「常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応について」(まとめ)の概要 〔常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応に関する専門家会議〕

 各学校段階における対応

(1)小学校

    ○ 学年別漢字配当表は今後継続して検討。
    ○ 当面,現行の学年別漢字配当表に基づいて指導することが適当

(2)中学校

    ○ 「書き」の指導については,学年別漢字配当表は今後継続して検討することとしていることから,現行どおりとすることが適当。

  1. 中学校学習指導要領の取扱い

    ○ 中学校学習指導要領に示されている漢字の「読み」の指導を次のとおりに改め,新たな常用漢字を各学年に追加して指導。
     
  2. 〔第1学年〕

    250字程度から300字程度」を「300字程度から400字程度」に改める。

    〔第2学年〕

    300字程度から350字程度」を「350字程度から450字程度」に改める

    〔第3学年〕

    「その他の常用漢字の大体を読む」(学習指導要領上の記述は変更なし)

  3. 改定常用漢字表に基づく漢字指導の時期

    ○ 平成24年度から全面実施する新中学校学習指導要領(平成20年3月告示)において適用
    ○ 平成23年度までは従来どおりの取扱いとするが,追加された常用漢字についても,その必要性や使用頻度などを勘案して適宜指導することができる

(3)高等学校

  1. 高等学校学習指導要領における取扱い

    ○ 現行及び新学習指導要領における漢字指導は,改定常用漢字表に基づき実施
    ○ 高等学校においては,様々な生徒が在籍していることを踏まえ,「書き」の指導に当たり,「主な常用漢字」の範囲を一律に示すことよりも,改定常用漢字表の性格(ページ下部注 参照)を十分に周知することで,各学校が生徒の実態に応じて指導できるようにすることが適当。
     
  2. 改定常用漢字表に基づく漢字指導の時期

    ○ 中学校の実施時期と合わせ,平成24年度から行う
    ○ 平成23年度までは従来どおりの取扱いとするが,追加された常用漢字についても,その必要性や使用頻度などを勘案して適宜指導することができる

学校教育での筆写(手書き字形)の取扱いについて

    ○ 筆写の楷書字形(手書き字形)と印刷文字字形の違いが,字体の違いに及ぶものについての筆写の楷書の指導について,高等学校においては,特に筆写の指導において標準とする字形を示すことはせず,各学校が中学校までの指導を踏まえて,生徒や教材等の実態に応じて適切に指導することが適当
    ○ 中学校における筆写の楷書は,これまでと同じく印刷文字字形に倣って指導することを標準とすることが適当。なお,それぞれの漢字の特性や生徒の実態に応じて,字体の違いに及ぶ指導を行ってもよい
    ○  児童生徒が書いた漢字の評価については,指導した字形以外の字形であっても,指導の場面や状況を踏まえつつ,柔軟に評価することが適当

関連する事項

(1)教科書における対応

    ○ 教科書については,次のような段階的な措置を取ることが適当。

  • 平成24年度以降使用する中学校国語教科書,高等学校の「国語総合」及び「国語表現Ⅰ」の教科書については,改定常用漢字表又は追加漢字一覧等を巻末に掲載
  • 改定常用漢字表に基づく新しい表記は,小・中・高等学校の全部の教科書について,平成24年度以降,適宜行う
  • 中学校及び高等学校の国語教科書について,教材の差し替え等の改訂は,それぞれの国語教科書の適当な検定の機会に行う

(2)高等学校及び大学の入学者選抜試験における対応

    ○ 高等学校及び大学の入学者選抜試験における漢字の出題等は,受験者の負担を考慮し,次のような配慮の下に行われることが適当。なお,大学の入学者選抜試験における対応については,大学関係者と高等学校関係者との間で協議を行うことが求められる。

  • 改定常用漢字表の範囲での出題は,平成27年度入学者選抜試験から行う
  • 漢字の出題等に当たっては,改定常用漢字表の性格(ページ下部注 参照)にある考え方を関係者に十分周知

(3)その他

  1. 追加された常用漢字等の指導に関する資料(教材)の作成について
    ○ 文部科学省において,学校の指導に参考となるような,追加された常用漢字等に関する資料(教材)の作成について検討。
     
  2. 追加字種の音訓及び追加音訓等について
    ○ 各学校段階における音訓の指導に資するよう,追加字種の音訓及び追加音訓等について,速やかに現行の「音訓の小・中・高等学校段階別割り振り表」に追加
  3.  (注)「情報機器の使用が一般化・日常化している現在の文字生活の実態を踏まえるならば,漢字表に掲げるすべての漢字を手書きできる必要はなく,また,それを求めるものでもない」(文化審議会答申(平成22年6月))

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