資料1 教育課程部会(第4期第3回)における主な意見(概要)
- 昨今の生活環境の変化に伴い言葉の決まりや文法が混乱してきている中、授業における教材作りが困難化しているので、授業のあり方、教材のあり方も含めて、国語教育について考えていただき、それを踏まえて理科や社会などの教科における言葉の働きなどについても考えていただきたい。
- 総合的な学習の時間では、体験を言語化したり、様々な資料を扱う中で自分なりの言葉で表現することが大事であり、国語科などとも連関しながらPISA型の言語力を育成できると思う。
- 広い意味での国語力のグローバルスタンダードを意識すべき。
- 言語力の育成方策がうまく浸透・機能しない背景には、1.従来の日本の国語教育の立場からすると、芸術的な感性を育む側面と言語運用能力を育成する側面との比重の逆転に違和感がある、2.教科担任制の中学・高校では「教科横断的に国語力を活用」と言われてもピンとこない、という事情があるのであり、学習指導要領を変えるだけでなく教員研修や教員養成課程も含めて検討する必要がある。
- 教材に関して、1.高等学校「国語表現」のように多様なメンバーで国語教科書を作成すること、2.言語運用の側面が充実している留学生向けの日本語教育教材を参考にすること、を考えてもらいたい。
- 学習集団・生活集団としての学級における言語環境の整備について、また、生活面と教科学習面の両側面からの構造的・一体的な指導の在り方について検討を深めていただきたい。
- 何のために国語の授業があるのか、そして習得した力でもって何をするのかを考える必要がある。
- 異学年・保護者・地域の人とのコミュニケーションの重要性、違う考えの人たちにわかってもらうということの必要性についてもう少し記述いただきたい。
- 国語力の育成あるいは言語力の育成というのは、現行の評価の観点である「思考・判断」あるいは「情報活用」と深く関わっているので、現行通りでお願いしたい。
- 「国語力」「言語力」とあるが「日本語力」とし、例えば俳句や短歌、侘び・寂び、平仮名と片仮名など表現手段・内容ともに豊かな日本語のもつ「良さ」ないし特徴を示すべき。
- 理科の言語は数学であって、数学で如何に自然現象を描写・表現するかということであることに配慮すべき。
- 子どもたちが真剣に表現でき、十分に発言できる環境をつくらないとコミュニケーションの手段としての言語力は身につかない。また、「手段」である言語力の育成とともにコミュニケーションの要素となる「内容」を伴わせないといけない。
- これからの子どもたちは日本語と英語との関係を意識せざるを得ないので、従来の国語という前に、ロジックを伝えられる、いわば「語術」を教えることが必要。