校訓等を活かした学校づくり推進会議(第3回) 議事要旨

1.日時

平成21年7月28日(火曜日) 15時~17時

2.場所

虎ノ門パストラル 4階「ミント」

3.議題

  1. 「校訓を活かした学校づくりの在り方について」報告書(案)
  2. 「校訓を活かした学校づくり」の今後の推進方策について

4.出席者

委員

天笠座長、大島委員、西野委員、冨士原委員

文部科学省

磯谷児童生徒課長、岸田生徒指導室長、粟野児童生徒課生徒指導調査官 他

5.議事要旨

開会

議事要旨

(1)事務局から「校訓を活かした学校づくり報告書(案)」について説明があった後、討議が行われた。

(2)事務局から「校訓を活かした学校づくり」の今後の推進方策について説明があった後、討議が行われた。

 ○「校訓を活かした学校づくり報告書(案)」について

【事務局】報告書(案)の構成は、最初にこの会議が設けられた趣旨やミッションについて触れた後、1.「『校訓』を活かした学校づくりの意義」、2.「校訓を活かした学校づくりの実例」、3.「校訓を活かした学校づくりの進め方」、と続き、最後に「校訓を活かした学校づくりの推進に向けて」ということでこうした取組を積極的に推進してほしいという思いを述べている。

【委員】全体の文章の中で「生徒」とだけ使ってあって、「児童生徒」と書いていないところがある。特に生徒が中心になって校訓をつくっていくというようなところには、「生徒が」となっているが、校訓づくりは中学校・高校の課題であって、小学校では少し早いという意味か。

【事務局】小学生と中学・高校生では、自主性・自発性を尊重してやってもらうことの重要性が異なると考えられるため、基本的には「児童」と「生徒」で分類をして使い分けている。

【委員】校訓を活かした学校づくりにおいて、だれが中心になるかということで分けるのではなくて、伝統を継承していくパターンと、新しくつくるパターンとに分けたほうがいいのではないか。「三晹しぐさ」のように、児童が保護者、地域と案を出し合った例もある。

【事務局】中・高で生徒が決める場合でも、教員には関心を常に払ってもらって、必要であれば介入や後見的役割をしてもらうことになる。児童についても、高学年になってくると判断力がついてくるため、その線引きは非常に相対的な分類の問題になる。

【委員】校訓の定義で広辞苑の定義を引いて「訓育上の理念・目標」とあるが、教育学では「教育」と「訓育」は分けてとらえるため、教育関係の人間が読むと違和感がある。

【委員】「訓育」という言葉自体は大正時代に、学校教育には知識だけではなく、いわゆる今で言う「心の教育」的な部分もあるということをあらわす言葉として「訓育」という言葉が使われるようになった。この報告書では、「教育上の」と言うほうが適切ではないか。

【委員】報告書に何回か「関係者」という言葉が出てきているが、どのような意味で用いているのか。

【事務局】児童生徒、教員、保護者など「『校訓を活かした学校づくり』に参画していただきたい関係者」という意味で使っている。

【委員】「地域にとっての校訓」という部分で、これは公立の学校を前提にしているということだと思うが、「地域住民の「母校愛」の高まり」という言葉は必要なのか。たとえその地域の公立に通っていなくても、校訓を掲げている学校があるということで地域住民の人たちが関わるという場合も考えられる。

【事務局】地域住民にとって必ずしも母校ではないこともあるので、「「親近感」の高まり」という言葉を記載している。

【委員】児童生徒、教員、地域、それぞれにとっての校訓の意義を記載しているが、「卒業生にとっての校訓」をいう項目を入れてもいいのではないか。地域に働きかけをする場合にも、まずは地域の卒業生を通じた働きかけになるだろう。

【委員】校訓という形で明文化していなくても、それぞれの学校で、地域の方々や子どもたちが、自分たちの学校はほかの学校と違う、こうあるべきだというイメージというものはほとんどの学校にあると思う。学校の教育計画をつくっていくときには、地域の実態や地域保護者の願いを必ず入れるが、より踏み込んで、地域や学校にもともとあった特色をもう一度よく見つめてこの「校訓」を考え直し、また、新しくつくっていく。そうすることで取組が進むと考えられるので、そうした意図が伝わる形にすべきではないか。

【委員】報告書を読む側が、「うちには校訓はないから関係ない」ではなく、「これからそういうものを作ってやっていこう」という思いを持ってもらえるような働きかけが大切である。「校訓」というのは、昔からあるものだけではないという意図や趣旨を記述する必要性がある。

【事務局】「校訓を見直す」という意味は、各学校が1つ1つの校訓を見直すということだけではなく、社会全体で「校訓」の機能や役割、存在意義を見直していくことであるととらえている。その上で、従来の校訓を温故知新していく部分もあれば、新しく標語をつくるということもある。

【委員】報告書の後に事例集が添付されているが、もっと実態が分かるようなものでないと、校訓が全くないような学校にとって活かせるようなものにならないのではないか。

【事務局】すべての学校で絶対「校訓を活かした学校づくり」をやってほしいということではないが、報告書では、「校訓を活かした学校づくり」の意義が伝わるように、その効果や、進めるに当たってのポイントをまとめて、取組の普及につなげたい。

【委員】各都道府県からの事例一覧が一つの情報源として今後活用されるにあたり、なぜうちの学校が入っていないのかといった声が各県から出てくることが考えられるのではないか。

【事務局】事例については、各教育委員会に協力してもらい、集めている。事例集を一つのヒントにしてもらい、各学校に自分の学校でできそうなことを発見してもらうために使ってほしいと考えている。

【委員】「校訓を活かした学校づくりの進め方」について、学校づくりについて取組意識の共有ができていないという学校こそ、校訓を出発点とすることの意義が伝わるようにしたらどうか。

【事務局】「校訓を活かした学校づくりの進め方」については、「取組意識の共有」を図ってから、「関係者全体への浸透」を図るというように、順番にこだわる必要はない。取組意識の共有が完全な一致を得られていない段階でも、まずは学校づくりに着手すること自体が重要であると考えている。

【委員】校訓には世代をつなげていく機能があると考えている。校訓の見直しは、こうした機能を再認識することであり、それを活かすことで、先輩から後輩へ世代をつなぎ、ノウハウを継承していくことができる。その点にも言及すべきである。

○「校訓を活かした学校づくり」の今後の推進方策について

【事務局】今後については、報告書を作成した後、教育委員会と学校に配付する。また、本会議の結論を踏まえ、「校訓を活かした学校づくり」の基本的な考え方について通知を発出することを検討している。その上で、会議における周知を図り、また、報告書を要約したリーフレットの作成、ホームページへの掲載等を考えている。

【委員】地域とともに学校づくりを進めるとか、あるいは先生方の問題意識を深めていくという場合に、この報告書を用いて、演習を行うなど、研修プログラムの開発をしたらどうか。

【事務局】まずは、県単位やブロック単位で、「校訓を活かした学校づくり」の実例について事例検討会等知見を深める取組をしてもらうことになるのではないか。

【委員】学校づくりの核となる校長に校長研修という中でぜひ取り上げてほしい話題だと考える。

閉会

 

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