学校ネットパトロールに関する調査研究協力者会議(第2回) 議事要旨

1.日時

平成23年2月21日(月曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省 旧庁舎第2会議室

3.議題

  1. 学校ネットパトロールの実施状況について
  2. その他

4.出席者

委員

大久保委員、角田委員、竹内委員、藤川委員、水谷委員

文部科学省

磯谷児童生徒課長、郷治生徒指導室長、清重児童生徒課課長補佐 他

オブザーバー

永井視学官、三好視学官、上野生涯学習政策局参事官付教科調査官、
城戸国立教育政策研究所生徒指導研究センター総括研究官

5.議事要旨

開会

議事

(1)学校ネットパトロールの実施状況について、事務局からの説明があった。
(2)検討の骨子案等について、各委員からの意見交換があった。                                    

(1)事務局説明

【委員】それでは、議事に入りたい。まず、学校ネットパトロールの実施状況について、事務局から説明をお願いしたい。

【事務局】資料1は、前回の配付資料を各教育委員会に改めて確認・調査し、その結果をまとめたものである。
 まず、ネットパトロールを実施している教育委員会は、都道府県・指定都市においては大体70%程度であり、手法別では、約半数程度が民間企業等へ外注をしていた。
 次に、各自治体における研修の実施状況は、管理職向けに約3割程度、指導主事向けに約65%、初任者研修や5年研、10年研といった法定研修で約半数程度であり、特に都道府県・政令市では研修が実施されていた。研修は任命権者の責務であるため、市町村よりも都道府県が実施している状況であった。
 具体的な研修内容は、有害情報そのものの現状について取り扱われていたところがほとんどであるが、対応の手順、フィルタリング、情報モラル教育の指導方法等についても取り扱われていた。指導資料は、約7割程度の都道府県・指定都市において作成されていた。
 成果としては、意識の向上、書き込みの減少、抑止効果などが挙げられた。一方、課題については、パスワードつきのサイト等への対応、情報モラルの理解に関する児童生徒・保護者への啓発、削除に応じないサイト管理者への対応などが挙げられた。
 手法別の課題として、外注した場合の財政的な負担が上げられた。また、外注せずに行うネットパトロールについては、個人の携帯電話を使用する場合の使用料負担、フィルタリング、時間的な限界、ノウハウの不足などが共通の課題として挙げられた。通報窓口を教育委員会に設置する手法では、通報件数がそもそも少ないため、実効性も含めて課題として挙げられていた。
 続いて、前回会議の主な御意見・論点を、資料4のとおりお示ししている。
 まず、生徒が教員に対して相談をしてくれないという点や、生徒からの相談は非常に重要な情報であるという点。それから、生徒からの相談の大半は、アドバイスによって克服が可能ではないかといった点、関係機関との連携が重要であるといった点、SNS等の鍵つきのサイトへの対応の問題、情報モラル教育の実施に当たってのさまざまな課題、情報提供だけにとどまらない学校への支援の必要性、そもそも現実の生徒同士の人間関係の問題といった生徒指導上の課題が根底にあること、子どもたちの自主的な取組こそが重要ではないかといった点、民間委託をする際の教育委員会・学校・委託先との役割分担についての課題、ネットやメールの依存症の課題などについて指摘をいただいている。
 以上の論点を踏まえて、資料2のとおり、学校ネットパトロールに関する調査研究(検討の骨子案)をお示ししている。

(2)各委員からの意見交換

【委員】それでは、事務局から説明された内容について、ご意見、ご質問等をいただきたい。資料2、検討の骨子案に議論を収れんさせていきたいが、この形でいいのかどうか、どういうものを盛り込んだらいいのか、こういった点についてご意見いただきたい。

【委員】昨年から、全国で50回セミナーを実施してきたが、先生方が苦労している点は我々が議論した論点と同じで、個人の携帯でできる限界や使用料の問題、パスワード付のサイトを教員が見ることは不正アクセス禁止法違反なのかといった知識面の問題、学校裏サイトへのリンク集などをどうやって知るかが分からない、見てもSNSサイト内の隠語が分からない、といったものであった。
 担当者はとても緊張して取り組んでいるので、報告書では、具体的にやるべきことと難しいことを分けて書きたい。できること、難しいけれどもがんばって欲しいこと、本当にできないこと、などを整理すれば、先生方は安心して動けるのではないか。

【委員】1点目は、実態は大人よりも子どもたちがよく知っているので、子どもたちの意見を聞くことがまず一番大事であるということ。昨年12月にケータイサミットと称して、子どもたちが携帯電話について、自分たちで問題点を出し、自分たちで話し合う取組をした。そこで、子どもたちが今一番問題と感じているのは、実は、携帯電話での連絡をなかなか切れず、夜眠れないということだった。そこでは、子どもたち自身が考えて結論を出し、「返信不要」と書かれたらそこで終わりにする、という解決案が出された。私の課題認識は、ネットパトロールの辺りであったが、子どもの認識とは違うということを認識したこともあり、子どもたちの意見を聞くシステムの必要性を感じている。
 2点目は、SNSサイトで子どもたちの情報を知ってしまった時の指導の難しさがあるということ。知っているのに指導しなくていいのか、また、知ってしまって指導をすると、教師が監視しているということで別のサイトに逃げられてしまう、ということがあって、非常に難しさを感じている。
 3点目は、知っておけばかなり違った対応ができるような基本的な情報を、先生方が知らないということ。例えばフィルタリングのシステムに関する知識や、インターネット・ホットラインセンターや違法・有害情報相談センターがあって相談に乗ってもらえること、そういった基本中の基本の知識を知らない先生方が圧倒的に多い。先生方に対しては、基本的な情報からまず伝えていく必要があると考える。

【委員】3点の意見があったが、1点目の子どもたちの意見を聞くことは、さまざまな局面で重要になる。何をどうパトロールすればいいのかというレベルで子どもたちに聞くことも必要かもしれないし、問題に対する対処の部分で位置づけるということも必要かもしれない。あるいは、教育・啓発の部分に位置づけられるかもしれない。こういう考えでよいか。

【委員】特に対策の部分は、子どもたちと私たちが思う解決法が全く違っているケースがある。子どもたちはよく知っているのに、教員や大人が知らずにあわててしまうケースがあるので、子どもたちの意見を聞いて対策を考えていく姿勢が必要。

【委員】そして2点目の意見では、実際に問題に出くわしたときにどう対応すればよいのか、問題があるのかどうかを誰がどう判断するのか、難しい論点である。ノウハウがあれば委員からもご意見をいただきたい。調査研究の場であるので、各委員がそれぞれの場所でどんな取組をされているか、どのように対応をされているか、ある程度集約した上で、もし一般的な方針が出せるか検討したい。
 最後に、3点目、教師が最低限知っておくべき事柄は整理し、共有すべきという意見は重要。ある程度意思統一ができるかもしれないので、引き続きご意見をいただきたい。

【委員】国を含む行政が何をする必要があるのか、学校現場がどのように指導していくか、PTAがどのような啓発活動をしていくことが大事なのか、地域及びキャリアを含む携帯会社などは何ができるか、それぞれの立場で何ができるかを仕分けてきた。学校の先生が考えると、子どもたちの指導だけに終わってしまう可能性がある。一番大事なのは、それぞれの立場で何ができるのか、主体ごとにきちんと明確に分けて、その中で連携をとっていくとどういう形になるかを考えていくことであると考える。マニュアルのようなものを作るのであれば、各自が自分の立場でどういうことができるか、はっきりわかるようなものができると非常にありがたい。
 行政は、民間委託によるネット安全パトロールを以前から行っており、予算の確保に加え、保護者や学校教育にどうかかわるかを考えている。教育委員会は、先生方あるいは管理職がどのような指導をしているかについて実態を把握し、研修を通じて啓発を行っている。 PTAは、各県・各市町村のPTAの中で、子どもたちの安全を守るために、親としてどのような立場で行動しなければならないか自分たちでまとめている。更に、携帯電話のキャリア4社は、県の教育委員会、あるいは市の教育委員会と協働で、フィルタリングをいかに普及させるかについて取り組んでいる。こうした関係者が集まって話し合う場も必要で、2月に意見交換をした際には、フィルタリングを普及させようという共通認識に立ち、リーフレット、パンフレットを子どもたちに配布することにした。子どもに配っても親まで届かないことがあるため、携帯電話のキャリア4社の販売店で配付し、その場で子どもたち一人一人にフィルタリングについて説明してもらうよう準備が進められている。
 それぞれの立場で何をすべきなのか、何をできるのか、どの部分を連携してやるのかを考えずに、単に個別に取り組むだけでは長い目で見てうまくいかないだろう。
 また、警察と共同で販売店を訪問することも行っている。もしきちんとフィルタリングの話をしていなければ、販売店を指導することができる。
 もう一つ特徴ある取組として、携帯電話に関する啓発のためのビデオを動画サイトに載せている。

【委員】さまざまな関係者がいかに連携をして、どういう役割分担をして進めていくのか、また、その中にネットパトロールがどう位置付けられるのか。このあたりは、報告書に項目として立てる必要がある。
 また、フィルタリングが普及しない中で、ネットパトロールばかりやっても仕方がない面があるだろう。フィルタリングとの関係で、どの範囲を見ていくかが変わってくるのではないか。

【委員】フィルタリングで認可されているサイトの中でも不正請求などの被害はあるが、今の携帯電話会社のフィルタリングはうまくできており、あるかないかでは安全性が全く異なる。やはり、子どもたちにリーフレットを配付することや、先生方から話をしていただくことでフィルタリングをかけることは重要である。
 一方、一般的には有害と言われていないサイトの中でのSNSでのトラブルが増えてきており、それをどう見つけていくかが今後の課題であり、現在もそこに集中して取り組んでいる。
 また、報告書の骨子については、ネット安全パトロールだけを扱うのであれば、この構成でいいと思うが、現場では、それだけでは難しいという気がする。

【委員】つまり、子どもへの情報モラル教育など、さまざまなことが組み合わさって効果が出てくるので、何もかもネットパトロールで対応しようという誤解を招いてはいけないということだろう。報告書の最初にしっかりと記述したい。
 また、、教育・啓発の部分は、一般的なネットについての教育・啓発とも読めるが、ネットパトロールを実施した結果と教育・啓発をどうつなげていくのかという視点が必要ではないか。

【委員】実際に起きたネットトラブルの事例をホームページ上で挙げて、何が問題なのかを示している。ネットパトロールで得られた結果を生かしていくことは大事だと思う。

【委員】情報の出し方について、何か気をつけるべき点はあるか。

【委員】具体的な事件について書くのではなく、一般的な文章を書いている。例えば、写真を載せないでアバターを使いましょうなど、子どもたちには禁止するのではなく、代替案を示す形にしている。

【委員】それぞれの事件の実態を書くことはできなくとも、実態に即して啓発の材料を作っていくことが重要という内容を盛り込めればいいのではないか。

【委員】学校の先生方は、フィルタリングがかかっている状態でネットパトロールをやっているのか。

【委員】学校の先生はネットパトロールはしておらず、委託された民間会社がフィルタリングをかけずにパトロールをしている。学校の先生方を直接危険な目に遭わすことはできないので、県教委で安全性を確認した上で、学校に情報を降ろしている。
 また、県内・市内の子どもたちの安全を守ろうという前提に立っているので、ネット安全パトロールについても教育委員会単独ではなく、人権局、警察のサイバー犯罪対策室と一緒になってやっている。ネット安全パトロールは、あらゆる項目の中の一つとしてやっていると考えて欲しい。

【委員】報告書には、3つの図解を入れるとよいのではないか。1つめは、学校現場や保護者など、それぞれの主体の役割分担や立場がわかるよう、誰がどういうことができるのかというフロー図である。2つめは、問題を発見してしまった場合に取るべき行動に関するフロー図である。無視するのか、削除依頼をするのか、警察に連絡するのか、発信者情報開示請求をするのか、生徒のフォローも必要なのか、最悪の事態を想定するのか、そういったフロー図が必要ではないか。3つめは、ネットの仕組みに関する図である。例えば、ある検索エンジンで検索できるWebページが約1兆ページある中で、ブラックリストとしてどういうページが登録されているのか、フィルタリングをしても穴があいてしまう部分はどこか、携帯電話事業者に登録をすればふたができる部分があるので、具体的にどうすればよいか、そういう知識を知っておくことでパトロールをする先生方にとって役に立つと考える。

【委員】検討していきたい。約1兆のWebページがある中でパトロールの限界はあるので、どういう方針でパトロールしていくかは大事なポイントだろう。
 問題を発見した場合の対応のフロー図について、具体的な案はあるのだろうか。

【委員】例えば、第三者である監視会社や教育委員会が問題を発見し、その当事者が分かった場合、学校に対してヒアリングし、その生徒がどういう状況にあるかを把握するというのはどうか。

【委員】それは現場ではできない、現実的ではない。

【委員】ここは難しい点であり、議論が必要だろう。ここで、学校ネットパトロールを実施する主体は誰なのか、という前提にずれが生じないよう確認しておきたい。外部に委託する場合もあるが、原則は教育委員会が主体というイメージでよいか。

【委員】我が県では、主体は教育委員会と考えており、先生個人にやっていただこうとは考えていない。

【委員】実際、学校にはゆとりがないし、教育委員会の中で抱えることも無理だった。やはり委託をしていかないと、探索の部分は担えない。探索してきて上がってきたものを、どう学校におろすかというのは教育委員会の仕事だと思う。

【委員】では、学校レベルで事業者と直接やりとりをするような委託の形態はあり得るのか。つまり、学校が責任者になるということはあり得るのか。あり得るのであれば、幾つかのパターンに分けて議論しなくてはいけないので、ご意見をいただきたい。

【委員】ある学校がやりたいからといって、その学校だけやるのは、他の地域の保護者が納得しない可能性があるため、一定地域で一律に実施することになるだろう。

【委員】現実の話としては、学校に時間も余裕もない中で、子どもたちが大きなトラブルに巻き込まれる例があるので、学校の先生方が自分の携帯電話で自分で調査をしている実態がある。ノウハウもないので、他校の教員と自主的に集まって情報交換し、緊急避難的に対応しているが、膨大な時間がかかる。学校にもこの部分まではできるということが示せればよいとは思うが、時間的にも、予算的にも現実は厳しい状況である。

【委員】調査研究としてやる以上、今後目指すべきは組織的な対応であると提示したい。どういう組織がベストなのかという議論はあるとしても、基本的には教育委員会を中心した組織での対応、という前提で議論してよいだろうか。

【委員】予算をかけてネットパトロールをしているが、初期の対応としては良いとしても、永遠に予算を継続していけるとは言えない。そこで、教育・啓発の面が重要であり、小学校、中学校、高校といった発達段階別に、どこが指導のポイントになるのかを示すべきではないか。
 また、現場の教員からは、ページを削除すること一つをとってみても、具体的な手順はどうすればよいのか、具体的な事例として、どことどう連携してどう解決したのかが知りたいと言われている。幾つかの事例をパターン化し、何種類かの解決策を示せるとよい。
 それから、教育委員会間の連携はあまりなされていないため、各自治体の取組のよい部分をつなぐ形で作成することは効率的であると思う。
 また、携帯依存、ネット中毒に関しても、途切れなく連絡をしなくても、それで中傷されることはない、といったメッセージを出していくことが必要ではないか。

【委員】学校段階別の指導のポイントがあるだろうというご意見は、ネットについての基本的な知識をどうするのか等と関連づけて検討したい。
 また、外部委託を前提とした本格的なパトロールは継続してやっていくべきことなのか、どれぐらいコストをかけるべきものなのか、このあたりは議論する必要がある。削除についてのフローチャートが欲しいという意見は、形式化できればよいし、既にどこかにあるかもしれない。事例が大事であるという点は重要な意見だと思う。
 ここで、これまでの議論の中で重要と思われる点をまとめて申し上げたい。
 まず、学校ネットパトロールの実施主体は誰なのか、学校ネットパトロールはどの範囲を担当するのか、についてしっかり論じる必要がある。その際、緊急避難的なものと本来あるべき姿と分けて議論すること、他の活動との関係や他の組織との連携も含めて議論すること、できることとできないことを区別して議論することに留意し、図で示せればなおよいということであった。
 学校ネットパトロールの実際の項目については、そもそも外部委託を前提にしてよいか、委託する場合にはずっと継続して委託するのかどうか、更にご意見をいただきたい。また、教員が実施する場合の検索方法の例示が必要かどうかもご意見いただきたい。便利情報の作成は、ある程度必要だろうというのが共通する意見であろう。
 実際に問題のある投稿を発見した時の対応については、次回以降、具体的な案があれば、委員から出していただき、妥当かどうか検討したい。ただ、情報を削除したいという意思が決まっている場合は、場合分けをして、具体的な方法のフローチャートを示すことができるのではないか。
 また、通報や相談の窓口も整理する必要がある。その際、どう連絡をするとスムーズなのか、といったハウツーを書いておく必要がある。
 さらに、その後の児童生徒への指導について、何か言えることがあれば議論したい。
 教育・啓発とネットパトロールの関係をまずはしっかりと踏まえることが必要である。そういう観点からは、例えば外部委託して得られた知見をどう教育現場の先生方に伝える必要性、あるいは、一般の人々や児童生徒にも伝えていく必要性も論じることができるかもしれない。また、フィルタリングがある程度普及しなければならないという点も論じるべきである。
 さて、ここで、教育委員会が組織的に対応するという前提に立って、緊急避難的な対応はお勧めできないという方向性でよいのか、外部に委託をする場合は毎年続けて委託をしていくべきなのか。このあたりについて更にご意見いただきたい。

【委員】来年度で委託期間が終了することを見越して、昨年度から啓発活動を全県で実施している。また、フィルタリングをつけていなければ、委託が終わってパトロールをしなくなった時点で問題が多くなることを見越して、今年度は、携帯電話会社が提供しているフィルタリングをつけるための取組を進めてきた。きちんとした使い方を身につけるために、まずはフィルタリングをつけるところから始めて、問題が起こる範囲を少しずつ狭めていくと同時に、先生方の対処スキルも上げていく。いつまでもお金が続くことが理想だが、そういうわけではないので、こうした対応を進めている。

【委員】今後4年間は委託を続けることになっている。1つ質問したいのは、教育委員会が組織的に対応する際、教育委員会とは、都道府県や指定都市の教育委員会を指すのか、市町の教育委員会を指すのか。市町の教育委員会が主体ということを強調すると、県が手を引いてしまい、予算がつかなくなる。すると、予算規模の小さい市町が全く対応できないケースが出てくることを懸念している。

【委員】ネットの問題というのは広域な問題になり得るので、おそらく都道府県や政令指定都市のレベルで取り組み、そのレベルでの連携になると思われる。その一方で、都道府県内の各地域ごとに特徴があるので、市町村と連携して、その地域に合った取組をするということが理想ではないか。予算の現実で言えば、原則都道府県や政令指定都市単位で予算を確保するのが現実的だと思う。

【委員】では、体制については、各都道府県の意思決定でパトロールの体制をとってもらうことが望ましく、予算は永遠に続くものではないということを視野に入れて、委託の終了後を見据えた他の取組を並行して考えていく、という方針で考えたい。
 次に、委託の内容面については、指導主事や先生方が直接対応するのは無理があるという前提で、外部機関へ委託することがあるべき姿であると考えて良いか。その時に、委託元は、委託する相手に、どういう点に留意して、何を頼むのがよいか。さらに言えば、どういうサイトに重点を置くのか。こういった部分は、次回以降もご意見いただきたい。
 次に、問題を発見した時の対応について、ある程度形式化できるものなのか。

【委員】情報をどういうルートで伝えるかという系統図がマニュアル化されている。学校で見つけた場合は、小中の場合は市町村教育委員会、県立の場合は県教育委員会、私学の場合は、総務学事へ連絡される。その中で、犯罪性のあるのはサイバー犯罪対策室に連絡され、それ以外の部分は、県教委で判断をして情報をおろす。ネット安全パトロールの条件に触れて見つかったものは、教育委員会に連絡された後、その中で学校におろすかどうかを県の教育委員会で判断をす。小中の場合は市町村教育委員会におろして、市町村教育委員会で判断をする、そして学校を指導する、という流れである。

【委員】そうした形式化はしていない。警察もこればかりには専念できないが、本心では、警察がやる気になればすべて解決できる問題であると考えている。
 現実の問題・トラブルに当たった際には、常に子どもに指導ができる親ばかりではないため、最終的には、学校の先生が助けなければならない。フローチャートは基本線だけでよいので、事例で解決策を示してほしい。

【委員】指導に関するノウハウは県で持っており、市町村から問い合わせがあれば指導している。市町村はそれぞれ事例を持っているので、市町村の主体性で学校に指導している。つまり、県としては事例自体を示していないが、簡素化されたレベルでホームページに掲載している。

【委員】ヒアリング先の候補について、事務局からご説明いただきたい。

【事務局】前回の会議以降、各先生方からいただいた意見をまとめた。PTAなど地域で活動されている取組、あるいは大学と連携している取組、あるいは子どもたちの主体的な取組、そういった事例を中心に挙げている。また、実際にネットパトロールをやっている民間企業等から聞いてもいいのではないかというご意見もいただいた。

【委員】では、次回以降のヒアリング候補についてご意見いただきたい。他の都道府県で特徴的な取組をされているところがあれば聞きたいということだろうか。

【委員】うまくいってないが苦労している都道府県の課題を聞くことはどうか。

【委員】違法・有害情報相談センターの話が出たが、学校の先生から相談を受ける相手をヒアリングするのはどうか。

【委員】違法・有害情報相談センターの関係では、学校裏サイトによく使われるサイト管理者のカスタマーサポートサービスセンターの職員はどうか。具体的なやりとりを学校の先生としているので、具体的な事例が聞けると思う。

【委員】では、学校や教育委員会からの相談に対応する相手側である機関から、ヒアリングするという方向で進めたい。次回の予定について事務局からご説明してほしい。

【事務局】本日いただいたご意見を、検討の骨子案に反映させたい。ヒアリングについては、委員と相談しながら調整させていただきたい。

【委員】それでは、本日はこれで閉会としたい。ありがとうございました。

閉会

 

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課生徒指導室