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学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議(第1回) 議事要旨

1.日時

平成22年10月18日(月曜日)10時~12時

2.場所

九段会館4階 「桐の間」 (東京都千代田区九段南1-6-5)

3.議題

  1. 座長の選任について
  2. 学校運営の改善の在り方等について
  3. その他

4.出席者

委員

天笠委員、貝ノ瀨委員、勝方委員、木岡委員、小林委員、小松委員、佐藤委員、竹原委員、松尾委員

文部科学省

山中初等中等教育局長、尾崎大臣官房審議官、下間参事官、田中主任視学官、絹笠企画官、板東生涯学習政策局長、作花生涯学習総括官、上月政策課長、塩見社会教育課長 他

5.議事要旨

・山中初等中等教育局長からあいさつが行われた。

・委員および事務局メンバーの紹介が行われた。

・委員の互選により、座長に天笠委員、副座長に小松委員が選出された。

・議事の取扱いについては、資料2「会議の公開の取り扱いについて(案)」が承認され、会議資料については原則として公開とし、会議を傍聴しようとする者は、あらかじめ初等中等教育局参事官付の登録を受けることとされた。

・事務局から、資料3「学校運営への地域力導入の取組」、資料4「コミュニティ・スクールの在り方を考える「熟議」結果概要」、資料5「「新しい公共」型学校創造事業」についての説明があった後、自由討議が行われた。その概要は以下の通り。

○ 10月12日に行われた「コミュニティ・スクールの在り方を考える「熟議」」に参加したが、大変勉強になった。全体としてはコミュニティ・スクールは良いという流れだったが、これ以上広める必要性については疑問を持つ教育長もいた。特に、今でも学校と地域が信頼関係を維持して上手く運営しているような所では、わざわざ制度を導入して人事や予算の話を持ち込むことに否定的なことも少なくない。地域連携が進めば自然にコミュニティ・スクールになるのではなく、途中に政策的な価値判断が必要となるのではないか。

○ 地域との関係の地ならしが十分でない状態でコミュニティ・スクールが設置された場合、活動がやや形骸化しがちだと感じる。
 学校運営協議会や地域住民が教職員の人事権を持つかのような誤解が見られ、それが設置にブレーキをかけているところもある。
 また、教育行政には、首長、教育委員会、校長、教職員と様々な関係者がいるが、そのうち1つでも消極的だと設置されにくいという実態がある。
 ただ、コミュニティ・スクールは抵抗を受けやすい仕組みだと思うが、これまで着実に増えてきているということは評価できる。

○ 私は市民の立場からコミュニティ・スクールに関わってきたが、コミュニティ・スクールにしても学校支援地域本部にしても、教育や子どもの成長に責任を持つ人たちが増えるプロセスであり、大きな意識改革なんだろうと思う。
 今まで保護者は、学校でサービスを享受するという立場であったが、子どもを育てる中では、地域や保護者にも、それぞれの責任があり、できることがあるのではないか。相手に対して求めるばかりではなく、自分の持ち場でかかわるという意欲を持つことや、何かをしていくことで、大人や地域にとっての喜びや楽しみを生み、横のつながりをつくり、町がにぎやかになり、よくなったという実感を持つような意識改革につなげたい。コーディネータの役割とは、自分はこの町のオーナーであるということを仕掛けていくことだと思う。
 それがやがて、学校に浸透していき、地域と一緒に子どもを育てるという意識に変わり、やってよかったという経験を一人でも多く持ってもらえれば、全体の意識改革につながると思う。

○ コミュニティ・スクールを拡大するにあたっては、大きく3つ課題があると思う。
 1つ目は、地域づくりの中心的世代が70代の団塊前世代であるが、団塊世代があまり学校に関わっていない。さらに、保護者世代が団塊前世代の子ども世代となっており、世代間のつなぎがうまくいっておらず、地域活性化が学校づくりと連動していかない。
 2つ目は、教職員に地域への愛着や土着性がないこと。その背後には、教職員の人事異動が県単位で動くという問題がある。
 3つ目は、小学校は土着性が強いのに対し、中学校は地域との密着性を持ちにくい点。また、親の立場では、共働きが多いことや高校受験、大学受験を見越すと、学校に関わる時間的、経済的余裕がない。これらを総合すると、中学校区で1つのかかわりを持つようなシステムをつくって展開するという、小中一貫教育と連動させた取り組みが不可欠なのではないか。そのためには、単に制度問題として捉えるのではなく、地域と密着したカリキュラムの開発に焦点を置き、それを担っていける教職員の育成とそこにかかわる地域の人材活用といった、広い論点を持ってとらえなければならない。

○ 地域から見た場合、自分たちの学校という感覚を持つのは小学校までで、中学校については意識の拡大が必要となる。
 コミュニティ・スクールの指定については、首長が推進する例も全国的にはある。それは、まちづくりのための戦略的なツールとしてコミュニティ・スクールを考えており、教育関係者に多い学校単位の教育論とは視点が異なっている。
 中学校区を一つのコミュニティとして考えると、校長のリーダーシップの在り方、地域に対する関わり方は今までと違ってくる。つまり、自分の学校だけ限定的に考えるのではなく、学区域全体、地域社会をよくするという視点や、中学校区単位のコミュニティの中で円滑なネットワークをつくっていけるコミュニケーション能力が求められる。

○ かつて、新自由主義的な「小さな学校」論が幅を利かせていたが、これがうまくいかないことはもう明らか。また、学校が何でも引き受ける「大きな学校」論も違う。これからの学校は、「小さな学校」でも「大きな学校」でもなく、地域の核としての学校というイメージではないか。
 また、学校支援地域本部を支えるについては、例えば東京であれば大学生のボランティア支援に頼れるが、地方で大学がないということになると、やはりお年寄りに頼るしかないことになる。地域それぞれのパターンがあり、一つのやり方を全国的に当てはめるというのは無理がある。
 もう1つは、杉並区立和田中学校に取材に行ったときに思ったことだが、あそこにボランティアが非常に多く入ってきている理由としては、ボランティアが学校のファンになっている。授業に参加して、手伝うのがおもしろい。手伝い出すと組織ができてくる。校長が代わっても保護者の組織は残って継続性が保たれていく。
 また、このような新しい取組を始めるときは、教師を助けるという意味合いを持たないと、教師の人たちはなかなか承知しないだろう。小中学校の校長から、現場の役に立ってもらわないと困る、そうでないとまた新しい仕事が学校に増える。教師はそういうことに飽き飽きしており、ちゃんと希望を持たせてくれという発言を聞くが、そのとおりだと思う。
 よって、この会議での論議では、うまくいかなかったケースも検証していくべきではないか。今は成功して非常に脚光を浴びている、あるコミュニティ・スクールでは、スタートのときには、校長に代表される教員と学校運営協議会の会長が対立して、大きな問題になった。

○ 学校に関わる活動をすることが誇りや喜びにつながることが大事。そのためには、学校が自らの評判を上げていくことが必要。日本のコミュニティ・スクールでは関わる人の専門性と学校での役割が結びついていないが、イギリスの学校理事会では、関わる人の仕事の専門性を活かせる役割を学校で担っている。

○ 学校に関わることが喜びとならないと、地域は学校に対する姿勢を変えることはできないと思う。PTAに入らなくても自らの専門性を活かして活動している方も増えている。
 「人材活用」という言葉が使われることがあるが、地域の側から見ると「活用」されているつもりはなく、学校と地域は対等な立場だと考える。

○ 教育界は良い取組がなかなか横に広がりにくく、学校単位の凝集性が強いという特徴があるように思う。学校が地域と共助するためには、地域の力を向上させるために学校がどのように関わるかという議論から始める方が入りやすいと思う。そのためには、ある程度広がりのある中学校区単位で考えた方がよいのではないか。

○ 学校現場に行くとどこの学校も大変だということを実感するが、いろいろな仕事をしているにもかかわらず、その記録が残っていないため、外部の方は学校現場の大変さが分からない。
 さらに、現在ベテランの教員が定年退職などで多く辞めていく環境にあり、地域の協力が無いと学校はまわらなくなるという懸念がある。
 コミュニティ・スクールに参加される地域の方が、どのように学校の大変さを理解していくのか聞いてみたい。

○ 最初、教員にとって負担感のある取組でも、地域と連携して達成感を実感すれば教員の意識は変化する。しかしながら、学校の内部では情報があまり整理、共有されておらず、担当教員が異動してしまうと白紙に戻ってしまう。私のところでは、6年目にしてようやく取組が定着してきたと感じる。

○ 私の関わった学校の例を挙げると、当初、外部からの意見に防衛的な傾向が見られたが、保護者や地域による参加的な取組が増えるにつれて学校の実態を理解し、コミュニケーションを取ることで相互の理解が進んだように思われる。ただ、ここに至るまで7年かかった。

○ 生涯学習施策を首長部局が担当している場合、教育行政を担う教育委員会との分担関係が必ず論点になる。「新しい公共」を打ち出していく場合、教育行政全体の仕組みをどのように捉え直すかの議論は避けて通れない。

○ イギリスの学校理事会については、サッチャー改革の極端な例を取り上げて誤解を招くことがあるが、歴史的には地域と一緒になって学校を育ててきており、システムは後から作った。我が国においては、逆にシステムを先に議論してしまうからうまくいかない。それよりも、地域でどのように子どもたちを育てるのかという議論から始める方がうまく行くと思う。早急にシステムを取り入れるのではなく、急がず、着実にお互いに理解をしながら学校と保護者・地域の協力関係を築くことが我が国においては何よりも重要。
 「新しい公共」型学校の在り方を考えるに当たっては、義務教育の在り方という点で、小中一貫教育、中学校区単位での教育を議論することが大事。また、学校を核として地域を元気にする、校長を中心とした学校の考えを保護者・地域が受け止め、当事者意識を持って学校の運営に関わるということが重要。

○ 学校評議員制度やコミュニティ・スクール、学校支援地域本部、学校評価、小中一貫教育など、様々な施策が時の必要性に応じて進められてきたが、それをもう一度整理して、改めて学校・家庭・地域の関係やまちづくりの文脈の中で再組織化していくべきときが来ているように思う。その成果が、この「新しい公共」型学校創造事業として形になっていくことを望む。

・事務局から今後の会議の予定日時について説明があり、閉会した。

お問合せ先

初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付

電話番号:03-5253-4111(内線3705)

(初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付)

-- 登録:平成22年11月 --