人権教育の指導方法等に関する調査研究会議(第15回) 議事要旨

1.日時

平成17年5月16日(月曜日) 10時~12時

2.場所

虎ノ門パストラル 3階 「すずらん」

3.議題

  1. 「第2次とりまとめ」の方向性について
  2. 「第2次とりまとめ」に向けた作業手順等について
  3. ワーキンググループの人選、作業方針及び事例選定方針等について
  4. その他

4.出席者

委員

 福田座長、梅野委員、岡田委員、伊藤委員、神山委員、小島委員、志水委員、菅原委員、林委員、森委員、山田委員、若井委員

文部科学省

 宮川視学官、今泉児童生徒課長補佐、他

5.議事要旨

 事務局から資料について説明の後、議題(1)(2)及び(3)について自由討議を行った。主な内容は以下の通り。

 4つのW・Gにおける議論の中心となるのは、第2節の(3)また第3節の34あたりだと思う。第2次とりまとめの主な読者が教員であることを考えると、学校に関連する内容である様式3がとりまとめの柱となる部分だろう。

 第2W・Gは「関係機関等との連携」ということで法務省関係の機関や法に関わる知識も関わってくるように思うが、人権教育を進める上で基礎となる法律の条文やその趣旨等について触れなくて良いのだろうか。どこにどのように入れるかというのはこれから考えたいところだが、たとえば、名誉毀損罪などを正確に理解している方は必ずしも多くないと思う。

 基礎資料として、関係法令などを掲載するということはあるだろう。

 第1次とりまとめが「中間まとめ」、第2次とりまとめが「最終まとめ」のように考えてよいのだろうか。

 事務局としては、第2次とりまとめを最終と考えているが、委員の皆様方において、第2次とりまとめでは不足している部分があるというのであれば、第3次・第4次ということはある。

 第1次が中間的なもので第2次が最終的なものとすれば、第2次とりまとめでは、人権教育を進めていく上で必要となる基礎的な資料を別冊にして出してはどうか。文部科学省が出したものであれば、学校でも人権教育を進める上でのよりどころとして活用されていくのではないか。

 基礎的な資料というと、学校教育だけではなく社会教育も含むのだろうか。

 もちろん学校教育がメインとなるだろうが、社会教育と重複している部分も多くあるので、基礎資料には社会教育に関係する資料も入るだろう。

 第2節2や第3節2は第3W・G、第4W・Gと重なる部分もあると思うがどのように整理していくのか。また、第2次とりまとめで学校評価のガイドラインも載せるのか、載せる場合、一般的なガイドラインとの整合性をどうするか。

 人権課題について、高齢者や犯罪被害者など個々の人権課題をバランスよく盛り込んでいく必要があり、それらをどうフォローしていくかについて、学校がアレンジして使えるようなまとめ方を考えたい。

 現在、各都道府県において文部科学省による人権教育研究指定校の実践報告などもされている中、国単位で第2次とりまとめをすることの意味づけを考えないといけない。事例については、各都道府県が作成している以上のものをつくらないといけない。国として普遍性を保ち、かつ広がりのある事例をどうモデル化していくのかについて検討していきたい。

 東京都では毎年人権教育プログラムを作成し、また実践事例や条文などの紹介もしている。例えばアイヌなど、地域によって効果の違いがあるだろうと思う。学校において人権課題をすべて網羅して人権教育を進めるという事は現実的に難しい。

 普遍的であるということも大切だが、各地域の先進的な取組を紹介することも大事。

 事例については、提出してもらったものをそのまま使うのか、学校とやりとりして詳細にしたものを使うのか。事例では、特に教育課程上の位置付け、取組のねらいが大切である。冊子が出ても活用されない場合もあるので、どのように活用してもらうかを念頭において作成することが重要。

 第1次とりまとめとの整合性がとれていないといけない。W・Gについては、大きく3つのW・Gに分ければいいのではないか。例えば、第1W・Gと第2W・Gを合併して、マクロ的な概要を扱うグループと、ミクロ的な指導内容方法を扱うグループと、教育委員会の取組を扱うグループにしてはどうか。マクロとミクロで区分して考えると考えやすい。

 第2W・G「関係機関等との連携」をどのような中身にするのかにも寄るだろう。関係機関に法務省、NPO、国連なども含むのならかなり作業が重くなるのでバランスを考えないといけない。もし、地域との連携を想定しての事であれば、第1W・Gと第2W・Gを合わせた方がよい。

 国連10年が終わったので、第2次とりまとめでは国連と国の動きを合わせていく必要がある。また、W・Gごとの連携も重要である。

 第1W・G、第2W・Gの内容は、現場で取り組む際に第3W・Gに劣らず大事だと感じる。個別具体的なものを書くのは大変なので、国としての理念や方針を出した方がよいと感じる。

 第3W・Gについてどうアプローチしていくのかを決めないといけない。どのような記述にするのか。事例の紹介なのか、指導方法や理念をまとめるのか。

 私の認識では、普遍的な理念などは第1次とりまとめで終わり、それを具体化するような事例を集めるという趣旨で第2次とりまとめがあったと思う。優れたケースを最も多くても10例くらいずつ紹介するというイメージになるのではないか。資料4でもある各都道府県からの提出資料だけで記述することは難しいので、再度、教育委員会と連絡をとってさらに踏み込んだ聞き取りをする必要が出てくるかもしれない。

 事例の集め方が一般化する(展開事例)のか、特定化する(実践事例)のかによって違ってくる。

 事例の紹介の方法については、特定化ではなく一般化した形でと考えている。教育委員会とのやりとりについては、この資料4を見て頂き、すぐれた事例と思われるものを選んで頂いた上で、その事例に関する都道府県教育委員会とやりとりすることは可能だろうと思う。ただ、10月に完成させる予定なので時間には限りがある。

 第1次とりまとめで理念的なものを示しているので、第2次とりまとめはそれらを掘り下げていく。

 第3W・Gでは指導方法を学級経営も含めて捉え、第3次とりまとめがないのなら指導方法等についてまとめる際は、教育の土台をなす部分としてきちんと位置付ける必要がある。また、学校教育の中で2の教科がどう関わってくるのか、特に数学や理科など人権との関わりが薄いと思われるような教科でどのように扱っているかという紹介が必要。どの学校でも共通で行う必要のある部分があるので、どこまで共通理解をはかるか、その基準を示せばよいのではないか。

 第3W・Gで話し合う内容について、このような取組はどの教育課程で実施したのかという話になるので、第1W・Gとの関係を考えないといけない。

 事例を紹介する際に、その前の部分の記述をどうするかが問題。第1W・Gの部分で一般的な原則を記述し、さらに第3W・Gで事例を記述する際にも、学校教育全体でやっていくという記述をした上で、具体の教育課程での位置付けに入っていくか。

 事例とともに、打ち出したいポイントや留意する点などを記述という書き方をしてはどうか。第3W・Gにおいては2、3ではなくもっと複数の事例が必要になるだろうと思う。私としては学校への聞き取りもしたいところである。また、事例をどう区分するか。校種別でまとめるのか、事例の内容ごとにまとめるのか。

 今までの議論をまとめると、まず第1W・Gと第2W・GをひとつのW・Gとすること、そして、第3W・Gにおける事例は普遍的なものを選択して、どういう視点をもってほしいのかをしっかりと書くこと。また、理念と乖離しないよう留意すること、第2次とりまとめは最終というよりは現段階ではあくまで第2次として出すイメージであること、となる。

 その他ということで発言したいのだが、基礎資料の中に、世界プログラムの第1フェーズの日本語訳を掲載してもらいたい。

 事例をとりまとめる際には、資料4の都道府県より提出いただいた資料だけでなく、文部科学省がこれまえ収集された事例の提供をお願いしたいと思う。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課