資料1 教員免許更新制の導入に関する検討会議 (第1回) 議事要旨(案) 未定稿

1.日時

 平成18年8月10日(木曜日) 14時~16時

2.場所

 学術総合センター2階中会議場3、4

3.出席者

 山極主査、池田委員、伊藤委員、岩田委員、太田委員、狩野委員、菊地委員、小滝委員、近藤委員、坂本委員、巽委員、千々布委員、長谷川委員、半田委員、北條委員、向井委員

文部科学省関係者

 銭谷初等中等教育局長、合田審議官、辰野審議官、大木課長、大路企画官、山田課長補佐 他

4.議事

(1)「今後の教員養成・免許制度の在り方について(答申)」について

 事務局より、資料3に基づいて答申の概要について説明した。

(2)更新制導入に関する検討課題について

 事務局より、資料1、4及び5について説明した後、自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。

  • 盲、聾、養護学校では、基礎免許のみで、盲、聾、養護学校の教員をやっている人間がかなりいる。特殊諸学校の免許状取得率との関係を考える必要があるのではないか。
  • また、養護学校等の教員は、長年養護学校等に勤務する教員が多く、基礎免許に係る指導をほとんど積み上げてきていない場合がある。基礎免許の更新に当たって、その実力をどう評価するかということも大変大きな問題。
  • 養護教諭については、一般教員と同じような更新に係る講習ではなく、養護教諭の専門性を加味したものでなければならない。更新講習に当たっては、現下であれば、環境に関する内容、カウンセリング(心の健康相談活動)に関する内容、救急処置に関する内容、健康情報の収集に関する内容等、その時々の喫緊の課題を導入することが必要ではないか。養護教諭独自のものを考えていかなければならない。
  • 講義式のみでは意味がない。演習を重んじたものであって欲しい。病院等での実習で替えられるなど、できるだけ実習を伴ったものがあればいい。
  • 更新講習を10年経験者研修に読み替えるものとしても検討してはどうか。
  • 実施時期については夏休みの活用がよい。学校では、ほとんど養護教諭は一人配置なので、できるだけ保健室を空けないで更新講習を受けることができるようにしたい。
  • 更新講習については、その実施主体は大学が主になるのが妥当。ただ、課程認定大学の全てが更新講習を開設するのか、少数の大学に集中させて更新講習の機能を持たせるのかによって、組み立て方が違ってくるだろうと思われる。
  • 交付からの時期と入職からの時期というのは、一致しない場合が多い。そこをどう考えるのかという問題はある。
  • 修了認定に関しては、ペーパーテストだけではなく、実技的な部分も必要。実技部分は、現職教員は勤務実績によって免除し、ペーパーティーチャーには免除がないという対応はどうか。
  • 基本的には、制度設計を慎重に検討する必要がある。
  • 国の責任で制度設計の細部まで作り上げるべきではないか。
  • 更新制が、教員に対する国民からの信頼の確保ということであるならば、不適格な教員が教壇に立てないようにすることも国民は期待しているのではないか。更新講習の内容や修了認定が実効性あるものとなるかが重要。
  • 学校では多忙感が募っている。その中で、更新制がうまく具体的に構築できるかどうかは重要な問題。負担軽減、費用対効果といった観点からの議論が必要。
  • 更新講習については、大学や教育委員会、各学校等が協力しながら講習内容を作っていくという方針が妥当と思われる。
  • 子どもたちへの安心・安全や学力を保障するという点での刷新という考え方も含めて講習内容を構成することが必要。
  • 子どもとの接点において更新講習を実現する必要がある。その場合、夏期休業中に更新講習を行うだけではなく、実際に子どもたちが学校に通っている時期にも、各学校において更新講習を行うことができないか。
  • コストパフォーマンスという観点からどういう制度設計をするかが重要。コストパフォーマンスの観点から見て、それに見合わない制度であれば、撤退というものも含めて議論していくことが必要。
  • 実際、教員は更新講習のためにどれくらいの時間が割けるか。かなり現場としては厳しいのではないか。
  • 教育委員会の負担も増大することが予想される。コスト面からも更新制の導入を考えていく必要がある。
  • 研修との兼ね合いを整理して、効果のないものは切っていくという整理の仕方も必要ではないか。
  • 年々、教員の元気がなくなってきている。免許更新制について、不安とかマイナスの反応も出ている。制度の主旨やねらいを教員にどう伝えていくのかは課題である。
  • 講習時間は最低30時間となっているが、これは現場としてはかなり時間を割かれる。他の研修との兼ね合い、読み替え等で負担をいかに軽減できるか、省力化していくかということの検討が必要。
  • 教員評価制度がかなり進んできている中で、校長の裁量、評価でもって、受講の免除等を行うという考え方はできないか。
  • 教員は、教職に就いてからも日々の教育活動の中で成長していく。変化の激しい現代社会の中で、教師が日々教育活動を展開していくためには、自らあるいは自らの属する学校の実践を、自らが点検して改善できる力量と、その力量を発揮できるような環境が必要。
  • 教員として必要な資質能力の刷新というものは、常に自ら及び自らの属する学校集団でなすものだと考える。したがって、現職研修の充実等が重要。各種の研修や自己研修の充実・改善方策が重要だという答申の部分を是非具体化していく必要がある。
  • 講習受講の免除について、普段の日常的な教育実践及びそれに基づく研修を前提として、レポート等によって一部ないし全部免除としていくことはどうか。
  • 日々の実践活動を支えるような実践的な理論を講習として行い、そうした実践的な理論が日々の実践活動に返ってくるようなモデルプランがいい。
  • 教員には、教員になったときの現状のままでなく、日々向上心を持ち常に学ぼうとする意欲や社会状況の変化を読み取る力が求められている。教員の資質を見直すことは大変に意義があると考えるが、学校現場は、あるいは幼稚園現場はたいへん多忙である。
  • 更新制の導入に際しては、制度があまり複雑にならないようにする必要がある。更新講習は、客観性・実効性のある講習の内容とし、その結果、現場の課題や自己課題等が明確になり、改善しより一層高めていこうとする、自信を持って成長し教育に向かっていこうとする内容が望まれる。
  • 現場の校長や園長の裁量などを考慮して一部免除がされるといいのではないか。
  • 今検討しようとしている更新講習がどれぐらいの規模なのかということを、まず共通に認識することが必要。答申にあるように、講義のみでなく事例研究や模擬授業等、きめ細かい講習をやろうとすると、かなりの規模になると考える。さらに公立の教員のみならず私立の教員や教員を目指している方を加えるとさらに規模が大きくなる。大学と教育委員会がどういう役割分担の中で実施するかによるが、規模についての検討を踏まえた上で現実的な議論が必要。
  • 答申でいう「最小限」とは量のことだと考えている。質においては最小限ではないと認識している。
  • 10年目経験者研修は、導入当初の評判が悪かったが、その後、効果があると評価されてきている。更新制も、導入するのならばきちんと高い評価をされるような制度設計にする必要がある。
  • 教員に対する県民の不信感に応えるためには、免許更新制の導入もやむを得ないと考えている県もある。そういう声に応えるためにも、ただ更新講習を受講すれば更新されるというものではなく、やった結果これだけの力を教員は身に付けているんだということを評価するシステムが重要。
  • 免除という言葉はちょっと後ろ向きではないか。研修というのは、校外研修、校内研修に加えて、教員の自主的主体性を重視した自己研修も重要である。同じような考え方で更新講習を考えていけばいいものになっていくのではないか。
  • 教員に対するあるいは学校に対する尊敬と信頼を損なっているものは、ごくわずかの、指導力が不足している、適切なコミュニケーションを取れないといった教員の存在にあると感じている。そこをまず改めることが学校や教員への信頼を高めることになろうと思われる。
  • 適格性を欠いた教員を排除できる、そして大部分の一生懸命、生徒や児童のためにあるいは園児のために努めている教員を守っていける制度であって欲しい。
  • 教育現場には子供がいるんだということを忘れないでこの制度設計をしていかなければならない。更新制が導入されると、教師が学校を不在にする部分も少なからず考えられ、そうした中で子供たちへの影響があるべきではないと考える。今、学校では夏休みを有効活用している学校が多い。更新講習を長期休業中に受講することについては、多面的に学校現場の実態を捉えながら検討することが必要。
  • 更新講習の内容には、小、中学校の特殊性、現場の様子を踏まえた講習を一部取り入れていく必要があるのではないか。
  • 更新制が導入されることによる人事異動への影響も考える必要がある。
  • 更新講習は、教職実践演習のイメージと非常に重なってくると思われる。
  • 私学への配慮、幼稚園教育の在り方への配慮も必要。議論の中心が公立の義務教育の小、中学校になりがち。しかし更新制は、幼稚園から高等学校まで公立も私立も含まれるので、私学の教育に対する配慮が必要。
  • 免除は、大胆な仕組みを作っていかなければいけないと思われる。
  • 都道府県教育委員会の事務的な負担の増、人的・財政的負担については、十分な検討が必要。
  • 更新講習を実効性あるもにすることが重要であるが、更新講習の中身の充実と実務上どこまで可能かというバランスは重要。現職教員にも適用ということだが、実施規模が問題。また、幼稚園教員が受講する更新講習はどこが開設した講習となるのか問題。
  • 指導力不足教員について、研修等によってもどうしても指導力等の向上が難しい教員について、更新制を活用できるようにすべきであると考える。
  • この更新講習は、職務として行う講習なのか、あるいは職務専念を免除して行う講習なのか。
  • 現状の行政処分、分限制度で行える範囲と、免許制度の中で行える範囲を分けて考える必要があるのではないか。分限ではなくて、免許で排除をするということに期待されるものは何なのかということを整理して考えることが必要ではないか。
  • 教育委員会が更新講習を実施をする場合、すでに教育センターの業務は飽和している。この状況をそのままにして、更新講習を教育センターで行うようにするというのは非現実的。他の経験者研修との絡み、あるいは選択制の専門研修との絡みでトータルで考えて提案するという考え方が必要ではないか。

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