暴力行為のない学校づくり研究会(平成22年度)(第5回) 議事要旨

1.日時

平成23年1月27日(木曜日)10時から12時30分

2.場所

文部科学省5階 5F5会議室

3.議題

  1. ヒアリング
  2. 協議

4.出席者

委員

尾木座長、石橋委員、桶谷委員、木村委員、筒井委員、萩原委員、三坂委員

文部科学省

磯谷児童生徒課長、郷治生徒指導室長、井上児童生徒課課長補佐 他

5.議事要旨

開会

議事

(1)ヒアリング

・暴力行為減少に向けた学校体制支援チームの活動(大阪府教育委員会)

(2)協議

【委員】観点の件なんですけれども、これは、最初からある学校の調査をするのか。それとも、観点に分けて、決めていくのか、そのプロセスを教えていただきたい。

【大阪府教育委員会】ピンポイントで管理職支援から入ったりはする。ただ、3か月終わったときに、課題が見えてきて、支援する観点を移行するというようなことがある。3か月クールで、焦点化しながらやっていっている。

【委員】観点を決めるポイントというのは、OBの先生が判断するのか。

【大阪府教育委員会】荒れ、問題行動を誘発する要因には、管理職のリーダーシップの不足、教職員や学年間の相互不信、行事等のマンネリ化とか、中核教員や組織の不在、これらのことについて、管理職の方が分からないとか、あるいは生徒指導主事と話をして、どうもずれているなとか、聞き取りも含めて判断する。

【委員】例えば具体的な実態把握ができた。共通理解ができて、問題点が浮かび上がってくる。そこでケース会議を開いて進むときにリーダーシップをとって、アセスメントシート的な課題を明確にし、方向性を見出して、具体的な取組までつなげていくようなシートというのはあるか。

【大阪府教育委員会】解説文をつくっている。何が荒れと関係あるのか。どういった取組が必要なのかという視点の部分について、解説書を作っている。それから、具体的な動きになると、これはケース会議中心でいった方がいいとか、教職員研修をもうちょっときちんとやった方がいいというのは、管理職や生徒指導の核となる方と、市町村教育委員会と我々が入りながらサポート会議でやることになる。

【委員】実際に支援を入れて分析をした対象校のうち、支援を入れたけれども、結局あまり改善が図れなかったとか、場合によっては、むしろ悪化してしまったというところがあったか。もしあったら、どこに原因があったのか、教えていただきたい。

【大阪府教育委員会】基本的には、悪化するということはほぼない。現状維持か、なかなか数値が落ちないというところはある。それは、学校が全体として助けてほしいところは成果が出るが、一方で、我々は大変だからやってもらって当たり前だとか、あるいはここの部分は誰かやってくれる人がいないかという学校は、ちょっと回復が遅れたりするという状況はある。

【委員】二つ伺いたいことがある。一つ目は、昨年の3月から6月になった時点でがらっと変わる。当然だが、中3に問題を起こす生徒がいると、その影響を直接受けているところがあるので、将来的には学年別の集計をしないといけないのかもしれない。二つ目は、小学校は、悪く言うと、一時しのぎでごまかせちゃうということでもある。つまり、先生がちょっと厳しくやったりとか、ちょっと親切にしてやればいったんは収まるが、学校の体制が改善されてない。つまり、B項目が改善されてないということが、その後その学校が、あるいはその上の進学した中学校段階で問題を起こすことになる可能性もなくはない。ただ、これに関しては、問題がない小学校では、やっぱりB項目はきれいなのかどうか。確かにそこの上の進学しした中学校も問題が少ないということが出てくることで、ある程度の見当は付くかという気がする。

【大阪府教育委員会】その意味では、中学校へ上がったら、その子たちはどうなるのかということも含めて、考えていきたいと思う。

【委員】報告を伺っていて思い出したのは、1980年代に各地で大変校内暴力の深刻化で悩む学校、教育委員会があったが、あのときも終息に向かったときに、全国でこれを分析的に捉えて一般化するような形で情報化したいという動きはあった。しかし、当時は非常に緊急度が高かったのでその余裕がなかった。したがって、先導的な手掛かりになるようなものが非常に少なかったと思う。その後、1990年に入って、いじめの深刻化が起こるのだが、そのことと関係があるんじゃないかという指摘も当時あった。それだけに非常に貴重な報告であったと思う。

【座長】次に後半の議事である報告書(案)について進めていきたい。まず、報告書の(案)につきまして、事務局から説明願いたい。

【事務局】全体の構成としては、前半部分がまさに報告書の本文ということになる。その後に、改善モデル案を示し、次に事例集、最後に資料集を付けて報告書にしてはいかがかというものである。

【座長】三つに区切って協議をいただきたい。一つは、報告書案の構成と、内容、ページ数等について、2番目は、改善事例集で取り上げる事例について、最後に報告書の内容、進め方について意見があればお願いする。まず最初に、報告書の構成、内容、あるいはページ数について、発言いただきたい。

【委員】それぞれ担当のところに協議された事項等の記載があるが、この部分は基本的に盛り込んで書いていくというような理解になるのか。それともあくまでも執筆者の判断で入れるかどうかということになるのか。

【事務局】執筆していただく委員の御判断があると思うが、せっかく議論いただいていることなので、できるだけ盛り込んでいただきたい思う。

【委員】暴力行為のない学校づくりに関する基本書というのは、今日の資料に入っている「生徒指導資料」以来きちんとした形では作成されていない。教育委員会でも学校でも、研修会の終わりに、自分たちが新しい取組をしたり、これから基本を考える上でよりどころになるような資料があるかという質問が出される。私も、今までに出ている関係資料をできる範囲で探したりしてみたが、基本書として紹介できるものが非常に少ない。今回我々の研究会の報告書がまとめて出されると、一つは、研修会の基本書という意味と、課題を抱えている学校が取組を進めていくためのハンドブック的な意味とがある。したがって、学校や教育委員会のニーズに応えるような内容を取り上げていただけるとありがたい。また、特に小学校の場合、経験年数が少なくて、基本中の基本みたいなことも、質問される先生がいらっしゃるので、その点についても大事だということ認識したことがある。この報告書のニーズとしては、三つあって、一つは今は大丈夫だけれども何とかしようという課題意識でこの報告書を見られる教育委員会、学校、次に、正に不穏な状況を感じていて、何とかしなてはいけないという状況で、この報告書を見る場合、それから、現在対応に苦慮されているという場合がある。できれば、そうした教育委員会、学校における課題意識に合致した内容が盛り込まれるといい。

【委員】書き方のことですが、例えばコミュニケーション能力の低下については、うまく表現できないんで手が出てしまうという場合も、コミュニケーション能力の低下という話で出てくるし、一方で、恐らく別の意味でコミュニケーション能力の低下というのが使われたりしてしまうというところがある。だから、可能であれば、相手の気持ちがわからないとか、自分のやっていることが相手をどう傷つけているかに気付けないとか、あるいは自分の思いをうまく表現できなくて、思わず手が出てしまうだとか、という書き方をしていかないといけないと思う。若い先生たちはコミュニケーション能力の低下で分かった気になって、次に、コミュニケーション能力を高めるにはどうしたらいいんですかという話になってしまう。もう少し深く考えて、日常的に普段の授業の中にも、例えば思いやりの気持ちは育めるんだというところが抜けてしまう可能性がある。もう一つは、例えばセカンドステップは完全に固有名詞なので、これが一番ですというような提示の仕方をしたことは今まで一度もなかったような気がする。セカンドステップそのものがいいか悪いかという話で言えば、それ自体の価値はあると思うが、セカンドステップをやったら暴力がなくなるという理解をされてしまったときにどうなるか。つまり、こういうところで紹介をしたものに沿ってうちはやっている。ちゃんと文部科学省の指導に沿って具体的にやっているから、事件が起きたときに、うちの責任ではないという話になりかねない。

【事務局】事例としてやっているものは個々の取組ですから、これはあえて外すとか、外さないとかという問題ではないと思う。むしろ紹介した方がいいと思う。他方、本文では気を遣う必要があるという御指摘は恐らくおっしゃるとおりだと思う。

【委員】事例の場合も、例えばQU調査なんかは、市販の心理検査、市販のアセスメント等とする方が無難ではないかと思う。

【委員】各学校は、それぞれの地域、学校の実態に応じて進めているので、必ずしも統一はとれない。そこは事例であり、その地域の実態に即しているわけだから大事にするという考え方が第一原則だと思う。できれば、この報告書の中の「はじめに」のところで整理をして、一般化した場合はこういうことが大事であるという、基本的なことを「はじめに」のところでお示しいただくということにしたらどうか。それから、用語に関しては、できるだけその用語を見て共通のイメージが持てるように御配慮をいただくというのが原則である。しかし、日本語に直すことが難しい用語、あるいはどうしてもその用語を使わないと、その部分は理解できないという場合については、その用語を使って、欄外に少し解説を入れるという方法で、進めてはどうか。

【事務局】考え方については整理して、改めて原稿を依頼する。さらに、原稿が出てきた段階で、改めてチェックする方法で進めさせていただきたい。

【委員】資料を見ると、学校が教育委員会と連携してやりましょうという項立てになっている。学校が読む報告書なので、当然それでいいと思うが、教育委員会もこれを参考にして、教育委員会の立場から学校に連携をして進めたらどうでしょうかという項立ても必要ではないか。それから、学校種間の連携のところで、小学校での指導の在り方があって、次が、小・中・高になって、小学校だけが出てきている。中学校、高校は特別に取り上げていないが、どういう考え方か。

【事務局】中・高をあえて外しているわけではなく、低年齢化を踏まえて、小学校を特出ししている項目立てとしているが、その部分は議論していただきたい。それから、教育委員会にとっても、一定の施策の方向性を示すものを盛り込むことについては、本日の大阪府の事例は、この報告書の中で紹介されていくべきものだろうと思う。教育委員会がこれを読んで、教育委員会の施策として参考にすべきところを盛り込んでいくという構想は持っていなかったが、そこは委員の皆様はいかがか。

【委員】例えば学校種間の連携とやって、(1)が小学校・中学校・高等学校各段階の指導のポイントにして、(1)小学校、(2)中学校、(3)高等学校とやって、力点は小学校に今回置く。それから、(2)のところで小・中・高の一貫性のある指導ということで、ここはページ数を少し減らす。その次は、連携を意識した指導体制、これも少しページ数を減らして、その分をむしろ(1)にもっていくというような調整をしたらどうか。

【委員】もう一つのこの報告書として教育委員会に向けてのメッセージをどのようにするかということが、柱としても一応は立てられていいるので、その中で示していくということだが、連携という形であるけれども、教育委員会の望ましい取り組み方をここで示されるということでよいか。

【事務局】学校としても、教育委員会としても当然連携の必要があって、深刻化する前に暴力行為のない学校づくりを連携して進めなければいけないということは、この部分で書いていただきたい。

【委員】教育委員会における学校への支援というのも随分差がある。大体やっているのは、研修と手引書の作成、配布。しかし、その次の調査、実態の把握のための調査になるとまちまちである。まして、その調査結果を踏まえて、派遣体制を整えることで踏み込むというのは、それほど多くはないと思われる。だから、そうした情報が提供されれば、それは非常に意味があると思う。

【委員】例えば、小学校の事例、中学校の事例、高校の事例、都道府県教育委員会の取組事例という形で掲載するのはどうか。

【事務局】教育委員会の調査と介入の事例で、ほかにも把握しているものがあれば、網羅的なものは難しいかもしれないが、二、三でも紹介するということは、それ相応の意義があると思いう。

【委員】むしろ網羅的じゃない方がいいかもしれない。今日の事例なんかはかなり具体的なものだったから、参考になるかもしれない。

【事務局】本日報告のあった事例を適切の分量で付録で御紹介するような形にさせていただければと思う。また、例えば文部科学省の委託事業の中で、教育委員会がかなり意欲的に学校の問題行動に関して何か支援をしたとか、ネットワークを組んだというのを、一つ二つつけ加えられるかどうかについては、検討してみたいと思う

【委員】暴力や生徒間トラブル、悪質ないたずらの原因は何かというと、いわゆる発達障害のある子どもについて、暴力につながるということが意外に多い。中学校に上がってきたときには、既に関係が形成されていて、非常に難しい。発達障害で支援の必要な子どもと学級経営、生徒指導の在り方について触れていただければありがたい。

【委員】例えば今のような事例で、ここがポイントだというような意見、報告は出たのか。

【委員】困っているということはあるが、具体的にどうしていかなければいけないのかということになってくると、今までと同じことになってくる。生徒理解、子どもの背景を知って、理解しましょうということと、学級の経営のために学級づくりをしっかりと最初からやっていきましょうということ。それぞれはやるのだが、関連性がなかなか明確になってこない。なぜそうなのかということを、積み上げていかなければいけない。そういう積み上げが必要だということを打ち出していくということが必要かと思う。

【委員】例えば調査表の学校で「問題が起こってきたと。その問題に対して具体的な対策をとらず、放置していたことに荒れの状況をつくり出した要因がある」と書いてある。だけど、これを読んでいる教育委員会、あるいは学校には余り参考にはならない。しかし、今の内容と関連しているところを見ると、「校長から明確な指針が示されず」という文言が出てくることがある。それから、「話合いの具体的な場が設けられておらず」なんていう文言が出てくる。それは見落としそうだが、荒れていく学校を調べてみると、そういうことの積み重ねである。つまり、言葉で言えば、「リーダーシップを発揮して」とか、あるいは「連携体制をとって」という文言ので終わるが、何か対策協議会みたいなものが行われなくちゃいけないかと思うが、学校によってはそんな必要はない。職員室でそこにいる先生方だけで、どうしたらいいだろうかという話をする、それでもいい。要するに、具体的な対策をとらず、放置したというのは何か原因である。だから、誰かが抱え込んでいて、その抱え込んでいることを訴える場がないなんていうこともある。それから、管理職が明確な指示を示さないということもあるかもしれない。あるいは場合によっては、開かれた連携体制、専門家に入ってもらう体制を組むことが大事なのかもしれない。何でもないこととして見過ごしているが、こんなことが大事なんだということが踏み込んで記述していただくと、単に「荒れの状況をつくり出さないことが大事である」ということが違う受け取り方がされるかと思う。

【事務局】例えば発達障害の子の抱える問題の状況と、その周りの子の受け止め方などの問題の状況を話し合う場を設けるなど、具体的な対策をとることが重要というような、記載を入れていただくようにということでお願いすればよいか。

【委員】例えば子ども理解といっても、何を理解するのか、生徒理解、子ども理解、児童生徒理解といっても、その何を理解するのかという、その家庭状況であったり、その子の生育力であったり、資質であったり、友人関係であったり、いろんな要素があるので、そういうことが分かり得るようなことの書き方はしていかなければいけないと思う。単にこの子ども理解、生徒理解という言葉のみで終わるのではなくて、そこに何を我々が理解していかなければならないのかという、そういうことが分かるような表現方法があればいいと感じる。

【委員】全体の構成の関係では、「はじめに」のところで、今現在問題になっている子どもたちの暴力行為の特徴というのは挙げられるんだと思う。例えばその中の一つとしては、先ほどの発達障害を抱える子どもの問題というのが一つのファクターとしてあると思う。ほかにも暴力行為の問題として、例えば先生の指導が不十分な、未熟なことによる学級の荒れとか、学級崩壊の問題という現れ方での暴力行為もあると思う。あとは、もっと一般的なことでいうと、子どもたちの自分の感情を表現したり、相手の気持ちを理解したり、そういう意味でのコミュニケーション的な面のトラブルが暴力につながっているというような、子どもたち全体が今抱えている問題とか、子どもたちのストレスが暴力につながりやすくなっている。いわゆるキレやすい状態にあるとか、そういう幾つかの要因が今の暴力行為の特徴の要因として考えられるのかなと思う。その辺を「はじめに」指摘した上で、それがその後の本論の指導体制とかについてつながっていくような書き方になると、読むときに理解がしやすくなるのではないかなと思う。指導の部分については、それぞれの部分で触れてあると思うが、発達障害を持つ子どもの暴力の問題に関しては、特に注意点があるという総論とつなげた形で具体的な指導の在り方ということを触れていくような書き方になると、具体的な指針としてより有効なのかなと思う。

【事務局】問題行動調査の結果を踏まえた、「はじめに」のところで、その暴力の近年の傾向とか、調査の際に各都道府県から聞き取っているようなことというのをある程度記載することになると思うので、続く部分をこの場で見比べながら調整していくような形でお願いできればと思う。それから、先ほどのページの分量で議論があったかと思うが、濃淡の目安としてこういう感じにさせていただいてお諮りしているもので、ページ制限の意味で書かせていただいているわけではないので、御理解いただきたい。

【座長】では、続いて、後半、この内容の後半になるが、各学校から上がってきた報告書、これが事例の形で原則的には収録されていくことになるが、何かお気付きのことがあればいただきたい。

【委員】指導困難になった背景のところに、「指導困難になったことはない」ということが書かれている学校がある。学校自身がそのことについて重く捉えている感じを受けなかったので、こういった事例は余り参考にならないのではないか感じた。

【委員】特にないという言葉が多い学校も、余り参考にならないのかなと思う。

【委員】数ではなくて、内容で絞っていくという考え方でよいか。

【事務局】その点もこの場で議論いただければありがたいが、ただ、全部はページの関係上難しいというのはあるので、20から30ぐらいの間ではないかと思う。

【委員】全体の印象として、困難な状況に陥っている学校の中で、ある学年でちょっと突発的に起きて、取り組んだ結果解消したという事例よりも、やっぱり学校全体、あるいは数年間取り組んだ学校の方がいいと思う。つまり、ある問題のある子どもの影響が非常に強く出て、学校が混乱をしたけれども、ある程度対応したら解消したというような事例よりも、継続的に地域的な問題などにも取り組んだ学校の方がいいと思う。

【事務局】例えば問題に関心の薄い記載のところは削り込んでいって、一方で、一定のスキルトレーニングのヒアリングでも紹介のありました事例の取組をしているところなど、事例によって中身の特色のあるところを残したり、あるいは経年にわたるいろんな記載をすべて残したりという、事例のめりはりもつけていきたいと思うが。

【委員】どちらかというと、スキルトレーニングは、学校というより教育委員会の取組ではないか。

【事務局】そのような紹介の仕方もあると考える。

【委員】事例へのコメントについては、それぞれ思い付いたところにコメントを付けるような形でよいか。それともある程度分担をするのか。

【事務局】事例の分担をするというより、執筆の範囲でここがという方が、書きやすいのではないかと思うがどうか。また、御自分の執筆範囲以外のところでも、提案いただいてもいいかと思う。

【委員】改善モデル案というのは、事例の中から具体的に持ってくるんではなくて、ある程度付くってしまうということか。

【事務局】改善モデル案については、こういったたくさんの事例の中から、効果的なものを抽出して、ある程度カテゴリーに分けて、こういった場合にはこういったやり方が効果的だとか、抽出してモデル案を作成していきたいと思っている。

【委員】事例の中から抽出するということでよいか。

【事務局】要するに、改善モデル案は、事例集の中から共通する部分を、例えば指導困難となった背景でも、それぞれ学校によっては違うと思うが、これは仮説だが、指導困難となったきっかけ及びその状態が続いた要因としては共通して見られるものがありましたと。それから、対応策とその効果として、非常に効果があったものについてはこんなものがあったということを書き出してみて、それで、一番コアになる部分を抜き出せば、恐らくモデル案的なものができるんではないかと。大体学校が荒れるというのは、こんな状況で、地域でこういうようなことがあってこうなっていると。その状態が続いていくというのは背景とか、要因としてはこのようなものがあるし、学校側の対応や教育委員会の対応として、具体的な取組はこのようなことが欠けていましたなどということが抽出できるんじゃないかと思っている。これはやってみて、それで先生方に御意見をいただければと思う。学校の危機がこのように起こって、またおとなしくなって、それからこうなりましたというイメージを持っていただけるようなものを作りたいと考えている。

【委員】指導事例が出てくるが、トピック的な題名をつけたりという想定というのはないのか。見る人は、最初から順番に見るのは面倒かと思う。タイプとか、カテゴリーというか、こういったのが特徴があって、こういうふうな解決をした事例だとかという題名みたいなのは考えなくていいのかということである。事例の数にもよると思うがどうか。

【委員】例えば一つの事例について、圧縮した形で発生と発展と集結のようなキーワードになる部分をチャート形式みたいなものでまとめてみると、読むよりも、全体像がつかめていいのかなというのを考えたが、多分いろんなアイデアは出てくるかなと思う。

【委員】さきほど20から30ぐらいの事例と言われたが、そんなにいるのかという問題もある。モデル案で、四つぐらい出てきたら十分、ということにしたほうがいい場合もある。あるいは事例をたっぷりつけるにしても、実はモデル案を見ながら見ていくと、実は事例参照とかいうような形はあると思う。それは、ただ、うまくモデルができたらという想定だが。

【委員】改善モデル案がしっかりできてくると、それほど事例は要らなくなるのかもしれない。モデル案が粗々のものであるならば、むしろ事例の方がずっと意味を持つかもしれない。ただ、事例の頭に単なるナンバーじゃなくて、例えば、保護者との連携をきっかけにして改善を図った例とか、それから、指導体制の立て直しが決め手になった例みたいなのがあると、それがインデックスになって、確かにこれを手にとる方々にとっては、非常に参考になる度合いは強くなると思われる。

【委員】報告書のタイトルは研究会報告書でよいか。

【事務局】委員の先生方で、サブタイトルを入れた方がいいんじゃないかというのであれば、議論していただいて、決めていただければと思う。

【委員】それは、ぜひ次回の重要な議題の一つにして、できれば、今までの議論の焦点化した、何かこの報告書を象徴するような報告書名が付くといいと個人的には思う。

閉会

     

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