【資料3】北條委員発表資料

 幼稚園教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について

北條 泰雅

 

中教審答申(17年1月28日) 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について

 幼児教育充実の必要性を提唱し、今後の具体的方策について提言。

  • 幼児とは小学校入学前の者。幼児教育とは、幼稚園等施設、家庭、地域社会における教育。
  • 幼児期の発達の特性を踏まえ、遊びを重要な学習として位置づける。幼稚園教育は環境を通して行う。
  • 幼児教育の意義は、生涯にわたる学習の基礎を作ることにある。
  • 子どもの育ちの現状における問題点。基本的生活習慣が身についていない。他者とのかかわりが苦手。自制心や耐性、規範意識が育っていない。運動能力の低下。小1プロブレム。
  • 幼稚園園児の8割は私立。市町村教育委員会の積極的役割が求められる。
  • 「協同的な学び」 共通の目標をもち、協力工夫して解決する。
  • 幼児期から児童期への教育の流れを意識して、教育内容、教育方法を充実する。興味や関心に沿った活動→教科学習への接続を踏まえ、興味や関心を生かした学びへ
  • 幼稚園教育要領において、小学校教育との連携の推進についてより明確化する。
  • 教員免許の併有
  • 公立、私立の幼稚園などに共通する施策の円滑な実施を図るため、法令上の扱いを含め、教育委員会の役割を明確化することを検討する。

 

初中分科会 教育課程部会の審議

(発達や学びの連続性を踏まえた幼稚園教育の充実)

  • 幼稚園教育の基本に基づき、その後の教育の基礎を培うことを明確にする。
  • 教師間の意見交換、幼児と児童の交流の促進。
  • 集団生活の中で自発性や主体性を育て、幼児が共通の目的を生み出し、協力工夫して実現するという 協働する経験を重ねる。
  • 規範意識の芽生えを培う。
  • 心が動かされる体験、体験の関連性を重視する。
  • 言葉による感動、思い、考えの伝え合い。
  • 遊びの中で好奇心や探究心を育て、思考力の芽生えを培う。
  • 食に関する活動の重視。
  • 表現に関する指導の充実。

(生活の連続性を踏まえた幼稚園教育の充実)

  • 自分のよさに気づく。自分が家族から愛されていることを感じる。→自己発揮
  • 家庭と連携し基本的生活習慣を身につける。
  • 保護者との信頼関係→理解と協力

 

幼稚園教育要領(平成20年3月告示)

 内容と内容の取り扱いにおいて追加、充実

 第3章第1 指導計画の作成に当たっての留意事項

  1. -(4)心が動かされる体験、体験の関連性について新設
      (8)家庭との連携の具体例を追加
     
  2. -(5)幼稚園教育と小学校教育の円滑な接続のため、幼児と児童の交流の機会を設けたり、小学校の教師との意見交換や合同の研修の機会を設けたりするなど、連携を図るようにすること。  新設

 

小学校学習指導要領 第1章総則 第1指導計画作成に当たっての留意事項

 幼稚園や保育所などとの連携や交流を図る。

 

検討事項

1  発達と学びの連続性について

 発達と学びは当然連続している。教育方法が異なっている。
 幼児期の発達の特性にふさわしい教育方法=幼稚園教育の基本
   幼児が体験を通して周囲の事象を体系化し、自分の中に取り込んでいく。

 幼小の接続をより意識した教育課程、指導計画→幼稚園教育要領
   年長の2学期ごろから、小学校での生活や学習を意識する。

 小学校の生活、音楽、図画工作、体育、道徳などの教科に関して、幼稚園との接続を意識した学習指導要領の記述を求めたい。

 

2  連続性を確保するための教育方法について

 段差はあってよいが、よりスムーズな移行期の対応が必要。
 幼児期に自分が大切にされている、他者の話をしっかり聞き取るなどの共通の経験を保障しなければならない。園の規模、学級の規模も関係が深い。
 教科学習を幼児期に前倒しすることは意味がない。非体験記憶は定着しない。
 教育方法の移行期は小学校低学年と考えてよいのではないか。
 小学校の教員は児童との愛着関係の強化に意図的に取り組むべき。
 義務教育段階から高等学校教育に至るまで、体験学習、総合学習が一層重視されるべき。

 

3  その他

 私立幼稚園(保育所)と公立小学校との円滑な接続を中心課題としなければならない
市町村教育委員会の積極的役割が求められる。

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初等中等教育局幼児教育課