指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインに関する調査研究協力者会議（第3回）議事録

1．開催日時

平成19年9月26日（水曜日）15時〜17時

2．開催場所

都道府県会館403号室

3．議題

1. 指導が不適切な教員に対する人事管理システムの状況について
   （埼玉県、広島県、香川県）
2. その他

4．出席者

5．議事要旨

• （1）座長より前回会議において決定のとおり、本日の会議を非公開にする旨の説明があった。
• （2）配付資料について事務局及び埼玉県、香川県、広島県から説明がなされ、その後、委員の間で以下のとおり意見交換が行われた。
  • 　職務としての教職をうまくこなせずに、抑うつ状態に陥って不適応になるという事例が現実にあるが、その中には、精神疾患というよりも指導力に問題があって不適応を起こしたり、あるいは、とにかく教壇に立たせられないということになって、病院に行く人もいる。そういう点では、最初の認定の段階で、指導力の問題と捉えるか、あるいは精神疾患として対処していくかというグレーゾーンの部分は、かなり厳密に検討しなければ、後々難しい問題が出てくると考えられる。
  • 　実際に、多かれ少なかれうつ的なものがおこり、病気で休みに入った場合でも、病気が治って戻ってもまた不適応が顕在化するということでは意味がない。研修とは違うものだが、復帰訓練というような形で授業的なことをしてみたり、実際に子供の前に立ったりするなど、いわば研修のミニチュアのようなことを実施し、適応力を上げて復帰するほうがよい。中には休職が明けて戻った方が、その翌年度、指導力不足に認定されるというようなケースもある。
  • 　精神疾患として対処すべきか、指導力として対処すべきかの判断で、一番難しいのが人格障害及びその傾向のある方の場合であろう。こういった方に対して、どのように対処していくか、指導力不足教員の認定に関して慎重に判断していかなければならないところであろう。
  • 　また、実際の判断上紛らわしい例として、精神疾患かどうかが一般的な視点からでは非常にわかりにくいにも関わらず、実際には病気のために指導力が損なわれて適性が落ちているような方もいる。これは代表的な病気である統合失調症の中でも、ある程度病気が落ち着いて幻覚や妄想など明らかに病的な症状がなくなった慢性状態の方、こういった方は、一見したところ、奇妙なことをしたり言ったりすることは目立たないにもかかわらず、多かれ少なかれ障害を残していてやはり能力が落ちていることがある。こうした方は純粋に病気ということで、病気の治療なり、あるいは保護的・福祉的な観点での対応が必要だと考えられるが、この見極めも一般的には難しい点がある。このように、病気との住み分けをどのように扱っていくのかが課題である。
  • 　精神疾患に関しての診断書が簡単に出るという問題だが、それに関しては、指定医制度を設ければ大丈夫ではないかという指摘もある。
  • 　認定のための手続が精密になり過ぎているのではないか。指導力不足認定の手続というのは、分限免職の手続より厳しくなっているように見えるが、本来、これは研修であり、指導改善研修をどう位置づけるかが問題である。
  • 　指導改善研修と分限免職の手続をどう切り分けるのか、転任の制度とどうリンクさせるのか。
  • 　指導改善研修が法制化されても、分限免職の事前手続として指導改善研修を経なくてはいけないということではないと考えるが、そのようなことは本当によく整理しておかないと現場が困る。
  • 　指導力不足教員の対応で一番苦労するのは、病気を理由に指導改善研修を受けないときに、本当に病気なのかどうかがよくわからない場合があることである。最近は、個人情報保護の関係から、医者に聞きに行っても全然教えてくれない。だから、指定医制度というのが必要になってくる。ただし、指定医になってくれる人材や予算を確保することが課題である。

以上