資料3-2 平成22年度全国学力・学習状況調査 新たに分かったことの例

○教科に関する調査

○今年度の中学校調査は、平成19年度小学校調査を受けた児童が調査の対象であったことから、その結果を踏まえた問題を出題したところ,次のような設問で課題が見られた。中には小学校から引き続き課題が見られるものもあり、小学校・中学校を通じた継続的な指導が必要である。

(中学校国語)

A3一スピーチなどにおける話し方の工夫をとらえる。(正答率59.7%)

平成19 年度小学校調査では、聞き手に分かりやすいスピーチのために大切なことを理解しているかどうかをみる問題(A7)を出題したところ、正答率は55.8%であった。話し方の工夫をとらえることに引き続き課題がある。

(中学校数学)

A5(4)円柱の体積を求める。(正答率43.2%)

平成19 年度小学校調査(円の面積を求める。正答率73.2%)においては,円の面積を直径×円周率や半径×円周率で求めている解答が9.3%であったが、同様の誤りをしたと考えられる生徒(解答類型8)が今回も11.9%おり、円柱の体積を求める場面でも、底面の円の面積を求める際に円周の長さなどと混同している生徒が同程度いると考えられる。

平成19小A5(3)円の面積(正答率73.2%)平成22中A5(4)円柱の体積(正答率43.2%)

 

○児童生徒質問紙

○3歳から6歳までの間に、「幼稚園に通っていた」児童生徒、「保育所に通っていた」児童生徒、「どちらにも通っていなかった」児童生徒の順に、正答率が高い傾向が見られる。

質問35保育所や幼稚園に通っていましたか。小学校国語A正答率幼稚園に通っていた85.4保育園に通っていた82.1どちらにも通っていなかった70.5。国語B幼稚園に通っていた80.7保育園に通っていた75.9どちらにも通っていなかった63.2。算数A幼稚園に通っていた76.8保育園に通っていた72.1どちらにも通っていなかった62.3。算数B幼稚園に通っていた52.1保育園に通っていた47.1どちらにも通っていなかった38.2。中学校国語A幼稚園に通っていた77.9保育園に通っていた74.5どちらにも通っていなかった67.1。国語B幼稚園に通っていた68.7保育園に通っていた64.3どちらにも通っていなかった56.6。数学A幼稚園に通っていた68.9保育園に通っていた63.0どちらにも通っていなかった54.5。数学B幼稚園に通っていた48.1保育園に通っていた41.8どちらにも通っていなかった33.8。

 

○学校質問紙

家庭学習・家庭との連携

○平均正答率が5ポイント以上全国平均を上回る学校(A群)の方が、5ポイント以上全国平均を下回る学校(B群)より、国語・算数(数学)の指導について、家庭学習の取組として、調べたり文章を書いたりしてくる宿題を出していたと回答している割合が高い傾向が見られる。

質問81(80)家庭学習の取組として、調べたり文章を書いたりしてくる宿題を出していますか。( )内の質問番号は、中学校調査の質問番号である。A群及びB群による比較を行っているグラフについては、小学校第6 学年又は中学校第3学年の学級数が2学級以上の公立学校(特別支援学校を除く)について分析している。国語A・B、算数(数学)A・Bのすべてにおいて、学校の平均正答率が、公立学校に在籍する児童生徒の正答率の全国平均を5ポイント以上上回る公立学校を「A群」、全国平均を5ポイント以上下回る公立学校を「B群」とする。小学校A群よく行った16.7どちらかといえば、行った63.2あまり行っていない20.1全く行っていない0.0。B群よく行った5.5どちらかといえば、行った51.3あまり行っていない42.7全く行っていない0.5。中学校A群よく行った18.2どちらかといえば、行った52.6あまり行っていない27.4全く行っていない1.8。B群よく行った3.5どちらかといえば、行った40.9あまり行っていない54.8全く行っていない0.8。

 

 

全国学力・学習状況調査の活用

○全国学力・学習状況調査や学校評価の結果等を踏まえた学力向上の取組について、保護者や地域の人たちに対して働きかけを行った学校の割合は、小学校は約74%、中学校は約63%である。

質問49平成21 年度調査や学校評価の結果等を踏まえた学力向上の取組について、保護者や地域の人たちに対して働きかけを行いましたか。22年度調査小学校はい73.7いいえ26.2。中学校はい63.0いいえ36.3。

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