認定こども園の普及促進について

平成20年7月29日
認定こども園制度の普及促進等に関する検討会(文部科学省初等中等教育局、厚生労働省雇用均等・児童家庭局)

 認定こども園は、幼稚園と保育所の制度の枠組みを超えて、小学校就学前の子どもに対し幼児教育・保育を一体的に提供するとともに、地域における子育て支援の取り組みを充実させる新たな選択肢として導入された制度である。
 平成18年10月の制度創設から1年が過ぎたことから、制度が保護者や地域のニーズに応えているかどうかを検証するため、施設を利用している保護者や施設、地方公共団体に対し実態調査を行った。その結果、保護者の8割近く、施設の9割以上が認定こども園を評価するなど、制度への期待が大きい一方、施設や地方公共団体からは、省庁間や自治体間の連携充実、財政支援、会計処理・申請手続きの改善、制度の普及啓発などについて今後の改善課題として求める声が大きかった。
 平成19年4月現在で94件、20年4月現在で229件と、認定こども園の認定件数は増えつつあるが、制度が十分に活用されているとは言い難い。保護者や地域の多様なニーズに応えることが可能であり、また国民からの期待も大きい認定こども園制度の一層の普及促進を図るべく、以下の施策を展開していく。

1.こども交付金制度の創設等

  •  「新待機児童ゼロ作戦」の集中重点期間(平成20~22年度)の緊急整備のための資金等からなる「こども交付金」を創設し、国・地方による幼稚園・保育所の枠組みを超えた総合的な財政支援を検討する。
  •  国・都道府県・市町村を通じた交付金の申請・執行の一本化を推進する。

2.運用改善等

(1)会計処理の改善

  •  負担金と補助金間の年度内資金貸借の弾力化
  •  こども交付金により、幼保の枠組みを超えた統合的な補助の仕組みを整備し、経理処理も含めた補助手続きを改善
  •  会計処理弾力化へ向けた専門家も交えた具体的検討の実施

(2)制度の普及啓発等

  •  認定こども園パンフレットや好事例集の作成
  •  認定こども園制度のQ&Aの改訂・充実及びHP掲載(アンケートの結果、制度上可能であるのに不可能と誤認されているケースへの対応等)
  •  全国の認定こども園との継続的な意見交換及び情報交換や、地方への認定こども園制度の説明等の実施

(3)認定申請手続等の簡素化

  •  認定に係る申請手続等に関する事務マニュアル作成

(4)監査事務の簡素化

  •  一定の条件を満たした場合の監査の簡素化についての具体的検討の実施
  •  監査事務に関するガイドラインの作成

(5)その他

  •  幼保連携型の保育所定員と単価の適用区分に関して、認定こども園であることが不利にならないような取扱いについて検討
  •  認定こども園を構成する認可外保育施設の児童に対する災害共済給付適用について、認定こども園の制度改善・制度改正とあわせて検討
  •  国庫補助により整備された施設の認定こども園への転用(財産処分)手続きの簡素化
  •  幼稚園教員免許資格、保育士資格のさらなる併有促進へ向けた具体的方策について、幼稚園教員、保育士資格の双方において検討

3.認定こども園の制度改革の検討

  •  認定こども園の制度改革に向けた検討については、地方公共団体、利用者等の関係者の意見を踏まえ、平成20年度中に結論を得ることとする。