資料4 平成15年度小・中学校教育課程実施状況調査結果の概要(言語力関係部分抜粋)

国語

(5)分析の主な特色

ペーパーテスト調査

話すこと・聞くこと
  • 新たに領域として設けた「話すこと・聞くこと」については,小学校では,目的や相手などの具体的な場面に応じ,立場を明らかにして自分の考えを述べる問題で設定通過率を下回った。
  • 中学校では,話の内容を聞きとる問題では前回調査の通過率を上回ったが,インタビューの様子を聞いて,話し方の工夫を答える問題では,設定通過率を下回った。
書くこと
  • 小学校では,取材・構成に関する問題について前回調査の通過率を上回ったが,設定した条件に即して書くことや,自分の考えを明確にして内容を構成する問題では設定通過率を下回った。
  • 小・中学校ともに,記述式,特に資料を使って自分の意見を記述する問題は,前回調査の通過率を下回った。中学校では,無解答率も高い。
  • 中学校では,具体的な条件を示されて書く問題の通過率が低く,文頭や文末を指定して文章を書き直す,推敲に関する問題では設定通過率を下回った。
  • OECD/PISA調査において,自分の考えを明確に書く熟考・評価の課題が指摘されたが,小学校では,自分の考えを付け足しながら記述する問題などで設定通過率を下回った。
読むこと
  • 文学的な文章を読むことについては,小学校では,登場人物の心情把握や感想に関する問題や,あらすじや内容をとらえる問題では設定通過率を上回ったが,表現の特徴を問う問題では設定通過率を下回った。
  • 中学校では,自然や人物の描写に注意して読み味わう問題において前回調査の通過率を下回った。
  • 説明的な文章を読むことについては,OECD/PISA調査において,文章や資料についての解釈や,解釈を踏まえての自分の考えの構築についての課題が指摘されたが,小学校では,内容がどの段落に当てはまるか選ぶ問題で設定通過率を下回ったほか,引用したり大事なことばを使って表現する問題において,自分の経験のみを記述する傾向が見られるなど,国際調査と同様の傾向が見られた。
  • 中学校では,段落の要点や筆者の考えをとらえる問題では設定通過率を上回ったが,全体とのかかわりで部分を正確に読み取る問題や,文章の内容を理解した上で適切に要約する問題では,設定通過率を下回った。
言語事項
  • 現行の学習指導要領では,小学校では,漢字を書くことについて,配当学年の次の学年で定着を図るようにしており,当該学年で設定通過率を下回る問題も見られたが,配当学年の次の学年では通過率が高い。漢字を読むことは,設定通過率を上回った。
  • 中学校では,文脈に即して漢字を正しく読んだり書いたりする問題では設定通過率を上回ったが,文脈に即して語句や語彙を正しく使う問題では設定通過率を下回る問題があった。

質問紙調査

  • 「国語を勉強すれば,私は,お互いの思いや考えをうまく伝え合うことができるようになる」と回答した児童生徒の割合が上昇した。
  • 前回調査と同様に,文学的な文章や説明的な文章を読むことについて,教師と児童生徒の意識のずれがみられた。
  • 小学校では,「自分の考えや調べたことを発表すること」は楽しいと感じている。

(6)指導上の改善点

小・中学校を通して,「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」[言語事項]の領域の特性を生かしながら,言語活動を活発にし,学習指導要領の趣旨を踏まえ,国語の力を調和的に育てていくことが必要。

小学校

自分の立場や考えを明確にする言語活動の充実

 普段から筆者の問題提起や主張,文章や資料にあらわれているものの見方や考え方に応じて,自分の立場や考え・意見を明確にしながら,聞いたり読んだりする言語活動を多く経験させるようにする必要。また,意見や考えを深めたり高めるために,自分の生活経験や知識と結びつけたり,他の人の立場や考えとの違いを意識して,自分の考えをまとめる言語活動を日常的に行う必要。

目的や相手に応じた言語活動の充実

 多様な表現様式に応じて言語活動を行う必要があり,できる限りこのような現実的な場面に即した目的や相手を設定した言語活動の場を工夫することや,活用する表現様式の一連の活動に応じて具体化する能力を育成する言語活動を行う必要。

決められた条件に応じた言語活動の充実

 自由に考えを巡らすことに加え,厳しい制限や決められた条件を提示し,様々に応じる言語活動を数多く経験させるようにする必要がある。多様な文章や資料を取り上げたり,課題や題材も広げて実際に短時間で簡潔に話したり書いたりするなど,条件に応じる力を高めるようにする必要。制限や条件に応じた優れたモデルを示したり,発表原稿や下書きなどを条件に合わせて推敲したり評価したりする活動を学習過程に繰り返し位置付け,意識化を図ったり完成度を高めるように工夫したりする必要。

表現の方法や工夫を評価する言語活動の充実

 各種の表現様式の特徴について,必要な知識を実例を通して理解させ,目的や相手や場面に応じて,実際の表現の工夫を見つけたり,その妥当性を検討したりするなど,評価しながら読む活動を行う必要。また自分でも効果を考えて工夫しながら話したり書いたりする言語活動を行う必要。

中学校

説得力のある表現の仕方に工夫して話したり,聞いたりする指導の充実

 話の内容を的確に聞き取ることに加えて,話の内容や意図にふさわしい語句の選択や文の効果的な使い方に注意して聞き取らせる指導が必要。話し手が用いた語句や文の工夫に注して聞かせ,その良さを述べ合ったり,自らの話に役立てて話させる指導の工夫が必要。

書いた文章を相手や目的に応じて推敲し,適切に自分の意図を表現させる指導の充実

 書いた文章を相手や目的に応じて,伝えようとする内容が正しく伝わるかどうかを検討し,自分の主張したいことを筋道立てた論理的な文章や,読み手にとってわかりやすい文章にしていく指導が必要。その際,書いた文章を互いに読み合う「評価・批評」の学習との関連を図ったり,文法などの言語事項の指導や,辞書を引く習慣を身に付けさせたりすることも重要。

表現の意図や効果について考え,自分の意見や感想をもたせる指導の充実

 文章中の語句や表現を具体的に取り上げて吟味したり味わったりするとともに,文章全体を読むことと関連付けてとらえていくような指導が必要。その際,語彙を豊かにする指導との関連を図りながら,自分の思いや考えを的確に表現させるようにしていくことが必要。さらに,自分の読みを深めたり確かめるため,意見や感想の発表だけでなく,生徒同士の話し合い等の交流場面を設けることが大切。
 また,文学的な文章については,文章中の言葉や表現を十分に吟味したり味わったりして,文章全体の読みに関連づける指導が必要。

文章の構成や展開に即して,内容を要約して理解させる指導の充実

 文章全体を大きく捉えてから細部を詳しく読ませたり,全体の論理の展開とのかかわりの中で細部を詳しく読ませたりするなど,文章の特徴に応じて指導法を工夫することが必要。その際,「話すこと・聞くこと」や「書くこと」との関連を図りながら,相手にわかりやすく伝えるなどの相手意識・目的意識をもたせた指導が大切。

社会

(5)分析の主な特色

ペーパーテスト調査

小学校
  • 「我が国の農業や水産業」のうち,主な食料生産物の分布では,出題したすべての問題の通過率が設定通過率と同程度以上であったが,統計資料や分布図を読み取ったり相互に関連付けたりする問題などで前回の通過率を下回った。
中学校
  • 「地域の規模に応じた調査」における様々な課題についての調べ方や設定の仕方に関する問題,資料の読み取りに関する問題では,設定通過率を上回る又は同程度のものが多く,現行学習指導要領で重視している調べ学習の成果が表れたと考えられる。
  • 歴史的分野では,資料から読み取ったことを自分の言葉で説明するなど,「資料活用の技能・表現」にかかわる問題では,設定通過率を上回るものが多く,資料を活用した主体的な学習の成果が表れていると考えられる。
  • 公民的分野では,新設された「現代日本の歩みと私たちの生活」について,地理的分野と歴史的分野の学習の成果を生かすことができていないとともに,資料の用い方など追究の仕方が十分に身に付いていないと考えられる。また,政治や経済の基本的な概念が十分に身に付いていない状況がみられる。

質問紙調査

小学校
  • 教師質問紙調査では,前回に比べ,コンピュータや学校図書館を活用している教師の割合が増えたが,観察や調査・見学,体験を取り入れた授業や地域にある施設を活用した授業を行っている教師の割合が減少した。
中学校
  • 地理的分野において,調べ学習に対する生徒の意識については,「きらいだった」と回答した割合が,「好きだった」の割合を上回った。

(6)指導上の改善点

 学習指導要領の趣旨を踏まえ,社会的事象に関する基本的な知識や概念を確実に身に付けるとともに,諸資料を活用し,学び方や調べ方の学習,作業的,体験的な学習や問題解決的な学習など児童生徒の主体的な学習を一層重視することが必要。

小学校

国土の構成や地形や気候の特色を理解し定着させる指導の工夫

 地図帳を活用し,調べて確かめたことを白地図にまとめるなどの作業的な活動を工夫し,我が国の国土の地理的環境や都道府県の構成に対する理解を深め,知識の定着を図る指導を充実することが必要。

統計資料などを確実に読み取ったり,複数の資料を関連付けて活用する力を育てる指導の充実

 基礎的・基本的事項を一層明確にして指導計画に位置付け,統計資料分布図の確実な読み取り,複数の資料を相互に関連付けた活用などを重視し,調べたことから考え,表現する力を育てる学習指導の更なる充実を図ることが必要。

中学校

追究の仕方を身に付けさせる学習,見方や考え方を形成する基本的な概念を身に付けさせる学習指導の工夫

 公民的分野では,資料の用い方など追究の仕方を身に付けさせるため,具体的な学習課題を設定し,追究計画を作成し,その妥当性について話し合わせるような,学び方や追究の仕方を学習内容そのものにした指導の工夫が必要。
 また,政治や経済の基本的な概念は抽象的であるため,抽象的な概念に対応した具体的な事例を教材化して追究させる指導の工夫が必要。
 さらに,地理的分野と歴史的分野の学習の成果を生かし,両分野で育成された関係をとらえる力や比較を通して特色を見いだす力を発揮させる必要。

グラフなどの資料を読み取り,表現させる学習指導の工夫

 データを基にグラフを作成させ,データとグラフとの関係を確認させたり,題名を考えさせたり,生徒の興味を喚起させる指導の工夫が必要。また,課題を追究して得た自分の結論の根拠を資料から引き出させてレポートにまとめ,発表させたり,様々な機会を設けて表現させる指導の工夫が必要。

生徒が意欲を高め,成就感を得られる調べ学習の工夫

 生徒質問紙調査では,調べ学習に対する生徒の意識は,否定的な回答の割合が肯定的な回答の割合を上回ったことから,生徒の興味・関心を喚起した適切な課題を設定したり,調査結果を発表し合って調べた事柄を関連付けたりして,調べ学習に意欲的に取り組み,成就感を得られる指導の工夫が必要。

算数,数学

(5)分析の主な特色

ペーパーテスト調査

小学校
  • 「数と計算」では,計算技能の問題の通過率を見ると,設定通過率と同程度以上と考えられるものが多い。前回との同一問題についても,前回より有意に上回っているものが多い。その一方で,分数の除法の式を作る問題(6年)など,計算の意味理解に関わる問題では,設定通過率を下回る問題があるなど課題が見られる。
  • 「量と測定」では,第5学年において,通過率が設定通過率と同程度以上と考えられる問題数が半数未満となっており,良好とは言えない状況である。例えば,面積の求め方を活用する問題の多くで,通過率が設定通過率を下回った。
  • 前回調査で課題となった面積を求める問題(5年)について,今回は,三角形や円の面積を求める同一問題では設定通過率を下回ったものの,前回の通過率を有意に上回る(三角形の面積)か同程度(円の面積)であった。また,面積を求めるための式と答えの両方を解答する問題での通過率は,答えのみを解答する問題より高い傾向にある。
  • 「図形」では,第5学年において,円周率の意味や活用に関する問題の通過率が,設定通過率を下回った。第6学年では,全ての問題の通過率が,設定通過率と同程度以上と考えられるが,三角柱や円柱に関する同一問題での通過率が,前回より下回った。
  • 「数量関係」では,第5学年において,通過率が設定通過率と同程度以上と考えられる問題数が半数未満となっており,良好とは言えない状況である。例えば,四則計算の性質に関する問題や百分率に関する問題での通過率が,設定通過率を下回った。第6学年では,すべての問題の通過率が,設定通過率と同程度以上と考えられる。
  • 評価の観点別に見ると,第5学年の「数学的な考え方」において,数量の関係の規則性をとらえて式に表現したり解決したりする問題での通過率が設定通過率を下回ったり,前回より有意に下回るなど,課題が見られる。
中学校
  • 同一問題において,単純に計算する問題では,前回を有意に上回っているものが多い。その一方で,数量を文字を用いて表現したり,式を読んだりするといった数や文字式の意味の理解の問題,関係の理解の問題では前回を有意に下回っている問題が多い。
  • 数と式では,計算技能の問題について,加法と乗法の混合算,分数の加法計算の通過率が前回を有意に上回った一方,整数と分数の除法計算の通過率は前回を有意に下回った。
  • 「文字式による証明」,「方程式の利用」,「方程式の解の意味」の問題については,設定通過率を下回ると考えられる問題が多く,通過率が低い。
  • 図形では,第1学年の「角柱,円錐などの表面積と体積を求めること」の通過率は設定通過率を下回ると考えられるが,作図問題では設定通過率を上回ると考えられる。第2,第3学年の証明に関わる問題では,設定通過率を下回ると考えられる。
  • 数量関係では,第1学年の「反比例に関する問題」の通過率が低く,第2学年でもこの領域が低くなっている。質問紙の結果では,生徒も教師も否定的な回答が多い。
  • 小学校から移行された合同の問題,比例の関係を選ぶ問題は,設定通過率を上回っているまたは同程度である。中学校第3学年から第2学年に移行された確率の意味の問題は前回を有意に下回った。
  • 学習指導要領で重視している「論理的に考える力」については,事象の正誤を判断し,その理由を記述する問題において設定通過率を下回ると考えられる。さらに「実生活と数学との関連」について,数学の学習内容が数学や他の教科等の学習にとってどんなよさがあるのかなどを把握する「よさを答える問題」では設定通過率を下回ると考えられ,無解答の反応率も高い。
  • 記述式の問題で,第1学年の作図の問題,第2学年の平行線に補助線を引く問題などでは通過率が高かった。一方,記述式の問題のうち,自分の考えを書く問題の通過率は全般的に低い。また,記述式の問題では無解答の反応率が高い。
  • 国際調査において指摘された「基礎的・基本的な計算技能の定着」について,本調査では低下傾向は見られないが,「計算の意味理解などについての定着」,「数学的に解釈する力や表現する力」,「実生活と数学との関連」などの指導に課題がある。

(6)指導上の改善点

 小・中学校を通して,数量や図形についての基礎的・基本的な知識・技能を習得し,多面的にものをみる力や論理的に考える力を培うために,学習指導要領の趣旨を踏まえ,実生活における事象と関連を図りながら,数学(算数)的活動に取り組んでいくことが必要。

小学校

数学的な考え方を読みとる力や表現する力を高める指導の工夫

 子ども同士での学びあいの活動を取り入れるなど,ある場面における算数の意味を解釈し話し合ったり,他の子どもの考え方や説明を聞いて理解したり,自分の考えを表現したりする力を育てる工夫が大切。その際,根拠を明らかにしながら,筋道を立てて考えたり表現したりする力を育てることが必要。

中学校

数と式,式についての意味理解の定着

 計算処理の実現状況に比べて,計算の意味を問う問題は十分とはいえず,基礎基本の重視の観点からも,計算技能を高めるだけではなく,意味理解を伴った計算能力の伸長を目指すことが必要である。
 計算技能の定着のために反復練習で終わるのではなく,文字式で表したり,文字式が表す意味を読み取ったり,事柄が成り立つことを文字や文字式を使って説明する活動を重視し,文字や文字式の有用性を味わいながら学習を進めていく指導が大切である。

推論の過程を的確に表現する能力の育成

 自分の考えたことを他の人にどのように表現するかなどを指導することが必要であり,「公式や図形の性質が生み出される課程で利用した数学的な見方や考え方,既習の知識の重要性を意識させる」「証明の意義についての理解を図り,演繹的な方法の必要性をもたせる」,「三平方の定理の意味やその証明方法について,多面的にとらえることができるようにする」などの指導が必要である。

理科

(6)指導上の改善点

 小・中学校を通して,科学的な見方や考え方を培うために,学習指導要領の趣旨を踏まえ,自然体験や日常生活と関連を図った学習を重視し,観察,実験を通して,問題解決の能力や多面的・総合的な見方を培う指導を充実していくことが必要。

小学校

意味付け・関係付けを明確にした指導の充実

 図鑑や資料等を活用した調べ学習的な扱いが多くなり,対象の名称や結果の知識を覚えることが中心にならないよう,原因と結果の関係性や変化の時系列的な意味付けの意識をもたせ,児童が総合的に実感を伴った理解を図れるような指導を重視することが大切。「血液の循環」の学習では,人や動物の血液の循環の模式図や写真,映像やコンピュータ,立体的な模型やモデルなども積極的に導入し,3次元の体内を循環している血液の様子を豊かなイメージで理解が図れるような指導の工夫が大切。

中学校

実験に基づく科学的な思考を深める指導の工夫

 生徒が実験の具体的な操作を通して獲得する知識を科学的なものの見方へとつなげていくために,実験で着目するポイントを具体的に提示し,目的意識をもって実験を進めていく指導の工夫が大切。同時に,考察の段階で疑問が生じたときの解決や規則性としてまとめた内容を確認するため,演示実験でもよいから再度実験を行い,問題の解決や規則性を確認することが大切。
 また,自分の考えを予想させ,それを確かめる実験を積み上げ,実験の結果だけでなく,途中経過や対照実験の設定などを生かした指導の工夫が重要。
 視覚的にとらえにくい現象の考察については,図,写真,ビデオやシミュレーションだけで終わらせるのではなく,モデル実験を工夫し,実体を伴った学習を展開し,思考場面を重視することが大切。

英語

(5)分析の主な特色

ペーパーテスト調査

聞くこと
  • 所有代名詞や否定文で応えること,文形式ではなく内容に応じて応える問題,申し出や依頼に対する応答などは,定着が十分ではないと考えられる。
  • 前置詞の意味や後置修飾の意味のとらえ方,不定詞の理解,多くの情報を整理して理解することには課題があると考えられる。
読むこと
  • 第3学年では設定通過率を上回るまたは同程度と考えられる問題数の合計が半数未満であった。特に,前置詞の理解,連語の意味,いくつかの情報を整理して正確に内容を読みとることなどにおいて課題がある。
  • 「概要・要点理解問題」では,書かれた情報を整理して,発話の意図をとらえる問題は,前回の同一問題の通過率を下回った。
書くこと
  • 「トピック指定問題」では,まとまった内容の文章を書くことが弱く,通過率が設定通過率を下回った。be動詞と一般動詞の併用や,代名詞の変化ができていない誤答が目立つとともに,無解答率が高い。

(6)指導上の改善点

 実践的なコミュニケーション能力の育成のため,学習指導要領の趣旨を踏まえ,基礎的・基本的な内容の指導を十分に行うとともに,言語の使用場面や言語の働きを意識した指導を充実していくことが必要。

  • 「聞くこと」については,「応答問題」の分析結果から,全学年を通して,相手の意向を汲んで,適切な場面・状況設定のもとでの聞き取りとそれに対する応答の練習を行うこと,問いかけに関連した多様な表現に習熟させることが必要。
  • 「読むこと」については,第1,2学年の「談話構造理解問題」の分析結果から,ある程度まとまった英文を読んで文章の流れをつかんだり,具体的な使用場面を設定した言語活動を通じて,書き手の意向に注目させることが求められる。第2,3学年の「詳細理解問題」の分析結果から,全体から部分への読み取り等,読み取りの方法を指導することが必要。
  • 「書くこと」については,「トピック指定問題」の分析結果から,全3学年を通して,さまざまなトピックを与え,まとまった文章を書く練習が求められると共に,英文の正確さだけでなく,話題の一貫性を意識させる指導が必要である。また,「文構造問題」の分析結果から,語句のまとまりや修飾の仕方などを含めた文構造の指導や,語彙や慣用表現,文型などの練習を十分に行う必要。

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