけというのが学びの一環としては必要かとは思っております。

 

○だから、そこで言われているのは、結局、理科にしても数学にしても、それが職業の中で生かされるのだということを教えようじゃないかと。そのことが学習意欲を高めるものになると。

 

■はい。一つの働きかけになるというふうに考えております。

 

○そういうことだと思うんです。そうだとすると、そういうものをキャリア教育として、それをどの時間でやるかということをある程度提示をしていかないといけないだろうと思うんです。

 そうすると、ただ理科の授業を教えてもらうために外部の人材を連れて来ている、それが僕は結構今たくさんあると思うんです。それはキャリア教育では、僕はないと思うんです。それは単に先生が不得手な部分を教えてもらうにすぎないと僕は思うんです。

 そういう意味では、我々が今議論しているキャリア教育というのは、学校教育全般が担っている社会的、職業的自立についての役割の中で、特に社会人、一般の社会人が加勢をして教えることが適当な、あるいはその方が子供たちに、その社会的、職業的自立を促す上でより有効だという分野について行われる、そういうものだということなのだろうと思っているんです。

 そうだとすると、外部人材が今、学校に行っている分野で、そういうものばかりではないのだろうと。

 

□最後の部分がちょっとよくわからないのですが。

 

○というのは、やや、外の人が行けばキャリア教育というふうにとらえている学校の先生たちも結構いるんじゃないかと思うんですよ。だから、そこをしっかりきちっとしてやらないと、先生たちはわからないんじゃないかと思います。

 だから、どの教科で、こういうことを子供たちに伝える、教えるよということを、もっとはっきりして提示しないと、先生たちは何がキャリア教育なのか、「おれたちいろいろ教えているよ、社会も理科もちゃんと社会につながるようにして教えているよ、何が足らないんだ」と、こう先生たちは思うと思いますよ。

 

□学習指導要領の各中学校とか高校の教科とか科目の目標とか指導内容の中に、社会とのかかわりとか、そういうことは言葉としてはふんだんに出てくるんです。ふんだんというのは言い方が少し悪いけれど、たくさん出てきているわけです。

 しかしそのことが、必ず十分に教えられているかというと、学習指導要領に基づいて教科書がつくられるわけですよね。できた教科書が社会とのかかわりについて十分に記述してあるかどうか、記述してあったとしてもそのことを意識して十分に先生方が教えているかどうかという課題はあって、キャリア教育の視点から言えば、こういう社会とのかかわりをここで取り上げることはとても重要なことです、将来の職業とのかかわりについて取り上げることもとても重要ですということを具体的に、ある部分について、教科の学習について提言していくこともキャリア教育にとっては意味のあることだと。

 それを必ず外部人材を使ってやらなければいけないかどうかという問題ではないんです。先生方がまず……。

 

○僕はそこを言っているので。基本的に、どの教科も学校の先生たちもそれなりのそういう意識を持って教えてはいるわけでしょう。算数だって数学だって、それは世の中に出て行って、それを知らなければ仕事にならないし、生きていけないからみんな教えているわけで。

 

□ところが、教えているはずなのですが、OECDの学習到達度調査だとか、それからもう一つ、国際教育到達度評価学会だったかがやっているような、TIMSSといわれているようなところでやっているアンケート調査を見ると、日本の子供たちが本当に、社会とのかかわり、将来の職業とのかかわりについて意識していないんです。調査対象国の中で、とてもそこのところの意識が低い。

 

○それは別の問題で。勉強することの評価が、今子供たちにとってどう見えているかということの問題だと僕は思うんです。試験の結果で決められると、そういう話の問題だと僕は思いますよ。先生たちはひょっとするとちゃんと教えているのかもしれない。だけど、その教えている部分をそいでしまうような今のやり方があるのかも、別のことがあるのかもしれませんよ。

 

□おっしゃりたいことは、前半の議論で一つ大きな話題になった部分、委員の問題提起の中で話題になった部分でありますので、おっしゃりたいことはわかりますが、そういった、今行われている国際的な学習到達度調査に関連するアンケート調査の中から見ると、少なくとも今、日本の子供たち、小・中・高校生を含めてなのですが、今、事務局の方で言われたような、意識に関してはとても低い。先生方がやっているかやっていないかは別の問題として、非常に状況がよくないと。

 そういうことも踏まえて、少し教科の学習の中でも子供たちのいろいろな教科の学習と社会とのかかわりや、将来の生き方や職業とのかかわりについて、教科の学習の中でも少し取り上げていく必要があるんじゃないですか、もうちょっと学校教育の中で取り組んでいく必要があるんじゃないですかという問題提起は、キャリア教育としてしているんです、これまでも。

 したがって、それにかかわって、必要に応じてでありますけれども、可能であれば外部人材を活用する場面もあっていいのではないかということだと、そういうように御理解いただければと思っているのですが。

 

○外部人材の活用というところでは、最初の会で、「活用」じゃないでしょうと。我々産業界にいる方も当事者なんですよというお話があって、この間、約1か月近く空白の時間がありましたから、この会議の重要性というものを私なりに考えたので、ちょっと今のこととも関連するかもしれないので。

 産業界にいる私がどうしてこの委員会に強い関心を持っているかといえば、時代の変化が急ピッチです。それで、従来の追いつけ追い越せ時代、バブル以前のところまでのキャッチアップ時代の取り組みというのが人材育成の取り組みというのでは対応し切れない、対処し切れない時代に突入しているなと。現在。

 じゃあ、そのとき何が対処できない問題に対して有効手段なのかなと考えたときに、やはり今一番日本に足りないのは、何もないところから新たなものをつくり出すというのでしょうか、要するに、フロントランナーになってしまったということからすれば、新たなものを考え、生み出す力と、自立というところからすれば自ら判断する力が、我々にも足りないかもしれませんけれども、次代を担う人材を養成していかなければ。求められているものだと思うんです。

 そうして考えてみますと、もちろん自分で何事も物事を考えて果断に判断することは非常に難しいことであります。しかし一方で、我々が経験則からわかっていることは、考えることは楽しいことであるということは、若者はともかく、少なくとも我々は、ここにいる大人たちは、今までの経験からわかっております。この楽しさを若者に体得させるべきですが、今まではこの楽しさを見いだす年代、国で考えていた年代は、やはりそれが将来の職業とか生きざまになるということで、今までどちらかといえば我々大学生クラスにそれを求めてきたのではないのかなと。だから、大学教育の在り方の論議を長年、こういうふうにのぞいて見ていますと、やはりこの点に集中してきたと思うんです。

 ところが、もうそんな悠長なことは言っていられないで、現在の状況というのは大学生では足りない、許されなくなっていて、逆に初等・中等時代から対応していかなくてはならないのだろうというところに来たから、今日のこの会議があるのだと思うので、だから、このことからすると、考えることの楽しさ、考える力を初等・中等教育段階からやるために、先生だけでは、先生はウルトラマンではありませんから、やはり社会にいる清川さんや我々のようなところも含めて一緒にやることが、今、我々産業界が置かれている状況を打開し、継続し、発展させる礎になるだろうというところで、我々は外部活用的な存在ではなくて、自分のこととしても一緒にやっていかなくちゃあかんと思っているわけです。

 だから、先生がウルトラマンならいいですよ。だけど、ここの部分を、ひょっとしたら外部のこういう方を利活用したらもっと楽しく、最終的には考えることが楽しいことだと。そういうことがお子さんにわかれば、逆に知識欲もわいてくるし、というところで、私はそれに加えて考え抜く力を初等・中等段階から大学に至るまでのところで、考えることは楽しいことなんだということに加えて、それでは果断に判断することができるように考え抜く力をつけてもらうために、社会にいる我々も一緒にやっていきますよということが、逆にキャリア教育の目指す終着点なのではないかと思うんです。「これがキャリア教育」という定義はちょっと危険だと思うんです。

 ちょっと長くなってしまったのですが、1か月間で、ここにいる存在理由は何なのだろうと、存在意義を一つ語らせてもらおうと思って、ちょっとお時間を頂きました。

 

○冒頭で申し上げた、教科指導の中に外部人材をという話のもとは、6ページの真ん中辺にあることなんです。

 私は、なかなか教科指導の中に外部の人が来て授業をやるとか取り組みをやるとかは、かなり難しいと思います。それは、たまに音楽で三味線の先生に来ていただくとか、技術科でかんなの職人さんに来ていただいて削るところを見せるとか、そういうピンポイントではあると思うのですが、それはなかなか、そうはたくさんないだろうと思っています。

 ですから、そういう視点で見て、やはり教科については教科の先生がそういう視点で教えるべきだという話になることも一つの道筋だろうし、いや、入れた方がいいのかというような議論も少しあった方がいいのかなということで、最初にちょっと申し上げたということです。

 それから、こういう委員になったから実践したというわけではないのですが、かつてやってきた一例を、ちょっと具体例を挙げるとわかりやすいと思いますので言うと、一つは、私が勤務していた学校で、校内ハローワークというのをやりました。これは30業種の人に来てもらって、3講座、だから3年間で9講座回れるというようなものをやったんです。それは1日だけでやります。

 そのときに、講師の各職員の皆さんにお願いしておくのは、職業の面白さだとか、社会にどう役立っているかとかは当然視点として入れていただくのですが、いかに教科指導が大事かという視点を入れてくださいという前打合せでお願いしたという取り組みを行いました。

 もう一つは、おもしろ探求授業といって、各教科のスペシャリスト、つまり科学者だとか弁護士さんとかいう方に来ていただいて、その研究の内容についてお話をしていただくのですが、やはり中学校の、ここで習ったものがこんなふうに広がっていくんだぞ、というようなことを動機づけとしてやっていただいて、ふだんの教科の中では先生たちに頑張ってもらうというようなことをやったんです。

 それはもちろん成功事例で言っているわけではなくて、何か工夫できるんじゃないかということがあるのかなと。そういう部分です。

 

○それは教科としては何の教科で。

 

○それは総合的な学習の時間でやりました。

 

○昨年、経済産業省と1回目のキャリア教育アワードというのを実施したのですが、そのときに最優秀賞をとったのが、パナソニックの、小学校の社会科の授業に「工業製品と私たちの暮らし」って、正確な単元名ではないかもしれませんが、その5時間を使って先生が中心に行っていく授業のところに、4時間目のところに20分ほど、パナソニックの様々な方がいらっしゃるんです。

 私が見せていただいてすごく感動した授業は、アイロンを開発している方だった。それがアイロンだったり洗濯機だったりいろいろするのですが、実に小学校5年生にわかりやすく、いろいろな、買ってくれる方たちの意見を生かしながら商品を開発していく苦労の話とか、そのためにきみたちのお母さんのところに訪ねていって意見を聞いたりする、それをマーケティングというんだよ、商品開発に消費者の声が生きているんだよ、みんなの暮らしの中に、こうやって働いていろいろなことを考えている大人たちの知恵が生きているんだよ、ということを、実に20分で効率的に。あとは全部、先生が子供たちの意見を引き出しながら、たくさん質問が出てきて、前向きな社会科の授業になっていくのですが、最後の残りもまた先生が次の日にちゃんと授業をする。先生と企業の方が見事なコラボレーションをなさっていて、そこが最優秀賞を受けたというのは、やはり教科でも、人に丸投げにするのではなく、先生がきちんと企業人と対じしながらやる授業の中で、子供たちの興味・関心を引き出していくというところで受賞なさったのではないかなと、審査員の先生たちの意見を総合して、今思い出すとそういうことだったような気がいたします。

 

□議論がそちらの方向に向かっておりますけれども、そのことも踏まえて少し、今のことも踏まえて、いろいろ課題がありそうですので、この資料2にある課題解決方法も含めて、更に御意見があれば伺いたいと思います。そのような方向で議論を進めてよろしいでしょうか。

 

○これからまとめるものが、僕らのこの作業がだれのために、あるいはどういう部分を動かす方向でなっているのかが余りよく見えてこないので、何とも言いようがないのですが。既に文部科学省はいろいろな資料をつくっていて、そんなに彼らはキャリア教育というもののイメージも持っているし、既に現場の学校も指導しているし、それなりに整理されているのだろうと思うんです。今、我々は何をしていくのかというところが余りよく見えてこないものですから。

 学校に対してこれだけ指導しているのですから、なぜこれが広がらないのかというのもよくわかりませんけれども、それを広げるためにどうしたらいいのかが、我々が検討すべきことなのか。何かそこら辺、ちょっと問題を絞ってやらないと、拡散してしまうような気がするのですが。

 僕も今これをずっと見直しているのですが、結構いい取り組みが紹介もされているんですよね。これを見ながら――見ていないのかな、みんな、学校の人たちは。多分そうでしょう。と思いますよ。それを見させないとね。「これをやれ」と言わんとやりませんよね、教育委員会も。そういうところが問題なら、そういうことを言えばいいのかどうかですよね。

 僕は一つこの間ある中学校でやりましたけれど、面白いですよ。本当に、やはり外部の人たちのする話は本当に面白いですよね。子供たちは興味津々ですよね。そういうのを見ていると、やはりこれは大事だなと思います。それは土曜日の公開授業でやった授業だったのですが。

 本当に、僕らなどからしてみると、いいもので、足らないもの、今の中学校、小学校、高校で、これが足らないのだから、この時間を使ってこれだけやれと言わんことにはしようがないんじゃないかなという気がしてならないんですよ。幾らこんな議論をしていても始まらないと。もうこれだけ大事だし、結構効果もあるということも実証されている。

 ちょっと見てみると、少し総花的になっていて、中学校の職場体験についてはかなり分析がなされているけれど、どちらかといえば出前授業がどうかとか、あるいは工場見学は何を子供たちに教えるかとか、そういうところはどうも余り深い分析が進んでいないように思いますけれども。出前授業で例えばこういうことをやっている、こんなにいい実践があって、子供たちはこういうことを学んだよ、先生もこんなことを学んだよ、というような事例をもう少し豊富にしていけば、「こういうふうにやろうじゃないか」と。この企業は、この学校はどうやって見つけたのかということも併せて書いてやれば、えらく参考になるわけなのだろうと思うんです。

 そういういい実践例をどんどん示してやって、学校の先生たちに、「これを見てやれ」と。年に、子供たちに少なくとも1回は必ず外部の人材にこういうことをしゃべってもらえというふうに言ってもらえれば話は進むんじゃないかと思うんですけれども。どうなんですかね。

●今までの中間取りまとめでも、そこの冊子というか配付資料の一番初めのところに、もう中間まとめでやっていただいて、その14ページのあたりからの、学校・教育委員会は何をすべきなのかということで、教員の理解促進とか、学校の方の体制だとか、次のページで報告書の16ページに行けば、教育委員会の実施体制をこういうふうにしてほしいというようなところが、幾つかの事例もお聞きした中で、こういうふうにやったらどうかというのが具体的に出てきて、地域全体で取り組むためにどういうことをやってほしいとか、出張部局はどうだろうかとか、そういうことも書いてありますので、更にそのあたりを書いてあるのだけれども具体にそれをやるとなると、学校でやるとなると、それがうまく機能しているのかどうか。機能していないということになると、一体どこが問題なのか。「こうやろう」という呼びかけはかなりやってきたし、資料もたくさんつくっている、モデル事業といいますか、そういうのもやってきているのですが、それが具体に進まないというところを、そのあい路をほぐすという、そこのお知恵がいただければというのが今の作業かなと思っております。

 

○そう思うんです。僕がやっているNPO法人おやじ日本は、この取り組みを始めて1年になります。

 僕は東京都教育委員でもありますから、中学校長会の幹部と一緒に酒を飲んでこれが必要だと言い、そして「そうですね」と言い、中学校長会の、100人ぐらい校長が集まったところで話をさせてもらい、小学校長会にも行って話をする。

 でもここから、「それ、やりましょう」と言って提案してきたのはたった1校だけですよ。一体これはどうなっとるんだ、この学校というところはと。

 僕は東京都の教育委員ですよ。それが行って言っているわけですから。大変苦労されるのはもっとわかるわけですよ。「何だこの学校は」と思いますわね、本当に。

 だから、まだ企業の方が、うんとやる気ありますね。

●やり方はいろいろある。例えば今年の夏もまた京都に行きまして、京都市の場合は廃校を使って、まさにローソンとか第一生命とか旅行会社とか大和証券とか、そういう企業が出店してというかつくって、そこを小学生は必ず全員、中学校は希望というか回しながらなのですが、必ずそういう体験をさせるということをカリキュラムの中に組み込んできますから、必ずそういうキャリア教育を一つのパターンでやるということになっていますので、そういうことをやろうと思えばできるということなんです。そこはもう教育委員会が一つ決めて、参加するように。

 

○小・中では区市町村の教育委員会に話したということになると、まず区市町村の教育委員会は様々な、東京都からすれば学力向上、体力向上、キャリア教育と、どれが順番やと、みんな言うわけですよ。で、結局はキャリア教育は後回しにされるわけなのだろうと思うんです。

 本当にそれを、我々文部科学省を含めて、これは絶対、その時間ぐらいは外部の人材にしゃべらせようじゃないかという気に本当になっているのであれば、もうちょっとやり方がないのかというふうに思うんですよね。

 そこを解決しないとなかなか、いちNPO法人には、東京都教育委員の努力によっても、道は開くのは大変ですよ。

 

○ちょっと一点いいですか。教育委員会のことはあれなのですが、校長と、本当に校長の苦悩というのはよくわかります。だけど現場ですよね。例えばここでも事務局にちょっと見てもらったのですが、埼玉では進路、大学院に行くにしろ職業に進むにしろ、三者面談ではちょっとうんぬんというので、社会をよく知る企業人、企業経営者を入れて四者面談というのをやっている。これがずっと続いて、去年から全県下におろすというので県の事業になったいきさつというのは、現場の先生――校長先生ではありません、担任、四者面談ですから、生徒さん本人、保護者、担当教員、そして企業経営者なのですが、この先生が、担任の先生がついてくるわけですよね。やはりこの先生が、今までこの子にこういう興味と資質があったことが、大変申し訳ないけれど、この四者面談の1時間の中で、この子がこれだけしゃべるとは思わなかった、というような中から引き出すということで、やはり現場の先生が納得しないものがおりてくるわけがないんです。

 校長先生が一生懸命やろうと思っていることは事実であります。だから、むしろ現場の先生がそういう興味、「なるほど、外部の方の力をかりるとこういうことが子供たちに、楽しさだとか興味だとかを引き出せるのか」というところで、やはり外部との連携が必要になってくるのだと思うんです。

 そうすれば逆に、校長が日ごろいろいろの諸会議で、文部科学省や教育委員会やいろいろなところから得てくる知見が現場にもおりて、校長が言うことが理解できるというところへつながってくるのだと思って、まず、ここでやることは、校長先生たちはある意味で学校経営者ですから、向かうべき道というか、日本の進路ということをお考えになっているので理解していると思うのですが、現場の先生はやはり忙しいということもあったりというところで、ウルトラマンではないわけですから、我々の力、社会にいる人たちのいろいろの力をかりると。それがキャリア教育なのだと思うんです。

 だから、ちょっと先生とは違うのですが、そんなふうに私はとらえております。

 

○先ほど、30日対応したと言いましたが、それでもやはり対応し切れなくて断ったところもいっぱいありまして、何を基準にしているかというと先生の熱心さで。先生が熱心で、事前に調べに来てくれるとか。みんな先生、忙しいと思うんですけれども、先生の熱心さで結果的に、何回か断っても来て、オファーしてくれる先生などは、結局根負けして、というようなこともありますし。

 ということは、先生も忙しい中で、先生の情熱のあるなしで、大分やはり変わるのかなというのはありますし、あと、授業の件もありましたが、ゆとり教育という言い方は悪いのかもしれませんが、12年前に「めっき」という言葉が教科書からなくなったんです。そこから、「めっき」という言葉を知らない先生が12年間なって、5年ぐらい前から授業でめっきをしてくれんかという依頼が増えまして、それは先生方が電気化学とイオン化傾向というのを学校で教えた後に、それが社会にどうつながっているのかということでやるのですが、やはり、知識というのはどんどん減っていって、イオン化傾向とか電気化学というのはわかっていても、それがどう応用されるかというのが教科書からどんどん削られてしまったので、最終的にそれが社会とのつながりがわからなくなってきて、先生方ももうそれで教育を受けているのでわからないので、我々が行ってお手伝いをするということが5年ぐらい前からやり始めて、それで化学というところと社会とのつながりというのが見えてきているのかなというのは思います。

 最近、そういう熱心な化学の若い先生も大分増えてきたなという印象がありまして、それと、あと、依頼されるときも、単なる「何とかお願いします」という先生と、「こうこうこういう目的でお願いします」という先生で大分ばらつきがありまして、最近、多分こういうのを読まれて、「中学2年生なのでこういう目的でお願いします」という先生方が多少増えてきたかなと。今までは、「何とかお願いします」という形が多かったので。

 やはり、「こういうもので、こういう目的があって、こういうことでお願いします」と言えば、こっちも授業が立てやすいですし。ただ、さっき言ったように、そのフィードバックはないんです。フィードバックまではないと。それに対して授業での結果が果たせたかどうかまで来ると、企業側ももっと積極的に、継続性というのが出てくるのかなと思います。

 ちょっとずつレベルが上がってきていて、授業の中にもそういう参加もできるようになってきたのですが、その変化というのが、まだばらつきが相当あるなというようなところです。

 

○今までの議論を拝聴し、すべてそのとおりだと思いました。ただ、会議の進め方として、本日はこの資料2以外に、例えばヒアリングで出た様々な意見をベースにして、この会議の目的であるキャリア教育における外部人材活用(活用という表現は別として)についての試案か素案が事務局から提出され、実際にそれが教育現場、教育委員会、そして教育外の地域や企業が受け入れられるものなのかについて議論ができると思っていました。今回のヒアリング結果で、ある程度現状認知ができたという理解の上に立って次の議論を行わなければ、前になかなか進まないと思います。

 それぞれの思いはたくさんありますが、一つの目標に向かって思いを共有した上で、じゃあ次のアクションはどうするかということで、議論をもう1回整理した方がよいと思います。感想で恐縮ですが、そのように思いました。

 

□今の御意見はまた事務局と共有いたしまして、次回の会議の持ち方も含めて検討したいと思います。

 それで、きょうは、委員から、東京都の高等学校の校長先生方の進路資料の研究部会で行われたこれからの進路指導の在り方についての研究について、ある程度のまとまりができたということで参考資料として、お持ちいただいております。この資料2のいろいろヒアリングにもありましたが、どうも学校には壁があるということも含めて、ちょっとお話をいただければと思います。

○はい。内容が大変多いので、かいつまんでお話をします。

 結論から申しますと、今までにも私の方からお話をしているように、高等学校のがわ――これは対象は、東京都の普通科の校長先生方にアンケートをとったものです。

 これまで議論している中で、普通科ではキャリア教育がどうも進まないじゃないかと。その根底にはやはり校長の意識が足りないんじゃないですかとか、校内の体制が十分じゃないのではという視点がありましたので、この研究の目的は、タイトルは2ページの真ん中ぐらいに書いてあるのですが、キャリア教育をやると進学指導に役に立ちますよと、そういうことで仮説を立ててやってみたんです。

 結論から言いますと、それは余りないんじゃないかなという感じなんです。要するに、キャリア教育を一生懸命やると大学受験に合格しますよということには、どうもならないんじゃないかというのが、この全体の意識の傾向です。

 この研究の方法については、4ページ目をあけていただきますと、大きな1番の(2)のところで、4年制の大学の進学率というのがありまして、進学校ほどどうなのかなということで分析をしてみました。こんな区分です。

 そこに書いてあるア、イ、ウという項目、つまり50%未満についての大学進学率の学校を、就職もありますし専門学校もありますしということで「進路多様校」としました。それからエの項目については、いわゆる「中堅校」というのでしょうか。それからオとカの部分、つまり70%以上の学校を例えば「進学校」と称しましょうと。これによってどんなふうな意識の違いなのか。あくまでも校長先生が、自分の学校が進学校であるかそうではない多様な生徒を抱えている学校なのかによって、どんな意識があるのかというふうにしました。

 それで、もう一つフェースシートをつくりまして、それが7ページ目の下の方、大きな3番の(1)のところです。ここでは、校長が、キャリア教育を学校経営上、一番トップに持ってくるというのがアです。いろいろな課題があるけれどそのうちの一つだよ、というのがイです。それから、いろいろあるけれどもその一つとしてやりましょうよ、というちょっと控えめな位置づけに置いたというウ、学校経営計画の中でどこに置いたのかということで、アとイとウで分類しました。

 これから見ますと、いろいろなことがわかってまいりました。例えば――どこを挙げたらいいかな、いろいろあるのですが、8ページの下の方、3の1、キャリア教育を推進するに当たって組織的な取り組みとするためには、教務にどんな助言をしますかと。そこを見ますと、そこに書いてあるような結果になるんです。特にカのように、自宅学習の習慣化を図るように指示していますと――キャリア教育の視点からですよ。そういうふうにしますと、次のページをめくってください。上の方にグラフが二つあります。左側のグラフは、先ほど言いましたように大学進学率によって、3本並んでいますが、右に行けば行くほど大学進学率の高い学校が右側に並んでいきます。

 カのところを見ていきますと、こういう状況です。進学率が高まるとだんだん意識が高まってくる。それから右側を見てください。オのところ。これはキャリア教育に対する、先ほど重要度と言いましたが、どのくらいウエートを置いているのかということで、一番右側が、校長先生が一番重要だと思っている学校です。ですから進学率には関係ない。学校の校種にも関係ない。そうすると、こんなふうに極端に違う。

 こういった傾向はいろいろな場面で出てきます。後でごらんいただければと思いますが、結論から申しますと、やはり校長先生方がキャリア教育に対してどういう意識を持っているのかということに対して、校内の組織体制なり指導・助言が変わってくる。それは学校の進学率とかそういう問題ではないということです。校長先生方の意識が変わることによって、キャリア教育はいろいろな場面で先生方に働きかけることになる。

 ただ、この傾向を見ますと、大学進学率の高い学校ほど、例えば職場体験の話をしますと、14ページの真ん中の(2)、職場体験(インターンシップを含む)の導入について効果があるのかどうかを聞いています。

 ここで見ますと、下のところに、大学進学率別に見ます。右側は重要度別に見ます。右側の重要度を見ますと、こんなふうに、教育効果も上がっていますよと言っているのは、意識の高い学校長がこういうふうに上がっているということなんです。

 ですから、ここにはある程度相関があるだろうと。大事なのはやはり校長先生がリーダーシップを発揮してやるのかやらないのかと。それによって学校が変わってくるのではないか、あるいは実際に意識としては変わっているというとらえ方です。逆に進学校ほど、インターンシップ、それは要らないよという傾向が、この中では出てきています。

 私が申し上げたいのは、キャリア教育というのは、必ずしも職場体験、町工場に行っていろいろな仕事の様子を1週間体験してきなさい、あるいはお店に行って何かやってきなさいと。高校生にそれをやるのかどうかということですね。

 でも、それが必要な子もいます。例えば専門学科、すぐに電気屋さんでいろいろ配線をしなければいけない子にとっては、その場面を見るということはその仕事の意味を理解する上で重要です。ところが、進学校に対して電気の配線をどうのこうのというのは、それほど、そこに行ったから一体何なの、ということですよね。

 ですから、キャリア教育の中身そのものは、学校の校種によってやはり違うのだろうと。そこをちゃんと許容してあげないと、キャリア教育というのは推進しないだろうなということです。これは当然のことですけれども。

 先ほどの話の中でも高等学校はやっているじゃないの、あるいは中学校でもいろいろなキャリア教育をやっているじゃないのということがありましたが、実際にやっているんですよ。ところが、校長先生が、あるいは教員が、キャリア教育という意識から数学を教えているのかどうかということなんですよ。

 どうも私たちには、どうしても高等学校の場合、出口に意識が向いてしまうものですから、就職する場合にはそういう仕事のことを意識しながら数学を意識するし、大学進学校の場合にはいかに大学に入れるかという数学をしてしまうと。

 ただ、私が一番気になっているのは、今の子供たちにとって大事なのは、やはり自然や社会体験がどこからか乏しくなってきているのだと。それから教科指導の上でも、小学校は割と身近なものから学習していくのだけれど、だんだん上に行くに従って、また進学率が高くなるに従って、実際の社会とはどうなんですか、実際の家庭とどう関係があるんですか、自分の生き方とはどうなのかということを見つめる、そういう機会が授業の中で行われているかというと、どうも進学校ほどそれが薄れてくると。むしろ多様校の方がいろいろな職場体験、あるいはボランティアをやってきなさいとかインターンシップをやってきなさいという取り組みは、この結果から見ても盛んなんです。

 じゃあ、今ここで議論になっている進学校、そういう学校にキャリア教育をというときに、これは大事なことだと思うんですよ。今日、様々な社会問題がありますよね。ニート・フリーターだけではなくて、いろいろな若者が犯罪に手を染めてしまう。その根底にやはり実社会からの遊離がある、あるいは家庭の中での、家庭としての営みが学習されていないのではないかと。そういう点で、優秀な子ほどそういう体験をしていかなければいけない。例えばお医者さんになるにしたって、相手の痛みをわかるようなお医者さんでなければいけないし、その役割というのは一体何なのかということを理解した上でのお医者さんになってほしいので、お金のためとか親が継いでいるからとかというのでは、やはりこれはまずいだろうと思うんです。

 じゃあ、普通科の進学校に対してどんなふうにキャリア教育を進めていくかということについては、やはり条件整備が必要だと思います。

 もう1回整理しますと、高等学校の場合のキャリア教育という観点は、まず教科の中でのキャリア教育というものがあります。ですからそこに先生方は意識をもう1回見直さなければいけないし、そういう勉強が必要です。例えば数学で言えばキャリア教育って一体どういうことなのかということですね。先生が学ばなければいけないし、各教科がどういう位置づけなのかということを校内研修していかなければいけないという問題があります。それは内側の問題。教科の中でのそれぞれの役割の中で、どういうふうにキャリア教育の視点から授業を行っていくかということを勉強する、そういう仕組みが必要だと。

 2点目。例えば家庭科の授業で、外部の方々をお招きしての講演があったりとか、社会科でも実際にハローワークの方をお呼びしてというのがあるんです。そういう外部の方が、どこにどういう方法があるのか、教科の計画の中で、「これはちょっとあの方をお招きして」ということが、リストなり方法なり、そういうものが条件があれば、先生方も、「じゃあちょっとこの方をお呼びしてみようかな」とか、「こういう実践があるから、ほかの学校でこんなことをやっているからうちもやってみようかな」とかいう情報があれば、もうちょっとキャリア教育が進むかなという気がします。それは外から内への話です。

 今度は内から外の話で、例えば家庭科で保育実習、保育園の先生になりたい、資格を取りたい、大学に行きたいという子は、実際に近くの保育園へ行っているわけです。それから介護施設へ行って学んできているわけで、そういう機関が近くにあればいいのですが、ない場合とか、ほかに代替する機関がどこにどういうふうにあるのかというのは、割と学校の場合は身近な、かかわりがあるところでしか交流がない。だから、それが広がっていけば大変有り難いなということです。それは先生が一生懸命連絡して、電話をかけて「どうですか」とかやるよりも、どこかにお尋ねすると、コーディネーターなりコンサルタントなり、そういう方がいれば、「こんなところにありますよ」とか「近くにあるじゃないですか」とかいう紹介をいただけると、大変学校としては有り難い。これが内から外への話です。

 あと、キャリア教育を進めていくに当たって大事なのは、学校はもちろんです。それから家庭や地域や企業でも、やはりキャリア教育を進めていただかなければいけない。我々の立場は、学校の中でキャリア教育を進めていくということになりますので、それは子供を目の前にしているわけですから、子供を取り巻く環境の中で、学校だけではなくて家庭や地域や企業や関係機関がいろいろあるわけですよね。そこでだれがどのように取り持つのか、仕切りはどうするのかというのを少し整理しないといけないのかなと思います。

 学校でできることは何かというと、学校がキャリア教育のセンター的な役割をするのではないかなと思うんです。学校は学校の中の子供だけ、ではなくて、キャリア教育を進めていく上においては、親御さんの理解がないと進まないんです。

 これは非常に重要で、親御さんの方もどうも、「勉強だけやっていれば」というふうになってしまうのだけれど、親の姿が見えない、家庭で苦労している姿を子供に見せないという傾向があって、やはり親業についても学校で教育を行っていく必要があるだろうと。そうすると、保護者会の中で、外部からお招きをして、保護者の方のキャリア教育という観点から御指導いただく講師の方がいると有り難いなという気がします。

 それから、それぞれの企業の中でも、実際に生徒を送り出したときに、途中でやめてしまったとかですね。でも、いきなりポーンと違う世界に入るというのは、非常に子供たちにとっては厳しいわけです。例えば小学校から中学校、中学校から高校だけでもカルチャーショックを受けるわけですから、高校から企業へ、あるいは大学へ行って大学から企業へというところもやはりカルチャーショックを受ける。その部分についても、やはりどこかが仕切って、受入れに当たっては軟着できるような体制も必要なのかなと思います。

 私、一応学校教育、高等学校の立場から今のお話をしましたので、もしこの後機会があれば、もっと総合的にどうしたらいいのかというお話を、外部人材というんですか、協力しながらどう活用していくのかという話を後でさせていただきます。現段階では高等学校の立場から、こういうニーズがある、こういうことを求めているというお話をさせていただきました。

○もっと早いタイミングで発言するべきだったかもしれませんが、このヒアリングの結果を見せていただきました。11ページから、地域・社会、産業界の御出身の方のヒアリング結果が整理されているのですが、特に13ページで、様々な課題がある中の一つは、やはりキャリア教育を支援する企業の数が十分ではないということです。

 それに対する解決方法がここに書かれているのですが、これにつけ加えて是非御検討いただきたいということがあるんです。それは厚生労働行政との連携なんです。

 実は私が厚生労働省で勤務しておりましたときにかかわった仕事の一つに、少子化対策として、次世代育成支援対策推進法を制定するという仕事をやらせてもらったのです。その中身は、次世代を育成するために企業が何をやるべきかについて行動計画をつくる。一定の規模以上の企業はその行動計画をつくることが義務づけられているんです。何を盛り込むかというのは自由度が結構あるんです。

 その盛り込む内容は、自社の社員が子育てをしっかりできるようにということで、社内の両立支援対策というのが中心なのですが、それだけでは駄目だということになっていて、必ず社会貢献としての次世代支援をやりなさいという、そういうフレームになっているんです。

 それで、文部科学省の方で是非この政策と連携してほしいと思います。業種を問わず、規模を問わず、すべての企業ができる次世代支援として、生徒・学生に企業に来てもらえれば、働くということはどういうことなのか、働く喜びとか働く厳しさとか、それを語れる人は必ずいます。それから世の中にはどんな種類の職業があるのか、どんな仕事があるのか、それらの仕事の面白さ、厳しさというのを語れる人はどの業種でもいるわけです。そういう次世代育成支援法のフレームの中で、すべての企業がキャリア教育に対してやれることというのはありますので、それを計画に盛り込むことをルールにする。

 潜在的には多くの企業が、何かやらなければいけないと思っているわけです。自分の会社と受け入れる学校の生徒さんとの間の直接的な関係は見いだしにくいと思うのですが、次の世代の人材というのはそのうち労働力になるわけですから、無関心ではいられないということがあります。

 ですから、企業は、潜在的には何かやりたいということがありますので、それを具体的に引き出す、そういう施策として、次世代育成支援対策推進法の枠組みを使うということを解決方法の一つとして御検討を是非頂きたいと思います。

□貴重な情報をありがとうございました。是非事務局と、ちょっとこれは我々も勉強して、対応させていただければと思います。

 局長、何かございますか。

●今まで御意見を頂きまして、これはヒアリングを今までやりましたものを、確かに素材といいますか、まとめてありますので、共通的に学校教育全体というか、小・中・高ということになりますが、そういうところに共通的に見られる課題というものについて整理して、先ほどのお話の中にもございましたようにいろいろな仕組みがありますので、そういうところとのリンケージをどうやってうまく張るのかということと、あと、それぞれ、今までもつくってきましたが、小学校はこういう課題があるのでこういうふうな方向でやっていく、そのためにどういう活動が実は必要であって、そのためには外部の方とのリンクを張るために、連携していくために、どういうところが本当に問題になってきているのか、中学校、高校レベルはどうだろうかと。今、星野先生からもございましたが、そのあたりを整理して、素材だけでお示しして大変恐縮でございますが、そのあたりを、具体的にこういうことをやっていて、こういうところが問題だと思っているのでこうしたい、というものを書いた上で、それで御議論いただいて、じゃあそれでいいのか、もう少しこういうことが必要だ、ということについて議論を頂くという場を次の機会にしていただいて。そんな形で、具体的にハードルを組み立てて、7月にまとめていただいたところでかなりの方向性といいますか、こういうことをやってもらおうというところは明確に出てきておりますので、そこを具体に動かしていくときに、じゃあここを具体的には今後は取り組んでもらいたいというメッセージができるような、そういう素材をまずは用意させていただけたらと思っています。

□次回はこのヒアリングの結果など、あるいはきょうの議論の結果を踏まえて、少し学校種別に具体的な連携・協働の方策について提案させていただいて、それに基づいて議論をしていただくという方向で進めたいということでございます。

○ちょっとよろしいですか。その際に、冒頭少し申し上げましたが、キャリア教育が小学校・中学校・高校それぞれに、どの学年で、どういうことを、どれぐらいの時間を教えるのか、それはどの科目で教えるのか、そういうことが行われるべきだという、要するに規模感と、中身がある程度描けるようなものをまず想定した上で、今何をすべきかということを考えないと、余り正しい、あるいは説得力のある方向性が出てこないのではないかと思うんです。

 今の中学校2年生の職場体験、5日間やっている。本当にやらせるまでやらせる。それ以外に出前授業はかくあるべきだ、しかしそうは言っても、やはり小学生のときから自分が学ぶのは働くためで塾に行くためじゃないぞ、中学受験のためじゃないぞということを教えるということが必要であれば、それはどういう内容のことを、それを外部人材のこういう人にこういうことを教えてもらいたいというようなことが、ある程度でき上がりの姿みたいなものを描かないと、なかなか方向性が出てこないのではないか。あるいはやるべきことが……。

●具体的なイメージがということですか。

○みんなキャリア教育が大事だということは思っているわけです。みんな思っていて、こういうことをしたらいいのではないか、ああいうことをしたらいいのではないかというのはそれなりにわかっているけれど、結果、学校でキャリア教育ってどの程度行われるのかというのが出てこないものだから、なかなか学校の先生たちをその気にさせられないということにもなっているのではないかと思いますので、そんなこともちょっと意識してお考えいただければなと思います。よろしくお願いします。

□もう時間が少ないのですが、一言、今までの議論の中で外部人材と言ったらいいのか外部機関と言ったらいいのかわからないのですが、余り上がっていない機関がありまして、それは何かというと博物館だとかそういった、地域に必ずある、実はかなり教育力を持っている機関があるのですが、こことの連携って今まで学校教育の中で必ずしも十分に図られてこなかった部分があるのではないか。

 ただ、県によっては、例えば山口県の自然博物館だったか、山口市にある博物館は、博物館に教員を複数名配置しまして、中心は教頭職の方で、そこで博物館の展示物を教材にした教材提供、出前の授業も含めて教材提供をすると。それはインターネットで利用できたり、直接博物館で展示してあるものを学校に持って行ったりということで、学校の先生方が直接そこに、何年か交代で駐在する人はかわるのですが、ということで、結構学校教育との連携が図られている。多分これ、珍しいのではないかなと思うのですが、そういうことも含めて、実は教育資源というのは地域にあり得るのではないかなと、私などは思います。

これまで、幾つか外国のキャリア教育を見せていただく機会があったのですが、結構やはり、そこら辺はいろいろな外国の博物館だとか、そういうところは意識して、美術館とかも意識してやっているところがあるので、これはやはり、この提言の中にも是非盛り込んでいきたいなと思います。

 ということで、目いっぱい時間がまいりました。ちょっと進行がまずくてすみません、きょう御発言いただけなかった委員の方もいらっしゃるのですが、次回、具体的な提案を含めていろいろ御意見を伺いたいということでお許しいただきたいと思います。

 

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-- 登録:平成24年02月 --