資料4 言語力の育成に関する「国語・外国語」についての論点例

国語

  • 言語力育成という視点から見て,国語科において重視すべき内容とはどのようなものか。

【言語の果たす役割に応じた指導の充実】

1 知的活動(思考や論理)に関すること

  • 実生活や実社会,その後の学習に役立つ国語力の育成の観点から、例えば,「受け答えをする」「要点をまとめる」「構成を考える」「様々な角度から物事を見る」「情報を正しく伝える」「情報を的確に分析する」などの実生活や実社会で必要となる言語表現法を重視することが考えられるが、国語科の教育内容を具体的にどのように改善すべきか。
  • PISA型読解力を育成する観点から、例えば,PISA調査のねらいとしている「情報の取り出し」から「解釈」から「熟考」から「論述」という流れを重視することが考えられるが、国語科の教育内容を具体的にどのように改善すべきか。

2 コミュニケーション(対話や議論)に関すること

  • 伝え合う力を育成する観点から、例えば,言葉によって人間関係を構築するなど,双方向性のある言語活動をしたり,合意形成を目指した言語活動をしたりする能力の育成を重視することが考えられるが、国語科の教育内容を具体的にどのように改善すべきか。

【指導に当たっての配慮事項】

  • 国語科において習得・活用・探究型の指導を充実する観点から、例えば,国語科で育成を図る能力について,基礎的・基本的な知識・技能を習得することと,それを活用して課題を探究することの視点から捉えることが考えられるが、具体的にどのように改善すべきか。
  • 国語科が中心となって,「聞く」「読む」「話す」「書く」技能の確実な習得を一層重視する観点から、例えば,あいさつ,敬語など状況を意識した言葉遣いの在り方や言葉の大切さを意識したトレーニングを重視すべきではないか。
  • 我が国の文化や伝統を継承・発展させる観点から、例えば,近現代文学や古典をはじめとする言語文化に親しむ態度や,日常的に読書をしたり表現したりする言語生活を構築する態度の育成を重視することが考えられるが、国語科において具体的にどのように改善すべきか。
  • 情報教育,メディアリテラシーの充実の観点から、例えば,複数のメディアテキスト等を活用したクリティカルリーディングの能力を育成することを重視すべきではないか。

【発達の段階に応じた指導】

  • 発達段階を踏まえた系統的な指導の観点から、例えば,言語の発達の段階を踏まえ,幼稚園と小学校低学年との一層の関連や,学年や学校段階ごとに重点を図ることが考えられるが、国語科において具体的にどのように改善すべきか。

【教科を横断した指導】

  • 国語科で行うことと,各教科等で行うこととの分担・連携の観点から、例えば,「考える」「感じる」「表す」能力などを伸ばすために,国語科ではどのような内容を重視すべきか。

外国語

  • 外国語科における言語の運用を通じて、言語力育成の観点からどのような改善が考えられるか。

【中・高等学校】

  • 外国語科においては、実践的コミュニケーション能力の育成と文法指導を対立的に捉えることは適当ではない。現在、基礎的な文構造が十分身に付いていないとの課題が指摘されているが、ルールとしての言葉の仕組みの理解と、ルールに基づく創造的な言語運用について、両者を関連付けた指導を充実する必要があると考えるが、具体的にどのような改善を図るべきか。
  • 外国語の学習を通して思考を知覚の対象とし、思考に対して注意を払うことにより、言葉を焦点化したり修飾したりするなど、言葉に対する感性を高めることができる。このことは、母国語の能力を含めた総合的な言語力の向上につながると考えられるが、具体的にどのような改善を図るべきか。
  • 上記のコミュニケーション能力の向上や思考力の向上のためには、言語の基盤となる語彙力の充実が必要となるのではないか。外国語科において語彙力を充実するために具体的にどのように改善すべきか。

【小学校】

  • 小学校の英語活動等においては、体験的な活動等を通して言葉の持つ意味、言葉の大切さ(言語による相互理解等)、日本語との違いなどに気づかせたりすることが可能ではないか。今後、具体的にどのような活動を充実すべきか。
  • 小学校の英語活動等においては、コミュニケーション能力を養う上で必要となる積極的な態度の育成が可能ではないか。このことが、中学校以降続く英語教育に資するのではないか。また、非言語を含めて、コミュニケーションを図るために、言語力を総動員することの大切さを理解させることが可能ではないか。今後、具体的にどのような活動を充実すべきか。
  • 小学校の英語活動等は、小学生にとって自己を表現する体験的機会と捉えることが可能ではないか。また、他の言語にふれる体験を通して、英語を通して外国人と接したり、日本文化について発信したりするなどの機会とすることが可能ではないか。今後、具体的にどのような活動を充実すべきか。

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