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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等 > 全国的な学力調査の実施方法等に関する専門家検討会議 > (第1回)配布資料 > 参考資料7



参考資料7


諸外国における学力調査について


1.   イギリス
  ナショナルカリキュラムにおいては一定の学年における学習到達目標が設定されており、この達成状況を図るために全国学力テスト(Key Stage Test)を1991年から段階的に実施
  <対象学年・児童生徒>
  対象学年は、第2学年、第6学年、第9学年の全員(義務教育は5歳から16歳の12年間)(ただし、ウェールズでは、第2学年のテストは2001年に廃止しており、第6学年、第9学年のテストも2005年から順次学校の選択とする予定)
  <対象教科>
  英語、算数・数学、科学
  <問題内容>
  対象学年毎に、複数の到達レベルにまたがる問題(教科によっては2種類)を用意
  思考力を問うための記述式の形式による問題も含む
  <結果の取扱い>
  イングランドでは、インターネットで全体の状況などを公表、学校毎の結果については、Ofstedが定期的(数年毎)な学校評価を通じ全ての学校の結果を公表
  地方行政組織は、調査結果を踏まえ各学校を支援
  保護者や児童生徒へのフィードバックについては、各学校・教員が児童生徒毎にテストの成績を文書化したものを学期末に保護者に提供
  <実施方法>
  問題作成については、全国学力テストはQCA(資格カリキュラム機構:英国教育技能省の外郭団体)が自ら作成、中学卒業時(中学5学年)に対するテスト(GCSE:中等教育終了資格試験)はQCAにより承認された民間企業が作成
  採点は民間企業に認定された教員が実施


2.   ドイツ(ノルトライン・ヴェストファーレン州)
  PISAの調査結果を受けて、各学校の弱いところを分析し、教育の改善を支援することを目的に、新たに州レベルの児童の学習を評価する学習テストを2004年に導入
  <対象学年・児童生徒>
  対象学年は、第4学年、第9学年の全員(義務教育は6歳から15歳までの9年間、一部の州では10年間)
  <対象教科>
  ドイツ語、数学、英語(英語は第9学年のみ)
  <問題内容>
  思考力を問うための記述式等の形式による問題も実施)
  <結果の取扱い>
  学校教員には結果を提供するが、序列化排除のため一般に公表することはしない
  <実施方法>
  州の教育省が大学と協力して問題を作成(第4学年の問題は7の州と共同で作成)
  評価問題については試験終了後、ネット上で公開


3.   アメリカ
  【連邦政府】
  各教科における成果、指導経験、児童生徒規模(全体および男女別など)などの学校環境などと学力との関係などを継続的に評価することにより、教育施策の基礎情報を得るためのプログラムとして、1969年より長期的に実施
  また、そのプログラムの一つとして、NCLB法(「落ちこぼれをつくらない初等中等教育法」として2001年に制定)に基づいて各州を評価する学力テスト新たに実施
  <対象学年・児童生徒>
  対象学年は、第4学年、第8学年(全ての州を対象に隔年で実施)(義務教育は6又は7歳から16歳前後まで(各州で異なる))
  抽出(公立学校の児童生徒の約1%)
  <対象教科>
  英語(読み)、数学は隔年(連邦政府は特定補助金の交付と連動させ各州に実質義務化)
  科学、英語(書き)は4年毎(補助金交付の要件となっていない)
  地理、米国史、経済などその他の教科は、全米を対象として計画的に実施
  <問題の内容>
  各学年段階の教育水準に即した問題(一部の問題は各学年共通に出題)
  思考力を問うための記述式等の形式による回答も実施
  <結果の取扱い>
  全国、州、特定の都市毎に公表
  各学校・児童生徒には学校単位・個人単位の結果がフィードバックされない
  <実施方法>
  外部の有識者から構成される管理運営委員会が調査の枠組みを決定
  連邦教育省の意向に基づき、NCES(国立教育統計センター)がETS(民間業者)と契約の上、問題作成、採点、集計等の事務を実施
 
  【州レベル】
  NCLB法では、各州に対して、学習内容の基準と児童生徒の学力到達基準を定めるとともに2005年までに全児童生徒を対象とした学力テストの実施と公開を義務化(これに必要な経費は連邦政府より補助金を交付)しており、これに基づいて各州が学力テストを実施
  <対象学年・児童生徒>
  公立学校の第3学年から第8学年までの各学年全員(私立学校は希望校のみ実施)
  <対象教科>
  英語、数学、科学(2007年以降)
  <問題の内容>
  各州が設定する教科別の到達目標に即した問題
  思考力を問うための記述式等の形式による回答も実施(カルフォルニア州は選択式のみ)
  <結果の取扱い>
  州全体の成績、各学校単位、生徒集団単位(マイノリティ・英語を母国語としない児童生徒等)毎に公表
  <実施方法>
  多くの州は民間企業(教科書出版会社等)に委託


4.   フランス
  個々の児童生徒の学習でのつまずきを正確に把握するとともに各校における指導改善に役立てるため、1989年に導入
  <対象学年・児童生徒>
  対象学年は、第3学年、第6学年の全員(他の学年でも実施する年もある)(義務教育は6歳から16歳の11年間)
  <対象教科>
  フランス語、数学
  <問題内容>
  国が設定する教科別の到達目標に即した問題
  思考力を問うための記述式等の形式による問題も実施
  <結果の取扱い>
  全国的な状況を公表
  国は学校へ調査結果をフィードバックするとともに、学校は児童生徒本人や保護者などに結果を通知
  <実施方法>
  国が作成した問題を各学校で採点(国がサンプルを抽出して問題毎に分析・集計)


5.   フィンランド
  1994年以降、教育課程の基準の大綱化などにあわせて教育活動に対する評価活動が重視されるようになり、評価における指標のひとつとして児童生徒の学力状況を把握する観点から全国規模の学力調査を実施
  <対象学年・児童生徒>
  対象学年は、第9学年(義務教育は7歳から16歳までの9年間)
  抽出(全国から5〜10%)
  <対象教科>
  国語、数学
  <問題内容>
  広義での学び方を学ぶ技能の開発、学ぶ意欲、幅広いコミュニケーション技能の育成を評価する問題
  必要に応じて、特定教科に関する評価や科目横断的な評価の問題
  <結果の取扱い>
  出版や報告などの形で、学校や個人が特定できないよう配慮して公表
  学校や教員に対しては結果が通知されるが、子どもやその保護者に対するフィードバックは行われない
  <実施方法>
  国家教育委員会が、調査の実施、結果の分析と公表を行う


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