人権教育の指導方法等に関する調査研究会議(第19回) 議事要旨

1.日時

平成17年9月12日(月曜日) 10時~12時20分

2.場所

ホテルフロラシオン青山 1階 「はごろも」

3.議題

  1. 「第2次とりまとめ」についての全体での議論
  2. その他

4.出席者

委員

 福田座長、有村委員、伊藤委員、梅野委員、岡田委員、神山委員、小島委員、菅原委員、志水委員、塩 委員、森委員、山田委員

5.議事要旨

 (●:委員、△:事務局)

第1節について

福田座長・提案

  1. P6の「どうしても」は必要ないのではないか。削除した方がよい。
  2. P7の「呼ばれている」は「考える、考えられる」の方がよい。

  1. については、削除する。
  2. については、「-である」のように断定にする。

  1. 「-である」に文末を治すと、助詞が「が」に変わる。
  2. 「どうしても」という言葉を取ると、ここも助詞が変わってくるのではないか。

△ 文言修正については事務局で行う。中身についての話し合いにして欲しい。

● P7の図のこと話す。
 図の中の「価値・態度的側面」の具体例を書いて欲しい。

● 同じように図の中に具体例を入れたほうが分かりやすいと思う。

● 今の方向で修正する。

● 人権教育を敢えて4つに分類する重要性、必要性がないように思う。よく分からない。

● 多くは「-についての教育」になてしまっている。本当は体を使って学習する必要がある。そうでなければ技能とか感覚というものは身につかない。座学が多い。
 だからこそ、「FOR -のために」が必要になる。

● 立体的に学習を進めるというのは分かった。
 しかし、「人権のための教育」という言葉がとても気になる。

● この言葉は奈良県、滋賀県などでは一般的になっている。立体的に体系的に進めるという意味でこれでよいと思う。また、このことで定着することも考えられる。

● 人権教育は頭だけではだめである。そう考えるとこの4つがあり、そのかかわり、ねらうところが分かるようにする必要がある。次回までに詳細に記述してくるということでいいか。
 ここで注を書くのもあるが、ごちゃごちゃすると読んでもらえないので後に注として載せたい。

  1. P8の所に「次のような基本的な考え方を提示したい」と書いてあると、目標と人権感覚の育成だけが考え方のように思われるのでもう少し文を足した方がよい。
  2. 「人権の本質」は、どういう言葉がよいのか。「認識」「理解」なのか検討して欲しい。

  1. P7の図で/(スラッシュ)はやめてどちらかにした方がよい。

● P7の図とP26の図の整合性をもっともたせて欲しい。
 例えば、P7の図を見ると「人権のための教育」で人権感覚が育成されるのかと悩むと思う。そして、P26の図を見ると「価値・態度的側面」が一番上に位置づいていて、これが目指すところのようにも見える。従ってこの2つの図の整合性を検討して欲しい。

● 今回のとりまとめの重要な内容の一つに人権教育の3つの側面である知識的側面、価値・態度的側面、技能的側面がある。
 しかし、その内容が「例えば」で書かれている。これでは例示になってしまう。もっと重要であるとはっきり書いた方がよい。この3つを前面に出した書きぶりにした方がよい。

● われわれが何が基本とするのかを決めて、きちんと伝えなくてはいけない。
 この3つの側面はこの会議の中心として出していくということでいいか。

● P7の図で「人権としての教育」というのが一番外側にあると、これが上位概念であり、包括概念であるように思われる。本来は一番最初の最低条件になるはずだと思う。この図の表し方を検討して欲しい。

● P8の「人権実現のための」という言葉をとった方がよい。感覚、意識、行動の方がすっきりして分かりやすいと思う。

● 自分の人権だけでなく他の人の人権も守る、アクションにつながるような行動ということでつけた。何かよい表現はないか。

● 自分の人権を守り他の人の人権も守るような実践行動としたらどうか。

● 今の文章とP26の図を合うようにした方がよい。

● 「隠れたカリキュラム」という言葉は、一人歩きしないようにもっと抽象的な言葉にした方がよいのではないか。

● 「効果のある学校」は大切な問題であるので、これが出てきた背景とかもう少し説明を加えて欲しい。

  1. 学習指導要領の位置づけがおかしい。
     P35,36全教科を強調している。だから、われわれはこういう提案をした。そして学習指導要領ではこうのような記述になっている、という説明のしかたのほうがよい
  2. 案では実例があって、説明になっているが、文章でまとめて書き表した方が固定観念を呼ばないのでよい。例えば、教科等全体でやっていく、また教科でいろいろな取り上げ方もできる、というような表現ではどうか。

● 幼稚園は人間関係の記述に特化しているので、他の領域も位置づけて欲しい。

● 「効果のある学校」の出典先を具体的に記述して欲しい。
 総合的な学習の時間の記述もできるならば付け加えて欲しい。

● 学習環境の重要性が表現されている。その集大成が「効果のある学校」だと思う。その学習環境の記述と他の記述の比重のバランスが悪い。

● 環境の問題は第一次でも強調してきた。また、指導体制に中でもこのことについては含まれているのでバランス的には問題はないと考える。今後の環境の大切さはますます強調していくことが必要である。

● 内容がばらばらで重複しているので、もう少し整理して欲しい。

● 資料の挿入について話す。

  1. 豊かな人権感覚11年のデザインというのは、幼保小の連携のところ、P23のところに入れて欲しい。
  2. 資料2は表だけをP16にところへ入れて欲しい。
  3. 道徳と総合学習の関連は、P11のところへ入れて欲しい。
  4. チェックポイントはP13の後に参考例としていれて欲しい。

● 分量の問題である。1W・Gの部分は前段の内容であり量を少なくして欲しい。
 特にアンケートの内容を精選する必要がある。

● 2のところへ入れることのできる内容は2へ入れるということで対応したい。

  1. P21のところは関係機関との連携という内容で、なせ「イ参加体験型学習」が入っているのか。変えた方がよい。
  2. 啓蒙という言葉はここでは適当ではない。

● この内容はP23の(5)で大学機関との協力といった内容でこの部分へ入れることができる。
 また、ここにある表は参考例という形で示したい。

● P15のところで、「人権教育推進計画」という言葉がある。また、第3W・Gのところでは全体研究計画、年間指導計画といろいろな言葉がででくる。これを整理した方がよい。

● 大阪では全体計画と年間計画、研修の計画などを全部括って推進計画と読んでいる。少し調整したい。

● 保育園という言葉使わないで。全部保育所にして欲しい。

● 指導法の例として心理療法的手法がでているが、適切な活用のされ方がなされているか分からないので、具体名を挙げない方がよい。

第2節について

座長・提案

● P32は抽象度が高く、すぐには実践にむすびつけることができない。検討して欲しい。

  1. 2節のところは、大筋では参考例を増やすということで進めていくことでよい。
     1と3で重複するところは精査していく。
  2. P29の2の後に(1)が入る。そして、アが(2)になる。四角の中のアは1になる。少し構成を変えていきたい。
  3. 効果的な学習教材にも参考例がないので入れたい。

  1. 別々に記述してある文章で関連しているな内容があれば、それを説明した文章を入れるべきだと思う。
  2. P12にある学習指導内容をP27の「知的側面に焦点を当てたプログラム」とい内容のところに位置付けた方が分かりやすい。

  1. 指導方法に対して、学習教材の内容があまりに少なすぎるので、増やした方がよい。
  2. 具体的な場面でも人権教育を推進していく。それには指導要録の公正公平とか生命の尊重などとの観点との関連を触れてあげることも必要ではないか。それによってつながりが明確になる。

  1. 内容を規定するのは危険である。
     そこで、内容にはいろいろあるが、最低限備えねければならない要件を入れればよいということが大切になる。
     指導方法には要件が示されている。自主性、発達段階、体験という3つの要件があればよいとなっている。従って、内容を要件という観点から再検討すればよいと思う。
  2. 国からの文章は、強制力がある。だから、方法については学校に任す部分がないといけない。学校においては創意工夫によって取り組んでください、というような文言を入れて欲しい。

● 文部科学省の例示で、これでいいんだという安易な考えが広がらないようにして欲しい。
 例えば、道徳の時間に世界人権宣言を使うという例示はその危険がある。

● それを防ぐのは教育委員会の仕事である。あくまでも教科にはそのねらいがあるのだから、それを達成できるように指導しなくてはいけない。

  1. 参加的な学習は盛んだが、深まりに欠けるという批判がある。体験をして話し合うだけではいけない。そこに然るべき人との出会いとか情報提供を位置づけることが大切である。それで言うと、P29の学習サイクルを可能なら以下のように変えて欲しい。
    • 第2相 報告する から 話し合う(共有し反省すること)
    • 第3相 反省する から 出会い、知ること
       (話し合いの成果を深めるために新しい人や情報の出会う)
  2. P28の最後のところの個人情報のことについてはもっと慎重に扱うべきである。
     例えば「私の妹は障害をもっています。」という作文を書いたとすると、これをP28の叙述の「範囲を確認し、領域を侵すことのないように配慮する」では対応できない。OECDの勧告を基に若干組み立てなおした方がよい。
     個人情報がどの範囲までどのように提供されるかは当事者本人が決められる、という原則がありこれを前にもってくれば整理しやすい。先ほどの作文もその原則で対応できる。
     修正案のBがいいと思う。(「考え」を確認し、その「原則」を侵す事のないように配慮する)

第3節について

● 重複しているところは整理していきたい。

  1. P37のアの諸研修計画を「研修体制確立のための諸計画」にした方が後のとのつながりが明確になる。
  2. P36の人権感覚のチェックリストの内容をマイナスではなく、プラスの表現した方がよい。

● 2.については、全部プラスは無理で、それではインパクトがなくなってしまう。

  ※ 次回の日程について説明後、閉会。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課