【資料4】向山委員発表資料
幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続について
平成22年4月23日
中央区立泰明小学校長・同幼稚園長
向山 行雄
1 円滑な接続を努力すべき小学校の現状
- 「子どもと向き合う時間」の確保 40年ぶりの授業内容・授業時間増への対応
- 教員の多忙感の臨界点 月34時間の超過勤務と7時間45分勤務時間制への移行
2 ○○教育の過多
- 幼保小の連携も「幼小連携教育」のように○○教育の一つととらえがち
- この20年ほど「○○教育」という課題教育が過多となり、学校ではパンク状態
- 学校(幼稚園)が「○○教育」するのは、実行すると大きなメリットがあるか、実行しないと大きなデメリッがあると校(園)長が判断して、教職員も同意したとき
- 「○○教育」の関係者が、その趣旨を声高に叫んでもあまり効果はない。学校には訴求すべき優先事がいくつもあるのだから
- 「○○教育」を推進させるときは、実行する側の時間コストを考えるべき
- 時間の投資対効果の見えにくいプランは「絵に描いた餅」になるだけ
- これまでの多くの「○○教育」プランは校長室(園長室)しまわれたまま
3 効果あるプラン策定のために
- これまでの「幼小連携プラン」が伝播しにくかったことを冷静に総括する
- 「小1プロブレム」の解決に効果があり、時間的コストが少ないことを提案する
- その際、
- 小学校教員の多くは「小1プロブレム」の主原因が家庭教育にある
- 「小1プロブレム」の要因は入学前にあり、入学後初めても効果は薄い
- 幼稚園や保育所の保育方法が千差万別で集団生活のルールの統一性がない
- 特別支援の必要な子どもについての考え方に違いがあるから入学後に混乱と考えがちな傾向に対して有効な提言をできるかどうかが鍵である
4 円滑な「接続」だけでなく、円滑な「開始」を
- 学校が変われば、保護者も子どもも気分を一新する それが親子の成長の糧になる
- 「今日から一年生だから甘えない」「今日から中学生で大人料金」という家庭内や社会の風潮が世界に冠たる我が国の教育の美風を育ててきた
- 「幼保小連携」「小中連携」「中高一貫・中高連携」「高大接続」「通常の学級と特別支援学級の交流」「学校と地域連携」などは、それぞれの学校園が自立しながら無理なく実施
- そうでないと、本来の機能が不鮮明になりその存在そのものが溶解していく
5 各校種の指導観の違い 20年間で3600学級での授業・保育参観をした教訓
- ある幼稚園ホールでプールごっこ 数名の女子熱中、数名の男子ぼんやりの場面
- その園の力量ある○先生の助言「うちの子どもをスイミングに入れたいんですが・・・」
- もし、小学校教師なら「熱中している女子をほめて遊びを充実させたがる」
- もし、中学校教師なら「ぼんやりしている男子を指導して遊びを充実させたがる」