平成 ４年３月３１日作成 平成１３年３月３０日改正
文部科学省大臣官房文教施設部
はじめに
学校施設整備指針は，教育内容・教育方法等の多様化への対応など学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために，計画及び設計において必要となる技術的な留意事項を示したものである。「中学校施設整備指針」は，平成３年度に「学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議」における「学校施設整備指針策定について－中学校編－」と題する報告を基に，平成４年３月に文部省（当時）において策定しているが，その後，我が国においては，少子高齢社会への移行，情報通信技術による変革，地球環境保護意識の高まり等様々な変化が生まれている。
このような状況の中，完全学校週５日制の下で，各学校がゆとりのある教育活動を展開し，子どもたちに生きる力をはぐくむことを基本的なねらいとして，教育内容の厳選，道徳教育の充実，国際化・情報化への対応等を図るとともに，各学校の創意工夫ある教育を推進することを基本的視点として，学習指導要領が平成１０年度に改訂され，新教育課程が平成１４年度から完全実施されることとなった。
これら教育内容・教育方法等の変化に対応するためには，新たな観点での施設整備上の対応を図ることが重要であるとともに，平成４年３月の学校施設整備指針策定後の学校を取り巻く社会状況の変化や教育制度等の改革に対応することが必要となっていきている。
また，学校施設の整備の在り方に関しても，文部科学省より各種報告書が取りまとめられている。
今回の改訂は，これらの成果を踏まえるとともに，中高一貫教育校の設置，地域住民等も参画した開かれた学校づくり，地域のコミュニティの拠点としての学校等，２１世紀を迎え，学校の在り方や地域社会の学校への期待，学校像などが大きく変わってきていることを受け，社会状況の変化，教育内容・教育方法等の変化に対応した新しい施設整備の具体的な在り方について検討したものである。
この報告では，総論における学校施設整備の基本的方針，学校施設整備の課題への対応，学校施設整備の基本的留意事項についてできるだけ詳細に提示するとともに，計画及び設計の在り方，更に望ましい整備の方向については，可能な限り具体的に近年の状況の変化を踏まえた改訂について提示している。
この「中学校施設整備指針」は，この提言を基に，平成４年３月策定の「中学校施設整備指針」を改訂したものである。今後，この「中学校施設整備指針」が活用され，設置者等の創意工夫の下に，中学校施設の整備が推進されることを期待している。
また，「中学校施設整備指針」は，学校施設の計画・設計における留意事項をとりまとめたものであるが，既存施設の改修や余裕教室の活用等の際にも本指針を準用し，整備が進められることを期待している。
中学校施設整備指針
目 次
第１章 総則
第１節 学校施設整備の基本的方針
第２節 学校施設整備の課題への対応
第１ 子どもたちの主体的な活動を支援する施設整備
第２ 安全でゆとりと潤いのある施設整備
第３ 地域と連携した施設整備
第３節 学校施設整備の基本的留意事項
第２章 施設計画
第１節 校地計画
第１ 校地環境
第２ 周辺環境
第３ 通学環境
第２節 配置計画
第１ 全体配置
第２ 校舎・屋内運動施設
第３ 屋外運動施設
第４ その他の施設
第３章 平面計画
第１ 基本的事項
第２ 学習関係諸室
第３ 屋内運動施設
第４ 生活・交流空間
第５ 共通空間
第６ クラブハウス（保護者や地域住民との連携協力の場）
第７ 児童生徒地域交流施設
第８ 講堂
第９ 管理関係室
第４章 各室計画
第１ 基本的事項
第２ 学習関係諸室
第３ 屋内運動施設等
第４ 生活・交流空間
第５ 共通空間
第６ クラブハウス（保護者や地域住民との連携協力の場）
第７ 児童生徒地域交流施設
第８ 講堂
第９ 管理関係室
第５章 詳細設計
第１ 基本的事項
第２ 内部仕上げ
第３ 開口部
第４ 外部仕上げ
第５ 学校用家具
第６ その他
第６章 屋外計画
第１ 基本的事項
第２ 屋外運動施設
第３ 屋外教育環境施設
第４ 緑地
第５ その他の屋外施設
第７章 構造設計
第１ 基本的事項
第２ 上部構造
第３ 基礎
第４ その他
第８章 設備設計
第１ 基本的事項
第２ 照明設備
第３ 電力設備
第４ 情報通信設備
第５ 給排水設備
第６ 空気調和設備
第７ 防犯・防災設備
第８ その他の設備