全国的な学力調査の在り方等の検討に関する専門家会議(第1回) 議事要旨

1.日時

平成22年6月10日(木曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省3階1特別会議室

3.出席者

委員

相川委員、天笠委員、有馬委員、岩田委員、小川委員、梶田座長、小宮委員、柴山委員、志水委員、清水(静)委員、清水(哲)委員、田中委員、渡部委員

4.議事要旨

(1)本専門家会議の座長として梶田叡一委員が選任された。

 

(2)事務局より議事運営について資料1に基づき説明があり、承認された。

 

(3)座長代理に荒井克弘委員が選任された。

 

(4)事務局よりこれまでの全国学力・学習状況調査及び今後の在り方についての主な検討項目等について資料2から資料5に基づき説明があり、その後、これらに関する意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。

○これまでの全国学力調査の目的には背反がある。一つは教育改善を図ることで、そのためには調査問題を公表し子どもたちに個票を返さなくてはならない。もう一つは、教育施策の検証。これが難しく、1学年の学習内容をカバーするには1教科300問程度の問題が必要であるが、これを数十分間の調査で行うことは不可能である。我が国では、PISAやTIMSSのような国際水準のテスト技術が使われていないが、経年比較の必要性も考慮すると、この部分は現在の学力調査とは別のPISA、TIMSSのようなものを目指していく必要がある。

○「活用」を出題したり、調査結果を返して教育改善に役立てるなど、従前の調査ではできなかったことに挑戦的に取り組んできた。今後の改善の方向として、教科横断的な普遍性に重点を置いて、「活用」を押していけば有意義でないか。今後の調査については、4、5年を1パッケージとし、何年かに1回、悉皆調査をすればよいと思う。その間は、小規模の精密な調査で課題の解決に取り組めばよい。

○3年に1回は悉皆調査でデータをとって改善を図ることが必要ではないか。分析ツールの改善が更に図られれば、希望利用の学校でもPDCAサイクルがまわせるので、ワーキンググループで検討を深めていく必要がある。

 理科、社会、英語についても全国学力調査に取り込み、そこからヒントを得て新学習指導要領の趣旨をよい方向に後押しして欲しい。

○抽出調査において調査結果を返却する場合、調査対象となった子どもと対象とならなかった子どもとの間に不公平が生じないか。この点についての考え方はどうか。

○過去3年間に、実施要領に沿わない形で、市町村、学校の調査結果が開示された事例があった。今後この問題にどのように対応していくのか。

○学習指導要領では、関心や意欲なども学力と捉えているが、全国学力調査における学力の捉え方についてはどうか。今後の方向性も含め伺いたい。

○国立教育政策研究所における各教科の問題作成のための人員体制はどうか。

○希望利用の希望は市町村単位なのか、学校単位なのか、同じ市町村内で参加、不参加のばらつきがあるのか。

○調査の目的は、平成22年度調査の目的を踏襲していただきたい。本調査の調査問題は良問であり、中学校では希望利用もあり75%が参加することとなった。悉皆調査を検討してもよいのではないかと思う。学習指導要領、教科書、そして本調査が一体となりPDCAにのっとり教育委員会や学校が取り組むことができる調査としていただくようお願いする。

○悉皆調査は負担が大きく抽出となってよかったと思う。児童生徒の水準の把握は重要だが、全国的な状況の把握であれば抽出率は数%でよい。県ごとの把握のために30%となったが、そもそも県ごとの把握が必要と考える理由は何か。また、希望利用により、実質的に悉皆調査となっている県があることについて、文部科学省としてどう評価しているのか。

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初等中等教育局学力調査室