1.研究テーマ及び研究の観点
研究テーマ:幼稚園における学校評価の推進のあり方
研究の観点:園評価システムの構築
2.研究内容及び方法
幼保小中の連携を踏まえた同一中学校区評価システムの構築を図るために、園関係者 評価委員会の構成や実施方法、回数を明らかにしたり、保護者や地域住民への情報提供 及び意見収集の方法を工夫したりする。
また、自己評価及び園関係者評価の形式や公表方法や関係者評価の園経営への生かし 方を工夫する。
○各中学校区での園評価委員会の構成及び「共通評価項目」の策定の在り方
○分かりやすい自己評価の在り方
・アンケートの生かし方や分りやすい自己評価の形式等の工夫
○充実した園関係者評価の在り方
・園関係者評価委員の評価に対する理解の向上
・園改善に向けた取組の理解を得るための情報提供の工夫
3.研究成果及び今後の課題について
1 研究成果
園長が経営の方針を明確にし、重点を基に具体的な取組を行ったり、評価の視点から振り返ったりする中で、園経営の改善につなげようとする意識が高まってきたことが、特に大きな成果であった。その他に、以下のような成果があった。
□教師・保育士の園経営の重点に対する意識の向上、自覚
・一人一人の教師・保育士が、教育目標・園目標の具現を意識し、課題と手立てを明らかにして、園経営の改善に取り組むことができた。
□園経営に対する保護者の意識の向上
・保育参観等で来園した時、評価の視点に沿って、園の教育・保育を見たり、わが子の状況をつかんだりするようになってきた。
□項目、指標の焦点化による評価委員会の充実
・各地域で共通評価項目を設定し、1項目に1指標に絞って自己評価書を作成し、園経営の改善の経緯を具体的に説明したことで、家庭、地域における子どもの姿をもとに園経営について具体的に、率直な意見をいただくことができた。
2 今後の課題
■評価委員に対する情報提供の在り方の工夫
・園だよりや園行事の案内の送付を継続するとともに、園経営が具体的に分かる掲示やファイル等、説明以外の資料の閲覧ができるような方法を工夫する。
■園関係者評価委員会のスリム化
・2回の園関係者評価委員会は有効であったが、園の規模、負担を考慮した場合、会の持ち方を工夫する必要がある。
1.研究テーマ及び研究の観点
1 研究テーマ
大和郡山市立幼稚園における学校評価の在り方
2 研究の観点
2.研究内容及び方法
3.研究成果及び今後の課題について
1 研究成果
■幼稚園における学校評価システムの構築
市内全園がそれぞれに取り組んでいた自己点検、自己評価の反省や課題をふまえ、これまで以上に園運営の改善につなげるシステムが構築された。また、そのことにより学校評価に対する教職員の理解も深まった。
■自己評価及び学校関係者評価の評価項目の設定と精選
ガイドラインで示された評価項目をもとに、自己評価書、学校関係者評価書、自己評価報告書(公表シート)の項目について検討し作成した。
■教職員・保護者の意識の変容
・年度途中の行事(保育参観、運動会等)アンケート及び年度末アンケートに積極的に取り組んだ。そのなかで、教職員に、園運営にかかわっている一員であるという参画意識がでてきた。そのことを通して、保護者の本音を真摯に受け止め、教育内容や方法に創意工夫がみられるようになってきた。
・アンケート項目を評価の視点として設定したり、日常的なコミュニケーションを重ねたりすることで、保護者の教育への関心が高まってきた。
・園長研修を重ねることで、園長自身の教職員や地域への働きかけが積極的になり、活性化してきた。
■積極的な情報発信
市内全園がインターネット接続を行うことで、HPの随時更新や保護者に対して園からの連絡等のネット配信など、情報発信の手段として積極的に活用できた。
2 今後の課題
■学校評価を生かした取組について
教職員や保護者の参画意識を高め、評価結果や改善策を取り入れた、より深化充実させた幼稚園改善の方途。
■自己評価、学校関係者評価項目について
各園が実施した項目は適切であったか。また、各園が主体となって独自性をどれだけ取り入れることができたかについての検討。
■評価結果の公表・説明について
保護者や地域住民等の理解の促進と連携協力の推進について、各幼稚園の実情に応じた方法の検討。また、あらゆる機会を捉えた評価結果の公表の工夫。
■第三者評価への取組について
客観的立場から第三者に幼稚園運営全般について評価を受ける園内研究会を1園でモデル的に実施したが、全園におけるより効果的な第三者評価実施への検討。
1.研究テーマ及び研究の観点
1 研究テーマ
すべての幼稚園が連携して行う学校評価システムの構築-私立幼稚園における学校評価の第4の方法の検討-
2 研究の観点
私立幼稚園では、(1)園によって建学の精神や教育理念が大きく異なること、(2)地域によって園の置かれている状況が大きく異なること、(3)比較的小規模の園があり、職員と管理者と保護者が密であるため本音で言い合うことが難しいこと、(4)園長が理事者であることが多く、評価実施者と評価報告を受ける人が同一人物であること等の困難な状況を抱えている。
そこで(1)全園共通の保護者アンケートの作成と公表、(2)自己評価に関する共通の評価項目の作成と共通項目に関する結果の公表、(3)全園の教員(1・2名)が年間を通してして参加する教員研修での自己評価とその結果の公表を旨とする「県共通評価」を作成し、これらを資料とする自己評価を実施することが本研究の趣旨となる。
2.研究内容及び方法
3.研究成果及び今後の課題について
1 研究成果
■すべての幼稚園が連携して行う評価を実施するためには、学校評価に関して私立幼稚園協会が中心となり、かつ地元の大学等の参加を得て、外部意見を取り入れた県内共通の自己評価を実施することが、県内の様子と比較しながらできること、また各園が評価項目を独自に製作する必要がないことから有効であることがわかった。
■学校評価を行うための県内の体制整備ができた。
■個々の教職員の評価能力を高める方法と学校評価とをリンクする試みができた。
■自己評価における項目の検討・保護者アンケートの作成を行うことができた。
■PDCAサイクルを組み込んだ評価方法を導入することができた。
2 今後の課題
■学校評価に関する各園での公表方法や、私立幼稚園協会における公表について効果的な方法を確立する。
■学校評価と教員研修を絡ませた新しい評価方法を検討する。
1.研究テーマ及び研究の観点
『幼稚園における学校評価の推進の在り方』~自己評価の組織体制の在り方、取り組み方について~ ※研究対象は教職員とする
2.研究内容及び方法
◆自己評価の組織体制のより良い在り方や、評価結果の考察や分析において適切かつ客観性を持たせた表記形式について研究を行うと同時に、円滑なPDCAサイクルを促せるよう研究を推進した。
◆各園の重点評価目標に基づき評価項目を設定し、多様な組織形態で評価を実施。結果を図式化することで各自の認識度を可視化し、円滑なPDCAサイクルの糸口がつかめるよう努めた。
3.研究成果及び今後の課題について
1 研究成果
■園内教育水準の質的改善と向上
園運営を日々継続する中で、振り返り・評価する機会がなかったため、建学の精神や教育要領・教育課程など既存価値への客観的な見方や発展性の理解に乏しかった。研究を通して、設定した目標と達成状況との相違から、客観的な視点や課題へ向けての見通しが生まれ、質的改善や質的向上が図れた。
■教職員の意識の変容・向上
勤務年数にかかわらず、日々の保育を展開する中で、指導内容のマンネリ化や子どもの見方の固定化など、保育内容が停滞する恐れが出てくる。一度立ち止まり、振り返るきっかけが必要である。この自己評価項目に照らし合わせ振り返ることで、気づきが生まれた。ここからすべての領域への啓発がなされ、意識の面での質の向上が各教職員にみられた。この意識の大きな変容こそ、表面的なスキルアップだけではない自己評価システムの大きな成果である。
2 今後の課題
■評価結果の実践現場への反映
自己評価で得られた内容を、どれだけ実践現場へ反映されたかを検証することが今後の課題である。教師が変わり、その意識の変容が現場の保育へどのように反映され、子どもの育ちがどのように向上したかを検証したい。
■保護者や地域住民への積極的な情報開示・公表
個人情報との関連等から、十分に配慮する必要性がある。幼児の育ちの履歴等についてはいうまでもないが、教師個人の評価結果・達成状況も園全体のものとあわせて適切に配慮する必要がある。
■認定こども園への対応
認定こども園はその性質上、学校教育法と児童福祉法両法規をカバーする評価項目の設定の必要性がある。幼稚園における学校評価を認定こども園においてどのように対応させることができるかが課題である。
初等中等教育局幼児教育課