資料5 広域調整の仕組みの検討について(これまでの主な意見の例)

総論

  • 都道府県教育委員会は、教職員の人事権の行使に当たっては、都道府県内における教育の機会均等及び教育水準の維持向上のために相当な措置を講じている。(第3回)
  • 離島への異動の問題などは人事権の所在を変更することに伴って新たに生じる問題ではなく現在でもあり、都道府県教育委員会が必要な対応を行っている問題である。ここで議論すべきことは、仮に中核市等に人事権を移譲したとして、教育の機会均等、教育水準の維持向上のために現在都道府県教育委員会が講じている措置と同様のことが、制度上担保できるような仕組ができるかどうかを検討することではないか。(第1回、第3回)

人事異動について

  • 都道府県の中に、離島などの異動希望の少ない地域がある場合には、教職員の配置について、一定の調整を行う必要がある。(第1回~第3回)
  • 教職経験の幅を広げ、資質の向上を図るという観点からも、教職員の円滑な人事交流を行うことが必要。ただ、広域交流の考え方は明確化することが必要である。(第1回~第3回)
  • 教職員の適正な配置や円滑な交流の観点から、一定の期間は主たる勤務地以外の地域で勤務させるなどの広域調整の仕組について検討する必要があるのではないか。(第1回~第3回)
  • 異動希望の多寡などは地域の状況により異なるので、広域調整の仕組についても、地域の状況に応じた弾力的な設計が必要ではないか。
     例えば、離島やへき地などがあり異動希望に偏りがある都道府県の場合、総じて都市部にあって異動希望の偏りがあまりない都道府県の場合などに区分して検討する必要があるのではないか。(第3回)
  • 現行の仕組であれば、都道府県が最終的には人事異動という形式で命令することができる。仮に中核市等に人事権を移す場合には、各年度における異動の実効性を制度上担保する仕組を検討する必要があるのではないか。(第3回)

採用について

  • 同じ都道府県の中で、受験希望の多い地域、受験希望の少ない地域が生じる可能性がある場合については、人材の偏在を防ぐための仕組を設けることが必要ではないか。(第3回)
  • 例えば、都道府県と中核市等が共同で採用選考を実施し、人材の偏在を防ぐような仕組が考えられないか。(第3回)

例1 採用や異動の希望地域に偏りがある都道府県の場合

広域的な人事調整の仕組みの一例

【人事異動】
  • 中長期的な調整の仕組みとして、都道府県が市町村の意見を聞いて「広域人事交流の方針」を策定する
    (例)
    • 県内の○地区を○回経験する。
    • 離島を○回経験する。
    • 1回の交流は、○年~○年間。
  • 年度ごとの調整については、「広域人事交流の方針」に基づき、各市町村において「異動候補者名簿」を作成する。
    (例)
    • 各年度において、都道府県は、「広域人事交流の方針」に基づき、それぞれの学校種、教科ごとの転出入の規模を調整するため、各市町村教育委員会(又は広域連合)に対して、「異動候補者数」を提示し、調整する。
    • 各市町村は、「広域人事交流の方針」及び「異動候補者数」に基づき、「異動候補者名簿」を作成し、市町村相互又は都道府県において調整する。
  • 個々の教職員の実際の異動を担保するため、都道府県に人事の調整権を設けることについて検討する。
【採用】
  • 都道府県と中核市等が共同で採用選考を行うこととする
  • 受験者の配置希望等を考慮しつつ、都道府県と中核市等の間での人材の偏りを防ぐような仕組みを設けることについて検討する。
  • 離島などの応募者が少ない地域については採用の特別枠を設けることについて検討する。

例2 採用や異動の希望地域に偏りがない都道府県の場合

広域的な人事調整の仕組みの一例

【人事異動】
  • 相当規模を有するブロックの範囲内での異動を基本とする。
  • 都道府県が、各ブロックの代表の意見を聞いて、ブロックの範囲を超える「広域人事交流の方針」を策定する
    (例)
    • 都道府県と中核市等は人事交流に努める。
    • 1回の交流は、○年~○年間。
  • 各年度においては、人事異動の際には、各ブロックにおいては、「広域人事交流の方針」に基づき、それぞれ学校種、教科ごとに「交流候補者名簿」を作成する。
  • 相当規模を有するブロックをどのように設定するかについて検討が必要。
【採用】
  • 都道府県と中核市等はそれぞれ独自に採用選考を行うことを基本とする。

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