総則における,教員が「これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること」に対応し,その考え方等の記述を行う。また,「これらの教材・教具を有効,適切に活用するためには,教師はそれぞれの情報手段の操作に習熟するだけでなく,それぞれの情報手段の特性を理解し」「校内のICT環境の整備に努め,生徒も教師もいつでも使えるようにしておくことが重要である」に対応し,その考え方等の記述を行う。
さらに,学習指導要領は主として「教育内容」を定めるものであるといえるが,その教育内容をどのように教えるかといういわゆる「教育方法」について,ICTを活用して指導することやその整備充実を図ることについて,新学習指導要領および解説に明記されていることの重要性についての記述を行う。
「学校評価ガイドラインにおける教育課程の評価」において,「各教科等の授業の状況」の項目で「コンピュータや情報通信ネットワークを効果的に活用した授業の状況」が評価事項として例示されていることの重要性についても記述を行う。
総則における,「それぞれの情報手段の特性を理解し,指導の効果を高める方法について絶えず研究することが求められる」に対応し,そのための方法について記述する。具体的には,指導の効果を高めるための教材研究や校内研修の内容や方法などを記述する。
本項では,ICT活用指導力のチェックリストB1~B4に対応して,小中学校や各教科における具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。また,本項では,教員が指導方法を改善するためにICTを活用する場合を取り上げる。児童生徒がICTを活用する場合については,4章における情報活用能力の育成に関わると考え,ここでは取り扱わないこととする。
学習指導要領解説における,興味・関心を高めるためのICT活用に関わる記述,小学校理科(気象情報の活用),小学校音楽(演奏の仕方),小学校図画工作(写真やアニメーションなどの鑑賞),中学校社会(学習をより豊かにするために様々な情報を多様な方法で生徒に提示),中学校理科(気象情報の活用),中学校音楽(伝統的な歌唱における声の特徴)等を取り上げて,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
学習指導要領解説における,課題を明確につかませるためのICT活用に関わる記述,中学校保健体育(自己の演技と仲間の演技の違いを比較)等や,教科書等を大きく映し課題をつかませるような典型的なICT活用場面を取り上げて,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
学習指導要領解説における,わかりやすく説明したり,児童生徒の思考や理解を深めたりするためのICT活用に関わる記述,小学校理科(人や他の動物の体のつくりや働き,生物と環境の関わり,骨と筋肉のつくりとの関係),中学校数学(統計に関わる資料の収集)等や,ものさし等の道具の使い方の指導や,資料を提示してその読み取り方や解釈を指導するような典型的なICT活用場面を取り上げて,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
学習指導要領解説における,学習内容をまとめる際に児童生徒の知識の定着を図るためのICT活用に関わる記述,中学校社会(世界の諸地域の学習),中学校数学(文字を用いた式の計算)等や,漢字や計算の指導,その際に活用されるフラッシュ型教材等の典型的なICT活用場面を取り上げて,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
本項では,ICT活用指導力のチェックリストA1~A4に対応して,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
教育効果をあげるには,どの場面にどのようにしてコンピュータやインターネットなどを利用すればよいか,授業を計画する場合について,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
授業で使う教材や資料などを集めるために,インターネットやCD-ROMなどを活用することについて,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
授業に必要なプリントや提示資料を作成するために,ワープロソフトやプレゼンテーションソフトなどを活用することについて,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
評価を充実させるために,コンピュータやデジタルカメラなどを活用して生徒の作品・学習状況・成績などを管理し集計するためのICT活用について,具体的な活用事例及びその解説・留意点を記述する。
日常的に普通教室等において,ICTを活用した指導を行うための準備について記述する。具体的には,設置や操作がより簡単で,学校現場で使いやすいICT環境とは何か,教室でのICT機器の設置場所やスクリーンの位置,板書との関係など,教員の指導方法と関連づけて記述する。一方で,ここでは機器の入手といった機器整備に関することは取り扱わない。
初等中等教育局参事官付