資料3 第9回「幼稚園における学校評価の推進に関する調査研究協力者会議」概要(案)

 1.日時

平成20年8月27日(水曜日)9時00分~11時00分

2.場所

文部科学省6階1会議室

3.出席委員

(1)委員(敬称略)

石井、岩立、岡上、小松、塩、田中、奈須、無藤

(2)協力を依頼する有識者及び団体

神長美津子東京成徳大学教授(幼児教育支援方策検討会議座長)
岐阜県本巣市
奈良県大和郡山市
福井県私立幼稚園協会
新潟県私立幼稚園協会

(3)事務局

幼児教育企画官、子育て支援指導官

4.概要

(1)協力者発表

  1. 岐阜県本巣市
  2. 奈良県大和郡山市
  3. 福井県私立幼稚園協会
  4. 新潟県私立幼稚園協会

(2)意見交換

1 岐阜県本巣市

  • 幼児園では、0歳児から2歳児までは保育所の形態、3歳児から5歳児までは幼稚園の形態をとっている。
  • 保育所について、保護者等のアンケートを考慮した自己評価だけではなく、第三者からの改善指導等も必要となってくる。
  • 幼稚園と幼児園に関しては、文部科学省からモデル指定を受けたことを生かし連携を図って取り組めた。
  • 教育課程等に関する評価項目は充実しているが、学校運営に関する視点が欠けている。
  • 園運営そのものではなく、幼稚園、幼児園、保育所というタイプの違う園が子どもに直接かかわっている部分を共通項目として取り組み、園の改善につなげていく。
  • 一人一人の運営参画意識だけではなく、経営全体の評価を考えていくべきである。
  • 共通評価項目だけでなく、運営に関わる部分についても各園が独自に評価を行っている。また園関係者評価委員会から、園評価の取組についての意見をもらうことで、その検証を行っている。
  • 学校教育法上義務づけられている自己評価は運営評価である。幼児の育ちを客観的に捉える評価が、ガイドラインにおける学校評価の中心ではない。

2 奈良県大和郡山市

  • 各園において重点目標を精選するまでには至っていない。今後重点目標を明らかにしていきたい。
  • 現在各園で、自園の教育目標に対する見直しを行い、その共通理解を図っている段階である。
  • 設置者の方針や施策が個々の幼稚園でどのように具体的に実施されているか、PDCAサイクルの中で検証していく等、設置者としての施策を検証するための一つの方法としてこの評価を使うという事もある。
  •  幼稚園と小学校が学校の接続に配慮した教育課程の見直しを図る中で、評価の在り方についても考えている。
  • 設置者の施策の検証としての学校評価を通して、幼小中連携を一層推進したいという願いがある。また学校評価を、幼小連携の実践を保護者や地域に問いかけ参画を促すための一つのコミュニケーションツールとして活用したい。
  • 評価をしても、それが設置者の施策と結びついていない。設置者が、現場から上がってきた評価結果に応じて必要な支援を行うサイクルが大切である。
  • 保護者アンケートは保護者が幼稚園を評価するためのものではなく、幼稚園が自己評価の際に参考とする資料である。幼稚園の活動すべてを網羅したり、評価者としての客観性を求めるものではない。

3 福井県私立幼稚園協会

  • 学校評価とは幼稚園という組織体のマネジメントを中心とした評価である。そして最終的には幼児の成長を支えるためにどうすればよいかというところにつながっていく。
  • 研修で取り組んだ内容をまとめた報告書を作成・公表していく。そして次年度の研修に生かしていくというサイクルを作り出し、評価の機能を持たせていきたい。
  • 園長・設置者・主任も含めワーキンググループを設置し、各園の幼稚園が実施できるような園評価の在り方や評価項目等を探っていきたい。それぞれの教員が自分の教育実践を振り返り資質向上を目指す取組は、学校評価の基準の一つにはなるが、学校評価の第一目標ではない。
  • 財務的な評価を含め、マネジメントの評価をしっかりと行わなければならない。
  • 各園において自己評価を行いPDCAのサイクルを通して、少しでも園運営の改善にまでつなげてきたい。
  • 評価を簡単に言えば、幼稚園としてやるべきことをやっているかということである。組織体としての評価を意識することが必要である。
  • 今後、情報公開の問題が大きくなるであろう。学校評価として情報公開にどこまで取り組むのか、検討しておく必要がある。

4 新潟県私立幼稚園協会

  • 「私立幼稚園の自己評価と解説」(財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構・編)をベースに、今後評価項目や評価指標を検討していきたい。
  • 全体の資金計画の中で施設としてはどういう改善があるのか、私学としての運営はどうあるべきなのか、という発想を含めた園の評価の在り方を提案してほしい。
  • 私立なので、建学の精神ということで独自の理念を持っている。独自性は大事だが、それだけに陥らないための評価という面もある。
  • 激甚災害を経験した場所だからこそ、施設の安全管理等、今後のマネジメント上で必要な発想がある。できればそういう提案もしてほしい。
  • 独自に災害防災マニュアルを作成し、県内外に配布送付している。
  • 今回の5園も大規模園、小規模園、被災園、認定こども園等、学校評価についていろいろな意見が出るように園を選んでいる。
  • ガイドラインは、幼稚園としてやるべきことを含めた主旨であるが、私立幼稚園の場合は、建学の精神を通して独自性をどう出すかというもう一つの視点が入る。それを学校評価にどのように組み入れる検討すべきである。
  • 学校評価が私立幼稚園にとってさらなる負担とならずに、それを機会に幼稚園の経営に役立てることを期待している。
  • 評価の実施によって保護者や地域が園への理解を深め、それが園をともに運営していくというところにまで発展していくことを目指さなければならない。

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初等中等教育局幼児教育課