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幼稚園教員の資質向上について-自ら学ぶ幼稚園教員のために-(概要版)

平成14年6月24日
 

(幼稚園教員の資質向上に関する調査研究報告)

<経緯>

文部科学省では、平成13年3月に策定した「幼児教育振興プログラム」において、すべての幼稚園教員が適切な時期に必要な研修に参加する機会を充実することを目標に掲げ、幼稚園教員の資質向上のための条件整備の推進を提言した。
   
これを受け、文部科学省は、平成13年11月より「幼稚園教員の資質向上に関する調査研究協力者会議(座長:無藤  隆  お茶の水女子大学教授)」において調査研究を実施してきた。
   
平成14年6月24日、これまでの会議の成果を踏まえ、協力者会議より別紙の通り報告がなされた。

<報告の要旨>

1.幼稚園を取り巻く環境の変化と幼稚園教員に求められる専門性」では、幼稚園教員の資質向上の意義、環境の変化を背景とした多様なニーズにこたえるために幼稚園教員に求められる資質についてまとめた。

2.幼稚園教員の養成・採用・現職の各段階における課題と展望」では、各段階における資質向上のための基本的視点と課題・展望について整理した。

3.幼稚園教員の資質向上に向けた方策」では、12を受け、1.養成と採用・現職の円滑な接続によるトータルな教員の資質向上、2.専門性の向上、3.幼稚園教育を支える環境の整備  の3つの観点から、幼稚園教員の資質向上に向けた方策を提言した。


「幼稚園教員の資質向上についてー自ら学ぶ幼稚園教員のためにー」
(概要版)


幼稚園教員の資質向上に関する調査研究協力者会議報告


はじめに

  文部科学省では、平成13年3月に策定した「幼児教育振興プログラム」において、すべての幼稚園教員が適切な時期に必要な研修に参加する機会を充実することを目標に掲げ、平成13年11月以降、幼稚園教員の資質向上に関する調査研究を実施した。

  今般、その検討結果をとりまとめ、幼稚園教員が自ら資質の向上に取り組み、国、地方公共団体、関係団体はそれぞれ環境整備に努めることにより、我が国の幼稚園教育の一層の振興と幼児のより豊かな成長に寄与することを期待し、報告を行った。

1 幼稚園を取り巻く環境の変化と幼稚園教員に求められる専門性

1  幼稚園教員の資質向上の意義
  幼稚園教員は、幼児教育における中核的な役割を担っているため、幼稚園教員に優れた人材を得、また、その資質向上を図ることは極めて重要である。
  幼稚園教員自らが資質向上に対して取り組むことが重要であり、また、多くの関係者や関係団体がその取り組みを支援していくこと及びそのための環境の整備を国や地方公共団体が行うことが重要である。


2  幼稚園を取り巻く環境の変化

  幼稚園を取り巻く環境は、少子化、核家族化、都市化、国際化、情報化、女性の社会進出など、急速に変化してきており、これらの変化を背景として、保護者や地域社会の幼稚園に対するニーズが多様化してきている。


3  幼稚園教員に求められる専門性

  幼稚園教員は、幼児を理解し、活動の場面に応じた適切な指導を行う力を持つことが重要であり、さらに、家庭との連携を十分に図りつつ教育を展開する力なども求められている。
  具体的には、幼児を内面から理解し、総合的に指導する力、具体的に保育を構想する力、実践力、得意分野の育成、教員集団の一員としての協働性、特別な教育的配慮を要する幼児に対応する力、小学校や保育所との連携を推進する力、保護者及び地域社会との関係を構築する力、園長など管理職が発揮するリーダーシップ、人権に対する理解などが、教員に求められる専門性として挙げられる。


2  幼稚園教員の養成・採用・現職の各段階における課題と展望

1  養成段階における課題と展望
(基本的視点)
  幼児理解に基づき、遊びを通じて総合的に指導するという幼稚園教員の基盤的な専門性を養成すること
(課題)
教員志望者自身の多様な体験の確保
得意分野の素地の形成
実践力の育成
教員養成のための教育環境の充実
上級免許状の取得
免許状及び資格の併有
幅広い幼稚園教員志望者の確保


2  採用段階における課題と展望

(基本的視点)
幼稚園における年齢、経験及び性別などの職員構成に配慮した採用の工夫を行うこと
(課題)
幅広い能力や経験を持つ者の採用
幼稚園運営の現状に即した採用
人事交流による人材確保
処遇面における配慮


3  現職段階における課題と展望

(基本的視点)
研修の役割を踏まえ、研修の機能や位置付けを明確化して、効果的な研修の展開を図ることが必要であること
研修の目的・目標を明確化し手法を工夫すること
研修だけではなく、あらゆる機会を通じて教員としての資質を向上させていく姿勢・取り組みが重要であること
人事、処遇などの条件整備についても考慮し、総合的に資質向上を推進すること
(課題)
園内研修
園外研修の充実
教職経験に応じた研修の充実
多様なニーズに対応した研修
自主的研修の環境の整備
研修方法の充実
地方公共団体による研修体制の充実
養成機関との連携及びその研修機能の強化
管理職の登用と円滑な登用のための研修


3  幼稚園教員の資質向上に向けた方策

1  養成と採用・現職の円滑な接続によるトータルな教員の資質向上
  養成、採用段階からの実践力を重視する観点から、養成段階において、実践力を重視したカリキュラムにより理論と実践を結び付けること、インターンシップの活用や実践力に着目した採用と試用期間の適切な運用を図ることが考えられる。
  さらに、現職段階では、幼稚園教員にとり適切な10年経験者研修の実施など、経験や年齢に応じた研修を推進し、また、養成機関と幼稚園が連携を強化し、トータルな教員の資質向上を推進することが重要である。


2  専門性の向上

  上級免許状の取得や免許状の併有の促進が重要である。保育公開や専門家の活用による実践力の強化、他園研修や企業やボランティア団体などでの職場研修、教員の表彰制度の活用など研修に対する動機づけなど、専門性の向上を図ることが重要である。
  コンピュータや通信環境など、情報通信技術を活用できる環境の整備が重要である。


3  幼稚園教育を支える環境の整備

  開かれた幼稚園を構築し、自己点検・自己評価を進め、情報を提供するとともに、幼稚園に対する保護者や地域のニーズなどを把握して、的確に対応することは、教員が地域に根ざした幼児教育の担い手としての能力を発揮することにつながる。
  幼児教育に関する研究成果を収集・分類し、広く情報提供し、また、幼児を対象とする様々な分野に関わる学術的な研究と実践を統括する学際的研究センター機能が期待され、教材開発や研修支援の機能も担うことが期待される。

(初等中等教育局幼児教育課幼稚園運営支援室)

-- 登録:平成21年以前 --