指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインに関する調査研究協力者会議（第7回）議事録

1．開催日時

平成19年12月26日（水曜日）10時〜12時

2．開催場所

文部科学省3F応接室

3．議題

1. ガイドラインに関するこれまでの意見の整理（案）について
2. その他

4．出席者

5．議事

　配付資料について事務局から説明が行われ、その後、委員の間で以下のとおり意見交換が行われた。

• 　この人事管理システムに関するガイドラインについては、再々この会議の冒頭等で申し上げていますが、改正法に基づく指導が不適切である教諭等の定義、あるいはそういった教諭の把握や申請、さらには専門家等からの意見聴取、指導改善研修のあり方、あるいは研修終了時の認定、その後の措置といったようなこと、一連のことが任命権者である教育委員会において20年4月1日以降、円滑に実施されていくようにするため作成するガイドラインです。それはあくまでも法に準拠してやっていくわけですけれども、ただ、この会議を重ねるごとに委員の皆様からご意見をいただいて、例えば今の説明の中にもありましたように、要は指導が不適切な教員とならないようにするためには、学校がどういう教育環境でなければいけないか、あるいは校長等が孤立しないように、任命権者である教育委員会はもちろんですが、服務監督者である教育委員会等も協力して、そうならないような学校運営のあり方といった未然予防的なことにまで配慮したガイドラインになってきているというように思っております。
  　それでは、今の説明に基づいて項目別に区切って議論を深めたいと思います。
• 　その前に一言だけ発言させて下さい。この資料ですけれども、意見の整理としてこの会議資料をまとめておりますけれども、本日またご意見をいただきまして、それを反映させたものを文部科学省としてのガイドラインの中間整理の案という形でパブリックコメントにかけて、1カ月間のパブコメが終わった後、その意見を踏まえてまた1月末にお集まりいただいて、最終ガイドラインとするためのご議論をいただきたいというふうに考えております。
• 　わかりました。そういったことも踏まえて、委員の皆さんからご意見等をいただきたいと思います。
  　それでは、先ほど言いましたように項目を区切って、最初に「はじめに」といったところと、第1番目の「教員の資質能力の向上に関する基本的な考え方」、さらには「『指導が不適切である』教諭等の定義」といったようなところ、そのあたりまでについて、先ほど非常に丁寧に説明いただきました。これまでの議論を踏まえて、このように修正されてきておりますが、このことについて改めて意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  　「はじめに」というのは、このガイドラインの作成に当たって、こういった時期でこの取り組み方といったことには特には問題ないと思いますが、その次の3ページのところで、教員に求められる資質能力というのは、これまでもいろいろな中教審とか教養審とかいろんなところが出てきていますが、改めて今、社会的な問題になっている教員の資質能力といったようなことについては、このように考えるという基本的な考え方が整理されているわけですが。
• 　3ページの中教審答申の引用について質問したいのですが、教員の資質能力についての国の見解というのは、基本的に昭和62年の教養審答申と平成9年の教養審答申が基本だと思うんです。この平成17年10月の中教審答申は、意味はわかるんですけれども、平成9年答申との関連が説明しにくくなるなと感じていました。平成18年に免許更新制に関する中教審答申が出たときに、いずれの答申文も重要なものであるというふうに、全てを認めるというまとめ方をしてくださっているんですが、もう少し頭の中の整理がつくようなご説明がいただければありがたいと思います。
• 　ここに記載した趣旨については、一番最後の答申を入れたということでして、ご指摘を踏まえて整理したいと思います。
• 　一応、平成17年答申のほうがわかりやすくはあるんです。ただ、将来的には、教員養成施策との関連で平成9年答申と平成17年答申との概念整理をするような作業が必要かなというふうに思っておりましたので、申し上げさせていただきました。
• 　この会議でも再三そういったことを話してまいりました。ただ、私も、昭和62年の教養審に出ていたものがやや抽象的というか、教員の資質能力とはこうあるべきといったようなことで、いつの時代にも求められる資質能力、時代の変化が激しいときにはこういう資質ということで、かなり膨大な文言になっていて、具体的に望まれる教師像としてのイメージがつきにくいというきらいはあったような気がするんです。これが平成17年の中教審では、今、おっしゃったように、学校教育現場では非常にわかりやすい表現になっているので、どちらかというとこのほうがわかりやすいかなという気はしていますけれども、ただ、今言われたように少し整理する必要があるかもしれません。このことについて何かありますか。
• 　内容的には別にこれでいいと思うんですが、ただ、3ページの「資質能力の向上に関する基本的な考え方等」のところを読んでみますと、私、昨年度、自殺対策の基本法の大綱づくりの委員会にいたんですけれども、その際、教育領域は何か別個にされてしまう感じがあって、やはりそれは違うと思いました。先生たちも、ある意味では労働者として大きな教育という職場の中にいる人なので、そういうところも含んで考えてほしいということを言ったんですが、そういう意味で、3ページの一番下のところに書かれている学校というのは、こういった「個性豊かな人材によって構成される教員集団が連携・協働する」、これはいいんですけれども、それと同時に、やはり教員も生き生きと仕事ができるような職場環境や、教員たちが何か困難を感じたときにすぐ援助が受けられる体制をつくっておくことが必要であるといった一文というのは入らないものでしょうか。そういうことがあると、校長もこういうふうに対応していくですとか、あるいは病気だったら治療しなさいというふうに言っていただくとか、その辺がやりやすくなるのではないかなと思うんですけれども。
• 　どうでしょうか、今の意見について。民間企業等では、今、そういった職場環境をどう整えるかというような体制がつくられつつあると思います。例えば、メンターというような考え方ですね。児童生徒が、例えばいじめとか色々なことがあったら、それに対しては組織的にそういうものを早期発見し、子どもたちの学習活動が円滑に行えるという体制はかなりできているんですが、実は教師に対しても職場環境を整える必要があるといったようなことかなと思います。
• 　そうですね。やはりこれだけ読んでいくと、先生ってものすごく大変だなという感じがしてきますので。
• 　先生もある意味では人間として学んだり、つまずいたり、いろんなことがある。
• 　そうですね。やはり先生というのは、こういう仕事をされているだけに、子どもに対する影響力はとても強いですから、先生の不安定さは子どもの不安定さにつながっていくので、少しそこのところは気になるところですね。
• 　確かにこれまでの意見の中でも、先生というのは、ほっておけばどんどん自分で何とかしようというか、どんどん自分自身を追い込んでいくという、そういう職業柄でもあるということで、そういうことも必要ではないかという話がありましたね。
  　そういう意見も踏まえて、また。ほかに何か。
• 　8ページの最初の丸のところなんですけれども、ここの1行目から2行目にかけて「知識、技術、指導方法その他教員として求められる資質、能力が不十分であるため」という文言が前回の案に比べて加わっていると思うんです。これは、より明確になっているという感じもするんですが、ただ、17ページの2番目の丸にあるように、認定に当たっては、教師の能力のほうに注目した評価項目のほかに、子どもたちの反応に注目した評価項目もありえます。つまり、能力が不十分であるということを実証するのは結構難しいので、このようにガイドラインではっきり書きますと、教育委員会でも能力が不足するという項目をきっちりつくり上げて、それに従って実施をしなくてはいけないという流れになりはしないかということを若干危惧いたします。
• 　この辺も今までも意見の分かれるところですが、明確に示すことがいいか、あるいは枠で囲ってあるところで、各都道府県、任命権者である教育委員会がこれに基づいて判断するということのほうがいいのか。
  　今の意見に対して、このままでいいんだといったご意見はございますか。
• 　このままのほうが、認定をしていくときにやりやすいと思います。それはなぜかといいますと、人事評価とのつながりの部分で、例えば実績であるとか、意欲であるとか能力というような観点から評価をしていきますと、そこで能力について一定程度の評価があれば、そのことをもって教育委員会として、認定へむけて校長を支援していくというようなアプローチもできるのではないかなという意味で、能力があるということは1つの視点として扱いやすいなというふうに、今、個人的には感じておりました。
• 　先ほど話があったように、これによって教育委員会がかなり縛りをかけられたようにずっと項目を設けていくということはどうか、という意見ではあるんですけれども、どうでしょうか。今までの指導力不足教員の対応についても、こういった部分を特に強調して、その要因としてあげられるものを、、、のようにして、教員としての資質能力といったようなことを改めて挙げているところはかなりあるわけですけれども、前段としてこういうことも指導が不適切であるということの要因となり得るような展開だと思っておりますが、よろしいでしょうか。
• 　この文章の趣旨としては、特に資質能力という部分に大きな含みを持たせたいということではなくて、定義ですので、指導が不適切な人であるということではなくて、少し書き下そうと思うと、何となく下の、、のような状況がある人で日常的に児童等への指導を行わせることが適当ではない。、、のことを言いたいわけですけれども、そのときに、こういった教員として求められる資質能力というふうにくくると少し話が膨らみ過ぎるんじゃないかということがあれば、ご意見をいただきたいと思います。
• 　指導不適切の定義との関係が問題になるというのは、そのとおりだろうと思いますが、総合的な人間力といいますか、同僚教員との協調関係、これはかなり重いんじゃないかという議論もあったと思いますが、それが落ちてしまう感じがするんですが、それはどこで読もうとしているんですかね、8ページの定義との関係でもあるんですが、この「児童等の心を理解する」の部分に入ってくるんですかね。
• 　定義との関連ですね。要するに、3ページの求められる教員の資質能力という中の「総合的な人間力」、実はこの部分は非常に大切ですが、ただし、定義ということについてこれを具体的に書き表すことは、先ほど話があったように、そういったことも含めて8ページの丸の最初のところにあるのではないかと私は思っているんですけれども。
• 　ある意味、3ページと8ページの定義は1対1対応をしているものではなくて、教員養成、資質能力向上全体の話をするのに当たって引用した部分ですので、これが即、逆に不適切の定義になるとは考えていません。
• 　従前の議論ですと、独善的といいますか、同僚教員との協調関係がないということもかなり大きな重みがあって、そういったコミュニケーション能力を育成していかなければいけない場面が大きいのではないかという議論があったと思います。それを落とすのか落とさないのかという問題があります。
• 　結果として、、、ののどこかで入ってくると思います。
• 　どこかに入るという理解なら、それはそれでいいんですが。書き方だけですと、児童等というのは児童生徒、あるいは保護者が入るのかどうかはっきりしませんけれども、その範囲が狭いのかなという、印象です。
• 　繰り返すようですが、今の話も含めて、先ほど話があったように、8ページの1行目、「ここでいう『指導が不適切である』教諭等とは、知識、技術、指導方法その他教員として求められる資質、能力が不十分であるため」といったところに含みを持たせて、例えばそれは、3ページで言う「総合的な人間力」とか「コミュニケーション能力」とか、個別具体的に教科等に関する専門的知識あるいは指導方法が不適切とか、もろもろの教員として求められる教師像の中にこういう要素が入っていると私は理解しているんですが。少しこれでは弱いという意味でしょうか。
• 　弱いという意味ではなくて、「等」の中に入るんだと読めば別に矛盾しているとは思わないんですが、さらっと読むと、子どもたちとの関係だけを言っているのかなと受け取られないでしょうか。
• 　確認ですが、この1つ目の丸をずっと読んでいきますと、最後に「直ちに後述する分限処分等の対象とはならない者をいう」という言い方をもう一つでされているんですけれども、そうしますと、「直ちに後述する分限処分等の対象とはならない」というのは、8ページの下の2つの丸のことを指されているのかなと思うんですけれども、そうしますと、下のほうで「適格性に欠ける者や勤務実績が良くない者」の程度が軽い人というふうに読みようによっては読めてしまいますけれども、そういう認識でよろしいでしょうか。例えば、勤務の実績がよくない人とは分けるというお話が今まではあったのかなと思うんですが。
• 　下に書いてあるのは、分限処分として法令に書かれているものに該当すると任命権者が判断できる人、そういう人はこの定義の中に入ってこないということであって、勤務実績も程度があって、良い、悪いがあると思いますけれども、分限すべしという判断までできる人は入らないということです。
• 　そうしますと、「教員として適格性に欠ける者」という部分は、1つ目の丸で2行目の「資質」というところに係るものと同質のものではないかとは思うのですがいかがでしょうか。
• 　今、言われたように、そういった適格性も含めた資質能力が不十分である、若干、適格性に欠けるとまでは言わないが不十分であるために児童生徒等への指導が適切でないというふうに汲み取って、著しく適格性に欠けると任命権者が判断した場合は、これは直ちに28条の2項でやっていくと解釈して下さい。
  　よろしいでしょうか。それでは、また後ほど時間等があれば、通して意見を求めますが、特に、11ページ以降、「『指導が不適切である』教諭等の把握及び報告・申請」、ここでも議論がありましたように、そういった教諭がいるということについて、教育委員会あるいは学校等がわかっていても、それが報告・申請という手順を踏まなければ一向に解決されない。その辺をこのガイドラインの中にどう盛り込むかということでかなり工夫されたところですが、一番大事なところであると思います。3番あるいは4番の「専門家等からの意見聴取の在り方」といったところについて、これはリンクすると思いますので、ご意見等があれば伺いたいと思います。
• 　11ページの一番下の「校長による把握」の中身ですけれども、校長は早期に「指導、助言その他の支援を行うことが重要である」という次ですけれども、その際、指導上の課題を明確にし、共通理解を持つことができれば、早期に課題を解決することができることを理解させる、この部分が非常に大事だと思うんですが、共通理解を持つということではなくて、共通理解を持って課題が改善されたらという観点が1つ抜けているのではないかと思います。そうでないと、ちょっと緩いような気がするんですけれども、共通理解をし、さらにその中の取組によって課題が改善されたらというセンテンスが要るんではないかと。いかがでしょうか。
• 　特に2行目からの括弧書きですね。その中身で校長のあるべき姿といったようなことをどこまで盛り込むかということですが。
• 　私もその部分についてはとても大事にしていかなくてはいけない校長としての取組かなと思います。やはり、教員に対しての課題というのは、こういうことが課題であるよということをきちんと伝えて、そのことのために改善を目指したり、取組を日常的に行っていかないといけない、それが最初にあるわけで、そのことを行わないというのではなくて、幾らそれをやっても改善されない場合もあるわけですよね。ですから、やはり教員に対しては、課題をはっきりと伝えていくということが大事で、そのことに対してまた多様な目で見ていくというのも必要になってくるということが前のほうにも後ろのほうにも書かれているので、いろんな視点から教員を見ているというところは大事にしていきたいと思っています。
• 　どういった文言でこれに含めるかということは、まず校長は、学校にあって、当該教員も含めて、まず日ごろからの活動を通して共通理解を持つことが大切だと、そういう状況があれば、例えば指導が不適切だということには至らないというようなことを強調する意味であればこのほうがいいと思います。先ほど話があった、共通理解を持ち、さらに指導が不適切な状態に至らないようにするというところまでは難しいかなと思います。よろしいでしょうか。ほかに何か。
  　最初に申しましたように、本ガイドラインの一番苦慮したというか、11ページ、12ページですね。要するに、報告・申請に至るまでに学校は、特に校長は、当該教員を含めてどうあるべきかといった点で、かなりこの委員会での趣旨が盛り込まれていると思いますが。
• 　12ページの4つ目の丸で「県費負担教職員について、都道府県教育委員会は任命権者として」という文章がありますが、この都道府県教育委員会は、多分、広義の事務局を含めた教育委員会だと思うんですけれども、そうすると3行目のところで、例えば「教育事務所等を通じて」ということになっているんですが、教育事務所は県教育委員会の組織でございますので、少し違和感があるかなと思いまして。例えば、この「教育事務所等を通じて」はなくてもいいのではないかと思います。場合によっては、「において」とかそういう表現ならいいのかなとは思うんですけれども。
• 　ここの趣旨は、私たちも都道府県教育事務所としての意味で記載しておりまして、要は、そこが広い域内で、それぞれ地域を把握されている拠点となっておりますから、中核たる都道府県教育委員会だけではなくて、事務所が市町村教育委員会と連携しながら状況を把握するという趣旨で記載をさせていただいているところです。
• 　そこの「教育事務所等」の「等」は何を指しているのですか。
• 　教育事務所だけに限らない話だと思います。まさに本体の教育委員会もありますでしょうし、そのほかに関係機関が各都道府県等でありましたら、そういうところとも連携もしながら状況を把握してほしいということです。
• 　機能的にしたいという意味なんですね。要するに、実際、現場に行ったときに、事務所などが結びつきながらやったほうが円滑にいくということですね。
• 　そうです。都道府県教育委員会だけで抱え込んでも、特に大きな県などでは、なかなか全体の把握ができないというご指摘もあり、まさにそのために教育事務所が設置されていると思いますので、そういったところの機能を活用してということです。
• 　大きな流れでいうと、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、ある意味では中間的な組織で教育事務所というのがあるんですが、教育事務所の組織については、今かなり動いているんですね。都道府県によっては、その存在を認めて、そのまま維持するところと、若干それをなくして県教委、市町村教委、中間組織としての位置づけをなくすという動きが全体にあります。本県の場合ですが、やはりまだ教育事務所というのは、山間部等で、それなりの人員が配置されていない小さな市町村教育委員会がたくさんありますから、そういった意味で市町村教育委員会を総括する県教委の趣旨がある意味では周知徹底される。いい、悪いは別として、そういう意味での教育事務所の役割というのはかなりまた強化されているところもあって、そういうことも含めて「等」ということです。先ほど話があったように、組織上は県教育委員会の一部として位置づけるんですが、ガイドラインの趣旨が生かされるようにという意味で入っていると思います。
  　何かほかにございますでしょうか。
• 　3番目の丸で「日常的に教育長や指導主事等が学校を訪問したり」という文言があるんですけれども、市町村の教育長が登場するのはここの部分だけなんですね。少し違和感を感じるかなというところがあります。実際、小規模な市町村では、教育長が指導主事とほぼ同じような形で学校を訪問しているんですけれども、大きいところになりますと、教育長が学校を訪問するというところはあまり見られないことですから、ここに書くほどのことがあるのかなという印象を受けます。
• 　これは会議の中で指導主事がいない教育委員会がいるではないかという話が出て記載しました。
• 　それを書くとすれば、後に出てくるんでしょうけれども、20ページの「関係機関の連携」の中の2つ目の丸で「服務監督権者である教育委員会の指導主事等」のところも、教育長が行うところはあると思います。
• 　教育長にとっては、この指導主事等は自分のことだなというふうにご理解いただけるんじゃないかと思います。
• 　記載を指導主事等とするか、教育長を書くか、どちらかに統一したほうがよろしいでしょうか。
• 　私は教育長を取ったほうがいいと思います。指導主事等でそれは十分伝わると思います。小さい市町村においては、教育長もこういう役割を持っているというのは読み取れますので、確かに教育長が突然出てくると若干違和感を感じることもありますので、その方がいいのではないかと思います。
• 　学校長と指導主事の年齢的なものといいますか、いろんな力関係を考えると、一部には指導主事が校長に対して物が言えない、先輩というような立場ですね、そういう場合には服務監督権者である教育長というのがあることに意味もあるかと思うのですが。
• 　運用としては、おそらく教育長が出ていく場面がなくはないでしょうし、現実に小さい市町村の指導主事は三十何歳とかで、五十何歳の校長に物が言えない場合には教育長が出ていくという場面もあると思うんですけれども、ここに表立って書くと、教育長たる者が出ていかなければいけないように受け取られるよりは「指導主事等」のほうがいいのかもしれません。
• 　教育委員会という言葉が出てくるところですけれども、政令市の教育委員会は任命権者でもありますので、例えば12ページの丸の4つ目、「県費負担教職員について、都道府県教育委員会」となっていますけれども、県費負担教職員には指定都市の教育委員会に所属する人もいるので、その辺は全体的に言えることだと思いますが、それでは、都道府県教育委員会だけがこういうことをやらなくてはいけないのかととられかねませんので、その辺は工夫していただければと思います。
• 　表現は統一いたします。
• 　12ページの「教育委員会による把握」のところの丸の2つ目ですが、これでいいのかなとも思うんだけれども、教育委員会による把握のねらいというのは、校長の負担軽減があるかと思います。しかし、本来的に負担軽減でいいんでしょうか。やはり客観性とかそういったものをしっかり踏まえなさいよということのほうが本論なのかなという気もするんだけれども、いかがでしょうか。
• 　今の意見に関してですけれども、校長との人間関係に基づいて申請がなされることがないよう、教育委員会が入るということで、より客観性、公平性が高まるということで、負担軽減と同時にそういった意味合いも含めていただければいいのかなという気がいたします。
• 　各都道府県あるいは教育委員会によって事情は若干異なるわけですけれども、ここに出てくる教育委員会というのは任命権者である教育委員会と、設置者である服務監督者としての教育委員会とが微妙に使い分けられています。私たちは、こうやって議論を深めた中でそれが読み取れるわけですが、逆にこれを初めて見た人がすぐに理解できるかどうかということも考えないといけないですね。
  　ほかには何かありますか。特に13ページの後半のところ、「報告・申請に係る手続として、次のようなものが一般的である」といったことが例示されたことも特徴的かなと思います。
  　よろしいでしょうか。全体を通してまた何かありましたらお願いします。
  　4番の専門家等からの意見聴取、この辺のところについてもよろしいでしょうか。15ページ、16ページあたりのところについて、何かございますか。
  　それでは、次の5「『指導が不適切である』教諭等の認定の方法等」、あるいはそれに基づいて6の「指導改善研修」といったようなところについてはいかがでしょうか。精神疾患等心身の故障、明らかにそれが認定の段階でわかれば、それはそれで対処する。そうでない場合にも、一般的には認定の段階で明らかでないことがあると。研修を続けていくうちにそういうものが出てくるといったことがこの委員会では再三指摘されていますが、それについての扱いを18ページ、丸の2つ目で示しています。
  　それから、19ページ、本人が自覚しないことには研修に効果が上がらないといったことがかなりここで言われたわけですが、それについてもこのような表現があることも大きな特徴ではないかと思います。
  　確かに教育センター等で、なぜ本人がここにいるかわからないというままで研修が続行されることが非常にトラブルになったり、あるいは場合によっては研修の効果が上がらないという要因になっていますね。
• 　ですから、大変困難を伴うのは今の場面なんですね。それはどういうことかというと、本県の場合は、学校長から市町村教育委員会へこういう状況である、つまりそれに相当するものであるという報告が上げられる。その報告について本人にしっかりと見せて確認しなさい、こういう方式にはなっているんだけれども、それを見ていない、指摘を受けていないという事例が案外多いんです。そうすると、最初から今言ったような状況が始まるもので、いわゆる校長との本来的信頼関係、あなたが学校で自己実現できるようにしっかりした教員に育つように私たちは考えるんだよという、そこが通じないわけですよね。つまり、最初から信頼関係は成立しないわけです。こうしたことはやはり避けるべきですので、ここのところは大事にしたいと考えています。
  　もう一つ、実際上で苦労する場面がもう一つあるんです。どこかというと、19ページの一番下の、これは各県はどうなんでしょうか。このような先生方は、できれば子どもや教育活動の中で研修を積んでほしい。こうしたことがよくあるわけですね。したがって、そういう意味で在籍校で一定期間、どうしてもこの場面でやらせたいが、校長サイドから言うと、やりたいんだけれども、環境としてなかなか難しい。端的に言えば、その先生は自分の学校へ帰ってくることすら拒否されてしまうという、そんな中で校長は頑張るわけです。ですから、そういう意味で勤務校「等」がついているとは思うんだけれども、その辺は各実施主体のところでいろいろ工夫しないと、一律これがいいんだよというのはなかなか難しいでしょうね。
• 　そうですね。19ページの一番下の丸のところですね。指導が不適切である教員が改善されたかどうか、後のほうで、改善研修の効果があったかどうかというのは、最終的には、これも幾つか話がありましたが、要は子どもの前で授業ができなければ改善されたとは言えないので、大人の中で、例えば教育センター等では非常に授業等はうまくいっていても、実際の場面でどうかということが判断基準になるというようなことで、今、お話があったように、それが所属の学校でできるかどうか、人間関係が非常にうまくいっていれば、校長あるいは所属の教諭、さらには保護者も含めて、受け入れられるような状況になっていれば実地研修ができるわけですが、そうでないケースがままあるということで「等」という文言があります。よく「等」をつけると、つけたほうはそういう意味もあるよと言っているんですが、読み取るほうはあまり意識しないこともあるので、本当はもう少し、明確な所属の学校または、というように明確にする必要があるのかなと思います。これは、本県の場合ですが、所属の学校ではなくて、校種をかえて実地研修を義務づけているんですね。1年間の研修の中で大体3回ぐらいは行うのですが、所属の学校もありますが、そうでないところへ、例えば小学校の先生が中学校へ行ってやってみるとか、あるいは場合によっては特別支援教育のところでやってみるとか、そういう研修のメニューを用意していて、指導改善の研修の効果を見きわめるために、あるいは指導が不適切である教員がどこにどういった教育環境の中で受け入れられるかというようなことを、さまざまな場で研修を実施するというようなことですね。
• 　これは教育委員会の方々としては、どちらがいいのでしょうか。所属の学校長に断られてやりづらいので、ぜひ明記しておいてほしいということがあるのか、あるいは、どちらでもかまわないということであれば、単純に学校現場でもいいのか、どこを強調するとかしないとか、やりやすいのはどちらかということのご意見を伺いたいのですが。
• 　私どもは「等」をつけていただいて、非常にありがたいと思っている状況です。前にも話したかもしれませんが、昨年度、学級崩壊で認定を受け、今年、研修を受けた方がいましたが、当時の学級が6年生でまだ残っています。保護者からも非常に厳しい意見が出ていた方でして、今回、当該教員の所属する学校で研修するという噂が出た時点で、該当する市教委のほうに帰ってくるのは困るという電話が入ったような状況ですので、柔軟に対応できるような形にしていただけるということで、個人的には非常にありがたく感じております。
• 　それはわかりますが、これが学校「等」をつけただけで、その趣旨が伝わるかどうかということももう少しご意見をいただければと思います。
• 　やはり、今はその学校に所属しているわけです。本県でも同じような状況があって、全然現場で受けつけてもらえない方は協力校という形で別な学校とか近隣の学校とかにお願いするというようなやり方でやっているんですけれども、あくまで今までの流れからすると、所属というかかわりがあると思うんです。ですから、所属の学校等というほうがいいのではないかなと個人的には思います。
• 　私も今の意見に賛成です。基本は、やはり所属であるべきであって、ただ、さまざまな事情がございますので、そうでない場合もあるということで「等」でいいと思います。
• 　皆さんに少し質問をしたいんですけれども、ほかの学校を探すに当たって苦労がいろいろおありだと思うんですけれども、どのような工夫をしていらっしゃるのか伺えればと思うんです。と申しますのは、先ほど、教育委員会のほうが情報収集にかかわることによって、より客観性を高めるような記載をしたほうがいいのではないかと、校長とべったりしているといった偏った判断をされないような記載をするべきではないかというご意見があったと思うんですけれども、確かに先ほどの12ページの3の丸の「校長と共通認識を持つよう努める」というと、いかにも意見をすり合わせてしまってというように素人目には見えなくもないんですね。そのあたりを考えると慎重に、教育委員会は教育委員会の立場もあるということを若干は出したほうがよろしいのかなと思います。その上で教育委員会が所属の学校の別の部門に依頼するというような形だと思うんですけれども、いかがですか。受け入れは、結構スムーズにいくものなのでしょうか。
• 　私が存じ上げている限りで申し上げますけれども、「力のある学校」に頼むという方法があります。学校が研究校で全体に落ち着いていて、少々課題のある方が来られてもクラスはそう簡単に乱れないという学校が市町村の中で1校はありますので、そこにお願いするというパターンがあります。
  　それと、認定に当たって所属校を移動させるところもあるようです。そういう多様なやり方がありますので、所属の学校等という言い方がいいのではないかと思っております。
• 　そうですね。これも本県の例ですが、市町村教育委員会自体はその教員がいるということはわかっていて、所属の学校だけでなくて、隣接する市町村教育委員会の中ではうまくいかないということがあると、服務監督であるところも変えてしまうわけですね。それは、今、話があったように、教育委員会が、あの学校の校長なら職員を非常にうまく受け入れてくれるだろうというところを幾つか持っている。そういうところへ行って、要は、あくまでも指導改善研修の一環としての実地研修、本人を現場復帰させるために受け入れやすい学校で実地研修をしてもらうという程度なんです。
  　よろしいでしょうか。それでは、研修期間といったこともその中にはありますが、あとは7、8、要は「指導改善研修終了時の認定」と「指導改善研修後の措置」ということについて、ご意見等があればお願いします。
• 　22ページの最初の丸に関して、1つ気になっていることがございます。今回のまとめの前半では、指導が不適切であると認定される教員の前段階で、指導に課題がある状況を校長、市町村教育委員会がきちんと把握しないといけないとに言っています。そこで、事実上、指導課題教員と指導不適切教員の2段階があるという見解を示しているわけです。そこで、研修が終了したときに完全に復帰しているわけではないが、指導に課題がある程度までは復帰したという場合にどう解釈したらいいのだろうかという質問を受けたら、どういうふうに答えたらいいのでしょうか。
• 　完全に現場復帰ということになると思います。その指導課題教員というのは、もともと恒常的に授業を受けながら研修でいいレベルの方なので、現場復帰をしていただいた上で何かしら研修を校内で続けていただくという方なので、このシステムからは外れるという意味で現場復帰して、校内研修をするというのが正規のやり方だと思います。
• 　このの記述は非常に明確に書いていますので、そういう複雑なことを含めているものであるということが伝わりにくいという気がしています。
• 　実際にはとの間にかなりの段階があるということですが、それが非常に判断に困るところですね。。
•   とよりのほうですが、改善する余地がないというのは、完全に改善する余地がない、そういう意味ではもちろんないんだろうと思います。これは趣旨としては、2年間の期間内でというのが入るんですよね。少し表現を工夫したほうがいいと思います。
• 　基本的には2年間で、ただ、1年やってみた段階で研修終了時の認定を行うわけですが、その後さらに延長しても改善の見込みがなければ、実は早期に判断することが求められるというような意味でのですね。
• 　そうですね。ですから、2年の範囲内でできる見込みがあるかどうかという判断ですね。
  　それからもう1点、一番気になるのが、「指導改善研修後の措置」の25ページですが、地教行法による免職・採用は当然ここに出てくると思いますが、それ以外に転任というのを別項目で挙げられています。しかも、これを読みますと、教員以外の職に転任させることができるという1つの例として、学校事務職員というのがこの中に入ってくるように読めるのですが、これは地教行法47条の2の免職・採用以外の方法で教諭を事務職に一方的に任命権の行使で転任できるという前提で書かれているのですか。
• 　一方的にというか、そこは何かしら手続は踏むのだろうとは思うのですけれども。
• 　それは、誤解されるのではないかと思いますね。免職・採用は、任命権者がその権限で一方的にできるので書くのは構わないと思いますが、本来の法律上の制度としては、法律上の事由がないと不利益処分はできないというのは基本ですので、これを書くと、任命権者が一方的に地教行法47条の2の免職・採用の制度を利用しないで転任させることができると受け取られるのではないかと思います。ここは一番問題だと私は思うのですが、先ほど、前書きの1ページで「免職等の分限処分や教員以外の職への転任等を行う制度を運用してきた」ということが出てくるんですね。これは地教行法47条の2の免職・採用の意味ならいいんですが、確かに本人の同意を得て転任させる等の色々な工夫を各教育委員会がしているのはわかりますが、それを本来の制度と一緒にして書くのはミスリードしませんかね。
• 　そこは気をつける必要はありますね。
• 　ここは掘り下げてきちんと詰めて書きなさいということですね。
• 　地教行法47条の2の免職・採用はもちろん書くのは構わないと思うし、それは当然書くべきだと私も思うのですが、本人の同意を得れば可能ということから、事務職への転任まで入れてしまうと、退職勧奨まで書くかということになりかねませんね。
• 　それ以外のケースを書かなくていいかという問題なんですね。
• 　任命権の行使として一方的に転任措置ができるのかという法律問題です。
• 　一方的に転任を命ずるといったことは、実際にはないですけれども、あり得るという解釈もありますね。
• 　さらっと書いてしまうと、内示すればそれでいいのかというふうに受けとめられるかもしれないということですね。
• 　そうです。
• 　この法改正ができて、これがある意味では分限免職とは至らなくても、ほかに職があればそういう方法があるのではないかという、そういうある意味では善意でこういうことを行っているのですが、これがこの表現で汲み取れるかどうかという点ですね。少し前の会議である県の事例が発表されたことがありましたけれども、それに至るまででも、かなり当該教員等が教諭以外のどういう職が合うかといったようなことの研修も含めて、本人も納得した上での職を転じたというようなことがあったと思うんです。少し法律的な解釈も含めて詰めてもらう必要があると思います。このままで受け取ったときに解釈がどうなるかですね。ありがとうございました。
• 　別な話で、25ページの2つ目の丸でございますけれども、「改正法によって、分限処分の要件や手続が変更されるものではない」ということですが、指導が不適切な教員を分限免職にする場合には、28条の第1項の項目の中で、例えば適格性の欠如ということで免職というのを私どもは想定するんですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。どこの項目にかけるのかということですが。
• 　勤務実績不良にも場合によってはなるような気もしますが。
• 　そうすると、昨年ですけれども、分限処分に該当する可能性がある場合の対応措置ということで通知をいただいていまして、例えば勤務実績が不良の場合には、警告書を発して指導していくということがあるんですけれども、認定後にさらに警告をして一定期間、別な研修ですが、研修をしてということではないということでよろしいですよね。指導が不適切な研修が終了後に分限事由のある場合には、また別な研修をやらなければいけないということを想定はされていないですか。
• 　少し私も誤解しているかもしれませんが、今回のガイドラインは、28条の、に当たる、本来、教員として持つ適格性の欠如による場合は、これは除くんですね。むしろ指導改善研修によって指導が不適切な教員が研修によって効果があるというものについては、この指導改善研修を実施していくのですが。
• 　おっしゃっているのは、文部科学省が通知した指針のことですね。あれは、たしか私の記憶だと、「必要に応じて」となっていたと思うのですが、必要に応じて研修したり、他の職場に移したりというような、義務的にはなっていなかったのではないでしょうか。警告書もそうなっていたのではないでしょうか。
• 　そもそもが適格性の欠如とかそういう部分ではなく、28条の1項のどの条文に該当するのでしょうか。
• 　基本的には1号か3号だと思います。
• 　わかりました。
• 　おっしゃることはわかるんですよね。私も文科省が指針を出して、今度、このガイドラインが出てくるものだから、両者の関係がどうなるのかということは、確かに考えます。指導改善研修と分限免職の手続は本来は別個であると整理されていますが、分限免職に当たっては、すべて別途、指針にある手続をとらなければならないのかは問題になります。
• 　少しまたこちらでも検討して、重なって明らかに手続をやっているじゃないかと、研修の中でもいろいろ本人と話をしながら、このままいったら分限もあり得るという趣旨でいろんな話をしていくということはあるかもしれません。そういう部分を、同じなのに、丸ごと指導改善研修と同じことをやらないとそれは満たしていないということではないという感じだと思いますけれども、また次回の開催までにきちっと整理しておきたいと思います。
• 　認定の時期はこれまで議論をしてこなかったのかなと思いますけれども、基本となるのは、年度当初の認定で、年度末に審査があって、復職なり継続なりがあるのかなと思うんですが、しかし、速やかに対処することという文言があるわけで、年度中ということもありうるだろうなと思うわけです。そのあたりについてどこかで触れる必要があるのでしょうか。それとも、むしろ書かずに、都道府県に任せるのがいいのかということが1つ気になっております。なぜここでそれを申し上げるかといいますと、「再受講」のところですけれども、再受講というのは研修期間が1年間以内ということになると思いますが、例えばその時点でこれから1年間の範囲内で延長すれば改善ができるという見通しであるわけですよね。そうすると、場合によっては再受講の終了時期が2月もあるだろうし、3月もあるだろうと。ですから、そのあたりをきちっと年度のいかなるところでもそれができるとかできないとか、認定の時期も含めて、そういうことを書くのがいいのか、書かないのがいいのか。このことは連続的に、今度は人事の方になると思うんですが、定数との関係も出てくるわけですよね。全くガイドラインとは関係ないのかなとも思うのですがいかがでしょうか。
• 　それは、任命権者である都道府県で、かなり色々な取扱いがあります。原則的には、学校教育は年度、4月から3月というサイクルの中で行われるので、今の指導力不足教員というのは、大体前年度の1月、2月に事務所に報告が出されてきて、4月からという年度単位でやることが多いんですが、ただし、今おっしゃったように2か月とか3か月というスパンで、その都度、場合によっては学期ごとに行っているところもあるので、そこまで書くことがどうか。
• 　書かないほうがいいと思います。
• 　書かないほうがいいと思いますね。
• 　ベースを1年にするところもあるでしょうし、ベースを半年にするとこもあるでしょうし、多分かなり違いがあると思いますけれども、一律に書かないほうがいいと思います。
• 　書かないほうがいいということの中には、そういう場合もいろいろあるということをどこかで、ガイドラインのガイドラインではないですが、運用に当たってというようなことが必要かどうかということですね。今のことと少し関係するのですが、ガイドラインを示すことによってどういう作業をどの時期からどのように進めていくかということについて、都道府県・指定都市教育委員会にガイドラインが出た後の運用の仕方、その辺は配慮する必要があるかなと思うんですね。
• 　はい。
• 　最後のその他といったようなことについて、あるいは全体を通して、今、話があったように、いろんなことも含めてお気づきの点がありましたらお願いします。
• 　書き方の問題ですが、「その他学校における体制の整備」という項目がありまして、今度新たに導入される指導教諭ということで挙げられているのですが、最後の行ですと「指導教諭の役割を十分に生かすことも重要である」ということですが、これは一般的な考え方をお示しいただくということでしょうか、それとも例えば校長による責務なのか、あるいは教育委員会の役割なのか。例えばその県で指導教諭というものができて、それが学校に配置されたのであれば、それはもう校長の責務だと思ってしまうんですね。校長が配置された教諭を使って指導体制をつくるんだと、それはもう校長の責務だと私などは思ってしまうんです。そうすると、「校長による教員の育成」という項目がありますが、その一環なのかというふうな感じを受けてしまうんです。それは書き方の問題で、一般的にこういうものができましたから活用してくださいということでしたら、それで結構なんですけれども。
• 　校長の責務であるというのは、指導教諭が配置されるか否かにかかわらず、所属職員の資質能力を向上させるための努力をするというのは関係なく責務だと思いますので、これは指導教諭が入った場合には、その方を活用されればより有効になるでしょうということで、一般的にという感じです。
• 　もう一ついいですか。指導教諭ですけれども、これは一般的に教諭の指導力の維持向上ということで整理された中に入っているというふうな理解を私どもはするんですけれども、一見、指導が不適切な教諭を指導するためにつくられた職だというふうに誤解されないようにしたほうがいいのではないかと思っております。
• 　文章をもう1度見直してみます。
• 　27ページの最初の丸ので「日常の授業観察」という言葉をもう少し膨らませたほうがいいのではないかということを前回申し上げたんですけれども、それで「面談や」という言葉がつけ加わったのですが、面談というのは、おそらく教員評価制度の中で行われていることなので、わざわざ書くことはないかなという印象があります。面談という言葉には、私はあまりいい印象がないんです。かなり時間を使って教員の人が校長室に行かなくてはいけないというイメージがありまして、それよりも職員室の中で気軽に校長先生が声をかけるというような状況がいいのではないかと思っておりまして、そういうことを日常の授業観察という言葉を膨らませることに期待をしていたんですけれども、日常の授業観察という言葉のままでいいのではないかと思います。
• 　ほかの委員さんはいかがでしょうか。授業観察、教室から見るという、面談のとらえ方ですが、雑談的に廊下ですれ違ったときに声をかけるとか、そういうような校長の資質にもよりますけれども、そういうとらえ方も解釈によってはできるのではないかなと考えますか。ただ、授業を観察するというだけよりは、私は、少し声をかけるといった意味合いがあったほうがいいのかなと個人的には思っているんです。
• 　そういうことであれば、面談という言葉よりは、「日常的に教職員とのコミュニケーションを図り」といったような表現ですね。
• 　実際にこの内容は行われていることなので、あまり自分では違和感を感じなかったのですが、日常の授業観察が先かなとは思っていますけれどもね。授業観察やその授業の中で気づいたことをこういうふうに工夫したほうがおもしろいよ、あそこの点がよかったねというのが面談になるでしょうか。それをコミュニケーションとするならば、「日常の授業観察やコミュニケーション、そして面談や教員評価制度」というふうになるのかなという感じがしますけれども。やはりよかった点というのは必ず伝えていきますし、前回よりもこのあたりを工夫していくといいんのではないかということは必ず話しますよね。
• 　私が接した中で、いい校長は、そのようになさっているんですが、そうなさっていない校長も結構いらっしゃるような感じがするんです。
• 　その逆の欠点指摘型の先生もいますよね。そうすると、みんな遠ざかってしまうというところがあるわけですけれども、面談が重たいのであれば、コミュニケーションという文言にしていただいてもいいかなとは思います。対話型ぐらいにしておきますかね。
  　課題を伝えることもありますしね。あんまり追い込むようなことをしてしまうと、要因は校長がつくってしまうことになる可能性がありますから、そういうことを意図しているガイドラインではありませんので。
• 　どうでしょうか。面談という言葉ですが、確かに話があったように教員評価制度には面談がある意味では義務づけられている、それがないほうがおかしいというわけですね。
• 　少なくても今、話があったように、授業を観察した後でその感想を伝えるという意味での面談という順序は反映したほうがいいかなと思いますので、面談なりコミュニケーションなりという言葉が授業観察の後にくる、そちらのほうが日常的な授業観察とコミュニケーションという位置づけになるわけですね。それと、それ以外にフォーマルに制度として行われている教員評価制度というのがあると。それらを総合的に活用して校長は所属職員の状況を把握し、指導していく責務があるということがここで書かれればいいのではないかと思います。
• 　今のご指摘を受けて、また再度検討しましょう、今のご指摘を受けてですね。ほかにはいかがでしょうか。
  　それでは、本日の審議はこれで終わりたいと思いますが、熱心な審議とご意見、どうもありがとうございました。今回提出されましたこれまでの意見の整理案に基づいて、先ほどおっしゃっていただきましたように、文部科学省からガイドライン案として年末までにパブリックコメントにかける予定です。今後、必要に応じて本会議を開催してまいりたいと思いますが、具体的な日程は年内は無理だと思いますが、来年、年明けになるかと思います。また、次回の会議の公開、非公開も含めて座長一任にさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。そういうことでよろしいでしょうか。

（「はい」の声あり）

• 　それでは、そのようにさせていただきます。委員の皆さんには、大変お忙しいところお世話になりまして、ありがとうございました。来年も引き続いてご協力をよろしくお願いしたいと思います。最後に今後の日程等について事務局のほうから説明をお願いします。
• 　今後の会議の開催につきましては、まだ確定しておりませんが、1月最終週あたりを予定しておりますので、また別途ご連絡させていただきたいと思います。
• 　ありがとうございました。
  　それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。